「夏色白銀世界」
天井からのびている一本の腕
つつくこともなくただのびている
くるまろうとしなかった布団
そのとき何かがあふれ出した
人ごみにさえ感じる暗闇で
球体が足元をなぞる
肩がすくまるその表情を
球体はただ眺めていた
時を旅して目覚めたときに
白銀の空を受け取ろうとして
いまカーテンをあけた
喜びが広がる世界を期待して
いまカーテンを開けた
みえてきたその空間に
笑いを浮かべようと目を見開いた
そして細めてしまった
広がっていたのは
いちめんの白銀ではなかった
今にも沈みかけている
色の薄い太陽だった・・・