〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 14th edition 〜〜
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日ノ御崎:
岩肌の模様がね、教科書で見たリンカーンの顔に似てるだとか、マンガのキャラにこん
なのいそうだとか、架空の怪物が動きだして、さまざまな少年ジャンプっぽいのや宮崎
アニメっぽいのや作りだそうとするんだけどね、誰もいない荒磯はカラーンと音がしそ
うなほどに干からびてるし、寄せては返すを繰り返す実はそれだけの海は退屈極まりな
いし、ぼくを邪魔するものは何もないように見えて、動かない風景がぼくを手折ろうと
しているから、それでぼくはつい想像力に引っ張られて、ありもしない心の画面に映画
を映しだして、モスグリーンの画面の奥に目の玉を沈めて、動きのあるシナリオに身を
託していたら、海猫の空々しく鳴く声に、振り仰いだ空にぼくは動けない雑草だった。