お堂々         

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672スークー ◆KUSO6ymY8A
「ひとり遊園地」

あるお魚くんのお話

あっくんは死にたい死にたい死にたい死にたいと思っていました
あっくんは少し珍しいお魚。だからなのかお友達もいません
お母さんとお父さんももういません
いなくなるまえのお父さんはいつもしなりながらこう言っていました
「ママはね、お空に向かって泳いで行ったの。私達はココでしか生きられないの‥だから、生きるのよ。」
それを聞いてあっくんは「ふ〜ん」と心の中で二回ぐらい連呼しました
いえ、それは一回だったのかもしれません
あっくんの推理はこうです
ー母上が死んだのは良く晴れた翌日の曇りの日、潮流にながされ僕のほっぺにはりついた昆布がやけに塩辛かったのを覚えている。
あの日‥そう。あの日僕の直上を通りがかったパピプペポイジャー号という名の漁船の乗組員上田信二が
フラッと立ち寄ったショットバー『坂田』において500億を賭けたナインボールに負けたのが事の始まり
当然そんな大金を用意出来るわけがなく、あと三万一千円足りず困りはてカウンターの木目と相談していた‥そんな時
視界の中にカラムーチョがツーっと滑り込んで来た。右を見やると背を丸めた男がカラムーチョをもちょもちょと食べては「むちゃちょー!!」と叫んでいる
そんななに的にもエロカッコいい男がこちら側に向き直り口を開いた。大きい欠伸です。ありがとうございました。
上田信二は一つため息をつき電話する振りをしながら店を出た。そして思った。「そうだ!アロワナを釣ろう!」―
「こんな感じに違いない!これで全てのキゴウが当てはまる!」と、ミジンコ百匹を咀嚼しながら考え、そして打ち消した。。。

673スークー ◆KUSO6ymY8A :2006/01/30(月) 00:09:03 ID:7BXWYSsg
場面は変わって、あっくんピンチコック!「鳥」並みの恐怖を今体感中

水面とあっくんの間にキラリと光る一本の糸
それは広い様で狭い世界を、他人と自分の境界を、迷いながらも進める為のアリアドネの糸か
生まれてから死ぬまでけして切れる事なくその時を待つへその緒か
裁きの悠久をたゆたい罪という幻影を求め聳えるバベルの塔か
とかそんな感じでただあっくんはお空へと昇ってゆきます
 友達が欲しい 僕を知ってくれる友が欲しい
 もっといろんなもの腹一杯食べたい もっといろんなもの目一杯見たい
 今日も明日も明後日もあの岩に体を預けて眠りたい
 だから 死にたくない!
「アロワナダーイ!!」と叫びながら必死に暴れました とプツッと音がして、あっくんは傷と勇気を手に入れました
その夜あっくんはお腹いっぱい夢心地でいつもの岩の傍らでスークーと寝息をたてました
          とさ。