俺、プロになりたいんだけどさ。なれそうかな?

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535やわらかい蟹 ◆6P3vWUZtcI
無映像詩集 十三


繰りかえす波の背に
  ぽかんと開いた白いYシャツの
    香りがせり上がっていく
      産湯をすすって
        わだかまりを見てとるのが
          煩わしいと思ったので
            目を閉じて浮かれるまいと
              つとめた
                のだが

金属音は
  ふたくち目で 目まいが起きた
    それこそが望まれた
      偽りだと知っていて
        おののきが治まらないまま
          残月をくるみ
            鱗を剥くまで 愛した

指に刷りこませろ
  壁には馴染まないのだから
    かぶさるように蛇のように
      左目と右目の
        間にある深い谷間
          を知る ことこそが

朝露が降りるのを待って
  美しくなりそこねた
    羽虫の話を
      耳の奥で聞いた
        たゆみない丘の伏し 震え
          ひととせののち
            都を宿すまで 愛した