サグラダファミリア
2 :
名前はいらない:2005/07/30(土) 06:04:08 ID:7+Xg7FPj
ザッツ桜田家
2げと
あちゃー
まいっか。
で、ルールその1 :
誰であろうとここでの名前は「サグラダファミリア」とする。
コテハン、「名前はいらない」ほか、「サグラダファミリア」以外のすべてを禁止する。
いまんとこルールはこれだけで。
んじゃ、これで。
って、のっけからルールがいきなりレス番3に来ちまったい。
ま、これもサグラダファミリア的といえなくもなし、
結果的に民度をダイレクトにあらわす属性いきなり作った形、と。
そう考えたらまんざらでもないな。
うん、気に入った。
んじゃ、これで。
ルールその2 :
「サグラダファミリア」+トリップは各自任意でOKとしよう。
んじゃこれで。
↑これでいいのか?
5げと。んじゃ、これで。
7 :
サクラダファミリア:2005/07/30(土) 08:14:57 ID:17TQiR0K
自演
おっとっとっと夏?
ルールその3 :
IDチェンジャーは使用禁止ってかこの板のヤシは知らんか?(baku藁w
いい
良スレの予感////
test
架空請求
spam
薬・詩人
詩人の潰し方
文化
万博・地方博
猿
猿
猿
猿
猿
tEs
精神科病院は、組織体として医の倫理に基き、精神障害者の医療、福祉ならびに保護を行い、社会復帰を促進する。
社会復帰を促進する。社会復帰を促進する。社会復帰を促進する。社会復帰を促進する。社会復帰を促進する。社会復帰を促進する。社会復帰を促進する。社会復帰を促進する。
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入院の準備
11/7(金)
( -_-)むー。今日から入院かー。
S.F.
141 名前:名無しさん@_@ :2005/07/30(土) 08:37:32 ID:Ex37j1J00
あほ
サクラダじゃなくてサグラダね
146 名前:トキオ :2005/07/30(土) 09:07:01 ID:iZ9/RRl7O
待ってたんだわ141ロックオンさせて頂くわ、楽しんじゃうよオマエでLuckyねサンキュ。追い込ませてもらうね
147 名前:アッチョンブリケ! :2005/07/30(土) 09:07:46 ID:+tGf8h8ZO
トキオさんは何歳ですか?
148 名前:名無しさん@_@ :2005/07/30(土) 09:11:50 ID:6wv9mDl50
ロックオンいかす(獏
149 名前:名無しさん@_@ :2005/07/30(土) 09:13:43 ID:6wv9mDl50
トキオ=Vシネ中毒のネット坊42歳で茶髪(獏
150 名前:名無しさん@_@ :2005/07/30(土) 09:19:52 ID:6wv9mDl50
待ってたんだわ141ロックオンさせて頂くわ、楽しんじゃうよオマエでLuckyねサンキュ。追い
追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い
追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い
追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い
追い追い追い追い追い追い追い追い追い追い追いこまこまこまこまこまこ
こま
せてもらうね(獏
152
ずっときみたちがきらいだったよ
精神科病院は、組織体として医の倫理に基き、精神障害者の医療、福祉ならびに保護を行い、社会復帰を促進する。
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26 :
サグラダファミリア:2005/07/30(土) 09:36:09 ID:PFNmvfdR
ageha
27 :
サグラダファミリア ◆LUY6hltmHw :2005/07/30(土) 14:48:05 ID:tnWtQBq7
ジクソーパズル
募集要項 :
詩が好きな方
但し、詩が書けたり描けたりする方ならわりかしパーフェクト
資格 :
要ずば抜けた記憶力
なにかを卒業しても 入学しても
就職しても 退職しても
転職しても 独立しても
引退しても 復帰しても
詩板が無くなっても
2ちゃんが無くなっても
インターネットを忘れても
パソコンを失っても
サグラダファミリアだけは忘れない
そんなあなたの記憶力
なにしろ先は周知のとおり
果てしもなく長くそして高い
時代とともに生まれそして朽ちる
さまざまの構築物
そんなネットの瑣末な歴史の彼方下方では電車の中の人が
カチンコの音も得意げに
よーいすたーッ よーいすたーッ
って言ってる時空のすき間がすでに
この尖塔の絵図面のその 天空からはやすやすと見える
そして一枚のスレがdat落ち
することもなくながく守られるとき
すでにたったのスレ一枚でGoogleトップにもおどり出よう
なぜにも千のサグラダファミリアだ
それ以上の数えようもないサグラダファミリア検索ワードへ
美や愛や 楽しみやせつなさや
もっとおもいもよらないリズムや音符で
光の速さで答えるだろう
それは千を超す言の葉を擁し
もとより数の概念を超えた
カタカナ世界を制覇し次を
目指すだろう
エメラルドグリーンの硬さように 虹の七線譜に腰掛ける妖精のように
両手に掬った時間の鏡面のように 両手で放った無数の可能性の切片のように
そんな比喩や暗喩にしかなく そんな仮の語であり且つまた
真実そのものをもってこそそそり立つ
ひとびとのもとめるひかりの塔
ああ! それこそ
サグラダファミリア
んじゃ、これで。
>>7 上記の如、
着工式式典においては独り、
僭越ながら鍬を入れさせていただくという栄誉に授かった私ことサグラダファミリア(1)は、
そんな瑣末など、はなから要しない。
なぜにもここはもうすでに、
サグラダファミリアなのだから。
なおまたその行為自体を、私如き者にどうして制限を設けることのできようか。
なんちて。
んじゃ、これで。
↑訂正 :
× : なおまたその行為自体を、私如き者にどうして制限を設けることのできようか。
○ : なおまたその行為自体を、私如き者がどうして制限を設けることのできようか。
と訂正を入れてはみたものの、
文法的にどうなんだか、よくわかんないや。
まいっか。
んじゃ、これで。
圧居るに咲く声の御恩波ドーーーーーーーーーーーーーーーーん
がしかしなあ
ホトトギルティ
ばっとめんの面が画面でめんそ〜れタムタム叩いて
肺が要るんだまっさらの肺がさ だから禁煙クリニックしょーおもうねんけどやな、
なんで風邪だのなんだのやっとるなかに鷲がはいらなあかんのん鷲ケンコーサンダルやが名を知るか?
セッチングヒーロー
シャー シャー
にしてもすいとるヤブの外来ヤバイかの蚊の鳴く音が聞こえるくらい閑散
鷲好きやけど3分59秒くらい好き♪
せやから書籍用のクローゼットくらいや
さっきからマイナス4756382946t57r854jh8675回
聴こえてないとは言わしてまうで
小次郎
その日そいつはそこにいて
ある日あなたは思い出し
ここにそいつを描いて聞いて
異議のない意義などはなからもとめてさえもいないという
そのテの意義ははじめから
あなたが立てた姿見の中
あなたのしぐさでうごめいて
ほらポリネシアの流儀もなにも
ナンパの手つきは背中をまわって
はやくもセックスに手をかけているじゃない
それがネタならあなたの負けね
そしてガチならわたしの勝ち
35 :
名前はいらない:2005/08/06(土) 20:24:39 ID:+zNZKuq6
ageときます
36 :
ちっち:2005/08/06(土) 20:28:02 ID:IBkrrz+K
おれ、ガウディってさ、、、ちと変だと思うんですが、
37 :
名前はいらない:2005/08/06(土) 20:28:59 ID:v7ibbvqh
ガウディがカバティにみえた^^
38 :
名前はいらない:2005/08/07(日) 00:05:16 ID:tLhULOeX
苗字桜田だしガウディと同じ誕生日
39 :
名前はいらない:2005/08/07(日) 18:31:15 ID:Un1HXso1
社会復帰!!
40 :
ぇりこ:2006/02/28(火) 17:05:35 ID:4FNXpadn
初めまして♪ぁの。。ゥチ卒論でサグラダファミリアにつぃて書くんですヶド。。どこか
ィィHPトヵぁりませんヵ??ょヵったらぉUぇてくださぃww
41 :
名前はいらない:2006/06/12(月) 12:24:15 ID:q1V5aeQE
はぁ。
42 :
DEVILS AND ANGELS:2006/06/12(月) 14:55:55 ID:POyzpyee
ねぇ、僕を下僕にして、強撃して、地獄の果てまで着いていくと誓って
ただ、命が惜しくないと思うなら僕に殺されてもいいと思うなら(以下略)
この文章をみた(この文章を書いた本人に会った)友人は翌年に事故か何らかの事件
(人間関係トラブル)に会い、亡くなったという伝承話があるという
43 :
SKAL AND RITHE:2006/06/12(月) 15:02:48 ID:POyzpyee
大丈夫 私には使の者(使い魔)達を倒す力があるんだから
(ちせ)
44 :
ボルカ:2006/06/12(月) 16:44:42 ID:rHiCuQtb
ダビンチコードのラストは、原作を無視してでもサクラダファミリアにすべきだったよね。
ここかな。。よろしく、、
「聖家族教会」
敬虔なエロスが芳醇な香りを放つ
聖母マリアが両足を大きくひらいて
惑うもの全てを受け入れ
新たな子を孕み、産み出し
聖家族が現出する
「能天気までに騒々しい神への賛歌」
先端に太った赤い十字
野原の牝牛が穴の中で子牛を産んだ
誕生の丸い白い子宮
複雑な襞を描く螺旋が 明るく白い出口に向かってきりきりと回る
へその緒で繋がったままの胎児が
細長い螺旋の尖塔へぎりぎりまわりながら押し流されて
白い光が彼を包む
入り口で佇む男
子宮の外でうかがい知れぬ中を覗き込むが彼には見えない
階段の下で集う兄弟
光りを通り抜けて落ちてくる弟を待ち受ける
懺悔の尖塔
父の名はここでだけささやかれ 抹消された
「石をもて追われた女」
いない
もう、いない。
淫猥なエロスが敬虔な白い衣を着て豊穣の畑を耕している
「父母」
マリア以外の母はいない
神以外の父もいない
産まれ出た子は全て神の子として
たった一人で神の前で震えて立つ
私は子を産まなかったのだ・私は全ての子を産んだのだ
私は子を孕まさなかったのだ・私は全ての子を孕ませた
容赦のない要求が白い敬虔の衣をまとって提示される
「表裏一体」
聖家族教会の淫猥なカーブと敬虔な直線
葛藤する精神と
否定しきれない感情を歪に包み込み
存在の核へと流しこむ
「夢」
世界の向こう岸の幻想
彼の頭の後ろ側を見たものは
決してかえっては来られない
52 :
名前はいらない:2006/10/24(火) 15:38:19 ID:gGDAn9Ir
佐賀県は層化が多い
53 :
もうきん:2006/10/24(火) 16:25:33 ID:dJzYJscg
>>51 vФ*)ノ しつもん
どうしてHNをサグダラにしたんですか
>>53 もうきんさん、おひさしぶりです。
実はスレの1さんが
>>3-5でそのように指定してらしたので、、
つまりここは、サグダラファミリアというHNで書くことだけが唯一のルールみたいですわ。
あ、間違えた、サグラダファミリアでないとあかん。。。ぎえええ
57 :
名前はいらない:2006/10/24(火) 18:59:20 ID:bAI8CCmv
いや、あの、姐さん、
>>3-5の指定は「サグラダ」ですぜ。ダラはちっと・・・
<El Temple Expiatori de la Sagrada Familia>やっぱラダだと思ったり。
58 :
名前はいらない:2006/10/24(火) 19:00:55 ID:bAI8CCmv
憧れ(あるいは侮蔑)が真実への眼を鎖す時に 浮かび上がる恥知らずの実態
あたしが苦しいと思って、能天気に人生を爆走しているかのように見える他人を羨望の眼で(裏返しの侮蔑?)見やるとき、その彼(彼女)が実はあたしと同様に病んでいるけれども、それを他人に見せることを是としないだけなのだという可能性に眼を閉ざすます。
あたしの心は自分一人で精一杯という狭さなので。
61 :
もうきん:2006/10/25(水) 09:43:55 ID:t51Vaj4d
失礼しました(ФvФ)ゞ あまりにおもしろかったので
つい
辻褄をきちんと合わせて生きていくのは、とても大変ですね。
>>61 いえいえ、お気になさらずww。
再掲になっちゃうんですが、「屋根裏の姫」(最終版)
「屋根裏の姫」
廃屋となった古い旅館を安価で買取り、なにやら得をしたような気分で引越しをした。
築100年を越え、廊下の椋の板も黒ずみ真ん中がへこむ。梁や柱の材も曲がったその
ままが使われ、節があり、湧き水が流れ出すようなくねくねとした木目を見せている。
長らく人が棲まいしていなかったのに居間は暖かかった。広い玄関と一体で、囲炉裏を
切った板敷きの間と畳の部屋とが隣り合い、襖をはずせば30畳ほどの空間となる。
天井はなく、黒くて太い梁と屋根の野地裏がそのまま見える。高く急勾配の大屋根で
頭上の空間は深い。妻は嬉しそうに掃除をしている。
2週間ほどたったころ、2階から蛇が降りてくるのに出会った。目が合う。
暫くして、階段のへちをするするっと降りはじめた。少し動転したらしく最後の3段ほど、
ぼたっぼたっとたごまるように落ちた。
妻が半纏を縫っている。真綿の10センチほどの布を上手にゆすりながらほぐしている。
聞くと、一つの繭から一枚のハンカチのような真綿ができるそうだ。それだけでは詰まり
過ぎているので、さらに広げて空気をいれていくらしい。ふわふわの綿飴のように手の中から
溢れていく。宵のうち、居間で妻が縫い物をしているのを見ているのはとても好きだ。
庫裏屋の板の間に座っている女が見える。ほつけた日本髪を結っていて粗末な紬をまとい、
半襟の代わりに茶色の木綿が縫いこんである。
”千本格子の障子の向こう、うなぎの寝床の古家の中でお宮参りの吾子が寝る
羽二重羽織は虎の背模様、いまだ薄い髪の毛の、小さい頭がかしいで見ゆる
ようやく眠った晴れ舞台 ねんねん、そっと、口ずさむ”
呟くようにこんな歌を繰り返し唄っている。暫く眺めていると、顔をあげてこちらを見た。
泣き笑いのような表情で、何かを言う。わからないまま、立ちすくんでいると、ふっと女の
顔が変わった。眼窩が落ち窪み真っ黒な穴となり、鼻も二つの穴に変わる。全体が青黒く冷たい。
頭を振って落ち着いて見直すと、そこに座っているのは見慣れた妻だった。笊にあけた豆の筋を
とっている。なにか思い出しているのか、少しぼんやりした顔だ。
きびすを返して書庫へと急ぐ。小さい写真立てに写真をいれる。居間の文机の上に置いた。
日当たりのよい場所に居間全体が見えるように置いた。妻が庭から水仙を切ってきて一輪挿しにさした。手を握る。
夜中、ふと起きて明かりをつける。髪の毛の中に、7ミリほどの小さい毛虫が何匹も這っていた。
尺取虫に似た体躯で鮮やかな緑色をしており、細かい黒い毛がびっしりと生えている。体を真ん中で
大きく曲げて、ゆらゆらとゆれていた。当然感じてしかるべき嫌悪感もないままに櫛ではがす。
長い髪の毛の中にもつれてしまう。まあいいか、と虫がもつれたままの髪の毛を枕に寝てしまった。
翌朝、髪の毛はいつもと変わりなかった。どうやらそこは昔蚕部屋であったらしい。部屋が虫を
引き寄せたのかもしれない。白い障子紙に桑の木を墨で書き、緑の葉をたわわに書きそえた。
緑色だけ濃淡をつけて墨の上へ置いていく。金粉をすこし散らす。先の部屋の障子をそれに張り替えた。
その晩、蚕がむしゃむしゃと葉を食らう夢を見た。毛虫はいない。
「御免下さい」という声がかかった。 ガラガラっと戸が開けられて、同僚だった夏目が立っていた。
懐かしい。気を使うような相手ではない。手招きをして炉辺の座布団をぽんと叩き、側に来るよう促す。
「ああ、元気そうでよかった・・・・・・。」 つかつかと歩みよってくる。 「先にお参りさせてくれないか。
急だったなあ。」 いぶかしく思っているうちに夏目は靴を脱ぎ、奥座敷へ向かう。うちの仏壇には息子の
位牌しかない。20年以上も前でいくら友人といえ夏目がわざわざお参りするとは、と考えているうちに
記憶が2重にかぶさる。 仏壇に大人の真新しい位牌が白々と見える。吐き気がしてきた。
妻を捜す。今の時間なら庫裏屋だろうか、いや、裁縫の部屋に違いない。庭の草取りをしているかもしれない。
2階の掃除だろうか,蒲団干しだろうか。 部屋から部屋へと探し歩く、こんなに部屋があっただろうか?
次から次へと襖を開けては閉め、開けては閉め、半ば走るように廊下を急ぐ。
大部屋で宴会をやっていた。結婚披露宴のようで、文金高島田の白い花嫁がうつむいている。
客が一斉にこちらを向く。
――妻をしりませんか――
末席にいた客が「あんたの花嫁じゃないな。」と答え、皆がにそにそと笑った。襖を閉める。
次の部屋にはお祭りの最中の男女が華やかな正絹の蒲団を被って忙しくしている。
あの顔をゆがめて男の下に組み敷かれている女は妻か?いや、もっと若い。
猫が座布団に座った部屋、庭に満開の牡丹、忙しげに数人が立ち働く厨房、
――ああ、あそこに違いない――
裸足のまま、裏の井戸へと急ぐ。半円を二つあわせてある重い石の蓋を横にすべり落として、中を覗き込む。
2メートルほど下には、もう黒々とした水面があり、知らぬうちに涙でくしゃくしゃになった顔を差し出し、
搾り出すように声をあげた。
―― ――
ぼたぼたと涙が井戸に落ち、波紋がいくつも広がる。
井戸の底のほうから、ふつふつっと泡があがってきて、
屋根裏に通じる階段は、 扉の奥に隠された急勾配で、
無垢の黒い板でできていた。
かび臭いような埃臭いような匂いが鼻をつき、
昼間であっても薄暗い屋根裏がかすかに見える。
本当は禁止されているあの場所へ、一人でおそるおそる上がってみる。
半分あがって怖くなっており、もう一段あがって、 躊躇って飛び降り、
さらに一段あがって、ようやく着いた。
木のつっかい棒であけておける天窓板をあけ。光を中に入れた。
琉球人形の目が光る。亀の置物がぶらさがる。
わけのわからない物の入った柳行李がいくつも連なり、
ねずみの糞が転がっている厚くつもった埃の床。
古い茶箪笥、革のトランク。使わなくなった蚊帳の束。
重なっていた座布団を叩き、
きれいそうな所をみつくろって座る場所を作る。
今日ここに来たのは、お呼びがあったからだった。
綺麗な姫様より、亀と一緒に遊んでたもれとご所望で、
小一時間ほど、貝合わせをして遊んで帰った。
「屋根裏の姫」 了
蜜柑が美味
なので
爪が黄色い
から
小僧を風呂にいれよう
70 :
名前はいらない:2006/10/25(水) 16:06:19 ID:YgZgmved
佐賀県は創価学会員だらけ
72 :
名前はいらない:2006/10/25(水) 17:43:37 ID:YgZgmved
このスレを佐賀県が乗っ取るのです
>>72 佐賀県人でないとかけない? 居候は可能?
おばあちゃん、今日はいわし雲です
あたしが地面で寝転んでいると
上からオシッコをひっかけられました 臭いです
小僧は刀鍛冶に弟子入りで、
県道を毎日1時間○○○っています
○○○はあまり得意じゃあないんですが
刀は速くないとキレが悪いのだそうです
75 :
湊:2006/10/27(金) 01:09:52 ID:bU24tfrW
そおいやそんなのあったねえ、
床下から仏像を掘り出す話もなかったけ。
>>75 半分ぐらい切り捨てて、ロゼッタに掲載してもらったんですよ、、、
これで完了版(しかし2年ぐらいいじってましたねこれ、、)
77 :
idの底:2006/10/27(金) 20:07:20 ID:zgKDpGDx
殆ど何もないのに雑然とした印象のある殺風景な空き地に
ダンボールが一つ転がっている
その中には天邪鬼に変身したあたしが座っていた
ダンボールの蓋はガムテープで閉じたような痕が残っていて
破れたガムテープがふらふらとぶらさがったままになっている
あたしは閉じ込められているのではなくて
「さぞや外に出たいに違いない」 と人が思うので、かえって意地になって中に座り込んでいるだけだった
”俺俺詐欺で一儲けしよう”
頭の上ではいつものように鸚鵡がいばっている
なんであれ、すばやく先回りして喋る鸚鵡の声をきいていると
この鸚鵡がいれば、あたしの頭は必要ないのだと気がつく
ため息は灰色のツナの空き缶とともに地面の上になげだされ、
脱力感の滴りがコーヒー色の川を作りはじめた
”星型の金平糖は四角い型に変わりました
四角い箱にきっちりと詰めこまれていくので、箱を振っても音がしません”
川となってながれてしまったせいで胸に開いたアナを覗き込むと
「なまけもの」 と大きくかかれた看板をおかっぱの女の子が振っていた
看板の後ろ側は 「反抗心」 とかすれたような文字で書いてあったが
その文字は実は虫が集まって作っていただけで、そいつらが落ちてしまえば
「馬鹿丸出し」と書いてある
やけに 底の浅い胸だなと独りつぶやくと、女の子がしたり顔で地下室への入り口を指差した
”雪は雪印乳業のマークになって空から降ってきます”
なるほど、底にはまだ底があるといいたいわけだ
どうせメビウスの輪みたく回帰してるのがオチだろ
”秋の夜の雨はざあざあと回転しています”
いつかこの鸚鵡の首を絞めてやる
ダンボールをマッチで火をつけて燃やし、空き地を後に歩き出した
「はまぐりな子供たち」
大きな車輪が回って、
子供たちが「さようなら」と死んでしまう
残った大人たちは一体何がいけなかったのかと 青い鳥を探す
青い鳥はやっぱりいなくて、黒い鳥しかいないので
黒い鳥の羽をむしって、焼き鳥をこさえて
むしゃむしゃと
食べて、 食べながら泣いた
足萎えの
歩く 杖もなく
膝をつき
歩く 這う 這い回る 床上に
散らばる三角の声の残骸
閉じられた窓を開く
猫の
前足が白い
白骨の木
82 :
名前はいらない:2006/10/31(火) 23:51:24 ID:LX8aFVAa
アゲ
83 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 00:03:39 ID:cbDuCKWJ
こっちも誰かのっとれよ
のっとるのも自由らしいぞ
84 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 00:06:28 ID:cbDuCKWJ
のっとり募集
85 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 00:10:45 ID:cbDuCKWJ
ほれ
86 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 00:17:15 ID:cbDuCKWJ
えい
87 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 00:32:12 ID:cbDuCKWJ
雑談スレにしよう
88 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 00:33:55 ID:cbDuCKWJ
なにか話題ないか
89 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 01:27:24 ID:cbDuCKWJ
あつまらんかいヴォケ
90 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 01:29:17 ID:cbDuCKWJ
きっとやつは来る
91 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 01:31:47 ID:fpRAaANi
わけわかんないコトバとか使ったり人格が統バラバラなかぎり
来ないと思われます
92 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 01:40:49 ID:fpRAaANi
内面の変化とかないかぎり来ないと思われます
けっきょくみんなそうかもしれないけど自分が一番かわいいのよね
93 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 01:46:06 ID:cbDuCKWJ
ほんとだよな
94 :
名前はいらない:2006/11/01(水) 01:48:33 ID:cbDuCKWJ
つかみどころがない
かおのない人間たちが
かおを洗っている
図書館につれていってもらった
ので
高い高い天井を見上げて
にこほやしたため息を図書館の空気の中に
そっと 開放してみた
ほう
ほう
と
深呼吸のような深いため息が
読まれるのを待っている本の山の上をただよっていった
97 :
名前はいらない:2006/11/04(土) 17:11:14 ID:qNdGbMUt
「秋」
紅葉の道
重なり落ちてくる赤銅色の光の祝福
走る 走る ハシル
98 :
名前はいらない:2006/11/05(日) 10:16:08 ID:IE4+KhzZ
佐賀県のイメージ
99 :
名前はいらない:2006/11/05(日) 10:22:55 ID:IE4+KhzZ
ダウン
100 :
名前はいらない:2006/11/05(日) 10:24:52 ID:IE4+KhzZ
アップ
101 :
名前はいらない:2006/11/05(日) 10:28:40 ID:IE4+KhzZ
おはようございます(^O^)
こんにちは 秋ですね
「稲刈りの終わった田んぼにすまう茶色鼠」
ころころと 転がって
こりこりと 落ち穂食べて
「あれ、人間がやってきたよ」
宴もおしまい しゅっしゅっと逃げた
104 :
名前はいらない:2006/11/06(月) 10:42:33 ID:2l/nPWNR
パンツを被る。
105 :
名前はいらない:2006/11/06(月) 16:22:56 ID:MxPNxHJA
阿含宗
106 :
名前はいらない:2006/11/06(月) 17:17:52 ID:MxPNxHJA
佐賀県創価学会
「書くこと」
まず、ごく当たり前な
マウスの左クリックが壊れてしまったこととか
朝ごはんはトーストだったからみんなの顔も四角かったこと
庭の実直な小菊と、地味なのに存在感のある金木犀や
寒牡丹の紅色の羽根のような花びらについて
秋も終わりの朝、風が通り抜けていって白い息
朱色を越して錆色になった柿をつつく鳥と南天の実
風景だけでは書ききれない不満
白いマウスの幽霊がフラッシュメモリと手に手をとって駆け落ちしたとか
SNSのメールが郵便受けにたまっている話
冷蔵庫とパソコンとテレビと掃除機のある現代生活
歩けばぶつかってしまう狭い家の中でうまく逃げ回るこつがいまだにわからなくって
部屋の隅でちぢこまってる言葉たち
電気音の静かなうなりが、寝静まったはずの部屋に響いていて奥歯がきしむ
町の掃除当番とか 2回引き落としそこなえば取引停止になってしまう手形
税金の支払いと返済 ゴミ分別の煩雑さ 生活費と稼ぐことと、教育費
子供の帰宅時間パトロール 食卓を整えること そんなあれこれをなんとかクリア
したとして(社会に入れてもらっていることへの責任負担?)
そのあとの時間はぼんやりしたい。
玄関に花はかざっても飾らなくてもいい。 庭の草はとってもとらなくてもいい、
お彼岸の餅は作らなくてもいい。 それは文化の話で、
とても大事ではあるけれど無理に頑張ることじゃあない。
生活の潤いってやつで、もちろん、見る人のほうは
裏方の事情なぞ構いはしないのだけれどね。
花を飾りたいと思うまではぼんやりしていたい。
生活の質の確保と拡大に一生懸命だった世代と違って、生活を享受しながら
育ってきちまった世代は、飢餓感の代わりに享受の質への視線があって、
それはいってみれば、それを賄うことによる代償と 利益を天秤にかけるってことみたいだ。
拡大にはあまり興味はもてないし、時間も労力も気力すら限りが
あるんだから(ソンナニがんばれないよ)どこかで上げどまりの線を
ひいて楽をしたいって感じてしまう。
それはやっぱり上の世代のクロウの上になんだろうけどもね。
にんじん畑の真ん中のコースを、顔の前ににんじんをぶら下げられて
走り続ける馬みたいなもんで、足をとめて回りを見渡せばにんじんの食べ放題?
働かない人間はダメになる
遊ばないインゲンはまずくなる
110 :
名前はいらない:2006/11/08(水) 19:01:27 ID:R+Ytn+pS
佐賀県は汚い
111 :
名前はいらない:2006/11/08(水) 19:28:40 ID:R+Ytn+pS
もうきんちは植物だらけだな
そんなに速く 走 り た く な い ん だ !
走れなくて す ま な か っ た ね !
言い訳は醜くて、批判は苦しいし 命令は悲しい
ただ、できることをできるように という
静かな地点にいられるように書けたらいい
嫉妬も、反抗心も 風に飛ばして
疲労も怠惰も 水に溶かして
できることを できるように
人と比べないように
人より上手くやろうなんて見栄は曝け出して
人と同じにできるはずだなんて思い込みの重荷もおろして
上でも下でもなく
右でも左でもなく
できるだけのことをできたら 今日はよしと思えるように
昨日よりできなくても、 今日はよしと思えるように 書けたらいい
「口から嘘がこぼれるからさ」
本当に大切なことはたった一人でだまってするほうがいい
ぴったりの言葉を貼ろうとすると 貼るそばから”嘘”と大書される
曖昧な焦燥感に侵食されないように
《鬼がくるから 見つからないようにそっと
キリキリキリキリクークークー
そっと そっと 穴を掘ってね》
117 :
名前はいらない:2006/11/10(金) 07:50:39 ID:fu+a19uo
一番いいのは、趣味と実益が一致する行き方だろうか。サグラダファミリア作るような人生だろうか。
>>117 実益に結びつけられるかどうか?という現実的な視点はさておいて、、(さておいていいのだろうか?)
実益が発生した時点でしばしば「勝手気まま」という要素が失われます。
それを強度として引き受ける力があれば、最高だと思います。
もしそれだけのキャパがなければ、趣味は趣味としておいておくのもいいような気もします、、
(つまり実益をかねない。。。アングラ劇が商業化した結果辿った道みたいなものもあれですしね、、)
あたしのは、まあ、なんというか、興味の対象を白い目でみないでくれると助かるなあという消極的なレベルです。。
サグラダファミリアを建築する(設計と建築従事とありますが)人生は強度があります。
個人の家庭生活での幸福という観点では色々あるかもしれませんが少なくとも本人は幸福な気がします。
多分、強度を与えるのは、その対象が趣味であろうと実益であろうと関係なく、意思なんだと思います。
まあ、食べて生きていかないとまずいので、そこんとこのクリアに四苦八苦しちゃうわけですよね。。悩ましいことです。
ただ思うのは、「食べなくてもいいから これはやりたい」って思うんだったら やっちまえばいいんじゃないかと。。
あとは野となれ山となれ、、なんちゃって、、、(無責任な発言)
120 :
名前はいらない:2006/11/10(金) 16:00:30 ID:rtsZ3dWF
佐賀県警察
何故 佐賀が好き。。
122 :
117:2006/11/11(土) 06:26:09 ID:D9NOSUeO
キャパは拡大するってことも考えられますね。ガウディは作ってる内にさらなる洞察や自己の才能に気がつくこともあったかもしれない。
>>122 (177)
必要は発明の母だから、必要とされて初めて広がる能力って多いですよね、、
未来に期待。。
年老いた手は決して優しいわけではありません。母の固くなってしまった皺深い手は
長い記憶が刻み付けられ、細く、ゆがみ、節々が太く、浅黒くて、
右親指の付け根には鎌で切ってしまった傷跡があり、深く裂けてしまったのに、さぞ痛かっただろうに、
まむしの油を塗って直してしまったそうです。外科で縫ってもらうのは恥ずかしいことで、
その傷をさすりながら、「軽い傷なら、縫わなくたっていいの、病院なんかもったいないわ」と言います。
簡単に病院を頼る若者を誇らしげに叱るようでもあり、自分も本当は連れていってもらいたかったのに、
そんな甘えは許されなかったのだと、時代の不公平さを訴えているようにも聞こえました。
器用で、緻密で容赦のない手は、貝の殻を剥き、服を縫い、稲を刈り、藁をない、薪を割り、
餅をつき、豚を飼い、蚕を育て、梨の袋をかけ、白菜を運び、葡萄をもぎ、
1升五合の大がまを持ち上げ、10人前の食べしろを毎日炊き上げてきた手です。
寒中にも裏の用水路で子供のムツキを手洗いしてきた手です。
あたしは人でなしなので、母の手を捻り折りとって、朝夕、臥し拝んでいます。
125 :
名前はいらない:2006/11/18(土) 19:57:24 ID:exAzJ9uK
阿含宗
善人というわけでもないので
いきおい詩のほうも、かならずしも善き詩というわけじゃあない
つまるところ、心の奥底から掬い上げるあれやこれやを書かずにはいられなくなるのが詩というものらしくて
良きにせよ悪しきにせよ 隠すことなくおもむいていかなければ
そこのそこにもぐっていくこともかなわないのだ
とはいうものの、
あれだよきみ
さほどに正直であるのはあまりにも品位に欠けるというものじゃあないか
嘘かまことか わからんあたりで書き上げるのがいいような気がするね
フロックコートと山高帽子の白ひげ紳士がステッキをふりながら
ぼそっとつぶやいて去っていった
>125 元気ですか?
近所の公園で遊んでいると、よく見かける兄弟たちがやってくる
どこに住んでいるのか、学校でも会うこともない彼らは 上は高校生ぐらいの兄姉から
下はそれこそよちよち歩きぐらいの幼児まででこぼこにそろっていて仲よく遊んでくれる。
とくにお気に入りなのは小学校5年生ぐらいのかしこそうな少年で、二人して崖の途中に穴を掘ってみたり、
石垣をよじのぼって飛び降りたりと、やりたい放題に遊んだ。
夕暮れになって、家へ帰ろうというと、彼らは曖昧に笑いながら、「ああ。」という。
「みんなはどこに住んでるの?」と聞けば、それも答えずに困ったように笑う。
よほど言えない事情があるに違いないと、勝手に納得して歩いていると、長男らしい青年が
「しばらく増えなかったんだけど、この頃兄弟が増えるようになってね、僕らも寂しくなくて嬉しいんだ。」
と 疲れ切って彼の腕の中で眠ってしまっている一番幼い少女を愛しげに見ている。
曲がり角で、一緒に遊んだ少年が
「なあ、気がついてないみたいだけど、きみが来たのは初めてだよ。ぼくらはずっとここにいるんだ」
と内緒話をするように小さい声で教えてくれた。
イチョウの葉 落ちて黄色いまだらを染めた
はらりはらはら 涙が落ちる しんなりきーんの空の下
後ろめたさが 逆立ちしてた
ほう、ほう ほうら、ほら、
こっちがほんとで 嘘つき女は便所虫
ほう、ほう ほうら、ほら、
あっちはゆうめで 嘘つき男は地獄虫
ひらりふらふら葉っぱが落ちる あっけらかんの風の中
あきの小僧が 殻竿 振った
ウソツキ鶏の朝は早い 太極拳体操にこりはじめた
ウソツキ鶏が赤い花柄寄せ上げブラをしている
とりあげてパッチワークの壁掛けを作る
ウソツキ鶏が書いている本の題は「彼氏の日記」
書いてあるのは彼女による彼氏の記録
ウソツキ鶏が校庭で逆立ちをしている
上手だが、おしりが丸見え
ウソツキ鶏から送られてきた白い薔薇
かゆくなる虫がついていた
ウソツキ鶏のサングラスをかけると世界は薔薇色に見える
ワイン一本 チーズひとかけらとリンゴ一個の幸せは薔薇色の世界と同値だ
ウソツキ鶏はくしゃみが嫌いだ
くしゃみをすると嘘がばれる
ウソツキ鶏が泣いたので、今日は学校がオヤスミだ
ウソツキ鶏が散歩にいっているあいだに
こっそりと詩を書いた
130 :
名前はいらない:2006/11/19(日) 10:25:56 ID:BGjJ9BMw
佐賀県警本部
「狐屋敷」
100円ショップで買えるひまわり
安くて切れの悪いドイツ鋏
コンビ二のおにぎりとペットボトルのお茶
水量が少ないシャワー
洗ってもきれいに落ちない全自動洗濯機
塩味と旨味調味料だけの漬かっていない漬物
水っぽい牛乳
お泊りはしない集まり
こぎれいで、肝心なものが足らない狐屋敷
狐のお面をかぶった奥様
「これ、あのものを捕まえよ」と、ぼくを指差してる
奥様の声は僕のかあさんの声そっくり
僕が「かあさん」と声をかけてみたら
きっと、聞いたとたんにそれとわかって
お面とって「ゆるしておくれ、小僧」と涙を流すんだ
と、そんな白昼夢にふけるまもなく、僕の母かどうかなんて関係もなく
狐奥様の屋敷から一目散に逃げ出した
つっかかる石ころ なめらかじゃあない
足の裏が切れて
てんてん てん
てん てん
振り返る狐屋敷の未練が
僕の足をひっぱって
きれいなトイレでおしっこをしたいと泣くんだ
泣くな。
132 :
名前はいらない:2006/11/21(火) 16:56:25 ID:JcNoGE1H
佐賀県
「幽霊ダンディー」
"広く開けられた窓辺に立った朝 視線はとがった螺旋を描いて下へ向かう"
ホームの先頭に立つ人は恐怖心の深度を測っています
高速道路のコンクリートをつなぎあわせているのはもろい均衡の連鎖で
一番目の窓を開けるときは命綱を結んでください
屋上にあがる階段扉は黒色石灰
赤錆の浮いた手すりと給水タンクの陽だまりと
高いフェンスにからまって走るママチャリはネクタイを締める釘で止まります
野に咲く花は、言葉で考えるようにはなっていません
あたしたちは何かを代償にして言葉を発明して
欠けてしまった何かはたぶん原始の理で、生と死の向こう側につながっていて
頭の真ん中を引っ張ります
紅く染まった空に刷毛をはいてたなびく巨大な指先が
地球を掬うように持ち上げて
とがった螺旋を描いて放り投げました
ACT1
某表明演説
年間3万人以上の自殺者がでるようになって、もうひさしいです。
この10年の累計で25万人を超える自殺による死者がでています。私たちは、自殺という犠牲を伴う戦争を
行っている最中なのだとそろそろみとめましょう。 いつまでも手をこまねいて、”自殺する本人の自由”
なんてことを嘯いている場合ではありません。自殺に追い込まれる自由なぞ、自由という名に値しない!
自殺以外の選択の余地がなくなっている時点ですでに、被害者はリーチをくらってしまっているのです。
高度に成長したと謳っている現代社会が、その構成員を自殺へ追いやり、なおかつ手を差し伸べる術ももたずに
見捨てていることを恥じるべきではありませんか?
”ここに日本国は、国家非常事態宣言を発令し、自殺を撲滅すべく国家一丸となって戦うことを宣言する。”
一、自殺者遺族救済法を制定し、個別の事情に合わせて遺族貸付金の無利息無担保で短期貸し出しを行う。
これは自殺の連鎖を予防するための措置である。
一、自殺者の認定について、他殺、あるいは、自殺強要による犯罪被害者であった場合はこの保障にあてはまらない 。
自殺強要による自殺であった場合、教唆した人間への罰則は殺人罪と同様の扱いとする。その場合の被害者は
殺人被害者となり、自殺教唆人は被害者遺族の生活の保障を行う義務を負う。(民法にて別途規定)
これは当該教唆人が被害者家族であった場合も同様に扱う。
一、自殺志願者救済のため、”死ぬよりまし”組織を新たに設置(各小学校校区に原則一箇所以上)日本国民は誰でも
その生来の権利として、”死ぬよりまし”駆け込む権利を有する。”死ぬよりまし”組織は、駆け込み者の個々の事情に応じて
援助を行う。(個別の援助の例:助言、オブザーバーの派遣、無担保短期貸付、里親制度、一時入院措置、
避難可能な施設の紹介、転校、転職の斡旋、等々)”死ぬよりまし” は自殺志願者が社会へ復帰することを目的に運営をおこなう。
すべての企業、事業所、学校、法人等々、および国民は、死ぬよりまし 組織への協力を期待されている。
しかし、最悪の場合、”死ぬよりまし”によって、自殺志願者はそれまでの関係から自殺と同様に切断されることも可能とする。
法律上は死亡(自殺)とみなされる。
一、”死ぬよりまし” による切断について
原則的に、社会からの切断をしないですむ方法を探る。やむを得ず死亡扱いの切断を行った場合、当人を被切断者と呼ぶものとする。
被切断者は、新たな戸籍を与えられる。日本国民の権利と義務は継続する。被切断者は、国家の保護により最低限の共同生活を
営むこともできる。義務教育の範囲において教育を受ける。”死ぬよりまし” は被切断者が生きることを目的に、運営をおこなう。
予想 井戸端会議
「まあ、奥様、聞きました? あそこのご主人、死ぬよりましなんですって」
「ええ、ええ、聞きましたよ、おかげであそこの会社持ち直したそうですね、残された奥さん顔色がすっかりよくなっちゃって」
「本当ですよね、なんか、ご主人さまさまですよ、 残ったもんの勝ちですわよ」
「なんか変ですわね。それ、、」
「そうですよ、つまり、あのおうちの生活は今税金でなんとかなってるってわけですのよ」
「つまりあたしたちが負担してるってわけで」
「そうです、許せませんわね」
コメント
連鎖自殺の予想(被害者妻ー>井戸端会議をしていた隣人ー>さらに隣人)
過剰な保護によるさらなる同調圧力の発生を予防。
他人の幸運をねたみ、他人の不幸を喜ぶ気質への反省。
死んだほうがまし にならないための安全弁が。
ACT2
次の日曜弁論
A「自助努力を忘れたらいけません。過去の過度な福祉の例をひくまでもなく、手厚すぎる保護は保護を逆手にとって
抜け道として利用する輩の発生が予想できるわけですから。 」
B「悪いやつはなんであれ利用することしか考えないものです。そんな一部の人間にかかずらって、人助けが
できなくなるのは変ではありませんか?」
A「きみの頭は能天気すぎやしないか?俺は人間の品性はそんなにたいしたもんだとは思わない、だいたいだね
流行に流されやすい国民性を考えろよ、隣のやつがやったら俺も俺もになるに決まってるじゃあないか。
”生活自殺”とか”生活切断者”なんて造語がすぐに一人歩きするぞ」
B「てめえこそ、悪意が強すぎるのじゃないか? つまりお前さんは、死にたいやつは死ね といいたいわけだ。
俺たちにおまえらを助ける余力はねえよ。ってな 。 それじゃああんまりじゃあないか?」
A「いや、そこまで言ってやしないじゃないか。俺は、制度が自殺(あるいは切断)を助長しかねないっていう
注意を喚起してるだけだぞ」
B「だめだしばっかりで、建設的意見はないのかよ、おめえこそいっぺん死んで来い」
A「口の悪いやつだな、それこそ自殺教唆になる発言じゃないかよ、そもそもだね、
言論の自由ってもんをなんて考えてやがる、馬のしっぽめ!」
B「売り言葉に買い言葉ってやつをしらんのか、豚のけつ! 」
司会者「番組中に聞き苦しい言葉がございましたことを、深くお詫びもうしあげます」
AB「てめーも他人事みたな顔してやがるな」 ○×△××××
ピーーーーーーーーーー
BGMモルダウ アルプスの風景映像
警視庁分析官の談話
そもそも3万人突破といっていますが、前年度までの平均値は2万2千人であります。1998年統計で5千人の急激なアップが
あったわけですが、年齢男女別データを参照していただけるとわかるように、若年層と女性はほぼ横ばい。
この5千人の底上げは50代男性層によってなされたわけです。つまり、リストラ、倒産、過労自殺と申し上げてもいいのではと、
本官は推論いたします。以下参考資料であります。
ttp://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpax200401/b0061.html もちろん、各層に渡って自殺は発生しているわけですが、カンフルとして有効に利かせるには、この50代男性層へのケアを
第一に考えるべきであると結論づけました。
アンチフェミニスト
だいたいだね、なんで男が死んでるんだよ。おめら女どもが無理難題ばっかしふっかけてんじゃねえのか?
黙って責任しょって黙って死んでくんだぜ、泣けるじゃねえかよ。。うううう(泣き崩れるアンチフェミニスト)
ぐいっとコップ酒をあおりながら
え、てめえら、死んでこいよ、ほれよ死んで父ちゃんにわびてこい。
ーー警官の乱入ーー 「自殺教唆罪により、逮捕します。 このテープは証拠品として押収。」
過去の自殺者の妻
「ううう、あたしだってね、あたしだってね・・・うう・・・」
制度発令直後に息子が被切断者になってしまった母
「もう息子は死にました・・・・・・、 ああ、でも生きているんです?生きているんでしょ!!
○○ちゃん、元気にしてる? おねがいだからかえてきておくれ もうゲーム禁止なんて言わない、
好きなことしてていいから、かえっておくれよおおおおお。。。
お前はかあさんがそんなに嫌いだったのかい?あはははははh、かあさんね、もう近所でさらし者 、
とおさんは出てったよ、、へへへ へへhhhhhhh」
ある事務次官
「あれおかしいな、切断者の件は秘密裏に行う予定だったのだが、どこかで間違えたのかな。
あ、俺書いてないや、、まいっか。」
ACT3
都内ではやり始めた切断者ダンス
駅構内、高層ビル屋上での切断者パーフォーマンスが話題 インディーズ「幽霊ダンディー 切断レディー」 がベスト10入り
切断者セミナー
切断者となることを余儀なくされたみなさん、”死ぬよりまし”の主旨は、生きることであります。
できることなら本来の人生へ戻って欲しいと我々は切に願っているのですが、なんとしてもそれが
叶わなかったみなさんは新たな気持ちで新しい人生を生きてください。
とはいえ、生きていくためには、食べなければなりません。私達はいくつかのコースを用意しました。
これらの中から進路を選んでもいいですし、今日これを限りにどこかへ消えてしまっても結構です。
長期間というわけにはいけませんが、生きるために、心と体を癒す機会を提供できるかと思います。
「なあ、あのあれなんだけど、、」「?」「ほら、あの切断者っつうやつ」
「ああ、ナンか言ってたなあ、なんか都合のいい話しにも聞こえるんだが、、まあ、死ぬよりましなんだろ?」
「あれってさ、幽霊みたいだな」「ああ、ほんとだ、いるけどいないんだな」
「うん、あれって、かえってストレス増えないか?」
「さあなあ、なんにせよ、今までのことを全部ちゃらにしたい奴らってわけだから、
ろくでもないもんばっかしが集まっちゃうんじゃねか?」「流石に犯罪者はけられるんでないか?」
「どうかなあ犯罪者にも人権があるからなあ、執行猶予中ならだめとかその程度とちゃうのか?」
「夜逃げみたいなもんかな」「駆け落ちにもいいな」「一体どういうおっちょこちょいがああいう法案だしたんかなあ」
「さあなあ、無駄に煩雑になるだけな気がするわ」
「なあ」「?」「切断者になったら、どういう生活が待ってンのかな?」
「あ、お前、羨ましくなったんだな」「いや、そんなことは。。」
「ねえ、一緒に切断しましょ」
「つまり、分かれようってことか?」
「やあねえ、違うわよ、駆け落ちの か わ り」
「そんな都合よくできるのか?」
「だってええ、なんか楽しそうじゃん?」
「。。。。。。」
キャンペーン
”一億総切断者の時代がやってまいりました。私もあなたも明日から別人。まっさらになって第2の人生”
「なあ、誰が得すんのこれ?」
「さあ? 案外、残ったやつかも?」
「じいさんや、これであたしら死なないですむんですかねえ」
「ばあさん、おくにが面倒みてくれるそうだよ」
「ありがたや、ありがたや、なんまんだぶなんまんだぶ」
142 :
六課しん:2006/11/23(木) 15:34:12 ID:mIfpmsJi
リーフウザ
虎が
複雑な
狭間をやられたら
脳天にミクロ単位の虎がやってくる
清流を捏ね
今さらに魂なんか救われるのかと
ゆらゆらと笑われ
へきとして夜中に
襲いかかれ しがらみに
144 :
名前はいらない:2006/11/30(木) 07:51:19 ID:I/f7Ftk0
145 :
名前はいらない:2006/11/30(木) 07:53:15 ID:2dwNKuTi
サグラダ?
146 :
名前はいらない:2006/11/30(木) 07:58:06 ID:I/f7Ftk0
桜だ。
「桜庭」
赤茶けた葉、落ち落ちて
か細い裸体をさらす桜乙女の
今は眠りて春を夢見る
桜咲く 桜乙女の
ま白なる欠片たわわに降りしく
夢路をたどる 冬の桜庭
一本の線
直線にはならない
光
夜
刺身包丁を研ぐ
美しかった身を削ぎ落とすように
はがし はがし はがして
赤黒い あばた晒した アジの骨
シャーシャーと刺身包丁を研ぐ
研ぐ
150 :
名前はいらない:2006/12/10(日) 07:27:22 ID:lEgFCmAc
おしっこ
>>148 なんかいいデス
作者の意図とは食い違うと思いマスが
まだマジックマッシュルームが合法だった頃
酒とキノコで朝帰りして自宅で音流しながらソファに埋もれながら光の微粒子がうねって音が鋭く突き刺さるの思いだしました
ぺこり
餅つき
水餅でいただく
模様替えとガラス吹き
黒豆を煮はじめる
筑前煮は明日で
たつくりを炒る
栗きんとんの芋
千両の赤い実
アロエの花を正月に飾る
山の松を切ってきた
蝋梅が香る
白菜の天地換え
昆布と鷹の爪を足す
昆布巻きの芯はにしん
数の子の塩抜き
冬至のゆず味噌に火を通して
干し柿の味見
蕎麦
出汁つゆは一晩なじませ
お膾の大根とにんじんを細く細く刻む
足袋はおろしたて
半襟を替える
白のハンカチ
コートは灰色
もう紅のストールは似合わない
>>151 お久しぶりです。 (遅くてすみません)ありがとうございます
(↑誤字訂正 吹きー>拭き)
154 :
リーフレイン:2007/01/08(月) 20:21:18 ID:/AzGvGU6
渇望
手足が動くということ
文字を書く動作
口
目が光を捉えていること
人
人の
感情のうねり
動作 反動 空気の流れ
音
振動
生命の振動に共振する
155 :
リーフレイン:2007/01/08(月) 20:26:56 ID:/AzGvGU6
ココアのカップの熱量
ストーブの赤い焔
凍りつつある道端の水溜り
冬の夜の空を横切っていく雪雲
肺を焼く寒気
かたまって眠る野良猫
156 :
リーフレイン:2007/01/10(水) 20:21:23 ID:PY9iYkcM
彼は一本のダンディなステッキだった。
細身で骨ばっているが肩幅は広く(肩幅?)
非常に形のよい小さな頭をしたほんの少し老成した雰囲気のある紳士だった。
手足は大陸の人のように長く、はにかむような笑いを浮かべてまっすぐに立っている。
気がつけば、あたしは空色のパラソル(しかもレースの縁取りのついた日傘)で、
彼とあたしは取っ手を組み合わせ、
パラソルをぱあんと開いて冬の空。
ニュータウンの整った町並みの中
幼い子供たちの遊ぶ姿は
窓辺を飾る白いレースと花だった
必要不可欠な期待値を満たすなにものか?
人気が失せたゴーストタウンには猫もいない
時折現れる人も、何かにせきたてられるように通り過ぎて
過去の希望が焼け焦げてしまった残骸に
気づかないふりをする
つぶれたペットボトルが
風に吹かれてすべっていった
きれいに整えられた「郊外の一戸建て」に住む女は
居間の椅子を満たす誰もいないのに
パンの造花を作り続けている
いつか誰かがソレを見て「ほんとうにきれいね」と言ってくれるのを
夢みているのだ
とある日の笑いがしみこんだテーブルは
もっと笑いが欲しいと蒼ざめていく
落書きを書きなぐられては消され、消されてはまた書かれていたコンクリート壁も
もはや書く人も消す人もいないままに黒ずんでいく
白墨石で円を書いた駐車場のアスファルト
猫が子を産んだ軒下のアロエに
いたずらに生い茂ってしまった楡の木の影が長く射す
あの楡を大事に残そうと、ビラを配っていた男も
とうの昔に死んでしまった
時が容赦なく爪跡を残して通り過ぎ
追いつく力のない住人が
背中にその爪をひりひりと感じながら
どうしようもなく、とりかえしのつかない日がくるのを待っているのだ
指の間から零れていくなにものかに
悦ばしげに酔いつぶれ
醗酵した塩の柱になって錆び落ちていく さびおちて いく
冬のきーんと冷たい水でさらした野菜はうまい
言葉に囚われること
執着
自己愛と昇華 (消化?)
言葉でしか構築できない概念のジレンマ
魂が立ち上がる瞬間
金城目ニュータウンの設計コンセプトは生活密着型だった。
碁盤の目ではなく、袋小路や斜めの道、蛇行する道を組み込み、ブロック毎に
一定割合の住宅以外の物件(不動産屋、花屋、八百屋、文具、本屋、喫茶店etc)が
義務付けられていた。住宅街であるので、店舗物件への規則として、風紀を
乱さない商売であること(飲み屋まで許容範囲)、景観に溶け込む概観であること、
コンビニエンスストアは他商店を駆逐してしまうために不許可であることなどが
詳細にもりこまれていた。ニュータウン内での商売でも採算が合うようにと、
貸地扱いで賃貸料を低めに設定してメリットを提供し、その代わり住民の
苦情が大きいときは住民投票によってたち退きを要求される場合がある
との条項まである。
路線バス沿いの人通りが多いブロックには商店街にあるような店がぼつぼつと
点在し、周辺部には診療所、幼稚園、託児所といった施設が駐車場を確保しながら位置した。
塀で囲まれているわけではないのだが、住民はほとんど町から出ることなく
生活することができた。一種の共同体意識が構築される。それは借地や賃貸住宅の
経営母体が自治組織とリンクして存在するということで強烈に作用し、一種の
結社的な相互扶助組織に育ちつつあった。
町の中を大きく蛇行するS字を描いて路線バスが通り抜けている。
バス停は5つ。まんなかのバス停付近は広いロータリーになっていた。
中心部は「中央広場」と呼ばれ、軽く段差がつけられた空間で、イベント用に
借りることができた。大容量の電源と大テントが使用できる。通常はテント用の
途方もなく高い支柱がぽつんぽつんと寒そうにそびえたつ。
ロータリーの地下駐輪場は設計者の希望で迷宮になった。設計者からはこの迷宮を
作らせてもらえるのなら設計料も施行管理費用もいらないと破格の申し出があったため、
町長が話しに乗ったらしい。(工事費そのものは払った)ただし本当に迷ってしまって
はまずいのでそこのところを強く確認したという話しだったが、二つ返事で了承した
設計者の頭の中からはすっぽりと抜けてしまった。利用者は慎重に自分の分かる範囲に
自転車をおくはめになっている。とはいえ、出口は円形の広場の6カッ所にあるため
迷ったらまず外に出ればなんとかなる。リサイクル素材の建築用ガラスブロックが
いたるところに埋め込まれ、外光をふんだんに入れた明るい幻想空間が中央広場の地下に広がっている。
利用者は口では文句をいうが、結構誇りに思っている美しい空間だった。
中央広場の正面は、1階は貸し店舗の町舎がある。2,3階には200席程度の小ホールと、
町の事務所と町長室、多目的室と図書室だ。災害時にはここが避難場所となる。災害用の
備蓄と貯水タンク、消防団の設備も備わっている。警察署だけは中央広場の反対側で、一緒
にすると気まずいと町長が主張したのだそうだ。
特筆すべきことに、この町に学校という名の校舎はない。年齢構成が変化したときに廃校に
なるのは無駄だからという理由で、町舎の多目的室を小中学校の教室として利用していた。
年度ごとに必要に応じた教室が固定占有という形で利用される。つまり人数が少ないときは
一般に貸し出しされるのである。多目的利用を前提に自由度の高い設計がなされていた。
私学進学が盛んになった昨今では片道1時間以上かけて通学する生徒も稀ではなく、なまじ
公立学校なぞはじめから用意することもないだろうというシビアな計算も働いていた。
中央広場の大テントは、某サーカスのテントと同じもので、万華鏡のように華やかに
塗り分けられた円形巨大テントだった。テント設置には専門業者が呼ばれた。
支柱はすでにあるし、観客席スタンドや、床を張る必要がないので格安にしてもらえるわけだが、
1回の費用を計上するたびに、いっそ固定屋根にしてしまったほうが安上がりでは
なかったのかと議論が再燃する。町長は、「たまにあの華やかなテントを見ると
お祭り気分になるじゃないか」と嘯いている。実際のところ、同様の建物の建築費用と
比較すれば、100年間、毎年数回テントを張ってもお釣りがくるのだった。
町長は毎朝自宅から自転車で町舎へ通う。軽く起伏のある丘陵地帯にある町なので、
9分間の全力疾走は腹の出始めた彼には結構な運動になる。前日に飲みすぎた朝など、
9分が15分にのびる。町長の通り過ぎる時間をみて町長の昨晩の酒量を予想するのが
角のタバコ屋のおばさんの日課になっている。おばさんは町長が遅い日は、
町舎御用達の弁当やに急いで電話をかける。メニューの変更を知らせるのだった。
弁当屋の亭主はおばさんに情報代として残りおかずをわけてくれる。
「何を書いているのかい」と、聞くこともなく傍らに座っている
「何を考えているの」と 尋ねることもないままに
凍っていくのか、温まっていくのか
どちらでも違いはないのかもしれない
と
手に触れて
みた
お題 煙草 が今日締め切り。
煙草は吸わないので、あまり記憶の蓄積がないです、、、
ああ、そういえば、会社がケムリでいっぱいだった、、みんな煙突のようにもくもくと
ケムリを出してました。あんまり気にもしなかったなあ、嫌いなにおいでもなかったん
だと思います。体もそんなに過敏じゃないんで、気管支が炎症起こすとかアトピーが出る
とかいう話もなかったし。
ああ、ちっともネタにならないなあ。
そういえば、曾祖母の煙草盆があって、長い柄のキセルがありあした。実家は古い商家で、
粉問屋だったもんだから昔から大豆やらうどん粉やら、砂糖やら油やら扱ってまして、
帳場があったんだそうですわ、でそこに木製の長火鉢があってキセルをおけるように
盆がくっついてたみたいです。納戸に収まってましてね、、そういうのがうじゃうじゃと。
曾祖母はどえらい人だったらしいですわ。大店を一人でとりしきってましてね。
子供がいなくて、あたしの祖父と祖母は貰い合わせの夫婦だったそうです。
二人ともそのお姑さんには全然頭があがんなかったらしいですね。ああ、なんかとりとめがないですね。
黒くなった木製の家具っていいもんですわ。年輪の垢みたいなもんが光ってましてね。
キセルもそういう感じで、いなせですよね女性の細いキセルって。煙草は吸わないんですが、
あのキセルだけは持ってみたいなと思ってましたよ。
ちっとも詩になりませんわ。。
月爪
昨日の月は
尖った 細い 残酷な猫爪だったので
夜を枕でくるみこんで
空を引掻いてしまわないように
唄を歌って
ふかい、ふかい 息を吐いたら
枯れた冬草のにおいが
枕の夜から立ちのぼった
170 :
竹輪焼之絵:2007/03/05(月) 20:05:04 ID:pBhrcZv6
竹に塗り付けたいわしのすり身を 火で炙る小僧どもの絵だった
そこは乱雑な砂浜で、
小さな古びた漁船が数隻、浜に上げられている
波打ち際には いわしが猫もまたいで通るほどに転がり
かもめも嫌がる腐った魚の悪臭がゆらゆらとたちのぼる
食いつめた乞食の小僧たちは
一匹づつ慎重に匂いをかいで拾い 手で裂いて海で洗い
ねぎやらショウガやらをどこかからか手にいれて
塩をふってごりごりつぶした
骨も皮もかまわんで、ごりごりつぶした
打ち上げられた流木を燃し
いわしを細い竹にねりつけて
ぼろぼろの服をまとって、顔も手も頭も汚い小僧どもが
唾を飲み込み、眼をギラギラと光らせながら、
黒ずんだ いわしの竹輪が焼きあがるのを待っているのだ
灰色の曇天だ 炎が黄色だ
しまった、間違えた、、、、
アジア アジアン アジ アジテーション
鰺の干物に醤油ぶっかけ
隣の体臭くんくん嗅いで
甘酸っぱいスエタ匂いが安心毛布
体力差無限小 アジアンモンゴロイドジャムセッション
百姓に平等なんざ関係ねえよ 個人よ価値よっつて何だっつのよ
今日のおまんま、あしたのおまんこ、生まれた小僧を蚕に包んで
お天道様のあるところ、明日もなんとかなるってもんよ
あたしのもんはあんたのもんで、あんたのもんはあたしのもんで
ほら、おあしは天下のまわりもん
買ってもらえんなら、なんでも売らせていただきやしょうか
右や左のだんな様、どうかあたしらおめぐみをー
小僧! 尊皇攘夷だ! いてまえーーー!
拝啓 坂口安吾様
あたしたちは、正しく堕落してまいりましたでせうか?
あたしたちは、正しくあたしたちの娘たちを犯してまいりましたでせうか?
あたしたちは、正しくあらゆる堕落した手段をもってあたしたちの口を漱いでまいりましたでせうか?
あたしたちは、再び竹やりをもて、処女を殺す日を目前にしておりますのでせうか?
あたしたちは、先生様にたぶらかされてしまったのではありますまいか?
あたしたちは、本当は生きていてはいけなかったのではありますまいか?
あたしは、明日、出刃包丁を持って先生を殺しにゆこうと思っております。
敬具
結局のとこ正しい戦後ってやつを殺したのは
なんだかんだあんたと俺たちってことさね
向こうぢゃケネディ兄弟ってやつが贖おうて
色男なだけそっちのがマシか
憐れんでる悪魔
俺たちの貌はいまどこにある
果てしなく続く荒野のむこうから
一列に並んだ ふんどし一丁の青年たちが
「どすこーい どすこーい」と一斉に四股を踏みながらこちらへむかって行進してくる
みれば、皆普通の青年たちで、痩せていたり、太っていたり、もちろん髷なぞ結ってはいない
同じリズムで足をあげ、両手を突き出しながら
「どすこーーい どすこーーい」と続く唱和が
耳に轟く音量になって
初潮が終わった夜、母が大事そうに真っ白い真綿の塊をこっそり持ってやってきた
真綿の中には真っ白な細い小さい蛇がいて、眼は真っ赤だった
「もう、こういう時期になったのね、大事に飼ってあげなさい」 と
その蛇をパジャマのズボンの中へ忍ばせてくれた
「月のもののときには、真綿かなにかに包んで、箱に入れてあげてね」
♪ むーすーんーでー ひーらーいーてー
てーをはなしてー おっこちたーー
そらを飛ぶ
ひし形に交差している電線の間をかいくぐって
近頃肩が凝ってきたので ラジオ体操第2いきまーーす
ちゃんちゃららーーん ちゃんちゃららーーん
ちゃちゃちゃちゃ ちゃちゃちゃ
ちゃんちゃららーーん ちゃんちゃららーーん
ちゃちゃちゃちゃちゃーーん
♪ぴっぽぱっぽぷっぽぺ
ぴっぽぱっぽぽん
ちゃらん
たーりらーりらーんろん
れーりらーらるーんろん
にゃーりれーれるーんろんれ
ろーろるーれよん
ぱぱんぱ
びょーーーん びゃーーーん びょおおーーーん
じょーーーん じぇーーーん じゃああーーーん
だぁーーん でぇーーん どょーーん ずこーね
ざんかざんかざん
ぱらん
179 :
sin:2007/04/03(火) 17:47:26 ID:P/9PRyAw
サグラダファミリア
見上げる
アナタはどこにかくれてる?
サグラダファミリア
見えますか
わたしはカタツムリの隣
まず蕗の薹
雪が溶けて、側溝に水が流れたら大根を
切干しに干せるのは寒のうち
あとは塩して、漬けものの樽
味噌を仕込むのは
麹菌が繁殖するほどにぬるく
雑カビがさほどには混じらない寒さの1月の終わりで
少し取りおいた麹で金山寺味噌と
タラの芽
大事に食べてきた晦日の餅がなくなり
節句にはもう一臼
犬のオシッコがかからない 崖に生えたヨモギで
草餅を拵えたら春の本番
去年の小豆を2昼夜かけて餡に煮て
お彼岸様のぼたもち
ぜんまいのアクを抜き
伽羅蕗をおしみおしみ食べ終えたころにはつくしの
さきっちょがほうけてしまわないうちに
指を紫にしながらはかまをとって 炊き込む
暖かい雨の朝、筍が
薄っすらと腐葉土を持ち上げてきたら
春も終わり
草刈な日々
ああ、新緑
ああ、あああ、新緑
ああ、草の芽のなんと速い
ああ、ああ、あああ
傑作ですね。
読んでいて目の前に広がる緑緑。
キラキラ(ギラギラ?)した生命力に、農婦の悲鳴。
ああ、新緑よ。。。なんて呑気には
季節に浸っていられない。
そこで新緑の勢いが際立つ。
草刈乙です。
>>180 これも好きです。
生活に根差した詩は尊い感じがします。
春の終わりの風 ひゅーっと吹いた/1日
夕焼け空/真っ黒に
いつまでも熱が冷めないモーター/余韻
膨張した血管/冷たくないシーツの間にもぐりこむ
木刀が鳩尾に突き刺さった友人が転がりこんできた
もう動く元気もなさそうなのでまずは木刀を引き抜く
案外と浅く、5センチほど下向き斜めに刺さっていて、
血は流れず、中に深い穴が開いた。本人死ぬ気配はない
だが、なにかがきらっと光るの ?とのぞきこむと
一升瓶がまるごとはいっていた。「ほほー」と思いずぼっと引き抜く
すると口の部分が割れている、これは体の中にガラスが残ってしまうと
深い穴のなかに、ぐぐっと腕を突っ込んで穴の中を捜す。奥の奥にもう
一本酒壜がはいっていて、それもやはり少し割れてこわれていた。破片
はもう見つからない。「こんなもんを抱え込んで、普通にしてたやつなら、
ガラスの破片ぐらいはてきとうに処理してしまうだろう」ぶつぶつ
つぶやきながら、探索はあきらめて穴を縫い閉じておいた。
あとで聞くと、酒壜は前回うちに訪れたときについ壜ごと飲み込んでしまったもので、
見つかりそうになったので焦ったのだと、のたもうていた。
「お前の胃袋はドラエモンのポケットか」「飲み込むばかりで出てはこないんだ」
砂原に
砂原を歩いていると、人間の手が蠢いていたので、掘り出した
父だった
父はこんなところに埋まっていたのだ
途中から誰かがわかったので、指先でなでるように、焦って掘り出した
息をしていた
父とはもう語ることはなかったので、
一緒に砂原に座っていることにした
陽がさんさんと照り
風が砂を運び
遠くの空をなにかが飛び去って
足元で虫が這い
父は横に座っていた
風が夜を運び
砂が湿り気をおび、
夕焼けの赤いベールが閉じられていって
父は横に座っていた
長い、長い夜が
一息一息の呼吸をルーペで覗き込むような細密さで
私と父に刻印を刻む
父は ただ横に座っていた
白い朝を迎えるころに
私はもう一度父の上に砂をもり
父の手をたった一度だけ握り締めてから
家へ帰った
雨で雨で雨と雨
雨の
雨やすみ
遠足日和
雷が鳴った
雨がひとしきり降ったら遠足日和
道端の公衆トイレ前
黄色い帽子のリュックサックの群れ
カラフルなお弁当とお弁当とお弁当とおにぎりと水筒と
得意げな顔
笑う、笑う、笑って、笑った おひさま
色
卯の花と牡丹と金盞花
目の下の黒いくまと日焼けのしみと
赤茶けた髪の毛と 手の皺の灰と
磨いた鍋底と花の終わったシクラメンと
藤とシャガとあやめと
終わってしまった菊桃と枝垂桜と
柿若葉
突堤の先にたった一軒の家
足元の土台がいつも波に洗われて
フジツボがいくつもついて
かもめが鳴いて
突堤の一番先に、パンの台があって
朝一番に彼はその台の上に細かく砕いたパンを置く事にしていた
ストイックなスイートピーがストマックにストレートパンチをスパンと決めた
ストイックなストック(株)
ストイックなストマック(胃)
ストイックなスイートピー(花)
ストイックなスケルトン(骸骨)
ストイックなスケルトンハウス(永久保存型マンション)
ストイックなスカトロ女優(完璧な菜食主義)
ストイックなスカー(刺青)
エニシダ
黄色いつぶつぶ 数知れず
そっと道にはみだして
ジェットコースターで死亡
ジェットコースターで死亡
ジェットコースターで死亡
恐ろしく高いスリル
お約束にはいった亀裂
支払い額の足りない健康保険
教育未満の義務教育
ネグレクトする親
お約束は簡単にはキープできない
動かない高速道路、払われない給食費、解体される違法建築ビル、壊れた学校のジャングルジム、
守られない鉄道のダイア、やってこない配管工、耕作されない農地、海外移転の工場、
支払い開始年齢が高くなってく年金、事故を隠した原発、
当たり前だと想っていたことが決して当たり前ではないことに気がついて、どっしりと肩に感じる重み
当たり前に自分の口を漱いで、当たり前に親の面倒をみて、当たり前に期待されることをこなして、
誰もがやっていること自分もやっていこうと思った。
当たり前に という言葉がまるで奇跡を起すことのように聞こえたけれど、みんなが為している奇跡ならば自分もこなしてみせようと思った。
当たり前は当たり前じゃあない
ジェットコースターで死亡
コーヒーコーナーで死亡
爪きりで死亡
デートホテルで死亡
地球儀で死亡
円形脱毛症で死亡
お茶の間で死亡
(ラップ調で聞いてください)
宇宙からの声を聞いて詩をかいてるっていう人がいて
「それはスゴイ」と、、
じゃあ、あたしは何聞いて書いてるのかって考えると、さあ?
わかりませんわ。何も聞いてないんだろうな、多分。
おひさまはいつもおひさま、
土は黒グロ、ほかっとくと雨に打たれて堅くなっちゃう
手でほぐして、いい匂い
まあ、単純にそこにあることでしかなくて、それ以上のことはあんまり考えてない
ソレは多分、それでいいんだけど、ね、
腐葉土のつんとした香りと、新しい草
薬品の苦味のまじんない土は好き
みみずをぶちぎってしまって(すまん、、)
鳩に食われちゃわないようにちょっとだけカバーかけて
なんであいつら、わかるんかな 豆類と玉蜀黍類撒いたときって
匂うのかね、埋めてあるのに
技巧ってあれかな、視点のしかけ?
でもメロディーのあるものは好きだな
はやくひとなってね
キーボードが欲しいです(涙)
何かを創るときに使うエネルギーというのはどうもかなり種類が似ている。
詩がいったい何を記述するかといえば、どんな種類であれ、エネルギーなのだとすると、創る行為そのものがすでに詩である。
垂直方向のエネルギーを記述しようとした田村の言っていたことはなんとなく、そういうことに近い気がする。
深度を得るということは、創作の精度を高めて、高めて、さらに次の何かに手を伸ばそうとする行為に似ている。
そして詩は、さらにその手を超えて飛び出していく瞬間に、色濃く立ち昇る。
金曜日の青ピーマン
尖らない鉛筆の先っちょで
膨らんだ水風船の腹を押す
明日からはお休みで
学校は眠りについて
笑い声の記憶にまどろんでいく
廊下の本棚の辞書が流す涙は画数の多すぎる漢字
期限が切れたポスターの色あせた写真に
キスをしてまわって
上靴がかたっぽう
ロッカーに
運動場のたつまき
「エンドルフィン」
イルカ
海で
コドモ
きゅうきゅうと
赤子が
腹の下の乳首を吸い付いた
きゅう
きゅう
きゅうきゅう
海が鳴いて、乳がとろけて、産褥の血が青く染まった
「月影」
煌々と照らし出す砂原に濃い月影を造りだし
一人の老人が杖を突いて歩む
影は彼の足元から、斜め後方に延びて
砂原の起伏に翻弄されてダンスを踊る
ざくっ、ざくっ と歩む老人の足元で
彼が踊っているのは
生きられることがなかったひとつの人生の歌だった
雨上がりの夏は豚くさい
ドロドロの田んぼの中をはいつくばって
生き物の猥雑さの
皮膚と鼻と口と目からしみこんでくる緑と汚濁に
わずかに厭う潔癖さをかなぐりすてて 染まるにまかせると
肉体が饐えた深いため息をつく
「きゃああ」よりも「ぎゃああ」がぴったりくる土曜日の昼下がり
外気温は35度をこえ、道は渋滞
空気は熱せられ、苛々と音をたてて地上へ押し寄せられてきた
こんがりと焼け焦げた人々は、黒い顔をさらしたまま互いの焼き目を批評しあった
よく知られていることだが、一杯目のビールの泡は、飲む人の頭のねじが溶けてできる。
ビアホールにつき、ビールのジョッキを前にするとあたしたちの頭のねじは、
ポンっと音をたてて跳びあがり、それぞれのジョッキの中へダイビングする
ねじは真っ白な泡をつくりだし、そのきめ細やかな舌触りを楽しむのである
これもよく知られていることだが、酒場の中の空中には、ねじが抜けてしまった穴から流れ出した頭の中身がいつも漂っている。
あたしたちは、適度にミックスされたぶちまけられた中身を、タバコの煙を吸うように
ゆるやかに、まったりとすったりはいたりして酩酊を重ねていくのである。
こんがりした焼き目が浮き出た日には
ビールがうまい。
ちょっと余分にぶちまけて、おつむを軽くして、眠るのである
みんなで基地外をみっくっすしよう
思想が集団性を帯びた瞬間に、目を瞑って飛ぶ人間が発生する。
もしそうであるならば、民主主義はその性質からすでに矛盾を抱え込んだ思想なのだ。
みんなで基地外になろう
世の中は基地外でいっぱいなのだから
あたしもまごうかたなく基地外で
あなたも安心して基地外でいられる。
理性的であろうとすることと、非理性的であろうとすることは
非理性的であろうとするという状態がすでに理性的であるがゆえに、両者ともに理性的である。
人間は、しばしば理性だけでは活きが悪くなるので、時折非理性的である場合があり、必要でもある。
それは、意図して非理性的であろうとした瞬間に、非理性的な状態から離脱してしまうために、現代人はフラストレーションに
常に駆られてしまう結果となる。「理性的であれ」という(ほとんど宗教的なという形容詞が近い)束縛から逃れる術を失うのである。
「理性的であれ」という命題と同値に「非理性的であれ」という命題を立てておきたまえ。
双方とも同程度に有効であることに気がつくだろう。それはあなたが適度に「理性的である」という前提が必要とされるのではあるが。
理性的であろうとすることと、非理性的であろうとすることは
非理性的であろうとするという状態がすでに理性的であるがゆえに、両者ともに理性的である。
人間は、しばしば理性だけでは活きが悪くなるので、時折非理性的である場合があり、必要でもある。
それは、意図して非理性的であろうとした瞬間に、非理性的な状態から離脱してしまうために、現代人はフラストレーションに
常に駆られてしまう結果となる。「理性的であれ」という(ほとんど宗教的なという形容詞が近い)束縛から逃れる術を失うのである。
この文章の理性を排他に置き換えると
排他的であろうとすることと、非排他的であろうとすることは
非排他的であろうとするという状態がすでに排他的であるがゆえに、両者ともに排他的である。
人間は、しばしば排他性だけでは活きが悪くなるので、時折非排他的である場合があり、必要でもある。
それは、意図して非排他的であろうとした瞬間に、非排他的な状態から離脱してしまうために、現代人はフラストレーションに
常に駆られてしまう結果となる。「排他的であれ」という(ほとんど宗教的なという形容詞が近い)束縛から逃れる術を失うのである。
酩酊 中 めいてい メーデー めんこい
おやすみなさい
……どうしたお嬢さん(ФvФ;)……めんこいからまあいいけど
>>212 暑かったのよ、、今日も暑いね、、、暑いときって頭がおかしくなりますね
>>213 少しおかしくなった貴女の方がめんこいと思えるわたくしです
この際その暑さを利用してセクシーな浴衣に身をつつみ
エロさ満開の流し目などしてご主人を悩殺しなされ(いつもしてるかもしれないけど)
わたくしはこれから灼熱の名古屋城観光ですよ(ФvФ)たぶん死にます
暑いほど嬉しい生物も地球にはいることだし(セミとか)
お元気で!
>>214 嬉しいです。はい、残念なことに彼はおかしいのは好かないですね。
名古屋暑かったでしょ?生きてますか?
もう 外を歩いている人がほとんど奇人に見えてしまいます。日本の国土の8割は南国になってしまったみたいです。
クーラーを持つことができるかできないかが、生死のボーダーラインのひとつになっちまったらどうしよう?
いつまでも持ていられるとはかぎんないし、、あっさり淘汰されちゃうかも、、(><)
ディスプレイ復活(半年ぶり)
「正しいことが鉄の雨のようにふりそそいで 」
白い原稿用紙に痩せた象を書き、 赤い紐で閉じた
#>218 サンクスです。 週に2時間であります、、
あまりにも久しぶりすぎで、どこのスレッドを読めばいいのか、、、誰か教えてください、、
なんもないので気にせんでいいれす
>>221 なんつか、人の入れ替わりがあったみたいですね、、掲示板だなあ、、
てすと
てすと2
日の出る前くらい寝るべし
こういうことを 書きたいのではないのだと
書いてしまってから 気がつく
形にならない光
たましいの先の先まで欲しがっている 髪や爪のことはさておき
小僧が、家庭科の課題で手作りの子供のおもちゃを製作中。
彼が選んだのは、4,5枚の細い木の片方の端にビー玉が通るぐらいの穴をあけて、
はしご状に組んだ木工細工で、少し傾けてとめ付けた板の上を、ビー玉がころころーー
こっとん、ころころーーコトンと順番に落ちていくやつです。
彼が糸鋸と小刀であけていたその穴が、実に色っぽくて(?)やすりをかけ、
さらにペーパーをかけて、やんわりした風情でして、母、実はこの穴をビー玉が
潜り抜けるたびに、なにやら口にしてはまずい状態にかられてしまいました。。。
大人のおもちゃですな。。。
エコロジーエレジー
ペットボトルはリサイクル
ペットボトルはリサイクル
ペットボトルはリサイクル
ペットボトルはリサイクル(蓋ははずすんだよ、あんちゃん)
生ゴミはコンポスト
ビニール洗って分別ゴミ
牛乳パックも洗って干して
カーテン屋の端切れのチェック
給食袋にランチョンマットに買い物袋に体操袋
味噌は自前で
燃やせるごみで風呂を沸かして
くたびれたタオルで布巾を縫って
キッチンペーパーは言語道断
紙おむつは資源の無駄無駄(ほんとかよ)
仏壇飾るは庭の花
大根の葉っぱもかかさず使って
ミョウガ、筍、干し柿、ぜんまい
しいたけ、枝豆、葱さんしょう
大葉にローレル こんにゃく、梅干、食べられるものは抜かりなく
漬物切らすは主婦の恥
汝、外食の大罪をおかすべからず アーメン。。。
あたしは主婦よ。24時間営業中。(嘘だよーーん)
どうしてかな っと思うとき
本当は答えを知っている
ただ、その答えがとても泣けてしまうので
海辺の砂地にまぎれてわからなくなってしまえばいいのにと思う
せめて夢をみましょう 誰にでも終わりはくるのですから
232 :
「詩」:2007/11/19(月) 20:44:04 ID:lJrKU3LI
2分の1に分割された魂
15億9千4百3分の1に砕かれた欠片を
3億の嘴がひとつひとつ祈りをこめて
立ち昇る紫煙は清々しいあるいは
鼻の曲がるような香りを
路上に放置されている犬の轢死体
這いだした蟻はかつてあった唄を大声で
少年は
自分の魂の半分がそこにあったことに気づき
流れる赤い涙
その空白を握りしめた一瞬
の風/
#
>>231 フナ虫ガ食ベテクレルニ チガイナイト 思ウノダ
黄色イ花ガ 咲ケバイイノニト 思ウノダ
いっそ夢なら醒めなければいいと思うニダ
どうせ骸になるのなら哂った顔で死ねばいい
伊良子岬の海っぺりでいわゆる藤村の椰子の実とかといっしょに売られていた
眼鏡をかけた嗤う髑髏の置物(灰皿)は従妹と一緒に買った思い出ですが
いまだに宝物です
るりいろのらっぱ
かんつばきのクラリネット
ハコベのほるん
天帝さまの庭園オーケストラ
演奏は オヤスミ中の春の風たち
灰色雲の帽子とマフラー
抜ける青色 しばれる空気
はあふう、ひいふう
息が白いよ
はあふう、ひいふう
雪が重いよ
存在すること。
ディテールへの偏愛。
形状記憶。
私は余韻を噛みしめて反芻のなかヘ溶けこむ。
『終わらないでしょ?波って。いつまでもいつまでも。いくつもいくつもね、泡立ったりうねったりしてる流れ。
小さなリフレインを選んでちょこんと乗ってみるの。こうやっていつまでも遊んでるの。
ここは時が止まってるのよ。』
『僕は取り残されるのだ。いつもいつも。あのコは生き物のように生起しては消えていく砂紋のあいだを泳ぐことができるのだ。
僕に出来るのは噛みしめることだけ。そんなことの繰り返し。』
私は飽くなき甘美な夢想の虜。魅せられること以外に生きていくすべを知らない。
酔いの翼。私はもはや何も持ちたくないのかもしれない。
私は発熱と冷却をくり返す装置。
明滅する、ヒトの淡い淡い夢幻を映す水晶に憧れる。リフレイン
「メガホンを口にくわえたからす」
ぎざぎざの空
柔らかなゴムでつながった
ビルと車
自転車に乗った悪人と善人
いっぱいになっても
まだ注ぎ続けられて
あふれる
あふれた 泣き笑い
----------------------------
沈没。。。
238 :
都市伝説:2007/12/11(火) 22:15:22 ID:sHoTxNMi
今回の”あの人探訪”番組では、”できのいい嫁”を探して日本中を歩きます。
P:おい、あてはないか?
AD:うちの嫁はどうでっか?
P:いい味か?
AD:もちろんです。
P:それは一度ご馳走に
AD:正月にいらしてください。カズノコうまいんです。
P:つか、おまえ、なんかそれ違うぞ
AD:ても、旦那もおっかさんも誉める ”できのいい嫁”なんて見たことないっすよ
P:まあ、あれだ希少価値があるから探すんだよ。
AD:ツチノコ?
239 :
都市伝説2:2007/12/11(火) 22:22:15 ID:sHoTxNMi
今回の”あの人探訪”番組では、”ひのうちどころのない恋人”を探して日本中を歩きます。
P:お前あてないか?
AD:”ひのうちどころ”ってないならないのがひになりませんかね?
P:お前もそう思うだろ、これ絶対企画ミスだよな
AD:誰が持ってきたんですか?
P:俺の嫁。 ハ○○クインロマンスのファンなんだ。
AD:いましたよ!
P:なんと!
AD:バリバリのキャリア官僚で仕事もデキるって周りの評判で
P:ほう
AD:上役の覚えはめでたく部下にも慕われ
P:むう
AD:武道の達人だわ美食家だわ、おまけに女によくモテる
P:ぐう
AD:善に強けりゃ悪にも強く、不良たちの間でもカリスマ扱いで
P:なんか腹たってきたな
AD:俺、池波正太郎のファンなんですよ
P:鬼平かよ!
街角には、白い柱が一本立てられている。象牙の色の、なめらかな小さな突起に覆われ、
大人が手を回しても、すこし届かない程度に太く、もたれるのにちょうどいいへこみがいくつもあった。
手を触れると人によっては柱の中へ消えてしまうことがあった。身につけていた一切をその場に残して、
あっさりと消える。帰ってきたという話は聞いたことがなく、一方通行だった。
誰でも消えるわけではない。ほんの一握りの人だった。聞くところによれば、彼らには
「真にそれを望んでいた」という共通点があるのだという。柱に消えた人は聖人になったのだと言われていた。
自死を考える人々は、まずこの柱に訪れるようになった。あっさり消えればそれでよし。
消えなければ、まだこの世にやれることがあるのだと なんとはなしに納得がいくのだった。
ほとんどの人はただその柱に手を触れるだけで終わるのだが、引き寄せられるかのように、
訪れる人がたえることがなかった。そして、柱の回りには花もたえることがなかった。
街には奇妙な平安と哀しみが漂った。
# >鬼兵はたしかに、、
信憑性のない断定は可能性の地平
夢想かの未来とリアリストの希望
ロマンチストは昇天できるか
隔靴掻痒の団子虫
虫が覇者の夢を描いた
マラーの死
ギロチンの挿絵がついた子供の絵本
墨ぬりの化粧顔
一羽のすずめが瞑想にふける
肉のない焼き鳥
売れないからすのステーキ
ヤタガラスの3本目の足が握るものは
♪シャンソン
広い囲いの真ん中で
きりんが首をかしげたの
ねえ、あなたの顔は━を向いてる
あたしのお腹はからっぽ
きゅうきゅうと空腹の音が
空に響いて
ライオンがもらい泣き
ねえ、あなたの顔は━を向いてる
抱きうさぎを抱いてみてよ
ふるふるとふるえて
ぴくぴくと鼻をうごめかして
ねえ、あなたの顔は━を向いてる
アイスクリームが地面に落ちたの
あたしが舐め取る前だったわ
ねえ、あなたの顔は━を向いてる
煙草はすっちゃあいけないの
神様のいかづちが今落ちてきたら
あなたとあたしは
燃えつきてしまうでしょう
守られなかった誓約の罰で
ねえ、あなたの顔は━を向いてる
あたしはたくさんの「こうだったらよかったのに」を鯉のエサに投げてやって
ほんのちょっぴりの「あした」をコーヒーカップの遠心力で放り捨てて
その間もずっとあなたの顔は━を向いていたの
柱を作ったのは一人の男だった。
神の許しがない国で、許しが欲しいと思ったからだった。
本当は柱は何もしていないのだ、ただ、「消えた」という風評を流し、時々着替え一式を
柱の元に置いただけだった。人が奇跡を作り出すことはできないのだ。
ただ、人は奇跡を願うことができる。消える風評を定着させたのはそれを信じたいと願った人々だったのだ。
諸星大二郎的には死のうと思った男が
柱にめり込んでいったところでこの世に未練が起き
翌朝に柱に埋まったままの男が発見されるというオチが欲しいところ。
246 :
リーフレイン:2007/12/22(土) 22:23:17 ID:N9/ElQgp
ホスト演歌♪「一円の薔薇」
こっそり隠した僕の薔薇
たった一輪、そっと、そっと 誰も知らない
茶色の葉かげの純白の花 きつい刺で覆われて
冬枯れの白い庭園
茶色い刺のからんだアーチが
訪れる人をきっぱり阻む
知らずに歩かないでくれ
嘘の嘘の中に隠した僕の庭園を
知らずに触らないでくれ
嘘のまことの裏に隠した僕の本当に
君に渡した白い薔薇
君は知らないけれど
たった一輪咲いた僕の薔薇
君は知らないけれど
たった一輪咲いた僕の薔薇
一円の薔薇
>>244 可愛いマルチーズが柱に半分ひっかかっちゃってる図を書こうと、、
一本一円でも百万本の薔薇なら百万円なんだよね。
貧しい絵描きじゃねえじゃんかよう、と思いますた。
今年もクリスマスは赤い薔薇を贈ります、50本1万円也
マッチが燃え尽きるまで
ランダム係数で導き出された値を灰青色の明度に代入すると
コペンハーゲンブルーからグレーまで アフリカ模様を織り上げていった
249 :
レイヤー:2008/01/07(月) 09:07:17 ID:xOAKw5+e
僕の街は遺跡だった。 「たった一つ遺跡がある」なんてちゃっちいもんじゃあない。
有史以来一度の地震もハリケーンにもあっていない安定した谷間で、街全体が遺跡の
上に遺跡が重ねられた複合遺跡だ。僕の家も200年前の家の壊れやすい部分を取り除い
てその上に重ねられている。当時使っていた階層のうちの2階分は今も使用可能で、
僕の部屋はひいおじいちゃんの時代には居間だった。さらに下にはまた数百年前の階層、
さらに下にはさらに数百年前という具合に、様式も建材も雑多な構築物が複雑に絡み合
い、高層であればあるほど価値が高いとされていた。もともとの地表は目に入らず、
構築部同士を繋ぐ石の橋がいくつも点在している。狭い階段状になった道がもつれた
蜘蛛の巣のように街中を這い回り、高いところから低いところへワイヤーロープが張ら
れていた。慣れた大人は”レイヤー”と呼ばれるワイヤーを走る滑車を使って、
(手でつかまる輪っかと足をひっかける輪っかがついている)2,3階層下へとすべり降りていった。
250 :
骸骨サッカー:2008/01/07(月) 09:10:07 ID:xOAKw5+e
僕の学校は家から数ブロック離れた所にあって、僕は毎日5つの階段をくだり、回廊を2つと橋を6つ、
12の階段を上がって通っていた。1000年前に墓場だった回廊を使うと、とても時間が短縮できた。
顔の十数センチ横に骸骨が幾つも並ぶ道で、僕はいつも息を止めて走り抜けていった。その一方で、
学校仲間が集まったときの僕らは子どもがそうである程度に残酷で無神経で、骸骨サッカーで遊んだりもした。
もちろんそんなことはしてはいけないことだったのだけれども、してはいけないことは楽しい。
251 :
ガイド:2008/01/07(月) 09:12:13 ID:xOAKw5+e
僕たちに一番人気のあるバイトは「ガイド」だった。迷路のように複合化した街は普通に
住んでいても迷うほどで、下部の遺跡部分に迷い込んだ観光客が消息不明になってしまうことも
ままあった。慣れた人は地区ごとにガイドを雇い道を確めながら目的地へとむかう。 僕たちは
学校単位で 一種の鑑札を発行して、「1、騙さない。2、安全迅速に目的地に向かう。3、
適正価格で荷物も運ぶ。」ことを保障しあった。最上級生による審査を経た鑑札を持つことが出来た
こどもは少し余分にチップを貰うことができた。 僕の学校の鑑札は街でも随一の信用度があったのだ。
僕らは毎日のように新しいルートを開拓したり、遺跡マップを更新したりと、努力を欠かさなかった。
僕はいつも「街には世界の全てが眠っている」と感じていた。他の街ならばとうになくなっている全てが
今にも血を流さんばかりに眠っている。僕らにとって過去は足のすぐ下にあるもので、飯のたねで、僕らの家で、
死で、いまだ探索されえないものだった。だから街の外へ出ていくか、街の内部へ潜っていくか、というのは
将来を考え始める頃の僕らにとって大きな命題だった。街の外は街の内部よりも単純で色あせて見えてしまうのだ。
事実、教育と自由と生活費のために他所に出た仲間の多くも、やがて街に戻ってきた。僕らの一部はもう遺跡になって、
この街に植えられてしまっているのだと思う。
253 :
ハンター:2008/01/07(月) 09:20:56 ID:xOAKw5+e
遺跡調査人という職業があって、僕らの中でもとくに遺跡に取り付かれた数人はこの職業についた。ひたすら調査し、
行政府に調査の報告をして給料をもらう。ハンターの取り締まりにもあたった。高価な宝はとうになくなるか、登録さ
れて管理されているかしているにもかかわらず、まだ深部へともぐるハンターはいた。正式な遺跡調査人になれなかった
人がそちらへ回ってしまうこともままあるらしい。
今日、僕は”大いなる扉を見つけた。”とかかれた古いメモを拾った。字体は400年ぐらい前に使われていた流麗な筆記体
だった。僕は古いメモを拾った。僕は古いメモを拾った。僕は古いメモを拾った。僕は、僕は、
僕はきっと大いなる後悔を抱えながら、大声で笑い、遺跡の街に飲み込まれてしまうだろうと思った。
254 :
石板芸術:2008/01/08(火) 13:10:57 ID:3GJWdMXA
街の名産品、装飾石板。薄い石板に意匠を凝らす。
技法には様々な流派があった。今一番人気はラ・キュと呼ばれる技法で、釉薬をかけて焼き上げる.
255 :
優秀な石工の:2008/01/08(火) 13:13:58 ID:3GJWdMXA
谷間を囲む山では、よい石材が採れた。街は石を掘ってできた穴を埋めていくようにも広がっていた。
一種の流行もあるのだろうか、高く、高くと伸びる時代と、深く深くと潜る時代がランダムに訪れていて、
遺跡層は時系列に重なっていない。石を掘ってしまえば当然出来てくる空洞を十分な強度に補完する必要
もあったのだろう。 精緻な建築技法が要求されてきた。優秀な石工はとても尊敬される。ハルさんは
代々続く石工の家に生まれた。すでに建材そのものとしての石材は枯渇していて、石工の仕事も昔日の
姿はない。一方で高層化してしまった街に、何トンもの重さの建材を使用することは不可能でもあった。
ハルさんは、石板を切り出して装飾を施す。時折、遺跡の深部にもぐっていく。数日分の食糧とライトと
カメラとスケッチブックを持って、いつ帰るとも言わず、消えてしまう。彼の手元には膨大な枚数の
資料写真とデッサンがたまっていた。写真は幾時代もの美と力で魅了する。ハルさんが特に好きなのは、
BW100年頃の時代で、今ではいない動植物が躍動感に満ちて壁一面を彩る。厚さ50センチを超える
ぶ厚い石を潤沢に使っていたころで、損傷が少ない。いつかハルさんが遺跡の深部に出かけたまま帰って
こない日が来るのではないかと思っている。たぶんそうなっても本望なんじゃあないかと思う。
人はレイヤーを滑り降りることしかできないが、10キロ未満の軽いものであればレイヤーを引き
上げるときにくくり付けて、上層へ運ぶことができた。ガイドの仕事の一つはそれで、頼まれたもの
を頑丈な葛籠へ入れてレイヤーに付け、引き上げる。ワイヤーロープの上か下かどちらかには荷物の
受け渡しと保管のためにガイド仲間が待機していた。
彼らはやってきては、また、いなくなる。
街は常にこの命題に頭を悩ましている。いつの時代にも「すべてを取り去って一から作り直さないと
この街は崩壊する」と予言する派閥がいる。地震はなくても、自重はある。
Scrap and Buildのことかなぁ…
>259
あ、すいません アンドは故意に取り除いたんですが、”ド”が余分でした。
はいそのことです。
あたくしの部屋えのアマリジーでせうか
アマリジーってあんまりだ、アナロジーだあよ。
>>261 違いますよぉ。 こないだ小僧とTORGやってたんですよ、(シナリオなし)でその舞台が遺跡風下水道ダンジョンでして
学校行く途中でおっこっちゃう。で、そんな風景が普通にある町ってどんなんやって話を二人でしてて、こういうことに・・・・。
小僧がトレジャーハンター志望の小僧の冒険を書くっていうんで、じゃあ母は世界を書こうって。
>>262 ですね。
264 :
黒こげ長官:2008/01/10(木) 11:05:47 ID:Flq1r8GL
AW1800年に大規模な火災がおきた。当時使用していた街の4分の1が被害にあい、一万人以上が死亡したと伝えられている。
時の長官は延焼を避けるために、火災区域を閉じるように命令を出した。今もその時閉じられた扉が残っている。扉の内側には
逃げ遅れた大勢の人が折り重なって死んでいた。
265 :
正式名称:2008/01/10(木) 11:06:52 ID:Flq1r8GL
長官の正式名称は、”メア複合遺跡特別保護区域統合管理長官”
アール氏は街の都市建築課の課長だ。背が低くネズミのような風貌をしているが切れ者で、建築学と公衆衛生学の博士号を持っている。
「人間の住んでいる都市は、都市そのものが生き物です。血管に血が流れるように事物が流れ、ものを食べ、消化します。便秘や下痢
になってはいけませんし、風邪をひいても困ります。僕の仕事は街のお医者さんですよ。」「ここの窓から見える石の橋ですが、
あれは街の高層部分をつなぐ大動脈であると同時に、消化器官的なライフラインでもあります。あの橋よりも高層区域は橋の内部を
通っている上下水道、電気ガスライン等々を利用しています。」「実のところ、先人たちも上下水道に工夫を凝らしていました。
下層へ下っていくと3階層置きぐらいに大規模な水道設備を見ることができます。昔の下水は楽しいですよ。」アール氏の趣味は
フィールドワークで、遺跡の下水道調査に余念がない。ただし危険も隣り合わせで、彼の左手は指が一本欠損している。ネズミに
かじられたのだ。
午後3時、二人の屈強な男たちが籠椅子をかつぎ、階段をゆっくりと登り降りする。クリーム色の薄布で
覆われた椅子には、豪奢に着飾った老姫君が座っている。最後にこの街に訪れた離宮の主の愛妾となった姫だ。
やんごとない老姫君の行き先は前の長官のお屋敷で、毎日1時間、碁を打つ。
姫の本当の趣味は道中での拾いものだ。お屋敷は物や人や生き物やそのいずれでもない何かで溢れている。
268 :
はずれの塔:2008/01/10(木) 13:16:32 ID:am1yaYtg
西のはずれの塔のハト小屋。朝焼けの空に、数百羽のハトが美しく円を描く。
269 :
波紋を描く音:2008/01/10(木) 13:22:54 ID:am1yaYtg
渓谷の壁を切り開いて音楽堂が刻まれている。中心で発せられた音は壁にぶつかりながら幾重にもこだまし、天上の音楽を作り出す。
ここで演奏される音楽は、この音響効果を最大限に発揮できるものが選ばれる。間隔をおいてこだまする音の重なりを計算して作曲されるのだ。
1月の終わりに音楽堂でフェスティバルが催される。冬の透明な空気の中で 音は、鮮明な輪郭を描いて響く。
ごくごく普通に正しいことを鬼の首をとったかのように指摘されること。(判断力がないと認識されている)
ー>指摘されて初めて気がついたと、心から賛成する。
このくらいいいじゃないかと思うことを禁止されてしまうこと。(自己裁量のなさと自分に甘い状態)
ー>だだっこ泣き。
自分ではできないのに、自分がやらなければいけないと感じていることを
誰かがご親切にしてくださって、素直に感謝できない。(テリトリー意識と傲慢不遜かつ不条理なプライド)
ー>「無駄なプライドは諸悪の根源」とこっそり3回唱えて逆立ち。
ご親切にしてくださったことをことあるごとに恩に着せられてしまっても反論できないジレンマにはまる(過去の不始末が因果応報)
ー>ひたすら逃げる
いや実に卑怯。。。
人間はどこまで自分の卑怯さを我慢できるのかな、、、
国民的屈辱の日と言ってもいい例の日、僕がチョコを求めて彷徨ったあげくにたどり着いたのはバレンタインパークだった。
パークの入り口はチョコレートでアーチが組まれ、ヘンゼルとグレテールのお菓子の家さながらにチョコとクッキーを組み合わせたミニチュアハウスがガラスケースに入れられて飾ってある。
「いらっしゃいませ、お客様 コースをお選びください。」
チョコレート色のキャットガールが数枚のカードを乗せたお盆をもって現れた。
抜群のプロポーション。トラ縞模様のタイツ。縞の尻尾。頭部は完全に猫だ。耳がピンっと立った美猫である。
「一枚ひいてくださいね。」
「なにがあるんですか?」
「当パークでは、6つのエンディングをご用意して、お客様にチョコを賞味していただくようになっております。
みなさん、ハッピーエンディングを、と最初は思われるのですが、案外そうでないパターンを経験されたほうが好評だったりしますので、最初にランダムにお選びいただこうということになりました。」
一体なんのエロゲーだよ、と突っ込みたいところだが、好奇心も抑えきれない。
「じゃあ、これで。」右端にあったカードを選ぶ。
猫のお姉さんはチラッと裏を見て、にっこり笑い、「ご案内いたします。」尻尾をくるんっと巻いて先に歩いていく。
”ツンデレ”と書かれたドアの前。
やっぱり何のエロゲーだよ。
「どうぞお楽しみください」
なんか変だぞと思い、入り口へ戻るとさっきは目に入らなかった看板が。
キャット喫茶 ”バレンタインパーク”
そうですか
ちがいます
意地悪な細い指先がからまりあって、目の前のファ○リーズからは黄色の霧
こんばんは、
丁寧な受け答えはリズムの緩和を生みます
お元気でしたか?
赤いボールペンと蛍光塗料。
傾向と対策の四角い構築物を塗りたくってはさみで三角形の破片の断裁
こんばんは、
酩酊したビール瓶が規則正しく15度軸を傾けながら、
お疲れですね
不健康なアイドリング音とともまぶたが閉じられました
意地悪な細い指は からまって
けれど、丁寧な受け答えはリズムの緩和を生みます
赤いボールペンと蛍光ペンで
傾向と対策の四角い構築物を塗りたくり、
はさみで三角形の砕片に断裁
酩酊したはさみは規則正しく15度 軸を傾けながら回りました
はさみのアイドリング音はホームレスの匂いがします
妃殿下ははすの花びらの中にお隠れになり
8枚ある花びらの一枚をそっと引っ張ると
頭を抱えた女性がしゃがんでいます
男は妃殿下におおいかぶさり、耳を掃除しはじめました
動くなと脅しをかけながらさくさく さくさく さくさく、、
花びらになった耳垢がさらさらと降り始めて
歩けば、かさかさと音がする綺麗な道になり
かさかさな静かな音が外界の騒音を全て打ち消して
安定します
あなたのあれがポークビッツで、
1年に一回ぐらいしかしなくても、
死ぬまで一緒に生きていくには
そんなのとっても些細なことなの
一緒にごはんを食べましょうよ
笑ってごはんを食べましょうよ
それはぜんぜん些細じゃないの
あなたが それをしっているから
あたしは死ぬまで一緒にいれる
モノを作ることは、詩を書くのに似ている
これしかない線を一つ一つ ゆっくりと探し出す
次にひく線は 音を開くかもしれない
しくしくしく
し、しくしく
し、しくった しくった
詩食った
GINZA
アイボリーのガルバリウム鋼板を丸く曲げたファサード。 白亜の酸化チタンコーティングタイルは光触媒の作用で
10階建てのビルの外壁面積でポプラ60本分の光合成に匹敵するCO2の分解と有害物質の分解が行われるらしい。
透水性のあるアスファルト舗装はピンクとグレーの市松模様を描き、街路樹の下部には大きめにとったエコ舗装の
緑がのぞく。合成樹脂コーティングされたハンディキャップチェアと手すりがデザイン的にここしかない位置に
さりげなく右15度角度をつけてしつらえられた。無愛想なコンクリートU字孔は厚手の光るグレーチングで覆われ、
2ヶ月に一度は植え替えられている花壇の今日の花はパンジー。循環水が流れる噴水。さりげなく、だが計算しつく
された照明計画にしたがって、ソーラー照明灯のほのかな光が足元から街の輪郭を照らしだす。
こよなく清潔で虫ひとついない美しい夜。
「寒いね」
「バジルソースが食べたい」
「イタ飯なんて。。。」
「じゃあ何がいい?」
「ロハスって知ってる?」
「ああ、マンションの隣やつが引っ越していったよ。東北でロハスになるんだって。」
「サングラスかけて?」
「そうさ、白いマフラーもしてね。」
「コート変えた?」
「気がついてくれたの? 嬉しい」
「ふうん よく似合ってる。」
「音がほしいね。」
「レゲエ?」
「うん」
「踊れる?」
「踊ろう」
「メリークリスマス!」
酸化チタンは生成時にフェロシルトと呼ばれる六値クロムを含む産業廃棄物(アイアンクレイとも呼ばれ、放射性を帯びる)
ができる。透水性アスファルトの生産価格は通常アスファルトの2倍。グレーチングに使用される鉄は不足しつつある
工業材料としてしばしば盗難にあうほどに高騰した。GINZAの角を曲がった向こう側にホームレスの溜まり場がある。
そこで流される音楽は、もしかしたら同じレゲエで、ぶつぶつとつぶやくように謳いあげるルサンチマンは
クリスマスの影に赤く溶けていった。
「高校デビュー」
メガネ 黒髪 スカートはきっちり規定
白ソックス(ルーズじゃない) ほんのりリップ
目標、 「芯のある女」
こんにちは 笑顔さん さようなら涙さん
うずくまる記憶に足をとられて
痩せた狼 前足の爪
削れて欠けた牙をむき出し
目には見えない気配に
毛を立てる
三叉路に転がる石くれ
猫のたまが車の下の日陰に寝そべっとる
昨日うちにいらした弁天様も たまと一緒に寝そべっておられる
風が 弁天様のすそを乱してゆけば
たまがにゃあとないて すそを咥えてもどしおった
あれま ざんねん
暗澹
ブラシに絡みつく抜け毛と空っぽのペットボトル
切れた糸がぶら下がった窓べで
一心に爪を縫っている
板に書かれた言葉は私
縫いとめられた糸は黒々と指と指をつなげていった
道を通り過ぎていくトラックの
荷台に座る赤ん坊
こんにちは
さようなら
こんにちは
さようなら
こんにちは
蟻の行列を縫いとめて
私ではない私が
あなたではないあなたのところへ
駆けていった
華奢な花が凛と立っていて
凛とたっているのだけれど、しなやかにも曲がる
あなたの目はもうすぐ視野をなくすのに
にこやかに笑って
笑い顔を見にきたのだと笑う
笑って、笑って、笑って、しゃべって、笑って、笑って、
家路についてから
ぽたぽたと雫がとまらずに
ああ、花のようなあなたも泣いているのかと思うのだ
きっと泣きあかした末の訪れなのだと思うのだ
凛と立つ花は美しいと思うのだ
美しくなんかなくてもいいと
思うのだ
美しさに奉仕すると決めたのだから
もう後悔はしない筈なのに
なんなんだこの気持ちは、っつてな詩があったら
教えてください。
あいだみつお の 「人間だもん」 につきるのでは?
いやん、そんなうんこなものなら要りません。
味わい損ねたんじゃないかと思うものはひとつだけ
それは美食に渇きつつ気後れするこのぼく自身の人生
アイスド・スフレのように呑み下したあの恋は
ほんとうはブイヤベースだったのではないのか
クネルのように噛み締めるべきだったあの裏切りを
ぼくはリンツァー・トルテのように消化してしまったのか
気づかずに他のいのちを貪るぼくのいのし
魂はその罪深さにすら涎を垂らす
とれたての果実を喜ぶ舌は腐りかけた内臓を拒まない
甘さにも苦さにも殺さぬほどの毒がひそんでいる
(谷川俊太郎 ひとつまみの塩 より中段)
夏のゆうべ
夕焼け色のワンピースを縫って 黄昏のサッシュをしめている
菩提樹のこずえに 白と黒の猫が座っていて 夕焼け色の目をしてこちらを見てる
夕焼けの音は海の音
夕焼けの音ただよう波が 静かな夜を寄せてはかえす
295 :
平凡:2008/08/28(木) 10:05:56 ID:JS8k94Xi
今日は平和通りで並行多面体の兵士が集まる。いそいでベイルート国際空港を発って
平和島競馬場へ急げ。平衡接続された並行世界からの回帰時間は騒擾係数によって変動
するのでキミの平凡指数50をキープすることで、世界は直前世界との平均値に漸近する。
兵馬俑の背に乗りたまえ。そして平均律を奏でなさい。
兵馬俑の背に乗りたまえ そして平均律を奏でなさい
制服のスカートの長さはミリ単位で決まっていて
青いブラウスは毎日アイロンをかける
茶色のリボンもピンと伸ばして、
携帯のストラップは親友からの贈り物
携帯をもっているのは当たり前なので
明日の予定は明日の朝にならないと連絡がこない
着信には電話よりももっと即時返信が基本礼儀らしく
30分も放置したら、しばらく連絡が来なかった
同じであるという安心感は 違いに敏感になっているということで
どうでもいいことまで批判の目がついてまわる
どうでもいい? いや どうでもよくない?
何に価値があるのかわからないから、すべての事に神経がとがる
「同じであれ」 という至上命令が下されるが、
それは「平凡であれ」 という意味ではなかった
「みんなと同じように非凡でありたい」 なんとアンビバレンツな
深く息を吸って、手足を伸ばしたら、そこは故宮博物館の壁の中だったので、
陳列棚のガラスを割ってしまった
297 :
さらに修正:2008/09/03(水) 14:01:14 ID:bPfFuP40
平凡
深く息を吸って、手足を伸ばしたら、そこは故宮博物館の壁の中だったので、
陳列棚のガラスを割ってしまった
兵馬俑の背に乗りたまえ そして平均律を奏でなさい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここだけでいい。。
ガムランの音は水滴の音に似ている
人の心臓が脈打つ期待と怯えが
まったき雫になって熱帯雨林の上に降り注ぐ
神が御座においでになった
驟雨 豪雨 大気の暴走 長い雨季がやってきた
月に数回は水がついてしまうこの地区の家にはたいてい、船が一艘用意されていた。
石垣を高めに組み上げ、階段を登って母屋へ向かう。母屋の外壁にはりつけるように
して木製のカヌーのような船がある。櫓の船で、船尾は四角く、オールよりはるかに長い艪を
ななめに取り付けるようになっていた。みな6つになると半円を描くように動かす艪の漕ぎ方を練習する。
艪は腕力がほとんどいらないので、小さい子でも十分に動かせた。
雨のあと、鏡のようになった水面にはいくつもの船が浮かぶ。艪は深く差し込んでしまうので、水路の上だけで使い、浅いところでは
突付き棒で押す。遠くへいくには、もっと推進力のある定期便の船着き場までゆく。
学校へは乗り合わせて、船で送ってもらうことが多かった。
蓮根の沼が広がる 葦の沼が広がる
果樹や野菜畑だった土地は、度重なる水没のうちに沼に変わった
女たちが葦を叩いている
曲がり角にあったイトウには よろずのものが打ち寄せられてしまったという
当初は動かなくなった車や水没死体もぼつぼつと打ち寄せられ、打ち寄せられするうちにとうとう
イトウの家族もその一員になってしまったらしい イトウの島という名前になったそこは
こんもりと流木やらゴミやらが集まる集積島になっていて、時折駐在さんが調べに回っている
石垣の下に石垣を積む
水はすべてを均一にする
水は土に隠された秘密をあかるみにだしてしまった
ぽっかりとういた満月と子供の骨が遊んでいる
2のつく日にやってくるのは汲み取り船だ
肥やしを作ることができない土地は やせていく
雨季と乾季のめりはりのない土地では
すべてが海にもどってしまう
男たちも海へゆく こどもたちも海にゆくのだろう 女たちは
女たちには海がある
祝福された結婚
貞節と信頼と愛
理解と忍耐と分かち合い
満月のような慈しみ
近頃の若いもんの結婚はちょいと前までの、割と簡単に成立していた結婚よりも、少し神さんの祝福が大きいらしい
悩んで、挫折して、説得や決心や、思いやりと優しさと、タイミングと運なんか
ちょいと前なら、ここまでは必要でなかったというぐらい必要で、山坂越えて結婚式までこぎつけるものだから、
男も女も、斜に構えない真剣さを身に着けて祭壇の前にたっていたりする。
世の中には予言の書という本が一冊あって、それは猫にしか見えない文字で書かれている。
猫はその文字が見えるけれど、猫は猫でしかないので、意味がわからない。
だけれど、すべての猫は、それが 世の中に1冊しかない本物の予言の書だということを知っていて、
猫にしか見ることが出来ないことも知っている。
大潮の日の海で
予言の書のページが開かれる
世界中の猫は頭の裏側でページがめくられる音を聞いて にゃーと鳴く
また一つ予言が書き込まれていった
予言の書の最初のページには、
いつか一匹の猫がこの本を読み、理解し、すべての猫へその言葉を伝えると
書いてあると 猫たちは信じている
鰐
「下水道に鰐がすんでる」
子供達がそう噂はじめたのは、2週間ぐらい前からだった。
使用していない下水道の区域は、下層遺跡地区へのトンネルになっていたので、
ガイドの子供には必須ガイド区域だった。大きな水音や、食いちぎられた跡のある
ネズミの死体を見かけたという報告があい続いた。僕たちガイドは下級生に調査をすることを約束して、
とりあえずガイド区域から下水道を除外した。犠牲が出てからでは遅いからだった。その一方で
僕ら3人は鰐調査にあたることになって、準備を整えた。
311 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ:2008/09/21(日) 05:37:26 ID:w/Wx0ovO
これも、
青い空を切りとるように 飛行機雲がゆっくり伸びていった
ギロウ坂
夏の迷い蚊 ふわり 舞い
ぎんなんと金木犀の香る道端に
彼岸花が揺れた
豚の名前のついたこの坂は
赤い花のような豚の血で
いつも染まっていたそうだ
空が
風の通り過ぎた空が
きりきりと清澄で
イチョウ並木縁取るまっすぐな坂は
果てもなく続いて見えた
かっぽれかっぽれ あまちゃでかっぽれ
かっぽれかっぽれ ヨイトナ ヨイヨイ
板の暗いのに 白帆がサー 見ゆる
ヨイトコリャサ
あれは奇の国 ヤレコノコレワノサ
ヨイトサッサッサ みかん船
サテみかん船 みかん船がサー 見ゆる
ヨイトコリャサ
あれは鬼の国ヤレコノコレワノサ
ヨイトサッサッサ みかん船
サテ豊年じゃ 万作じゃ
明日は旦那の稲刈りで
小束にからげてちょいと投げた
投げた枕に 投げた枕に咎はない
オセセノコレワイサ 尾花に穂が咲いた
この妙かいな
夜、ベッドの床のドアを開け
誰もいない真夜中のモールへ
不ぞろいな石畳のゆるい坂道
狭い道の両側に並ぶ石造りの建物
ショップのショーウインドウに
灯り
「城の街か・・・」
探せ、
歩け、
山高帽子の男を探せ
いつものゲームだ
見つければ男が鍵をくれる
(いったいどれだけ時間があるかさっぱり分からない)
すると、帰る扉が開くんだ
夜霧に濡れた石畳を踏みながら
いつものように
(いったいほんとうに帰りたいのかさっぱりわからない)
焦りながら探し回る
山高帽子の男だ 顔ににやにや笑いをへばりつかせた
いつもの 背の高い男だ
探せ
歩け
探せ
走れ
走れ、走れ、走れ、間に合わないぞ
走れ、走るんだ
息は切らさないで走る ここは夜だから
だが焦りは昼と同質だ
休むな 走れ
黒い山高帽子には幅のやけに広い白シルクの帯が巻いてある
夜の中であの白は
いつも いつも 目立つんだ
走れ
男は白いテーブルに端に座っている
長い白いテーブルの上にあるのは
12本のろうそくが灯された古い燭台
固そうなパン
切れのいいナイフと
固そうなチーズのかたまり
水のはいったグラスだ
いつものように
あのパンとチーズを食べてはいけない
けっして食べてはいけない
いつものように
山高帽子の男を見つけ出した
砂の上に書く
格子書いて 三つ並べ
へのへのもへじの筆ならし
あいらぶゆーと破れたハート
急いで消して照れ笑い
赤面もののポエムがならび
消え去る文字に安心あんしん
去る さったさる ものまねの猿
このこのゆくへは
波の中
三十一文字も都都逸も
シャンソン、ソネット俳句に川柳
みないちように砂の上
明日の汐に流される
ヴィオロンの音は漂うか
秋の木の葉は波間に浮くか
難解至極の象牙の詩文
さても真摯に書きこめば
波すらよけてくれるかと
月に照らさる文字の端に
おととよりそうてくれるかと
枝も折れよとつきたてて
文字を刻んだ道化の涙
波のまにまに
風のふくまま
果てない海のふところに
今日も明日もあさっても
白い砂浜 すなながれ
ヤレ もとの砂
えーとこんにちは
ちょっと聞いてみたいことがあって
ここで話しかけてもいいでしょうか(ФvФ)名前は言いたくないんだけど
…人格的に荒らしなのは自覚しています(-公ー)なるべく気をつけます
はい なんでしょうか?
名前は気にならないです そのままドウゾ
お答えはゆっくりでけっこうです
こちらもこれから仕事にはいるので携帯からでごめんなさい
しばらくネットもできません
梁山泊で山のあなたを書いたのはあなた…でしょうか?
>327
はい、私であります、、 orz
書いちゃってから、恥ずかしかったのでお礼もろくにいえませんで。。。すいません。。(汗)
329 :
名前はいらない:2008/10/26(日) 12:39:14 ID:MYdSANKE
上の会話は猛禽とリーフの会話か?
誰かメッセやmixiのコテ人脈図書いてくれw
六花は冬に生まれた。
濃いグレーの背中に白い斑点が6つ散らばって
りっか と呼ぶ。
六花はすっきり背を伸ばして、両足を揃えて座った。爪を出すような不様は見せなかった。
新しい水が好きで、洗面台の端っこにあがって、洗面桶の水を替えてくれるのを待っていた。
六花の母猫がそうした作法を教えていった。
六花は仏間の縁側が好きだった。日当たりが良く、専用のさぶとんと祖母がいた。
祖母の茶箪笥にはいつもお茶うけのにぼしが入っていて、祖母と六花は一緒におやつをしていた。
祖母が老いていき、
六花も老いていき、
しまいには祖母の方が先に 老い病んで
仏間にのべられた布団の横で
六花が凛と座っていた。
331 :
つり銭:2008/11/13(木) 08:40:02 ID:y3pJEKNE
あかもん行きーー
この電車は赤門行きです。ご乗車の方はお急ぎくださいーー
がっちゃん と音を立てて路面電車が動き始めた。
「あぁ、間に合った。車掌さんごめんなさいね。」
「どうぞ足元にお気をつけください。」
「ありがとうございます、おいくらですか?」
がっちゃんごー、がっちゃんごーと揺れる一両しかない電車。
車両幅が狭く、向かい合わせの長椅子には人が隙間なく座っている。
丸い白いつり革が電車につられて揺れている。
次はさんちょうめー、さんちょうめー、
お降りの方はブザーを押してお知らせくださいーー
「きいちゃん、きいちゃん、ああよかった、かあさんの分も払ってくれる?お財布忘れちゃったのよ」
突然、母の声が聞こえた。見るといつもの着物姿の母が困ったような顔で佇んでいる。
「かあさん、何やってんのよーーー 車掌さんお幾らですか?」
「ええと、お母さんの分は8900円になります。お客さんのは240円ですね。」
「え?」
「そうなのよ、きいちゃん8900円だって、かあさん困っちゃって。」
「え、そうなの。」
「じゃあとりあえず240円っと、」
次は・・・・・・まえーー ・・・・・・まえーーー おおりのかたは・・・・・・
「あ、もうすぐ着くわ、ボタンボタン」
「ええと、一万円、一万円・・・・・・」
「ありがとうございます。」
「車掌さん、おつりおつり」
出口の方まで先に行ってたかあさんが
「きいちゃん、かあさん一人じゃ降りられそうもないのよ、一緒に降りて家まで連れてってくれる?」と たよりない声。
「え、一人じゃ無理なの?しょうがないなあ・・・・・・・車掌さん、お釣りくださいな。」
お釣りを中々くれない車掌はほほ笑みながら口に人差し指をあて、小さい声で
「お客さんは生きてらっしゃるからここにいらっしゃい。」とささやいた。
不思議に思うまもなく電車がガタンと止まり、母は出口に吸い込まれていく。
車掌さんもほほ笑みながら消えていった。
路面電車も消えてしまった。
332 :
名前はいらない:2008/12/13(土) 12:28:49 ID:5RBpfnVl
さらしあげ
333 :
サグラダファミリア:2009/04/20(月) 22:53:16 ID:0frcdj1I
私は
>>1ではないですが、このスレ好きだったので、もう一度復活させたいと思います
少し、スレが下がるのを待ちます
一番上だと恥ずかしいですから・・・
「あなたへ――T 穏やかなるポロロッカ」
夕暮れの雑踏の中であなたを探す
あなたに似た目の人を あなたに似た耳の人を あなたに似た髪形の人を
一人で ひっそりと
まるで茜色の川をゆるゆるとさかのぼっていくようだわ
遠くで小さな女の子が 縄跳びをやっている
影が長く伸びて 縄が弓のように伸びて
たんたんたんと弾む音がここまで聞こえる
少し食べ過ぎた夕飯 焼けた胸を抱えて
あなたを思う
吐き気を催す脳裏に浮かぶのは ポロロッカ
偉大なアマゾンの自然現象をこんなちっぽけな生理現象と一緒にするなんて
笑い転げるばかりよ
夕暮れの雑踏はあなたの欠片を抱えて
今日もどこかの家へと流れていく
誰も知らないけど これは私のあなたへの初めての詩
「追いつけない、追いつけない」(2000年冬くらい 少し改作)
眠気の向こうにあなたを見る
言葉がいくつあっても足りはしないわ
どうやったらあなたに届くのかしら
ハイヒールを片手に持って素足で石畳を蹴って
それでもあなたには追いつけない
息を切らして 膝ががくがく笑って
だけどどうしても追いつけないの
眠気の向こうであなたは微笑み 私はいつも戸惑うの
あなたに聞きたいこと山ほどあるの
だけどあなたはいつでも知らん振りで
いつもなんだか悔しい思いをしてばかりだわ
337 :
名前はいらない:2009/04/22(水) 22:15:57 ID:lSg68hMW
54 名前: ホタテ養殖(大阪府)[] 投稿日:2008/03/28(金) 13:30:03.14 ID:yBY08OCL0
Jリーグが始まった年だから、もう何年前になるんだろう。名古屋の栄の焼き肉屋へ家族で行ったときのこと。
座敷席にカズさんと北沢選手と、数人の女の子がいた。多分遠征中だったのだろう。
当時高校生の俺の小学校三年の弟はサッカーをやっていた。
せっかくだからと、尻込みする弟をカズさんの前へ連れて行き、
「お楽しみのところすいませんが」弟がサッカーやっているんで、何か言葉をいただけると励みになるんですが。と厚かましく、言った。
カズさんは、「お、サッカー少年か」と楽しそうに言いながら、座敷席の奥からわざわざ立ってこちらへ来てしゃがみ込み、弟と目線を同じ高さにした。
「サッカー少年は勉強がよくできるか?」と、いきなりキングは弟に聞いた。
弟の成績はそれなりによい。弟はうん、と答えた。
するとキングは「頭のいいやつは、トップ下MFがあってる」と、カリオカ、ラモスの名前を挙げた。
さらに何かを言おうとするキングに、連れの女の子が、ねえまだーと露骨にいやそうな顔をした。
カズは、振り返って一言言った。表情は向こう向きだったから、わからなかったが、多分厳しい顔をしていたのだろう。
「うるさい。俺たちは今サッカーの話をしているんだ」
338 :
名前はいらない:2009/04/22(水) 22:24:48 ID:lSg68hMW
すまん。誤爆した。
「私が死んだ日」
私が死んだあの日には 春の暖かい雨が降っていた
私は自分が死んだことも知らずに あなたからの電話を待って猫の背中を撫でていた
部屋の中にはランプの明かりが柔らかく洩れ
花瓶の花は重い香りを放っていた
猫が青い目を見開いて私の顔を覗き込んで
私は自分が死んだのも知らずに猫の目を覗き返した
溝の壊れたレコードはピアフを流し続け
誰もそれを止める人はなく
私はただその繰り替えされるフレーズを煩く思いながら眠りについたっけ
自分が死んだのも知らずに
あなたからの電話が鳴ったときに猫が膝から下りても動くことができなかった
そのときになって初めて私は慌てふためいた
早く受話器をとらなきゃって思いながら
ただただ 焦ってばかりだった
自分が死んだのも知らずに
春雨はあがり 猫は帰ってこず 花瓶の花は腐り
レコードは針が何万回も同じところを回転した挙句 割れてしまった
私は部屋で一人きり「ラ・ヴィ・アン・ローズ」を歌った
自分が死んだのも知らずに
340 :
サグラダファミリア:2009/05/03(日) 15:04:13 ID:qMp+CBws
「僕らの空間」
公園の数は限られている
大人たちがうるさいので 僕たちは公園を渡り歩いて遊ぶしかないのさ
ほら
かぎっ子のジェシカも パパから殴られてばかりのトムも
やせっぽっちのロイも いじめられっこのジミーも
歌を歌って 爆竹鳴らして
でたらめのダンスを踊って 石蹴りして
憂さ晴らしてさ
ああ空はどこまでも青くて 雲は白くて
太陽は何もかも知ってる顔して 鳥たちは何もかも知らん振りしてて
僕たちは公園を渡り歩いて遊ぶしかないんだ
トリップテスト
「王様」
家臣たちは王様の灰色のコートが大嫌いだった
だって王様のコートしか見えないから
今日も王様は大脱走 足音高く
騒ぎ立てる大臣 ラッパを吹き鳴らす兵士
「たれかおらぬか」「王様はどこぞ」
灰色のコート 馬を駆って 野を越え山を越え
誰も王様を追いつけはしない
海についたら王様 コートを脱ぎ捨て
両手両足を投げ出して
そこで海人の息子に泳ぎを習うのだ
「ジェシカの仔犬」
ジェシカの仔犬はかわいい仔犬
ちょうど抱っこできるくらいのぬいぐるみ
ジェシカの仔犬はかわいい子犬
かわいがり過ぎて右耳のところ ちょこっとほつれてる
今日もみんなで公園遊び
滑り台の向こうには大きな空
いつかフライトアテンダントになるんだって大きな夢
かわいいジェシカはつついと滑る
ジェシカの仔犬はかわいい仔犬
公園にひとりぼっち忘れ去られて
夜露に濡れて泣いてたら
朝一番にジェシカが連れに来た
やっぱりジェシカにはかわいい仔犬
京さんは今年七十四だ。
京さんのおとっつあんとおかっさんはほんとの親じゃあなかった。
京さんが産まれる前の話、おとっつあんとおかっさんに女の子が生まれたそうだ。
おとっつあんは大喜びで汽車乗って、いそいで東京まで雛人形を買いに行ったそうだ。
帰ってきたら、赤んぼうは死んどった。最初の子だしするしで、ふたありとも、悲しん
だことは悲しんだんだけんど、次があるさとも思ったそうだ。二年経って、今度は男の子。
おとっつあんはほんまに飛び上がって喜んで、やっぱし汽車乗って東京へ鯉のぼりを
買いに行った。かえってきたらやっぱし死んどった。ほんでもって産婆さんに、もう
子供は作っちゃあなんねえと引導も渡された。母体がもたんそうだった。
ふたありとも身も世もないと悲しんで泣き暮らしていたところ、おとっつあんのあにさんが、
「わしゃがんとこはもう子供もたんといるし、次がまたおなごやったらおんしんとこにやろう」
と言うた。「あにさん、ありがとうございます。おらあ大事にするでよお。蝶よ花よって
育てるよお。でもって三国一の婿さんもろってこのうち継いでもらうよお。ああ、ありがたや
ありがたや。ああ、ありがたや」と涙をながしてあにさんの手をにぎり、よろこんだ。
次の年、あにさんとこに女の子が生まれた。四人目の女の子で色白で髪も黒くて
かあいらしい赤んぼだった。お七夜のお祝いの夜、あにさんはおとっつあんをちょっと
はばかるような顔でみてた。「こないだの話だけんど、ちょっと考えさせてくれんかの?
まだお七夜じゃあけん」っと切り出した。「そりゃあ話がちごうとりゃせんか、
おらんとこにくれるってことじゃあ」 「まだお七夜じゃけんのう、こないにちっさいのはのう、
乳もはっとるしするしのう」 おとっつあんは黙って引き下がったけんど、こっそり隙を見て
赤んぼを抱きかかえ、3輪バス乗り継いで家に帰ってきてしまった。
この赤んぼが京さんだ。
京さんに、蝶よ花よと育てられた? と聞いてみると、
どうも時代のめぐりあわせが悪かってそうはいかなんだよ と笑ってた。
おなかが空くのがこわい
風呂に入れないのがこわい
服が汚いのがこわい
夜寝るところがないのがこわい
ほしいものが買えないのがこわい
こどもが泣くのがこわい
泣いてもどうしようもないのがこわい
病気になったらどうしようかとこわい
しんどくてもやすめないのがこわい
寒かったり暑かったり濡れたりするのがこわい
よそさんの白い眼がこわい
だれかさんに叱られるのがこわい
青い空も白い雲も赤い夕焼けもあるんだけどさ
貧乏はこわい
ガラスの目玉はなお黒々と
烏鳴かずに むくろをつばむ
ささくれた嘴 朱に染めて
過ぎし唄声 かすかにきこゆ
朧な月よ 頬染めよ
柿の若葉の柔らかな
木の香まといて いずこにいくや
黄檗の月よ ここや来たれよ
春の御酒を酌み交わそうや
ちらり ちりちり ゆれる波
浮かぶ笹舟 だれが乗る
曙色の 雲のまに
浪漫ガラスの酒をくむ
琥珀のしずく 舌の端を
しびれしびれてまた酩酊
ああ、花の酒 春の酒
あけぼのの酒 夜の酒
さくら さくら ああ さくら
花びら溶かして また酩酊
まわってこないようになると まわしたくなくなる
守銭奴になったような気がしてうしろめたい
いやいや、うちはお大尽じゃあないんだから
お前は何様のつもりだよと突っ込みをいれながらクーポン券を大事に切り取る
うちのお金たちには やたらと速いお足が生えてるからさ
建築物に光と風をいれるために、部屋をつぶす
無駄なスペースをあえて作ることで、ゆたかな居住性が確保できる
←お中元とかのことかな?もしかして賄賂?先行投資のことかな?いやいや寄付のことを言ってるのかもしれない。無駄遣いの効用をいってんのかも。なんにしても、もともとの建築面積が広くなければ意味はない。
梨畑の湿った雑草がひんやり伝う足元に、いくつもの虫穴が口をあけ、
樹液を狙う甲虫が幹の洞にたごまっていた。木の枝にいつも架かって
いたのは黒い小さなAMラジオで、夏はひたすら甲子園の、歓声と
ブラスバンドとアナウンサーの絶叫が、緑の葉をさやさやと通り抜ける
風にのって梨畑の中を駆け抜けていた。じんじんと耳に響く蝉の声が
ラジオの音をかき消さんばかりにつんざくのだが、不思議と聞きたい声は
輝いて、蝉音を超えて首筋を伝う汗の中にもぐりこんできたのだ。
丑三つ時には月も冷たく
人気のない路の片隅に眠る女神を
訪れる者もいない
丑三つ時の夜を支配するのは
路地奥の灰色影ぼうし
人気のないビル街を我が物にして歩き回る
丑三つ時に草が眠り 風が静かに吹きすさぶ
一つだけ残った星が
冷たい顔の月のギターを弾いていた
351 :
修正:2009/08/22(土) 17:14:35 ID:OMpYY376
「丑三つ時の街に足音」
丑三つ時には月も冷たく
小さな路地の片隅に
眠る女神に訪れる客もない
丑三つ時の街のあるじは
月の明かりの灰色の影
闇を連ねるビルの狭間を だまったまんまで踊り続ける
丑三つ時に出かけた少年
お気に入りの帽子をかぶり スニーカーの足音たてた
2度と家には戻らないのだ
丑三つ時に 草眠り 風が静かに吹きすさぶ
たった一つ残った星が
冷たい月のギターを弾いて 少年の帽子をじっと見てた
魅惑の街 東京
うちのじいさまが就職で東京へ出たときゃあ、まだ東名高速もないし、新幹線もなかったさ。
じいさまのとっつぁんがとなりんちの古いトラック借りて、ふとんやら積み込んで、
1号線走って、えっちらおっちら箱根越えて行ったんさ。
朝の3時にこっちでて、走って走って、ようやく着いたんは次の日の夕方ごろだったって。
そんなに遠いとこでもさ、じいさんのかあちゃん心配だって、それこそ1ヶ月おきにゃあ
汽車ぁ乗って じいさんとこに泊まりにきたんだと。6畳一間にだわ。でもって1週間も居座とる。
そんなんが5回も6回も続いたで、
「かあちゃん、なにしにきとんのよ」
「せっかく ただで泊まれるとこができたでよ、ちょっと見物さしてもらおと思ってよ」
「とおちゃん おこっとらへんか?」
「なぁに、おめが具合わりいってことにしてあるで、だいじょうぶだ おめ、すまんが旅費ちょっと貸しておくれん」
「かあちゃん、いいかげんにせ、かあちゃんの食費のせいでわしゃがの給料からっぽだが」
「なあに、だいじょうぶだが、ここは東京だきになんとかなるっし」
「なんともならんわ、もうこんといてやぁ」
「そか、ほなわかった。じゃあ 達者でのう。」
次の月
「かあちゃん、また来たんかい」
「こっちさ住むことにしたわ。よろしくなぁ」
「いらんて」
「それ、とおちゃんにもいわれたわ。 親子やねえ。」
盆がすぎ、まだ青々と立つ稲の 鈴花が
まだ咲かぬのかと歯軋りする歯は黄色く毀れ
甘みが乗らなかった梨の実をもぎ
浅く掘った穴に震える足で踏みつけていく
「来年はがんばれよ」 と 呟きながら
鍬の刃を継ぎかえる楔 打つ腹に力が入らない
雑木草はかわらず繁茂し 空なお高く
雲白く 風飄々と通り抜け
野分け後、赤く染まった夕日を見るにつけ
「まだ大丈夫だろ」 と 呟きながら
今年は豆を4回に分けて蒔いた
「きっとどれかは おてんとさんに合っとる」 と 呟きながら
「迷信タワー」
「たわけもーーーのーーーー!!!」 街中に割れたスピーカ音が響いた
と同時に、♪ ターリララン ジャン ターリララン ジャン タッカタッカタッカタッカター とテーマが流れる
(実は巨○と前田のゲバゲバ90分のBGMだ)
「貴様らーーー迷信さまをうやまえーーーー!!」
「うなぎと梅干はあわせて食うなーー、夜口笛をふくなーーー!」
「夜爪切ると早死にするぞーーー! お雛様はすぐしまえ!娘が嫁にいけないぞ」
「猫が顔を洗い出したら、洗濯物をとりいれろーー!」
「雷鳴ったらへそかくせーー! 霊柩車に親指見せるな!」
「北枕でねるんじゃないぞーーー! 秋茄子は嫁に食わすなー!」
♪ ターリララン ジャン ターリララン ジャン
「本日の迷信タワーのご神託を伝えるーーーー!!耳かっぽじってよおく聞けよーーー」
「西日があたる窓は運がいいーー! プロポーズはそこでしろーー!」
「いいな、そこの独身男ーーーー 彼女を西日の窓へつれてけよーーー」
♪ ターリララン ジャン ターリララン ジャン たーりらーりらーららーららんらんらん
ブツ
迷信タワーの放送がオワタ
今日、プロポーズするやつは増えるだろうなとオモタ
「浮かない顔ね」
今日の鉛筆は丸かったのよね
だって、鉛筆削りがなかったから
あなたのナイフも刃が欠けてて
あたしのシャーペンは濡れなかったわ
消しゴムかけてくださる?
いっしょにベタを塗りましょう。
堆積する言葉
一 あたし
十 だったら、指で数えて
百 コの飴玉ためてたよ
千 街角に風船飛んで
万 まんぼうっておいしいの?
億 一億円宝くじ買ってた 今日のおやつはなしだって
兆 2009年国債残高 8,60兆2,557億円!
京 都って意味なんだよね、古いの
垓 咳してる こんこんこん 世界中で風ひきの人
秭 読めないから聞いてみた じょ だって ジョジョ
穰 韓国の夜空に月 雁が飛ぶ
溝 こうのとりが赤ちゃんをつれてきてくれますように
澗 お父さんの晩酌は赤いんだよ
正 正しいってこんなに大きい
載 掲載されて僕のおじいちゃんは白くなった
極 北極の氷が溶けてしまったら、海面はどこまで上がるのかしら
恒河沙 美しい織物の河に船を浮かべて
阿僧祇 僧侶になる旅に 小ねずみが
那由他 なゆた たゆたう 星の空
不可思議 扉が開く どこへ行く?
無量大数 の言葉が0と1になって地球の空を駆け巡る、
洛叉 倶胝 阿ゆ多 頻波羅 矜羯羅 阿伽羅 最勝 摩婆羅
阿婆羅 多婆羅 界分 普摩 禰摩 阿婆ツ 弥伽婆 毘ら伽
毘伽婆 僧羯邏摩 毘薩羅 毘贍婆 毘盛伽
ああ、疲れちゃった まだあるね
多すぎるのって大事にできなくなるから嫌い
少ないと足らなくなるかもしれないし
丁度いいだけ あるといいの
毘素陀 毘婆訶 毘薄底(びばてい)
びきゃたん しょうりょう いちじ いろ てんどう さんまや
びとら けいばら しさつ しゅうこう こうしゅつ さいみょう
世界中に降る雨の雨粒の
運動する水素と酸素のように
言葉は満ちてあふれて こなごなに砕け散っていく
はてなニューロンSOS
僕の爪先 → あっ痛い → 痛い → いたい → いたいかも → かもい? →僕の脳 コンフュージョン
僕の脳 → かもいってなに? → かもとい? → 鴨と胃? → 亀井 → 爪先(怒)
爪先 → いたいんだよ → 痛い → いいたい → いい → いい気持ち → お姉さんのおっぱい → 僕の脳 No ぷろぶれむ
。。
僕の爪先 → お願い痛いのなんとかして → オネガがいたなんか → お?が?な? → おなに→ 僕の脳 ◎
おやすみニューロンまた明日 (僕の爪先 涙)
僕のアパートは猫が飼えない
窓から見えるのは隣の物置と、アルミのベランダの裏側だけ
コンビニのビニール袋が 風にふかれてカサカサ笑い
忘れられた洗濯物が 雨に打たれてしおしお泣いてる
あなたは いない
ね、明日、僕らの家を探しにいこう
まあるい陽だまりと、ちいさな隅っこがある家がいいよ
猫専用の物見台があって、
とりそこないの雑草が生えて
星が見える窓と、朝日が射す窓がある
夜、玄関に小さな明かりが灯されて、
夕飯のパイが一人分残ってて
あなたが本を読みながら待っている
あなたと僕と猫と猫
ね、明日、僕らの家を探しにいこう
コンクリートの箱が積み上げられて、お仕着せの四角い間取り
見た目はきれいな安物の壁
定番になった部屋って嫌気がさすのさ
同じ部屋に同じようなカップルが住んで
同じご飯を食べて、同じ車に乗って
だけどあなたは いない
ね、明日、扉を探そう
どこにもない、どこにも繋がっていない扉をさ
堅くて厚い木製で 不思議な模様が刻んであるんだ
ある日、そのドアを開けたなら
どこにも咲いてなかった花が咲いて
僕らだけの空が広がる
あなたと僕と猫と猫
痩せた蚊 が ぶー・・・ん・・とよろめく寝室
クーラーをつけようか
窓を開けて
そうだね・・・キミの鼻に汗が浮いているよ
いやあねえ そんなとこ見てないで
氷水飲もうか
そうね
夕張メロンのアイスがあったな
そんな甘いもの食べたいの?
うん 疲れたんだ
ね、タバコ吸っていい?
いいよ。何すってるんだい?
メンソール
女の人はそれが多いね
男の人には危険なのかしら?
ああ、なんとなくね、今となってはどうでも
そうね 今となっては
ね、もうちょっとで不妊の薬害を解除する薬ができるみたいよ
ははは・・・できたらいいなあ、きるできる詐欺みたいなもので、もうあんまり期待はしてないんだ
そうね
ね、あなたの腕 蚊が血を吸ってるわ
吸わせておこう。せめて彼らだけでも子できる
私たちは子供のいない夫婦だけれども
そんな寂しい会話はしない
そんなに寂しく生きていない
>>360 ああ、ごめんなさい。申し訳なかった。
これを書いていたときは、例えば伝染病の新薬とかの薬害で人類のほとんどが
不妊になった時を頭においていたんです。赤ん坊がほとんど生まれない世界。
お題が夏だったので、「人類の夏の終わり」という感じでした。
からっぽで なんにもないんだ
ー少しは何かいいものがあるー
いや、空っぽでなんにもないんだ
だから、さ、
こじきになって両手でおもらいするんだ
ちょっといやなんだよね ほんとはさ、もらうばっかてのはさ
だけど、くれるやつのほうが苦しいにきまってっからさ
せめてなんかないかと思うんだけど
からっぽでなんにもないんだ
ー少しは何かいいものがあるー
いや、空っぽでなんにもないんだ
「御馳走様」
今日の晩御飯は肉にしよう なんて
ダイエット中の私に微笑むあなた
確かにお口の中は口内炎でぴりぴり
ちょっぴり栄養バランス 偏った生活してるけれど
野菜を切って
味噌汁作って
豚肉のしゃぶしゃぶ
おはしでつっついて
しっかり味わって
ああ 美味しかった なんて呟き漏らす
ダイエット中の私のおなかの肉は
仔豚色
100グラムのお肉が減るのは
もう一日先
だけど
美味しいものを ちゃんと美味しいと思える感覚
きっとそれはそれで大事
ダイエットする日が一日延びたこと
ちょっと恨めしく でもありがたく
思いながら手を合わせる
「御馳走様」。
364 :
ブラウン管:2009/09/20(日) 05:10:57 ID:R4Z0KWqI
砂ノアラシ
深夜、 静カニ続ク画面ノ前デ 私ハ砂ノ蛇ニナッタ
ザーザート ナガレル断続音
ウゴメク壁ノシミ ハンビラキノマド ゴキブリガ飛ブ
ワタシノ尻尾ハ ノタウチマワル
(ダレダ ソコニイルノハ?)
私ダ
「カクガクシカジカの由をもって、わが妻 ○子を離縁するものとする。」
オドオドしつつも最後まで声をとぎらせもせずに、わが夫×男が一枚の離縁状を読み上げた。
妻たるわたし○子は、テレビの前でカウチポテトを決め込んでいたのである
「ソレソレドレドレの理ももたずして、わが夫 ×男は 離縁なぞという重大な告発を起こすのでありますね」
「遺憾ながらサヨウです」
顔を赤らめながら かわいらしく答えている
「ハレハレトキメキの女が現れましたでせうか?」
さらに湯気がたちそうな禿頭
「マコトニサヨウデあります」
まあ、仕方ないなと起き上がり、正座してから
「ケンケンガクガクの理をもって、その宣言は無効でありまするよ、先方どのには事のゼヒをコマゴマ説明してくださいましな」
しゅんとなって
「サメザメ」
白と黒、そのあいだにある色彩
産院で生まれた赤ん坊のやわらかい毛
生まれない子を待つ若い夫婦
破産した親
銀のスプーンをくわえた少女の色褪せたリボン
昔、お手伝いさんがシーツを洗っていた
お人形遊びは手術のシーン
おかあさん、僕がそれ手伝います
空へ舞い上がるすずめの群れ
手が入らなくなった森にはびこる蔓
崖の縁にそろえてある古いサンダル
道端でエサを待つ猿
まっすぐにはりめぐらされた電線と 伝染するインフルエンザ
ハヤル 敷居の低い店
諦めることを教わった若者たち
2世帯住居の無理解
家族の時計の針は一本だけでとろけてしまい
破綻した住宅ローンは電気羊の夢を見ている
男と女の無限なバリエーションあるいは陳腐な結果
マンホールの蓋をザッソウの葉が持ち上げている
果てしなく続く 白から黒 黒から白
367 :
∞:2009/09/25(金) 09:46:32 ID:RqFr0wzm
決して交わることのない直線の果てにある一枚の絵画を眺める
無限に遠いその絵画の
今描き出されたばかりのテレビン油の香りは
無限に遠い直線のこちらで嗅ぎ取れる
今描き出したばかりの絵に、しなやかな白い指が
最後のサインをするのを
無限に遠い直線のかなたでじっと見つめる
決して交わることがないことに 後ろめたい安堵を感じながら
また次の一枚がイーゼルにかけられるのを 待っている
窓辺にね
蛙が飛び込んできたよ
緑色の小さな蛙
ぼく お皿の上で一緒に遊んだんだ
おかあさんのクッキーがのってたの
そしたらね
やさしい風が吹いてきたよ
秋の色してたの
黄金色のね いいにおいがして
空がとおおおても高かったよ
それでねそれでね
お外にね お父さんの笑顔がみえたの
一緒にキャッチボールしようって
いってきまーーす
窓辺で
ゆれる雲南萩の花
の木陰で金玉をほこらしげに見せている狸
の金玉の下
にアリが巣を作っている
さぞや痒かろ
と なにやらくるしげにみえてきた狸
の傘が
風で廻った
370 :
孔雀の森:2009/09/30(水) 16:35:19 ID:kjN1sDK1
アラフォー美女軍団が集う とあるアスレチックジムの昼下がり
美しさを競い、年収を競い、つかの間の恋人を競う彼女達の今日の関心はチーズだった
丸チーズですわね
赤いセルロイドに入ったのですか?
臭くないとね
トムとジェリーで穴あきチーズがでてましたでしょ?
青カビタイプ
やっぱりカマンベール
ブリーのナチュラルでもよろしいわよ
ヤギのチーズもオネガイ
溶かしてパンにかけて
あ、ジャガイモでもいいわねえ
ケーキも
シカゴチーズケーキ
もちろんフォンディユ
パスタとピッツア
中国のチーズって試したことあります?
ああ、脂肪が、、、、
夢ですわねえ。
ああ、そういえば、手ごろな集合マンションの1棟売りが出ましたよ。
部屋数が6個 一部屋がオーナー仕様になってまして、広いです。
とりあえずオーナーチェンジ物件ですが追々開きがでてくるかと。
皆さん一緒にというと魔女の塔みたいになってしまいそうですわねえ。
一人では寂しいのと プライバシーも確保したいのと、揺れちゃいますね。
結婚したらどうしましょうか。
区分所有権を売って退去したらいいのよ。
つまり他人さんが入居している状態がデフォルトですわね。
丁度いい距離感ができるのじゃないかしらね。
うまく売れるかしらねえ?
さあねえ、半額以下になると思っていればなんとかじゃないかしら。
大きな無駄遣いになるかもですね。
借りたほうがリスクが少ない?
そうです。 リスクだけならそうですね。
あたしは木造が好きよ。木立に囲まれて、庭とテラスと、犬と。。
今なら土地を買って建てられますわ。
小さい家なら案外安いですわね。
コンクリと木造と混構造にして、コミュニティを作ったら面白いかもですよ。
ああ、そういえばあなたは建築家さんでしたね。
ええ、プラン作ってみましょうか。
それなら私はSOHOにしたいです。
喫茶店もオネガイします。
ああ、、、
夢ですわねえ。
プロセスチーズって好きですよ、地味で。安心します。
ああ、
夢ですわねえ。
ごめん
学生の頃 日本はバブルの全盛で
就職できないなんて考えもしなかったよ
授業も出ないでバイトして、飛行機チケットを買ったのさ
バックパックかついで、足の向くまま気の向くままに
羽の扇ふりながら、ボディコン姿でお立ち台
一気飲みして救急車
普通の人が株でもうけて
家を買うのも当たり前
地価が下がるなんて思わなかった
だからごめん
いつか、ひどい目にあうなんて思わなかったんだ
鮪は日本の食べもので
蝦も日本が買い占めて
ニューヨークのアパートメントと、ハワイのコンドミニアム
余生はスペインで暮らそうかなんて
親はそんな話をしていたよ
日本の山にスキー場が林立してさ
土日使って疲れきるまでスキー行脚
だからごめん
年金資金がなくなってくなんて気がつかなかったんだ
グリーンピアや厚生会館
公共施設が林立してね
ゴルフ場も林立してさ 会員権も買ったのさ
立派な病院も建てちゃった 立派な橋も作ったさ
飛行場も、港もダムも高速道路 電車 地下鉄 美術館
みんなみんな立派な出来だ
だからごめん
維持費が出ないなんて思わなかった
倒産するなんて思わなかった
リストラなんて思わなかった
住む家までなくなるなんて思わなかった
ごめん
全然思わなかったんだ
いつか、ひどい目にあうなんて思わなかったんだ
緩慢な解毒剤
あくなき消費がバブリーな中毒症状を起こしていたあのころから思うと、はじけたバブルと
やってきた不況は冷酷かつ緩慢な解毒剤となって作用してきたらしい。質より量だった消費は、
バブリーな時代を経た間に、質に対する選別眼を育てていて、満腹よりも”特別なほんの少し
な何か”に充足を感じやすくなっている。横並びな消費価値に重きを置かなくなった。
今現れつつあるのは、清貧な贅沢である。
清貧さが自由な選択の結果ではなく、切実な必要でもたらされているところが非情な現実であるわけだが。
北極の机で白熊の母が経理伝票をつくっているとき
広い机の端ではトルコ美人がベリーダンスを踊っていた
それをかぶりつきでみていたのはペンギンの群れで
白黒の頬をうっすら紅に染める
すかさず流れる 「踊り子さんに手を触れないでください」
いつのまにか机はまな板に
そのまな板の上にあがったのは恋のカゲロウ
包丁を持った天狗のお面 フラッシュがたかれまくった
「ああ、お姑さん どうか覗かないでください」
北極の机で白熊の母が鮭を料理しているとき
広い机の端では白アリが行列を作っていた
延々と運ぶクッキーの欠片ごと
南米の大アリクイが口を差し伸ばして食べる食べる延々と
「つまみ食いはご法度だよ」
いつのまにかアリの列は鉄道模型に
「主人の鉄道模型を処分してしまったら主人がおかしくなってしまったんです」
鉄道模型に乗って、泣きながら廻る廻る若嫁がまわる
まわってまわって北極の机を溶かしてしまうまで
「ああ、ご主人 どうか彼女にお許しを」
悔恨の涙で北極の机が溶けてなくなってしまう前に
「けんけん」
神様に「左足を使ったら負け」といわれた日から
けんけんで歩いている
杖はない
負けたらだめなのかな
負けてもいいじゃないか
ひだまりにいる幽霊は追憶
見つめているのは幸福の面影
黄金色に香る金木犀の花
抜ける青空
ひだまりにいる幽霊は憧憬
秋の透明な輪郭の中に浮かびあがって
冬の始まりの風が
黄色に染まった落ち葉を吹き飛ばす
ひだまりにいる幽霊は約束