口の中にとろろ昆布がへばり付いているような
5月18日午後9時23分
僕は綿菓子の頭脳で鉛筆が作られる工程を考える
まず木が切られ 海辺の工場 トラックトラック運ぶ運ぶ
大きさ揃え 適当に ベルトコンベアー動き出す
その道十年ベテランが 特殊な工具と特殊な眼鏡
上手い具合に六角形 細細長く 削る削る
待ってましたとその中心を キリでくりぬく喧嘩上等 あんちゃん大将
開けては開けて 暮れても開けて
その頃インドで石炭掘られ タンカー揺られ はるばる日本
上手い具合に細かく砕き ニカワで固める女工さん
細細長く 均一に 伸びた芯は 黒光り
最後はこれだ 合体だ 精神集中ピチピチドカン
あれよあれよと言うま間も虚し たちまち鉛筆出来上がり
でもまだこれでは未完成
それから暫く馴染むまで 寝かせて熟成 いい色香り
鼻からあくびが出てきたら あなたの町へと送られる
!
その工程の途中には 自然破壊と謗られて 割り箸割り箸もっと悪い 反論したり揶揄したり
九官鳥と休憩したり 慕情があったり凄腕の 鉛筆検定免許皆伝 忘れられたるFがひょっこり
蒸気機関車 横流し 石炭泥棒叫んだり
する
はずもなく
僕の熱は38度線を越え北に向かった