君のセンス五段階+αで評価するよ[vol.29]

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273いぷ ◆ozOtJW9BFA
「警鐘(1)」

1000度を纏った瓦礫が分子レベルに解けていく中
嗚咽を繰り返す人の群れを抜けてなお私は数グラムの憂鬱を持て余して

いる

川原に下りて魚の数でも数えてみようか

この町の川は汚れてしまったが
私は無関心を装っていた

一匹、二匹、

無機質な魚たちは鮮やかな色彩をもって沈殿した

三匹、

この淀んだ水が空へ還る時間軸は
私のそれと比較できるのか