\\詩人の集まる天文台//

このエントリーをはてなブックマークに追加
149饂飩
服従者

突然だけど君だって服従者だ 幾たびにも渡る調教の末に
忘れたことさえ忘れてしまった
哀れで そして優秀な 遺伝子組み換え大豆だ
そして最高の審判を待っている
社会の舞台で踊らされて疲れて おどけている 皺の数も違う何人かが
下を そう下を TVでも見るかの如く
ため息や 独り言をあいまぁと呟くよ
忘れることすら仕事になってしまった
可哀想で 可笑しな服従者が 今日も踊っているよ ベラベラと達者に
飛び出た醜い内臓をズルズルと引きずりながら
麻痺していつ身体を切られたのかすら知らないでいる
忘れかけている者たちよ 百目になれ
医者になれ 教育者になれ 知らないでいるときっと忘れる
そうなれば 何故死んだのかすら知らないまま終わる
生きた試しもなくズダズダと幾千もの足跡に揉まれ
怪我をしたことさえ忘れ 堕ちてゆく
そしてだらしなく疲れ果て 内臓が飛び出でて
走りもせずに歩いてゆくだけの日常に
また疲れ 終わってゆく生き方に嫌気が差し
愚かにも他人を巻き込みたくなってゆく
笑顔を 悲しみを 優しさを 他人を
歩きながら落としてしまう人間は
小奇麗に舗装された道を標識見ながら歩いていくだけ
退屈なことが当たり前になっていって
とても臆病になっている自分に腹が立つ
それに気付いたって 忘れ物がとても目立つから
黙って無表情な道しか信じられなくて
それしかないんだ もう何にもなれない
忘れてはいけない 日常に服従してはいけない
だから 違ったモノになれ 何にでもなれる人になれ