53 :
名前はいらない:
誰も私の名を口にしなくなってからどれくらい…?
独りぼっちになったのはいつからだっけ…?
わたしが歌すら唄わなくなってしまったのは誰のせいなの…?
嫌いキライ、みんな、キライ
わたしの姿、声、誰の目にも耳にも届かない
嫌いキライ、自分が、キライ…
自分のことを嫌いになれば
誰かに疎まれても
誰からも忘れられても
少しも悲しくないでしょう?
でも一つのまやかしはそう長くは続かない
自分で自分を騙すのにも疲れたわ…
このままずっと独りでいれば
感情すら無くしてしまいそう…
でも、そうすれば、もう、悲しくないかしら…?
また誰かに受け入れられる事と
感情を無くして、『無』同然になる事…
今の私からすれば
どちらも幸せにみえてしまうのよ…