創作詩鑑定スレッド

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835U-名無しさん
「無題」

ボールが転がっている。

世界の何処かで、誰かの足元から違う誰かの足元に向けて。

人々の夢を、友情を、怒りを、驚きを、悲しみを、
そして欲望を、全てを包み込んで。

東京で子供達が遊び疲れて眠る頃、
リオデジャネイロの広場では大勢の子供達が戯れ、

サンフランシスコに夜の帳が降りる頃、
リバプールのパブではその行方に歓声と溜め息が交互に訪れる。

刈り揃えられた芝生の上で、土煙が舞う街角で、人々の夢の中で、
ボールは転がっている。

それぞれが抱えた思いを詰め込んで、止まる事無く転がり続ける。