「そんなに人間が」
そんなに人間が好きかい?
と 彼は言った
目に映るのがいつも人間ばかりで
閉じこめられてると感じたことはないかい?
閉じこめられてるさ もちろん
だって仕方がないじゃないか
俺たちは人間から来て人間に帰るんだ
草や河や象を歌っても
俺たちは人間の容器の中さ
どうしろっていうんだい?
なに簡単さ その皮をぴりぴりっと剥いだら
俺と同じような何かが出てくるのさ
と 彼は言い
出された団子をぱくりと食べて
そして脚をふるわせはじめる
さよなら 賢い小さな君
またいつか もっと
とりとめのない世界で会おう