おつぱいおつぱいエンブレム(°д°)【奇跡の詩人】
「歩道橋」
透明な水道水の囁きが呼び起こしたのか
昔々の黄昏の橙 少し焦げた麦の香り 電車の窓の縁
それらが風と混ざり合った空
いま、黄色い花びらが排気で落ちる
水溜りの波紋がその縁に冷たい鼓動を宿した
ウチマタのガイコツが歩道橋を行く
歩道橋 コンクリート 雨の跡
ひとりぼっちで咲くたんぽぽ
ウチマタのガイコツはその隣りに腰を下ろした
風に微かにゆれるたんぽぽ
笑顔みたいにゆれる
それは光を黄色く染めて返すこと
ゆれる たんぽぽ ゆれる きおく
遠くに見えるビルの六階では
おんなとおとこ
ママゴト・ランチ済ませたところ
此処は熱い歩道橋の上
ふと、ウチマタのガイコツは夏空を見上げた
ゆめのなかでほほえみをもらった
ゆめのなかではほほえんでいたかもしれない
いま、誕生日のイヤリングは薬指に嵌めてある