チョコレイトに
ストロベリィ
ミルクをかけて
甘くした
ヴァニラアイスと
ストロベリィ
イチゴのカクテルみたいな夕焼け
ココアの砂漠にひとり立ち尽くす
わたあめがピンク色で綺麗
焼きたてのパンみたいな
ふわふわしたキモチ持て余して
一粒のキラキラしたストロベリー
呑み込んだ
真っ赤な宝石が
胸元で鼓動している
抱き寄せた甘い香り
艶めく皮膚に舌を這わせて
凹凸を楽しむ
齧って唇を濡らす果汁
からだ中を駆け巡る
甘味と酸味
喉もとを過ぎて
それでもさらに香る
冷凍イチゴ
ひんやりとした頬
唇が真っ赤になる
ミキサーに入れて
オレンジリキュールのシロップと
レモン汁ぎゅっと入れて
シャーベットにする
グラスにスライスイチゴを飾り付けて
シャーベットを盛り付けて
ひんやりとした
甘い空間
>>30 へびいちご の 作者様
スレ違い失礼します。
詩板本 2冊目スレッドにて、2005年投稿作品の作品集を企画中です。
「へびいちご」「へびいちご2」を是非掲載いたしたく、掲載許可をいただけますでしょうか?
私家版同人誌100部印刷のごく小さな作品集で、利益もでませんが、
同人詩集の販売イベントのポエケットにて配布を考えております。
よろしくお願いいたします。(印刷の都合で6月14日までにお返事いただけると幸いです)
真っ赤な花火が弾けてとんだ。
ストロベリー
夜の闇が裂けて
天から果汁が降る
光が弾けてサイダーの音
灼熱の尺玉
真っ赤なスターマイン
大花火大会
屋上からまっさかさま。
哀れなストロベリー
砂糖と共に一瞬で煮詰められて
コンクリートを彼女が汚した。
真っ赤な染み。
三軒となりのクリーニング屋さんまで
あまぁいストロベリーが香った
56 :
名前はいらない:2006/09/22(金) 22:22:27 ID:xSd9nWk3
カオス化
―体内仔ども 死んだから―
く だ さ い 」 クル…
廻され (悦びです…
やわらかに クル…
廻され (気持ちいい…
とけてゆく クル…
廻され
クル!
わたしのからだの深部に (だれ?
性龕現れ (だれの?
ストロベリィの予感して (わっ
クルー
まきこまれ (酔います
廻され クルー
ください とりこまれ (吐くっ
もう 廻され クルー
クルクルクルクルクルクルクルクルクルクル
わたしの (……ウ
体内仔ども 死んだ クルウ
か クル !
ら クル ?
だ クル ?
奥で性龕膨らみ (だれの…
廻され わ クル しめやかに
廻され た クル 安らかに
廻され し クル 密かに
老いてゆく、老いてゆく、老
クルクルクルクルク
クルクルクルクル
クルクルクルク
機械を想像妊娠した
そこ 体内仔どもが居た場所に
性龕現れ 奥で膨らみ ストロベリィの予感
そう
だれとの聖交もなかった
永遠の自慰 それは
機械の楽園を絶え間なく整備すること
??失われた仔ども帰ってくるかもしれない??
ストロベリィ・オートマチカで 秘密の……
クルクルクル
クルクルク
クルクル
クルク
クル
「つ ぶ し て !
59 :
Kimayui:2006/12/25(月) 00:12:24 ID:UmY4dLQo
くりすますに因んで贈ってみました。
やってみたところれいあうとがずれて
なんだかきもちわるいです・・・
60 :
Kimayui:2006/12/26(火) 01:34:10 ID:4H31JQAx
>カオス化
すいません。少しでもさらなるカオス化できたかな。
61 :
Kimayui:2006/12/26(火) 01:36:29 ID:4H31JQAx
57−59「「ストロベリィ・オートマチカ」」Title.
62 :
Kimayui:2006/12/26(火) 01:39:20 ID:4H31JQAx
いちご。
ここはそんなにおおくないのでぜんぶよんでみた
へびいちごシリーズ、28
まけた・・・か
わたしにはりあるさがたりないということか
いちごフラッペ(惜しい??)、わにさんたまにシュールです
いちごって深いな……
63 :
名前はいらない:2007/03/04(日) 13:25:16 ID:QWvNq+/J
鳩が苺を頭の上に
載せており
くるぽっぽーと
歩いている
日曜日
何かの景品のように見え
噴水前の広場は盛況
餌を啄みイチゴを揺らす
多重音声で綴る
羽ばたきの肥沃な音源
サンプリングして飾る
庭に面した軒先に
64 :
名前はいらない:2007/08/21(火) 21:15:14 ID:9bRAnGPN
あたしはイチゴ
ミルク?コンデンスミルク?ほわいとしゅがー?
あたしを巡って争う者たち
白くてきれいね・・・
だけれどもう少しだけ
真っ赤なあたしでいさせて?お願い
恋の色をしたイチゴミルク
コンデンスミルクをかけた甘々なあたし
ほわいとしゅがーを纏ったキラキラのあたし
きっとどれも素敵で
あたしを知らない世界に連れて行ってくれる
誰かと一緒に旅する世界は
瞬きも忘れるくらい輝いてる
あたしはイチゴ
真っ赤なあたしでいたいのは
甘酸っぱい想いを携えていたいから
66 :
名前はいらない:2007/12/16(日) 10:25:02 ID:hgX9jm8E
67 :
名前はいらない:2007/12/16(日) 17:32:12 ID:hgX9jm8E
68 :
負け犬B:2007/12/19(水) 14:29:21 ID:ZzPNovhO
栗の花の香りのミルクで汚して
この胸に色づく 貴方に捧げるへびいちご
69 :
名前はいらない:2008/02/08(金) 18:29:42 ID:BIB9/Chg
70 :
名前はいらない:2008/03/22(土) 03:03:09 ID:qA9hbNUi
お元気ですか?
適当なトコ見つけるのもなかなか難しいですね〜
何か悩んでるの?
あたしの妄想かもしれないけれど
なんかよくわかんないけど、だーいすきでーす!
大殺界の月なので気をつけてね
独り言言ってるみたいで恥ずかしいです。。
支離滅裂文章でした!
71 :
名前はいらない:2008/03/23(日) 04:26:25 ID:Yh9IVZyc
ねむい○。‥
昨日はほんと疲れた一日でしたー
あたしがそちらの世界の人かそれか普通の人
同士だったらよかったなー
それでもって普通に話し出来たらなー
もーそー
なんか怒ってたでしょ?
もーそー?
なんか居るだけで気持ちみたいなのが分かる気がする
もーそー??
半分はどうしていいか分からないです
とんちんかん&もーそー???
おやすみなさい
72 :
名前はいらない:2008/03/25(火) 00:14:13 ID:J9t1wt8o
苺はね伊豆のがとても美味しいの♪
有名な石垣苺はイマイチよ♪
芭蕉
73 :
名前はいらない:2008/03/25(火) 00:49:34 ID:J9t1wt8o
そろそろ寝るお、おやすみー
∧,,,∧
(´・ω・`)
l⌒O⌒⌒⌒O⌒l
| □囗□囗□ |
| 囗□囗□囗 |
| □囗□囗□ |
| 囗□囗□囗 |
74 :
名前はいらない:2008/04/04(金) 00:25:58 ID:mDcpXT12
やほー
久ぶりです
お元気ですか?
あたしのこの「つぶやき伝言」を気にしてくれはいますか?
ま・いいや
今は日本ですか?それとも・・
ぶっ続けじゃなくてお休みっていうのもあるのですね〜
(当たり前か!)
6月も忙しいんですかねー
おやすみなさぃ☆
75 :
名前はいらない:2008/04/07(月) 20:51:06 ID:pT0KhCfq
にゃんごろー
また行っちゃったようですな
そちらの様子は判んないけれど
年明けの写真とか出てくる今日この頃で
そういえばあの頃も良くここには居たから
でも着々と進んでるって事だよね
海の近く?
いいなー
76 :
名前はいらない:2008/04/25(金) 23:38:30 ID:AAYix5oD
ひさしぶりですw
ってか、もしかしてつぶやきかも
まいいかー
フランスは無しなんだね
ちょっと残念・・
でも、もし出たとしたら恐ろしく早くない?
詳しく無いから時期とかどういうものか全然解らないけど
あと少し(?)だと思うけどラストスパートガンバレー(・▽・)ノ
77 :
名前はいらない:2008/05/10(土) 22:47:59 ID:D9xHSCKL
やほー
久しぶりですv
本当にあったりするの?
もうそう?
・・・
とりあえず眠いです・・
78 :
Mana魔名:2008/09/13(土) 15:15:15 ID:XTCGGkFp
ラストダンスはあなたがいい 銀の首飾りがとても綺麗
エトランゼ、トラパドゥーラ、ラズベリーなリズムが刺激
アロマの薫りに包まれて、楽しげな鐘の音が鳴り響く
オベーション、黒いブギウギ、ピーチタイムにくちづけを
アリスが知ってる君の秘密を、今夜は僕が明かすから
ティータイムにはカントリーマァムを用意して待ってて
笑みを浮かべるウサギの瞳に、赤い靴を履いた君がいる
走る君の踵には風が吹きぬけ、熟した苺の匂いが漂う
歩く度に跳ねる髪 少し揺れる小ぶりな胸 君がだいすき
いちご
いなご
くっつけて
パンを挟んで食べる
じゅろ〜りと溢れ出すのは
わたしの知らない汚れた子
寒い夜だから
藁を巻いて
ネオンのうるさい静かな町から
ひとり滲んで歩きだす
行き先は
お腹に聞いてくれ
夏のいちご
この街には
飛び込む海もない
逃げ込む喫茶店
お金切れたら
逃げ込めない
デパートの休息スペース
煙草が吸えない
私はいちごだから
見つかれば
ミルクをかけられる
なるべく目立たないように歩く
へたは取らずに
真夏の太陽を
容赦なく閉じ込める壁
壁と壁の間を流れる
冷たそうな人の波
流されないように
潰されないように歩いて
抜けて白いお皿で
待っているかき氷へ
早くダイブしなければ!
うざい
自分の辛さを
他人もわかって当然と思ってるヤツ
わからなければ
クチバシを開けて攻撃して来るヤツ
そんなヤツと一つ部屋
そんなヤツと籠のなか
オタスケ
助けて! ちび殺される!
「通夜」
お父ちゃんの寝顔は笑っている
ガラスの向こうで凍りついている
菊の花輪は人間好みの暗さで
祭提灯のあかりを燈している
兄は見知らぬ叔父さんにお酒を注ぎながら
真っ赤な笑顔で「コンニャロデス」と叫んだ
姉は大きなお尻を腰下まで隠して
伯母ちゃんの鳥の巣頭を踏み潰して座り込んだ
義母はその間ずっと泣くように歌っていた
誰にも聞こえない無力な雨を歌っていた
私は烏賊を食べて
ビールを飲んで豚肉を食べていた
葬儀社のこしらえた白い光のなかを
お父ちゃんが階段を昇って行くところを想像して
ただそこにいた
演説好きの伯父さんがマイクを持つ天つきで
棺桶の上のあたりをもう片方の手で仰ぎながら
「ワッショイワッショイ」と音頭をとった
兄はそれに合わせて「ポックリデスヨ」と大笑いした
姉は「ヨクガンバッタイ」と失笑した
伯母ちゃんがしんどそうに「モーハルローネ」と咳込むと
義母は「トルリラポルポルラッタッタネーデス」と歌った
私は何も喋らずに
いつこの部屋に黄金虫の大群が湧き出すかと身構えていた
お父ちゃんは同じ笑いを浮かべている
何も喋らなくてもいい口は大きく割れて
ドライアイスの冷気にやわらかそうに濡れている
「自己嫌悪」
どんな時だろうって考えた
いつもの道のいつもの角を曲がり損なうのは
三百六十五回通っても間違えないのに
今日は通り過ぎた記憶さえないほど鮮やかに
まるで春のうつつのユメの中
チョウチョになった私は
鼻の付け根のほくろが嫌だったり
慌てた時になぜか左腕が30度くらい上がるのが嫌だったり
さっきまでポストに投函することを自分に言い聞かせていた手紙を握りしめたまま帰宅してしまうのが嫌だったり
自分の将来を自分で決定する妄想に浸りながらいつまで経っても何もせずにTVゲームにどっぷりハマっているそのちょっぴり猫背な姿勢が嫌だったり
した
じぶんちは30メートル後ろなのに
知らないひとの家をめざして歩いた
まっ白いギリシア人宅みたいな家を探して
ひらひらと歩きつづけた
「無題(1/2)」
ぼくは 死ぬ
いつか 死ぬ
どんな 死ぬ になるかは
わからないけれど 死ぬ
棺桶のなかの祖母のように
死んだ になる
ありきたりなストーリーが嫌いで
いつでもひねくれた道を探していた
恋愛小説の僕と
ユメのように美しく優しい少女が恋をして
ストーリーが二人を結んだら
彼女が僕のあの真実を知って
牙をむいて立ち去る未来も描いた
彼女が汚いおばさんになって
普通のひとみたいに 死んだ になるところまで描いた
ありきたりな人生が嫌いで
いつも自分は他人とは違うと思っていた
ぼくは他の人達と違って
顔が見えないから
ぼくはその他大勢の人達と違って
たった一人のぼくが入っているぼくだから
この世はぼくが見ているユメだから
ユメを見ているぼくに守られているのだ
「無題(2/2)」
だから
ぼくのお父さんも
ぼくのお母さんも
死んだ にはならないと思っていた
しかし
ぼくは 死ぬ
いつか 死ぬ
つい昨日みた 棺桶のなかのお父さんのように
死んだ になる
死ぬ は既にぼくのなかにあるなんていわれるよりも
蝋そのものになったお父さんの顔の皮膚
それがぼくを 死ぬ から離れなくさせる
それが
ぼくに
退屈な
ありきたりな
しかし畏ろしく広大な嵐吹き抜ける草原のストーリーを
染み渡らせる
(どんな 死んだ を描い てみたところで
人間の歴史は川になっている
下流から上流へと遡ってみれば
長くて海よりも広いその川には
ひねくれたぼくのストーリーなんて
そこかしこに浮かんでいる)
「見ちゃった」
トヨタプリウスに乗って
私は世界一の車に乗っています
地球環境の保護に貢献しています
なんてことはネットに書く程度で
何も言わないけど
立派だねと言われたいことが
腕組みしたその突っ張った胸にあきらかに書いてあるひとが
真夜中のフェリーの甲板で
海に煙草を投げ捨てたのは
あまりにも
あまりにもフツーで
日常的なうごきだったから
きっとあのひとは
二酸化炭素も吐くし
面倒臭くて誰も見ていなければ
空き缶も適当に捨てるし
自分のいなくなった未来の地球なんて
どーでもいーと思っている
私と同じようなひとだ
なんてことはなく
きっと本当に地球環境の未来が心配なんだけど
みんながエコかっこ悪いとか言うもんだから
俺もエコなんか嫌いだぜ
プリウスに乗ってるのは単に目立つからさ
携帯灰皿なんて恥ずかしいもの持ち歩くわけないだろ
歩き煙草は道にポイ
車煙草は外にポイ
フェリーの上では海にポイさ
それがみんなとおんなじスタイルさ
とか余儀なくされている
私と同じようなひとだ
なんてことは
わかりようがないので
私は自分の胸のなかで
ただ呟く
見ちゃった
「時空の穴で滞空時間を競う奴ら」
あーうざい
いつまでそこにいるつもりだお前らと
唾を落としたら激しく何かを言いたそうな目で上昇してきた
十年振りくらいの火燵タイムを楽しみながら
みかん茶を味わっている時だった
茶碗の底が急に抜けた
吸い込んでも吸い込んでもみかん茶がやって来ない
覗き込んでも下から確認してもみかん茶は零れていない
こんなことがあるんだねえ
おじいちゃん時空の穴が開いたよ
手を突っ込んだら何かドラ〇もんグッズでも取れるかなと
突っ込んだけど突っ込もうにも穴はビミョーに狭かった
おじいちゃん手が手が取れなくなったよ
ぷるぷる震えながらただそのひとは頷いた
お母さんは巨大タンカーを片手で持ち上げる
そのバカ力がやってきて穴をぐわっしと拡げてくれた
高度三万メートルくらいあるのかな
私は雲の上から霞んだ下界を見つめてた
私の後ろからダイバーが三人飛び込んで
風で全身をぷるぷるさせながら落ちていった
おじいちゃんダメだよ逝っちゃうよ
おじいちゃんは他の二人に連行される宇宙人みたいだった
お前ら返せ
私のみかん茶を返せ
私の火燵タイムを返せ
こんなことならいらなかった
珍しい体験いらなかった
でもビデオカメラぐらい回しとくんだった
でも彼らはお互いの手を離してからは
ずっとそこにいて何かを競っているようだった
兄が言った
−−よーしK点越えちゃうぞ
弟が言った
−−姉ちゃんはいつも僕を中二病扱いするけど
おじいちゃんが言った
−−あんたらどこの若衆だったかいの
忘れたいことがあるのに生きてるんだこいつら
忘れるために生きてるんだこいつら
長い付き合いだから私だけにはわかる
こいつらこのまま埋めてしまおう
埋めてとお母さんにお願いしたけど無理だった
お母さんも穴の中に今飛び込んだ
ああ家族って恥ずかしい
ああ早くみんな落ちて死んでくれたらいいのに
ビデオ録画も早々飽きて
私は他人様にバレないように
一生こいつら見守るの (続く?)
「熱き日々よ!」
あの日の天才は しぼむ花びらのような汚物になってしまった
あの日の震災は 鼻白む会話のような背もたれで立った
あの詩の変態は パンツを腰に被り直して高級車で去った
あもびな忖度は あひらぶぺりっと朝ぼらけ
さあ 猫のようにほっかむりを被ろう
意味が巨大なオバケになった反動で
小さなオバケを飛ばしまくる引きこもりの部屋から
逃げよう
友よ 私の歴史は 夜逃げの連続を夢見る
ノートの散乱した六畳の部屋なのだから
「熱さ」
250CCのオフロードバイクに乗せられて
やって行ったよなぁ
名も知らん山ん中
スズメじゃない鳥がいっぱい囀って
寝転んだら蟻んこ大のいもむしが背中から登ってきた
あの草原にグリーンのペンキを撒いたら
自然に打ち克った気分になって
19歳らしいバカ面で笑い飛ばせたかな
六畳ほどのグリーンの部屋の真ん中に立って
ナイフの陽射しが
タンクローリーの
鏡のお尻でさらに研がれて
スモークシールドを割りにくる
バイクで闘うまっすぐな国道のうえ
そんな映画のなかの自分がかっこよくて
そんなバカだからこそ熱く在れた
まっただなかの夏だった
「倒れるまで」
倒れるから
受け止めて
受け止めるふりだけするなら
そのままどいて
コンクリートの角で頭を割ってみせるから
ニビイロのしぶきを上げてみせるから
受け止めるふりさえもしないなら
さようなら
私も倒れるのをやめて反対側へ
ニビイロの巨大な塔が立つ森へ向かって歩き出すでしょう
私は迷路のどこかで生まれてしまったハムスター
左腕をもがれてしまったハムスター
左腕の代わりに猫を選んでしまった女の子
これは左腕に猫を装着した女の子のお話です
宗教的な匂いのする巨大な塔が遠くに聳える森から身を守るかのように
すべての道路が低い壁で囲われた町がありました
砂埃と綿埃で充満するその町に人影はなく
遠くのほうから子供達の遊ぶ声が聞こえていなければ
そこは煙がかったゴーストタウンでした
埃で石灰のようになったテーブルを挟んで
女の子と左腕の猫とが最期の話し合いをしています
猫は早くつまらない愛の話なんかやめて遊びに行きたがっています
「あんたはこんななんにもない町へ来ても遊べる術があるわけ?」
女の子は遠回しに本題を切り出しました
「エノコログサをくれ。エノコロさえあればエノコロを増やして遊ぶことができる」
猫はあからさまに急かしました
女の子はむくれるでもなく真っ直ぐに猫を睨みながら言葉を返します
「ねこじゃらしはもうやめて。一生やらないと誓って。真面目に働いてよ」
「働いてどうすんだ? こんな、なんにもない町で」
「なんにもないわけない。ほら、子供の声が聞こえる。耳はあなたのほうがいい筈よ」
「でも、おいらは猫だから」
「猫だから、何よ?」
「おいらはお前の左腕だから」
「そうよ左腕がないのよこのあたし!」
「だからおいらは自由に逃げられるんだよ」
倒れるから
受け止めて
願い通りに受け止めてくれるなら
一羽の白い燕が埃を線で切り取って
行っては戻り
戻ってきては切る
「なんてシュピードだ」と猫が驚いているうちに燕の軌跡
それは大輪の光となる
埃の膜の向こうから現れた新たな町が
文字の膜の向こうで立ち止まることを
女の子は許さない
「割れよ! 私の腹」と叫べば猫の頭が真っ二つに割れて
腹の中からは赤子が「PO-E---M」と
頭の中からは父親が「PA-DDY---ィ」と現れて
化学変化で朝日が吹き飛んだ
新たな朝日は女の子の背中で輝き
ことばはふたたび
女の子の年齢ぶんぶりに形を取り戻すだろう
巨大な鳥の巣そのものの町が
立ち現れるだろう
お前の父親は
砂漠の果てで
汗にまみれて働く
そんな歌が桃色の唇をした戦士によって歌われ
死んだ猫を焼いた肉汁と
戦士の左腕から流れ続ける血と
湿った煙を受けて降り出した雨とによって
潤った町は舌なめずりをしながら歩きはじめるだろう
「ごちです」
書けない詩を 喉につめ
ぱ行の動きで 発砲せよ
私は 書かなければならないのだ
理由は 私の中のひとに聞いてくれ
どこか 肝臓あたりにいる気がする
さぁ 席につこう
皿の上には たっぷりとソース
さぁ 吉野家の箸を手にとろう
そして発砲せよ
ごちでした
と言う前には
ごちです
がある
音速を 越えてぱ行を
ごちですが 追い越して行け
ごち
ごち
ごちです
ごちへごい
ごっちへごいって
この野郎
書けない詩は 喉につまって
死ぬのだろうか そのうちいつか
私は 私の前に笑って立ちはだかる
私を 私ではないように見ながら
私の上に 何がある
空がある 青い
空には何がある
何もない 晴れた
君の頭の上 うえっ
うえっ
喉の奥から ぱ行で
そこへ発砲せよ
今すぐ
発砲せよ
「いちごポエム」
いちごはまぁるくて
あまいジュースがぽったぽた
それこそミルクに溶けて
イチゴはすっぱくて
ただ水っぽいだけの野菜だから嫌いです
ミルクと砂糖があればいいけど
で
なんだっけ
でっかいいちごが
重たげに揺れて
町の人ゴミの中を
歩いて行きましたとさ
さよなら
赤色が町に滲んで
ぶれた写真のよう
僕の明日に君は
いないけどずっと忘れない
(あっは! 後半完璧パクリ)
「じかんつぶし」
こォの
じかんつぶしの極道が
何がかつおぶしだこのガキんちょ
んなもんオレのほうが先に
じかんの問題か
そうかじかんの問題か
で
くろ
くろ
ぐろ
ぐろ
うんこしたい
したあとのたばこはじかんつぶし
ではないんだよ
おけつがさ
いたいのさ
五倍くらいなって
ぱんぱん
ぷりぷり
カッカッカ
おい
おい
おいっ!
あと20分も何すりゃいいんだよ
オレのじかんを返せよ
せめて1分300円で買えよ
死んじゃえ
通行人なんて大嫌いだ
うんこ投げたい
くらったやつは自殺しろ
その中にうちの会社の社長がいたら
クビだよなぁ
あっくび!
椰子の実落ちた
路側帯に
いびき響かす
知らんオヤジ
「ドカーン」
ばばばばばばばばばくはつなんじゃない?
ばくはつかー
いいんじゃない?
ばくはつだ!
ううんばくはつじゃないけど
なんかいんじゃない?
なんかいいね
ばくはつなんじゃない?っていいじゃない?
はは!
よし!
おう!
やろうぜ!
爆破を?
ちがう!
ちがいめ!
この、ちがいめ!
そう!
やれ!
いいんじゃなーーーい
なんじゃなーーーい?
いいんじゃなーーーい
なんじゃなーーーい?
(ギターソロ)
いや適当で
お茶飲んで?
ねえ
ん?
今、なんか、不景気な音した?
した
したした
したした!
したしたしたした!
したしたしたした!
したしたしたした!
したしたしたした!
したしたしたした!
いいんじゃなーーーい
なんじゃなーーーい!
いいんじゃなーーーい
なんじゃなーーーい!
キリッとF-16急降下
速いぞ!
はえー!
そうさ上へ向かうのとは大違いのスピード見ろよ
オイ
何?
オイ
そろそろ
ばくはつ五郎がひざむくぜ(ハーーッ!)
96 :
ポエム田ポエ子 ◆FkXUSsZt2o :2009/12/18(金) 10:02:21 ID:pyMjQbpM
「とんぼくん」
とんぼくんて
眼鏡かけてないんだね
ちょっとがっかりした
トゥン、と首のばした無表情で
長い手をパタパタさせて
それでも眼鏡はかけないんだね
あたし幻滅した
雲の向こうに隠れた夕日が
金ピカに空を飾る頃
つまんないヤツらはのっぺらぼうなって
その上をでっかいとんぼが飛ぶの見た
高速道路を持ち上げる鉄のアレ
アレぐらいでっかい眼鏡が
しっかりとギンブチで
暮れかかる世界の光を弾き返してた
ねえ
このとんぼくんは
あの時のとんぼとは違うの
どのとんぼくんていえるほど
とんぼは世界にたくさんいるの
あたしがわらしべに
とんぼくんを繋いで
歩いてるとヤクザ者がこっち見て言ったよ
「姉ちゃん、それ、とんぼじゃねえよ」
「姉ちゃん、それ、Mr.オクレだよ」
わけわかんない
だってあのかわいいひとなら眼鏡をかけてるはず
でもよくよく見たら
そんな感じのおじさんかも
うっかり糞スレageちゃってました。
すみませんm(__)mm(__)mm(__)m
「愛ラブSpecial」
ふつうが一番おいしいよね
一流シェフが作った芸術品よりも
ご飯が三杯食べられる実用品
高級霜降り牛肉のお造りよりも
100グラム240円の肩ロースで焼肉
たまに食べる芸術品はそりゃ素晴らしいけど
毎日食べるならふつうがいい
それはわかってるんだ
でもあたしはあなたのために
ふつうは絶対作らない
あたしスペシャルしか作らない
ご飯をみかんジュースで炊いてみたり
スパゲティーにレモンジャムで味つけをして
梅干しをかわいくバラバラにしてトッピングしてみたり
焼肉は500ml118円と激安のタレをかけて
オレンジピールと和えてお出しするの
だってふつうはつまんない
だってふつうは作る意味ない
激安のタレがどんな味するか楽しみでしょ
そんな楽しみがあたしは好き
あなたに目が飛び出るぐらいの笑顔で楽しんでほしい
楽しんでくれなかったら死にたくなるよ
エイのアラを斬る包丁であなたの喉仏を斬りたくなるよ
なーんてうそうそ(⌒‐⌒)☆
楽しんでね?
どーせそのうちふつうになるよ
かなり安くて
かなり手抜きなふつうだとは思うけど
あたしの無尽蔵と思われるアイデアも
きっといつかは尽きるんでしょうよ
えーえーだから
そうしたら何も作りたくないけど
あなたに必要だからというだけの理由で
あなたの好きなものを作るでしょう
ソースと豚肉とキャベツと麺で焼きそば?
合挽ミンチと玉葱とパン粉と卵でハンバーグ?
何がおもしろいんだか
なんでそこに林檎の皮とオカラと道端のイタドリは入らないんだろ
入ったほうがいいよね
入れるからねダーリン☆
たっぷり食っちゃって
でもなるべく出来立てのうちにだよ
冷めないうちにね