〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 15th edition 〜〜

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窓の明かり、薄墨色
赤ん坊の掌に載るくらいの小さな切符

目を閉じれば天井が回り座席が沈む
宮殿の回廊に反響する木霊のように
一時間に一本の下り路線が行きつ戻りつ、寄せては返す

 切符を拝見

霧のような潮風に車体は線路の上できぃきぃ軋む
6両編成の空洞を抜ける錆色のスキール音

今年も田んぼでは米が実りすぎている
山間の窪みに
トラクターの看板に
老人の曲がった腰に
呪いのように米が実っている

海に外灯がクラゲのように浮かんでいて
いつまでも夕方

 馬鹿みたい バカミタイ

海と山とを分かつファスナーが
ごっとんきぃ ごっとんきぃ