ポエム大会4

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 」空で出来た乙と甲で出来た空「

誰のものでもないあの青い水溜りに
手を浸したまま日々呼吸するものがいる

古墳の土天井に開いた不用意な穴からのそれ
行き場なく丘の上に密生してのびるのびる竹の揺れる
その上にその振幅を波紋にして映すようなただ飲み込むようなそれその
青 青

誰にも届かぬ水色に頭を浸し 濡れそぼつ巨人のように
あの青に泳いだまま生きていることができる
もろい時間のさしずめに泥の上に転がって
初めて天と向かい合いこれを所有する虫のごとくに
見えさえしないそれをもつねに持っていられる
そら そら

午後の紫外線 自然放射線の
明るい通りに立つ(川辺が近い)
影は濃く人影はなく
自転車の車輪は道路に焼け付きそうで
また風が出てくるまでは
首に巻いた糸から白い凧を揚げて走るように
空の上を歩いた