1 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :
【朝】
寝ぼけた目ぇの
瞼に朝日
さあ今日も一日
頑張りますかと
背伸びを一つ
私ったら空も飛べそう
あーぉあーぉ
ほわわわわぁ
そんな針金を
黒猫は笑う
一度ひしゃげた鉄くずが
太陽の熱ごときで
真っ直ぐに戻るかってんだ
あーぉあーぉ
くすくすくすくす
ほわぁほわぁぁぁ
2 :
名前はいらない:2005/07/10(日) 17:55:11 ID:Zey34LSa
>>1 朝の「あ」は、あ!
あは、朝の「あ」
イッスネ。
3 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :2005/07/10(日) 18:18:49 ID:CjH+UG8s
4 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :2005/07/10(日) 18:23:20 ID:CjH+UG8s
【湯船】
たぷんたぷんと
母胎のように揺れ
とろみのある温もりで私を揺らめかせる
抱きしめた膝小僧
僕も愛されたいと
私に囁いた
ああ
私が求めた物
何も言わずに
ただ
抱きしめる
無償の優しさ
亡き母よ貴方を想う
小さな街の
小さななマンションの小さな風呂桶の中で
5 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :2005/07/10(日) 19:37:07 ID:CjH+UG8s
【星寂】
闇のように
濃青ににじむ夜空でぺちゃくちゃと
赤ん坊の歯のような星がおしゃべりをしています。
唾液のように愛しく光をまとって
それは優しく歌うのです。
ころころ転がる
高いシの音のように
それは楽譜を少しづつ埋めつくしていくのです。
星と静寂
合わせてできた
不思議なベートーベンが
私にふってきて
見渡す限り何もない周りに、ほんのちょっと私の涙で街が出来て行くのです。
6 :
名前はいらない:2005/07/10(日) 19:42:17 ID:OwNM/CGh
すごい!
>>6 ありがとうございますm(__)m誉めて頂けて嬉しいです!
8 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :2005/07/10(日) 21:03:26 ID:CjH+UG8s
【怪物】
その巨大な怪物は、私達の生活のいたる所でその恐怖を振り撒いている。
ごうぅうん
ぎゅぃいいん
天から降る
雷神の怒りの声
体内の全ての物に
等しく凍えらして
無口にさせる
子供も、大人も
いつ土砂降りになるか分からない山の天気のように、怪物が気まぐれで上げる奇声に驚き、心臓を抑える
私といえば
その怪物と対峙していた
そして震える指で
恐ろしく手にふぃっとする怪物の脇腹を攻撃して
好物のアイスクリームを取り出すのである
9 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :2005/07/11(月) 07:06:38 ID:U52DQz2c
【夕焼け】
身体中に、偉大なる我らの父からのびんたを受けて
真っ赤に染まって行く私
どこで間違えたのか
舐めるように
地面を歩るく、くたびれた自分
もしかしてその事に
父が怒っているのだろうか
あまりにも強く
郷愁をもたらして
私を、無防備な私を
容赦なく泣かせた
10 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :2005/07/11(月) 18:37:09 ID:U52DQz2c
【6月】
天が顔を歪めた途端、激しい雨が溢れてきました。
ざんぶざんぶ
地球に打ち付けられて、愛しい涙達は冷たい人工物にはねかえり、白くけぶる夢の世界をつくりました
一つ、分かった事は
6月の空気は
人も、動物も、植物も、そして神さえも
憂鬱と孤独の中に沈めるという事です
涙の中に溺れさせるという事です
大泣きの空の
曇った顔色を
泣き出しそうな顔の
私が独り、見上げてました。
11 :
名前はいらない:2005/07/11(月) 19:27:52 ID:6q4sCi3Y
(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
12 :
ガンバレ ◆yufVJNsZ3s :
【涙】
唇を一文字にくいしばったその隙間にも
塩辛い人生が入り込むほど、僕は久しぶりに泣いた
もう止めてくれ、と何度言っても
胸がひらべったいスプーンで刳り貫かれたような、そんな悲しみが身体の底から、トコロテンみたいに、僕の生きてきた道を押し上げるんだ
ぼろぼろと、今まで積み上げてきた物が崩れてまっさらになり
僕は久しぶりに心に泉を作った