ニュス速報＠詩・ポエム板

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作品論やその他の議論はほどほどに

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http://www.asahi.com/culture/update/1016/003.html

「雨ニモマケズ」のモデル再評価の動き　岩波から自叙伝


　詩人で童話作家、宮沢賢治の代表作「雨ニモマケズ」の
モデルではないかと言われるキリスト教伝道者、
斎藤宗次郎（１８７７〜１９６８）の自叙伝が来春、
岩波書店から出版される。宗次郎は新聞配達業に励みつつ、
出会った人々の悩みに耳を傾け、地域の人たちから慕われた。
日記には賢治との交流が克明に記録されている。１５日から新聞週間。

宗次郎は岩手県花巻市に生まれ、地元の小学校教諭となった。
無教会主義キリスト教者の内村鑑三に影響され、２３歳でキリスト教に入信。
が、小学校で聖書や鑑三の日露非戦論を教え、退職に追い込まれる。
約２０年間の新聞配達業の後、１９２６年に上京。鑑三の弟子として
伝道を手伝い、その最期をみとった。

4様

この頃、他板が出張してくるのがよくあるな

http://www.sankei.co.jp/news/041019/bun081.htm

「ランボーの家」公開　仏詩人、生誕１５０年


「地獄の季節」「イリュミナシオン」で知られる１９世紀のフランス象徴派詩人
アルチュール・ランボーの生誕１５０年に当たる２０日、
出身地の仏北部アルデンヌ県シャルルビル市は詩人が思春期を
過ごした「ランボーの家」を一般公開するなど多彩な行事を行う。

　ランボーが１５歳の１８６９年から６年間、母と４人兄弟姉妹で遊んだ
ムーズ川沿いの家を改修。部屋の壁や床は当時のまま残し、
放浪の旅と詩作の精神を追体験できるよう窓と壁にビデオ映像を映すほか、
音楽や詩の朗読も流す。

　市中心部のデュカル広場には８００のランボーの頭像を展示、
インターネットサイトを開設して詩や生涯を紹介、コンサートや映画上映も行う。

　アラン・トゥルヌー学芸員は「ランボーは永遠に若い。詩は今も時代を超えて生きている。彼はほかの土地に常に出発し、日常が冒険の人生だった」と魅力を語った。サイトのアドレスは、http://www.rimbaud-arthur.fr（共同）

(10/19 18:43)

http://www.asahi.com/culture/

泉鏡花文学賞に小川洋子氏

３２回泉鏡花文学賞（金沢市主催）の選考委員会が東京都内で開かれ、
小川洋子氏の「ブラフマンの埋葬」（講談社）に決まった。副賞１００万円。
授賞式は１１月２２日、金沢市の市文化ホールで開かれる。(10/20) 全文 >>

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20041021k0000m040035000c.html

英ブッカー賞：
「ザ・ライン・オブ・ビューティー」が受賞
英国で最も権威がある文学賞「ブッカー賞」の今年の受賞作品に１９日、
英国の作家アラン・ホリングハースト氏（５０）の小説「ザ・ライン・オブ・ビューティー」が選ばれた。
賞金は５万ポンド（約９８０万円）。

受賞作は、主人公のゲイの若者を通じ、サッチャー保守党政権下の８０年代の英国を
皮肉を込めて描いた作品。英ＰＡ通信などによると、ゲイを扱った小説が
同賞の作になるのは初めてという。

ロンドン在住の同氏は英南西部グロスター州出身でオックスフォード大卒。
９４年の作品「ザ・フォウルディング・スター」ではブッカー賞の候補に
上りながら受賞を逃した。他に英国のゲイ社会を扱った
「スイミングプール・ライブラリー」（８８年）など。（ロンドン共同）

【ロイターニュース】

　
ラテンアメリカ文学の巨匠マルケス、最終修正で海賊版も退治


　［メキシコ市　２０日　ロイター］　１０年ぶりに新刊を出した現代ラテンアメリカ文学の
巨匠ガブリエル・ガルシア・マルケスが、芸術上の理由から出版直前に手を加えたため、
海賊版が退治されることになった。

　編集者によると、マルケスは最終章を変更しており、海賊版とは別物になっているという。

　スペイン語の著書「Memories of My Melancholy Whores（英題）」の新刊は、マルケスの故郷、
コロンビアの路上で海賊版が出回り始めたため、一週間予定を早めて２０日に販売された。

　コロンビアの警察は出版に先立って、数千冊に及ぶ海賊版を押収している。

読売「こどもの詩」選者２２年、詩人の川崎洋さん死去

　詩人で、本紙くらし面「こどもの詩」（大阪本社管内を除く）の選者を２０年以上にわたって担当した川崎洋（かわさき・ひろし）さんが
２１日午前１０時４０分、腎不全のため亡くなった。７４歳。告別式は２４日午前１１時から、神奈川県横須賀市衣笠栄町３の７７大明寺。
喪主は妻、和枝（かずえ）さん。

　東京都生まれ。西南学院専門学校英文科中退。十代のころから詩作を始め、１９５３年に茨木のり子氏と同人詩誌「櫂（かい）」を創刊
。谷川俊太郎、大岡信氏らも後に加わった。８７年に詩集「ビスケットの空カン」で高見順賞を受賞。９７年に紫綬褒章。詩作のほか
放送脚本、童話、エッセーでも活躍した。日本語の美しさを表現することをライフワークとし、方言の調査に日本全国を歩き、
「かがやく日本語の悪態」など多数の著書を著した。同書や「日本方言詩集」などの仕事で９８年、藤村記念歴程賞。

　８２年から、本紙くらし面で「こどもの詩」の選者を務め、ユーモラスであたたかな選評が人気を博した。

　茨木のり子さんの話「昨年お会いした時『櫂』の創刊から５０年、よくけんかしないでこられましたね、と言われました。
物静かで気持ちのいい川崎さんの人柄のお陰です。作品は気張ったところがなく、肩の力が抜けていて私はとても好きでした。
上質のユーモアもあって叙情詩の質を高めたと思います。『わたしは軍国少年だった』という本に見られるような硬派の一面もありました」

紀伊国屋書店：ネットで絶版本を販売へ
　紀伊国屋書店（東京都新宿区）は２１日、インターネットを使って絶版品切れの
文庫本を２２日から販売すると発表した。新刊書店が古書を本格的に扱うのは異例。

蔵書５０万冊を持つ絶版文庫の専門店「ふるほん文庫やさん」
（谷口雅男会長、北九州市）との共同事業。紀伊国屋のネット書店
（ｈｔｔｐ：／／ｂｏｏｋｗｅｂ．ｋｉｎｏｋｕｎｉｙａ．ｃｏ．ｊｐ／）
に毎月３回、５００冊ずつ出品する。

　一方、書名を並べた出品とは別に、１１月中をめどに約１８万冊７万点をネット
で検索し、発注ができるシステムも構築する。紀伊国屋は「絶版の本を
欲しがっている客は多く、そのニーズに応えたい」と話している。【栗原俊雄】

毎日新聞　2004年10月21日　20時42分

水上勉さんしのび２５０人　出身地の福井で追悼式典

今年９月に死去した作家、水上勉さんの出身地、福井県大飯町の資料館
「若州一滴文庫」で２４日、追悼式典「帰雁の集い」が開かれた。
約２５０人の参加者はそれぞれ色紙に「安らかにお眠りください」
などとメッセージを寄せ、水上さんをしのんだ。

http://www.sankei.co.jp/news/bungei.htm

英作家ワイルドの初版本と署名入り写真がオークションに

ロンドン　２５日　ロイター］　英作家オスカー・ワイルドが１８９０年に発表した「ドリアン・グレイの肖像」（The Picture of Dorian Gray）の初版本が、オークションにかけられる。

ワイルドは、詩人、小説家、劇作家と才気あふれる芸術家ながら、
同性愛で有罪判決を受けた１９世紀の異端の文学者。
「ドリアン・グレイの肖像」は映画化されており、
ワイルドの半生を描いた映画もある。
初版本の落札予想額は２０００ポンド。
また、ワイルドの署名入り写真も出品される予定。
落札予想額は１万５０００ポンド。

(10/26 18:00)

谷崎賞：受賞、堀江敏幸さんが喜び語る−−贈呈式
第４０回谷崎潤一郎賞（中央公論新社主催）の贈呈式が、このほど東京都内で開かれ、
小説『雪沼とその周辺』（新潮社）で受賞した作家、堀江敏幸さんに副賞１００万円などが贈られた。席上、
選考委員と受賞者の間の興味深いやり取りが、出席者をわかせた。選考委員の作家、丸谷才一さんは
「物のとらえ方が精密で清新だ。音やにおいの的確な描写の中から、
人間と世界がしっかりと立ち現れてくる」と選評を述べた。さらに、「作品には現象学みたいな気配がある。
フランス文学を専攻するこの作家は現象学を身に着けて自家薬籠中（じかやくろうちゅう）のものにしているのではないか」と話した。

堀江さんは感謝の言葉を述べた後、「申し訳ありませんが、現象学についてのお話は当たっていないと思います。どちらが正しいかは、
この本を買って読んでみて下さい」とユーモアを交えて応じた。【大井浩一】

毎日新聞　2004年10月25日　東京夕刊

新札効果で一葉ブーム、ドラマ・出版物など続々
新しい５０００円札の肖像画が１１月１日から明治時代の作家・樋口一葉に
代わるのに合わせ、彼女を主人公にしたドラマや出版物、歌などが相次いでいる。

樋口一葉（１８７２―１８９６年）は、１０代で一家の生計を支えた苦労人。
「たけくらべ」や「にごりえ」などの名作を残し、２４歳の若さで病死した。

学校読書調査：セカチュー効果　本読む中高生が急増　
読書する中学・高校生が大幅に増え、５月１カ月に読んだ本の平均冊数も昨年を上回ったことが、毎日新聞社が全国学校図書館協議会の
協力を得て２６日まとめた第５０回学校読書調査で分かった。小学生（４〜６年生）も本を読む児童は増えたが、平均冊数は昨年をやや下回った。

５月に本を「１冊以上」読んだ児童・生徒は、高校生が昨年の４１％から５７％へ１６ポイント増えたほか、中学生８１％（昨年６８％）、
小学生９３％（同９１％）と増えた。読んだ本では中・高校生では、メガヒットとなった
「世界の中心で、愛をさけぶ」（片山恭一著）が圧倒的多数。高校生では「蹴りたい背中」（綿矢りさ著）や「蛇にピアス」（金原ひとみ著）
も上位に挙がり、芥川賞の史上最年少受賞が読書意欲をかき立てたことがうかがえる。小学生には「ハリー・ポッター」シリーズの人気が根強い。

１カ月の平均読書冊数は、中学生が過去最高だった第４回調査（１９５７年）の３．４冊に迫る３．３冊（昨年２．８冊）まで増えたほか、
高校生１．８冊（同１．３冊）、小学生７．７冊（同８．０冊）だった。

調査は６月第１週または第２週に、全国１１４校で計１万１１７９人を対象に実施した。【米川康】

毎日新聞　2004年10月26日　18時50分

詩板と関係のないレスばかりだと
削除依頼をだしますよ。

>>17
微妙に同意、だが
風刺的な詩を書く人には様々なニュースも要るんでは

問題はニュースがない
あるいはニュースにならないことだな

第45回東京名物神田古本まつり
巨大ブックセンター・神田160余軒の古書店が催す、一年一度の大古本市

☆青空掘り出し市
−年一度100万冊の大バーゲン

10月29日（金）〜11月3日（水）

岩波会場　神保町交差点
午前10時〜午後7時（雨天中止・最終日午後6時）
三省堂会場　駿河台下交差点
午前10時〜午後8時（最終日午後6時）

☆古書特選即売会
稀本・珍本・良書がいっぱい！

10月29日（金）〜10月31日（日）
午前10時〜午後6時
特設会場　東京古書会館（最終日午後5時閉場）

http://www.book-kanda.or.jp/news/2004/

「戦争と平和」など翻訳、露文学者の原卓也さん死去

「カラマーゾフの兄弟」「戦争と平和」などの翻訳で知られるロシア文学者で
元東京外国語大学長の原卓也（はら・たくや）さんが２６日午前７時１０分、心不全で死去した。
７４歳。告別式は近親者で済ませた。「お別れの会」は１１月１４日午後６時、
東京都千代田区神田錦町３の２８学士会館。喪主は妻、律子さん。

１９５４年に父でロシア文学者の久一郎氏と共にショーロホフ「静かなドン」を翻訳。
その後「チェーホフ全集」（共訳）、トルストイ「復活」、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」などを翻訳した。
「文学界」の連載でソ連のスターリン批判の現状をいち早く伝えた。
ロシア文学者の故江川卓氏と「ロシア手帖」を創刊、ロシア文学研究に貢献した。
著書に「スターリン批判とソビエト文学」「ドストエフスキー」など。

(2004/10/29/20:25　読売新聞

イフクマサヒの詩集｢THE LOST GENERATION｣
かなり良いですよ。オススメ!!!!

＞「文学界」の連載でソ連のスターリン批判の現状をいち早く伝えた。

このあたりは、その頃の左翼系の詩人たちにも大きな影響を
与えたに違いない

文化勲章：受章２氏と文化功労者の平岩弓枝氏らが喜びの声
　　　　　　 文化功労者に選ばれた映画監督の山田洋次さん

　今年度の文化勲章受章者と文化功労者が２９日、発表された。長年にわたって究めた学術や芸術の道。
４人の喜びと決意を聞いた。

　◆文化勲章の立命館大名誉教授　白川静氏

　「大変ありがたいが、さらに重大な責任を持たされたわけで、手放しでは喜べない」。現役の研究者の自負がにじむ。

◆文化功労者の作家　平岩弓枝氏

　「病気もせず、家族もほどほどに健康で、日本が平和なおかげで、４５年こつこつと書いてこられました」と淡々と語る。

佐藤春夫しのび筆供養　和歌山・新宮市

和歌山県新宮市出身で詩人、小説家として活躍した佐藤春夫（１８９２−１９６４）をしのぶ第３９回筆供養の式典が３日、
和歌山県新宮市の筆塚前で開かれた。

筆塚は新宮地方特産の那智黒石製で高さ約６０センチ。内部には春夫が生前愛用していた万年筆や筆が納められている。

式典には関係者ら約１００人が出席。春夫自身が詩を朗読する録音テープが流され、
新宮商業高校の書道部の女子生徒らが１年間使った筆を筆塚前で焼いて上達を祈願。
ほかの参加者も次々と筆を焼いた。

http://www.sankei.co.jp/news/041103/bun042.htm

佐藤春夫記念館の船上光次館長（６２）はあいさつで「春夫先生も没後４０年。その間に中上健次ら
多くの立派な文化人を輩出し、新宮の名を内外に高めているのは喜ばしい」と述べた。

(11/03 14:37)

自分の腐りくくった作品しか出さないような板に
何を求めるんですかあなたは>>1

　
野間文芸賞に辻井喬氏の「父の肖像」

第５７回野間文芸賞（野間文化財団主催）は４日、辻井喬氏の「父の肖像」（新潮社）に決まった。
また、第２６回野間文芸新人賞は中村航氏の「ぐるぐるまわるすべり台」（文芸春秋）と
中村文則氏の「遮光」（新潮社）、第４２回野間児童文芸賞は上橋菜穂子氏の「狐笛のかなた」（理論社）
がそれぞれ選ばれた。贈呈式は１２月１７日午後６時、東京・内幸町の帝国ホテルで。 (11/04 19:22)

家族への手紙、手作り教科書…「鴎外の遺産」近く刊行

　明治・大正期の文豪、森鴎外（１８６２―１９２２）が家族あてに送った書簡、子どものための手作り教科書などを集めた
「鴎外の遺産」（全３巻）が近く幻戯書房から刊行される。
　手紙など大半の資料はすでに全集に収録されているが、あらためてカラー図版で紹介される鴎外直筆の絵入りの手紙からは、
父親としての文豪の素顔がよく伝わってくる。
　二女で随筆家の小堀杏奴（１９０９―９８）の遺品の中にあったもので、投函の時期は鴎外が帝室博物館総長だった５０代半ばから
没年までに集中。この時期、奈良に出張していたため、奈良からの手紙が多い。
　第１巻は「林太郎と杏奴」をテーマに、はがき６８通、巻紙２４通などのほか、鴎外が子どものために作った歴史と地理の教科書、
和歌の添削などを紹介。第２巻で、家族間の手紙を、第３巻では、杏奴が永井荷風、木下杢太郎、中勘助ら文学者から
受け取った書簡で構成する。

　幻戯書房では、「毎日のように子どもとコミュニケーションをとる筆まめな父親ぶりにまず驚かされた。
“教科書”には客観的で簡潔な文章、手紙には愛情と丸みがあり、バランスの取れた人だったことが分かる」と話している。
第１巻は今月１２日発売（税込み２万８０００円）。 (2004/11/5/12:17　読売新聞　無断転載禁止)

サルトルの「嘔吐」翻訳、仏文学者の白井浩司氏が死去

フランス文学者で慶応大名誉教授の白井浩司（しらい・こうじ）氏が１日午後零時２０分、肺炎で亡くなった。８７歳。

葬儀は近親者のみで済ませた。「偲ぶ会」は来月７日午後１時から、東京都港区六本木５の１１の１６国際文化会館で。
喪主は妻、万里子さん。

東京都生まれ。１９４７年に哲学者、サルトルの小説「嘔吐」の翻訳を刊行するなどして
戦後の実存主義ブームのきっかけを作ったほか、カミュの不条理の文学から、
ロブグリエらアンチロマンの作家の小説にいたるまで、フランス文学の潮流を日本に紹介し続けた。

主著に７８年に読売文学賞を受賞した「アルベール・カミュ　その光と影」。

(2004/11/6/21:06　読売新聞　無断転載禁止)

訃報：
南條範夫さん９５歳＝作家、剣豪シリーズなどで人気
　残酷小説や剣豪シリーズなど、幅広い歴史・時代小説で知られる作家、
南條範夫（なんじょう・のりお＜本名・古賀英正＝こが・ひでまさ＞）さんが１０月３０日、
肺炎のため死去した。９５歳だった。葬儀は近親者で済ませた。自宅は非公表。喪主は妻波津子（はつこ）さん。

東京大経済学部卒。旧満鉄調査部などを経て、国学院大などで金融論を教えた。
「週刊朝日」「サンデー毎日」などの懸賞小説に当選したのをきっかけに創作を開始。
１９５６年、遣唐使の陥った残酷な運命を描いた「燈台鬼」で直木賞を受賞。「残酷ブーム」の先駆けとなった。
８２年、「細香日記」で吉川英治文学賞を受賞。時代物だけでなく、ミステリーや現代小説まで、
ジャンルを超えて人間の行動や心理を巧みに描いた。

テレビドラマにもなった剣豪小説「月影兵庫」シリーズはテレビドラマ化され人気を呼んだ。
他に「古城物語」「山岡鉄舟」など。今年、「オール読物」２月号に「乱世」を発表した。

毎日新聞　2004年11月8日　21時56分

乱歩、かくして誕生…小酒井不木との往復書簡集に活写

〈（初の作品集「心理試験」が）若し売れれば先生の御序文のたまものです。売れなければ中味が悪いからです〉。
探偵小説の父、江戸川乱歩（１８９４―１９６５）が、敬愛する作家の小酒井不木（ふぼく）（１８９０―１９２９）と交わした
往復書簡計１５４通が今月中旬、単行本化される。

乱歩が不木の激励で職業作家になる決意をする経緯と探偵小説草創期の息吹が生き生きと伝わってくる。

　同書は「子不語の夢　江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集」（乱歩蔵びらき委員会発行、皓星社発売）。
乱歩の書簡３４通のうち３２通は、２００２―３年に古書店で発見されたもので、２人の文通は、乱歩が「２銭銅貨」でデビューした
１９２３年から、不木が没する２９年まで続いた。

海外の探偵小説に通暁した不木は乱歩の良き理解者で、初期の代表的短編「心理試験」について、
〈私が果して探偵小説家として一人前になれるかどうかを、先生に御判断願ひ度い〉との乱歩の問いに、
〈海外の名篇と比して少しも遜色（そんしょく）のないもの〉と太鼓判を押したことで知られる。

同短編を表題作とした初作品集に序文を寄せたのも不木。乱歩は書簡の中で〈（初版の）２０００部位売れ相に思ひますが、
どうも心配です〉〈小生の書くものなど、純正探偵小説の外道かもしれない〉と揺れる心情をのぞかせたり、〈探偵小説が、
普通の小説よりも劣るとして、軽蔑（けいべつ）されるのが癪（しゃく）なのです〉と、憤まんをぶちまけたりしている。
編者の浜田雄介・成蹊大教授は「乱歩誕生までのドラマとともに、探偵文壇が形成されていく過程が分かる一級の資料」と話している。

(2004/11/7/09:40　読売新聞　無断転載禁止)

北村太郎さん：
優しさと知性の詩人　１３回忌機に、著書「北村太郎を探して」刊行
　詩集『センチメンタルジャーニー』や『港の人』などで知られ、代表的な戦後詩人として人気のあった
北村太郎さんが亡くなり、この１０月２６日で１３回忌を迎えた。それを機に北村さんをしのぶ著書『北村太郎を探して』
（北冬舎）が刊行された。その中には２編の未発表の初期詩篇（しへん）もあり、いまも若い詩人たちに愛されている
北村さんの人と作品を解明する貴重な史料になっている。【酒井佐忠】

　北村さんは１９２２年、東京生まれ。東大仏文科を卒業後、鮎川信夫、田村隆一らと現代詩の新生面を開いた
詩誌『荒地』の創刊に参加。とくに４０歳を過ぎて第１詩集を出すなど、晩年の旺盛な執筆が目立った。
鮎川信夫ら『荒地』のメンバーが時代的、社会的思考を詩の根拠にしたのに比べ、個人的な感性で死と生を凝視した。
平明な言葉を語りの文体で表現したのも若い詩人たちの共感を呼んだ。だが、３０歳で妻子を水難事故で亡くしたこともあり、
詩の抱えた悲しみは深かった。

＜わたしだけに聴える物音……／もし氷の影を踏むならば、／わたしのまへに傾くあなたの像（すがた）……＞

　収録された初期詩篇の未発表作品のうち「眼」と題するものの書き出しだ。文体はやや生硬だが、
後年の詩のキーワードの一つ「目」が早くも現れている。もう１編の「自画像」とともに、まだ「松村文雄」の本名が使われる。
『荒地』の詩人・三好豊一郎の遺族宅で生原稿で見つかった貴重な作品だ。他に、９２年に多発性骨髄腫で６９歳で
亡くなる前年の作品で、死を意識した「ほくそえんでる」など２２編の詩集未収録作品も収めている。

　北村さんの死後、彼を慕う詩人や編集者を中心に「北村太郎の会」が生まれ、北村さんが愛した横浜周辺で
毎年命日近くに講演会などが開かれた。本書の編さんもそのメンバーがあたり、講演録も収録された。
辻征夫、加島祥造、清水哲男、正津勉さんら詩人の講演には、類（たぐい）まれな優しさと知性にみちた人柄が語られる。
中でも、「自分のことは多く語らず、現況をアクセプト（受容）する人だった」という加島さんの話は興味深い。
災禍も死も受容することで優しさが生まれ、死を語りながらも、明るく軽妙な作品が生まれた。

さらに渋沢孝輔、三好豊一郎、田村隆一、清岡卓行さんらの追悼文、追悼詩や年譜も収録し、
現代詩に大きな足跡を残した詩人の正体を探っている。そして「北村さんの詩と人柄が、
あまり時代の枠組みや支配的な感情に左右されない資質を備えていた」（編集者、大日方公男さん）という言葉が
北村さんがいまも愛される理由を語っている。

毎日新聞　2004年11月9日　東京夕刊

仏ゴンクール賞にゴデ氏「スコルタの太陽」

【パリ＝島崎雅夫】フランスの文学賞で最も権威があるゴンクール賞の今年の受賞作が８日決定、
パリ在住の作家、ローラン・ゴデ氏（３２）の小説「スコルタの太陽」が選ばれた。

受賞作は、陽光豊かな南イタリアの村で、悲惨な運命から逃れようとする家族の生涯を、
１８７０年から今日に至るまでの５世代にわたって描いた作品。すでに８万部以上が売れている。

(2004/11/9/11:54　読売新聞　無断転載禁止)

サントリー学芸賞７氏に

第２６回サントリー学芸賞（サントリー文化財団主催）は８日、次の７氏に決まった。賞金は各１００万円。
贈呈式は１２月１４日、東京・丸の内の東京会館で。

▽政治・経済部門＝川島真「中国近代外交の形成」（名古屋大学出版会）、
国分良成「現代中国の政治と官僚制」（慶応義塾大学出版会）を中心として

▽芸術・文学部門＝田中貴子「あやかし考」（平凡社）を中心として、原研哉「デザインのデザイン」（岩波書店）

▽社会・風俗部門＝黒岩比佐子「『食道楽』の人　村井弦斎」（岩波書店）、渡辺靖「アフター・アメリカ」（慶応義塾大学出版会）

▽思想・歴史部門＝平野聡「清帝国とチベット問題」（名古屋大学出版会）

(11/09 02:01)

牧水賞に米川千嘉子さんの歌集「滝と流星」

宮崎県生まれの歌人、若山牧水を記念して、同県などが短歌の分野の優れた作品に贈る第９回若山牧水賞は９日、
茨城県谷和原村在住の米川千嘉子さん（４５）の５冊目の歌集「滝と流星」に決定した。

　選考委員の佐佐木幸綱さんは「家族や家庭の歌がいい」と評価。また岡野弘彦委員は
「米国の同時多発テロ以降、これまでの考え方が通用しない時代に真剣に向き合っている」と評した。
伊藤一彦委員は歌集の中の「空爆の映像果ててひつそりと〈戦争鑑賞人〉は立ちたり」を称し、
「自分が無力であるという自覚からものを考えていこうという姿勢がこの歌集の魅力」と話した。

　米川さんは千葉県生まれで、早稲田大第一文学部を卒業、短歌結社「かりん」に所属している。
１９８５年に角川短歌賞、８９年に現代歌人協会賞を受賞した。

(11/09 13:17)

一葉の未発表和歌１首…都内の樋口家で直筆短冊を発見

樋口一葉（１８７２―９６）が自作の和歌を記した未発表の短冊１点が、東京都内の樋口家で見つかった。

歌は「梅の花さけるをみれはよもきふのにはの春さへのとけかりけり　夏子」。梅が咲くと雑草の茂る荒れた庭の春ものどかである、という意味。

短冊は所蔵品を整理中に確認された。同家にはほかに、短冊４８点、和歌の勉強のために自作をまとめた冊子２９冊、
批評などを書きとめた１巻が所蔵されている。これらをすべてカラー写真で収録した「真筆　樋口一葉家集」（日本学習図書）が、
今月中に刊行される予定。

一葉は１４歳で中島歌子の歌塾「萩（はぎ）の舎（や）」に入り、ほどなく頭角を現したことが知られるが、今回最も古いとみられる冊子は表紙に
「明治１７年１月より」とあり、一葉はまだ１１歳。すでに丸みを帯びた連綿体を用い、１首ごとに朱筆で評価や添削が書き加えられている。

一葉に詳しい作家の森まゆみさんは「一葉の小説の文章のリズムの良さ、古典的教養の基礎として和歌があった。また、
生涯筆で書き通した一葉を考える上で、呼吸や勢いが読みとれる筆跡は重要だと思う」と話している。

(2004/11/11/03:04　読売新聞　無断転載禁止)

井上靖文化賞：
詩人の中村稔さんに決まる
　第１２回井上靖文化賞（主催・井上靖記念文化財団）の選考委員会が１７日、
東京都千代田区の山の上ホテルで開かれ、詩人、弁護士で日本近代文学館理事長の
中村稔さん（７７）に決まった。贈賞式は来年２月１日、同ホテルで。副賞１００万円。

毎日新聞　2004年11月18日　12時06分

賢治の「イーハトーブの風景地」名勝に…文化審が答申

文化審議会（高階秀爾会長）は１９日、７面の三角縁神獣鏡が出土した古墳時代前期初頭の
大型前方後方墳「西求女塚（にしもとめづか）古墳」（神戸市）など１３件を史跡に、
宮沢賢治作品の源泉となった「イーハトーブの風景地」（岩手県花巻市・雫石町ほか）など２件を名勝に、
「田光（たびか）のシデコブシ及び湿地植物群落」（三重県菰野町）を天然記念物に、
新たに指定するよう中山文部科学相に答申した。

名勝に指定される「イーハトーブの風景地」は、宮沢賢治が理想の大地として名付けた
「イーハトーブ」を構成する６か所の自然風景地からなる。
「屈折率」など多くの詩作の題材となった「七つ森」や、小岩井農場の敷地内にあり、
人間関係を表す象徴的な存在として描かれた「狼森（おいのもり）」のほか、「種山ヶ原」「鞍掛山」「釜淵の滝」「五輪峠」が含まれる。

(2004/11/20/00:20　読売新聞　無断転載禁止)

中国で村上春樹が爆発的人気、経済成長が背景
【北京＝佐伯聡士】作家・村上春樹氏（５５）の作品が、中国で爆発的な人気となっている。

代表作の「ノルウェイの森」はこれまでに１００万部以上が売れた。
こうした「村上春樹（中国語読みでツン　シャン　チュン　シュー）現象」を支えるのは、都市部の若い世代。
急速な経済発展に伴って生まれた「小資」（プチブル）や「白領」（ホワイトカラー）にとって、今や村上作品は、必読の書だ。
「村上作品の魅力は、簡潔で美しいユーモアあふれる文体はもちろん、孤独や空虚さ、
退屈さを楽しむライフスタイルを読者に提供してくれる点にある」

上海訳文出版社が刊行した「村上春樹全集」の翻訳を担当した林少華・中国海洋大学教授（５２）（日本文学）は、
「欧米でも翻訳されているが、中国での人気は世界一だ」と断言する。

実際、１９８９年に林教授が初めて翻訳した「ノルウェイの森」をはじめ、これまでに「海辺のカフカ」（２６万部）など、
文集を含めて計２７作品が出版されている。１０万部を売り上げれば「奇跡」といわれる中国の出版界で、
村上作品の人気は伝説的だ。作風をまねた若手作家も登場しつつある。今年前半には、
女性作家が書いたとされる「ノルウェイに森はない」というパロディー本も出回った。

　日本とは政治体制やイデオロギーが異なる中国でこれほど受けるのはなぜか。

　林教授によると、読者層は、高校生や大学生の学生層と、３０歳前後の“中産階層”。
林教授が２００２年６月に大学で外国語を専攻する１００人余りの学生を対象にアンケート（複数回答）をした結果、
「世界や社会生活を認識する視点・方法を提供してくれた」が４７・４％、
「孤独や寂寥（せきりょう）感への共鳴」が３６％と多数を占めた。

上海訳文出版社の編集者、沈維藩氏は「今や村上作品を読んでいなければ
『小資』ではないとまでいわれる。大都市の若者の好みに合っている」という。改革・開放政策から２５年
都市部の経済発展が一定水準に達し、新たな階層が村上作品を支える市場になり始めたことを示している。

「孤独や寂寥感への共鳴」は、「一人っ子政策」で育った若者に受け入れられる理由の一つだ。
林教授は「他の日本文学と異なって、主人公と読み手との距離感のなさが、
作品の中に自分の姿を求める孤独な『一人っ子世代』の若者に受けるのだろう」と分析する。

３０歳前後の世代は、反日感情が強いとされるインターネット世代でもある。
しかし、不思議なことにそれほど抵抗は見られない。

北京市内で出版企画会社に勤める王立さん（３０）は「非常村上」
（すっごく村上）といわれる自他ともに認める熱烈な「村上ファン」だ。
王さんは「あふれるほどの清潔感と透明感が大好き。国際化したところも受け入れやすい」という。
伝統的な日本文学に特有の悲壮感や圧迫感がないことから、日本を意識せずに読み進められることが大きな理由だ。
村上氏以外では、渡辺淳一氏も同様の理由で人気が高い。

林教授は新作「アフターダーク」の翻訳に取り組んでいる。
村上現象の勢いは中国の経済発展とともに簡単には止まりそうにない。

(2004/11/20/14:17　読売新聞　無断転載禁止)

鴎外訳のオペラ、９０年ぶりに楽譜出版…来秋上演へ

　文豪・森鴎外（１８６２―１９２２年）が翻訳した唯一のオペラ『オルフエウス』が、
このほど９０年ぶりに初めて楽譜の形で出版され、来秋の本格上演に向けて準備が進んでいる。
漢文調の訳詞は歌いやすく、音楽にも造詣（ぞうけい）が深かった教養人・鴎外の一面を伝えている。
　ギリシャ神話に題材を取った『オルフエウス』は、１８世紀ドイツの作曲家・グルックのオペラ
『オルフェオとエウリディーチェ』の台本を訳したもの。
一度も上演されることなく眠っていた“幻の台本”（岩波書店版『鴎外全集』収録）を、
東京芸術大学演奏芸術センター助手の瀧井敬子さんが３年がかりで楽譜と照合して完成させた
（紀伊國屋書店刊）。
　鴎外はドイツ留学中の１８８５年にライプチヒでこのオペラを見ており、
その時買い求めた台本（東京大学所蔵）には、筋書きや舞台の感想などが漢文体で細かく書き込まれている。
　１９１４年にグルック生誕２００年を記念して東京で『オルフェオとエウリディーチェ』を
日本語で上演する計画が立てられ、翻訳を依頼された鴎外はドイツ語台本と楽譜を
参照しながら作業を進めた。しかし上演予定日までに訳詞が完成せず、上演は中止になった。
　明治・大正期の文豪と西洋音楽の関係を描く『漱石が聴いたベートーヴェン』（中公新書）の
著書もある瀧井さんは「単なる翻訳では音楽に合わせて歌えないため、鴎外は訳詞にかなり
苦労したようだ」と話す。オルフェウスが妻エウリディーチェを失って嘆く場面は、「あな。君失せぬ、はや。
わが幸（さち）失せぬ。など、など、生（うま）れし。世にあるぞ憂（う）き……」と格調高く歌われている。
(2004/11/21/13:08　読売新聞　無断転載禁止)

没後６２年で出版され仏ルノド賞　強制収容のユダヤ人作家

　２２日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、ユダヤ人が虐殺されたポーランドの
アウシュビッツ強制収容所で病死したユダヤ人の女性作家、イレーヌ・ネミロフスキー
（１９０３−４２年）の未発表小説「フランス組曲」が今年、死後６２年を経てフランスで出版され、
権威ある文学賞、ルノド賞を受賞した。
　フランスのメディアによると死後に出版された作品が同賞を受賞するのは初めて。
作品はドイツ占領下のフランスの様子を繊細に描写、「アンネの日記」に匹敵する作品として
話題となっているという。
　遺稿は紙を節約するため小さな字で書かれ、保管していた２人の娘は９０年代まで日記と
思い込み出版に至らなかった。
　ネミロフスキーはウクライナ生まれで、１６歳でフランスに移住。２９年に文壇デビュー、
映画「ゴルダー」（３０年）の原作者として知られる。ナチス・ドイツの侵攻後、アウシュビッツに送られた。（共同）

(11/23 15:04)

毎日出版文化賞：
　
　４作品の著編者、訳者らに賞金など贈呈
　第５８回毎日出版文化賞（特別協力・大日本印刷株式会社）の贈呈式が２５日、
東京の赤坂プリンスホテルで行われ、北村正任・毎日新聞社長から受賞４作品の
著編者、訳者、出版社に賞金などが贈られた。

　「シンセミア（上・下）」（朝日新聞社）が文学・芸術部門の本賞に輝いた阿部和重さんは
「『賞には縁がない』と言われてきましたが、大きな賞をいただき喜んでいます」と話した。
　「神々の汚れた手　旧石器捏造・誰も書かなかった真相」（梓書院）が人文・社会部門で
受賞した奥野正男さんは「捏造（ねつぞう）事件で公開された資料以外の、
表に出ていないことを明らかにするネットワークを作りたい」などと話した。
　自然科学部門で受賞した「スノーボール・アース」（早川書房）の著者、
ガブリエル・ウォーカーさんは南極で取材中のため欠席、メッセージが代読された。
同書の翻訳者、渡会圭子さんと「講談社文芸文庫」（同文庫出版部）が企画部門で選ばれた
講談社の野間省伸副社長も受賞の喜びを語った。【栗原俊雄】

毎日新聞　2004年11月25日　19時00分

大阪市、現代詩人対象に「三好達治賞」創設
　
大阪市は24日、地元出身の詩人、三好達治を顕彰して2005年度から
「三好達治賞（大阪市現代詩人賞）」を創設すると発表した。

来月に詳細を決めるが、毎年度、12月―翌11月に発行された詩集が対象で、
詩人の杉山平一氏や作家の宮本輝氏ら4人の委員が公募作品から選考する。
賞金は100万円。問い合わせ先は、市文化振興課（電話０６・６６１５・０６８６） (18:57)

作家のアーサー・ヘイリー氏死去　８４歳

　「大空港」「自動車」「ホテル」など多数のベストセラーで知られる
カナダの作家アーサー・ヘイリー氏が２４日、バハマのニュープロビデンス島
にある自宅で死去した。８４歳。ＡＰ通信が報じた。死因は心臓発作とみられる。

代表作はほかに「マネーチェンジャーズ」「エネルギー」「ストロング・メディスン」
「ニュースキャスター」など。ストーリーテラーとして知られ、華やかな業界や組織の
表と裏を描いた長編を次々と発表、多くが映画やテレビドラマになった。

１９２０年英国生まれ。家が貧しかったため進学を断念し、第二次大戦中に英空軍
パイロットを務めた後、４７年にカナダに移住、テレビ番組の脚本を手掛けるようになった。
５９年「最後の診断」で作家デビューした。

６９年からバハマに住んでいた。数回訪日している。（共同）

(11/26 20:19)

第２回パピルス賞：
大村幸弘氏の『アナトリア発掘記』に決まる
　◇第２回パピルス賞（関科学技術振興記念財団主催）

　人文・社会科学書部門は、大村幸弘氏の『アナトリア発掘記−
−カマン・カレホユック遺跡の二十年』（日本放送出版協会）に決まった。
大村氏は１９４６年生まれ、中近東文化センター主任研究員。

　自然科学・技術書部門は該当作がなかった。

毎日新聞　2004年11月29日　東京夕刊

カポーティ：４０年代の未公開小説の草稿発見
　ＡＰ通信によると、小説「ティファニーで朝食を」などで知られる
米作家トルーマン・カポーティ（１９２４〜８４）が４０年代に初めて手掛けた
未公開の小説「サマー・クロッシング」の草稿がこのほど見つかり、週内に
サザビーズで競売に掛けられることが決まった。
　カポーティは、この小説執筆に行き詰まり草稿を廃棄処分としていた。
サザビーズ関係者は、快楽主義的な主人公を描いた「ティファニー」の読者にはなじみやすい、
「『ティファニー』前編のような作品」としている。
　同通信によると発見された作品は、両親が欧州で夏を過ごす間、
ニューヨークに置き去りにされた１７歳の少女の物語。４冊のノートなどに手書きで書かれており、
カポーティが住んでいたニューヨークのアパートの管理を任されていた人物が保管していた。（ニューヨーク共同）

毎日新聞　2004年11月30日　12時38分

「ズッコケ三人組」が完結　２７年間で２１００万部

　児童書としては「戦後最大のベストセラー」といわれる「ズッコケ三人組」シリーズ
（那須正幹作、ポプラ社）が、２日発売の第５０巻で完結する。これまでの総発行部数は
２１００万部（文庫を含む）で、近刊の「ズッコケ三人組の卒業式」が約２７年間続いたシリーズの最終巻となる。
　小学六年生の男の子３人が活躍するこのシリーズは１９７８年に始まった。
「地震」「肥満」「消費者金融」など、時事的な社会問題も盛り込み、子どもたちの知的好奇心を刺激。
小学生の間で大人気となり、テレビドラマや映画にもなった。
　ポプラ社の坂井宏先社長は「シリーズが始まったころの児童文学は、
教訓めいた物語が多かった。このシリーズの特徴である上質なエンターテインメント性が、
長きにわたって受け入れられた理由だと思う」と説明。
　山口県在住の著者、那須さんは「読者からの反応が肌で感じられる、
良い時代に書くことができて幸せだった。３人組にとっても居心地の良い２７年間だったと思う」と話した。（共同）

(11/30 20:16)

歌手・安倍なつみさん、エッセー集で盗作…発売中止か

　人気グループ「モーニング娘。」の元メンバーで、歌手の安倍なつみさん（２３）の
エッセー集などに掲載された詩に、盗作があった、と安倍さんの所属事務所が３０日、発表した。
問題の出版物は、発売中止の方向で出版社と調整を進めている。
　事務所によると、安倍さんの写真集「ナッチ」（ワニブックス）、
エッセー集「陽（ひか）光（り）」（竹書房）など３冊の出版物やラジオ番組内で紹介した
詩数編ずつに盗作があった。安倍さんは、今後、執筆活動を自粛するという。
　安倍さんは、「『すてきだな』とノートに書き留めた詩やフレーズを参考に詩を書いた結果、
他人の作品に手を加えた形で発表してしまいました。軽率な行動だったと反省しています」とコメントしている。

(2004/11/30/22:11　読売新聞　無断転載禁止)

シルヴィア SYLVIA

監督： クリスティン・ジェフズ
キャスト： グウィネス・パルトロウ/ダニエル・クレイグ
製作国： イギリス
配給会社： ザナドゥー/エレファント・ピクチャー 　上映時間　110分

シルヴィア・プラス。アメリカでその名を知らない人はいない。彼女の詩は、ピューリッツアー賞を与えられ、
唯一の長編小説「ベル・ジャー」は死後30年以上も経た今も「ライ麦畑でつかまえて」の女の子版として、
広く読みつがれている。
知性に美しさユーモアに溢れ、若い女性の憧れの的だったシルヴィアは、
大胆でハンサムな詩人のテッド・ヒューズと激しい恋に落ちる。やがてふたりは結婚するが、
人一倍繊細で、優しさや理解や希望を信じ、期待したため、現実に裏切られるたびに
バランスを崩していくシルヴィア。そして、幸せの破綻・・。本作はシルヴィアの永遠の魂を信じて大切につくられた作品です。

シネスイッチ銀座にて、12月25日より公開

http://www.cineswitch.com/movie/soon.htm

テレビ朝日開局45周年記念ドラマスペシャル

にんげんだもの
相田みつお物語

12月11日土曜　夜9時放映

木梨憲武　薬師丸ひろ子　石黒賢　他

http://www.tv-asahi.co.jp/mitsuo/

10,000ドルのマルティーニはいかが。

マルティーニ1杯100万円也。…ご冗談を。

って本当なんですね。NYのホテル｢アルゴンキン｣で、この10,000ドルのカクテルが
今週からメニューに加えられたのだそうです。何が特別かと言うと、なんとグラスの中に
大粒のダイアモンドが落としてあるんだそうで…。

このアルゴンキン･ホテル、今でも知的な雰囲気のある西44thストリートの一角にあります。
1900年代初頭の開業当時は、近くに雑誌｢ニューヨーカー｣の本社があり、
ブロードウェイの劇場も近場だったことから文士家や劇場関係者が多く愛用するようになったとか。
さらにこのホテルは、マルティーニにはちょっとした縁があるんだそう。

http://www.narinari.com/Nd/2004123730.html

ここのローズ･ルームと言うサロンでは、1920年代｢ラウンド･テーブル｣と呼ばれる
集まりが昼食時に定期的に開かれていました。その当時の文化人
ドロシー･パーカー(劇評家、詩人、雑誌｢ヴァニティーフェア｣の編集者など)、
ジョージ･カウフマン（作家、脚本家）などが参加しては交友を深めていたのだそうです。
そんな集まりで人々が片手にしていたのがマルティーニ。特にパーカー女史は
このお酒がいたくおきにいりだったそう。彼女が書いた詩に次のような一節が。

I love a martini
― but two at the most.
Three I'm under the table;
Four, I'm under the host.

マルティーニは大好き
でも2杯でやめておくわ。
3杯飲んだら、テーブルの下で気を失っちゃうし
4杯飲んだら、宴の主催者とベッドを共にしてしまう。

さて、このダイアモンド入り特別マルティーニ。まだ注文した人はいないんだそうですが、
ホテル側としてはクリスマス･シーズン目前に、ロマンティックな雰囲気でこれを注文する
カップルがいるかもしれない…と期待しているそうです。

ところでこのカクテル、最低でも72時間前の予約が必要。
注文する人は、指定のジュエリー店で自分の好きな宝石を選べるそうです。

岩波アクティブ新書、１２月新刊分で終刊

　岩波書店が実用書系の新書「岩波アクティブ新書」を、３日発売の１２月新刊分２冊で
終刊することがわかった。既刊分については、書店などの要望があれば増刷するという。
　同新書は、パソコン関連など、教養書の要素もあるハウツー的な実用書を中心に、
０２年１月に創刊され、計１２９点刊行された。
　同書店は「単品としては甲野善紀著『古武術に学ぶ身体操法』など６万部近く売れた
本もあったが、残念ながら器としては定着しなかった。戦略を立て直し、
その成果を『アクティブ新書』以外の二つの新書に生かしていきたい」という。

(12/03 20:29)

ハンセン病文学「後世に残して」　図書館購入も伸び悩み

　ハンセン病で強制隔離された元患者の詩や小説などを集めた「ハンセン病文学全集」
（皓星社）がなかなか売れない。頼みの図書館も買い渋る。理由は全１０巻（うち既刊７巻）で
１巻４８００円という価格だ。元患者の高齢化が進む中、発行元や編集委員は
「図書館の蔵書として広く後世に残したい」と訴える。


http://www.asahi.com/book/news/TKY200412040349.html

日本ＳＦ大賞に押井守監督の映画「イノセンス」

　第２５回日本ＳＦ大賞（日本ＳＦ作家クラブ主催）の選考会が４日開かれ、
大賞は押井守（おしい・まもる）監督の映画「イノセンス」に決まった。
映画作品が選ばれたのは「ガメラ２　レギオン襲来」と「新世紀エヴァンゲリオン」に続いて３作目。
　また、１０月１３日に８１歳で死去した作家・翻訳家の矢野徹（やの・てつ）氏の長年のＳＦ界への
貢献に対して、特別賞を贈ることが決まった。第６回日本ＳＦ新人賞には照下土竜（ひのした・もぐら）氏
「ゴーディーサンディー」が選ばれた。

(12/04 19:16)

司馬遼太郎賞に評論家の松本健一さん

　第８回司馬遼太郎賞（司馬遼太郎記念財団主催）は８日、評論家の松本健一さんに決まった。
「評伝　北一輝」全５巻によって完成された独創的な近現代史研究の成果が評価された。
贈賞式は来年２月１２日に大阪・サンケイホールで開かれる。賞金３００万円。
　司馬遼太郎フェローシップには京都大学総合人間学部２年の涌井健策さんが選ばれた。

(12/08 22:45)

国立国会図書館：ホームページを収集、保存へ

　国立国会図書館がホームページ（ＨＰ）を収集、保存し、一般に閲覧させることの是非を
審議してきた同館の諮問機関「納本制度審議会」（会長、衛藤瀋吉・東大名誉教授）は９日、
収集を認める答申をした。同館はＨＰ収集を可能とする国会図書館法改正を待って、
早ければ０６年にも収集を始める方針だ。
　情報伝達手段としてＨＰの利用が増えているのに、日々の更新で内容が消えていくため、
同館が文化財として保存することの是非を０２年に諮問していた。答申は
（１）収集するＨＰは内容によって選別はしない（２）ＨＰ開設者が拒んだ場合は収集しない−−が柱。
日々のＨＰを逐一収集するのは不可能なので、収集期間や頻度の検討など具体化に向けた作業を始める。
　同館によると、国内発を示す「．ｊｐ」で終わるサイトを収集した場合、
００メガバイトのＣＤ−ＲＯＭ２万枚が必要だが、収集・保存に支障はないという。【月足寛樹】

毎日新聞　2004年12月9日　21時41分

本田靖春氏が死去　「誘拐」などのノンフィクション作家

　「不当逮捕」「誘拐」などで知られるノンフィクション作家、本田靖春（ほんだ・やすはる）氏が
４日午後２時４９分、多臓器不全のため東京都内の病院で死去した。７１歳。ソウル生まれ。
葬儀は近親者で済ませた。しのぶ会が来年２月２５日午後６時半から、
東京都新宿区戸塚町１ノ１０４ノ１９、リーガロイヤルホテル東京で開かれる。
連絡先は講談社「月刊現代」編集部。
　早稲田大卒業後、読売新聞社に入社、労働者らの売血の実態を扱った
「黄色い血」追放キャンペーンを張った。７１年に退社し、フリーに。徹底した取材を通して
事件の全体像を浮かび上がらせる手法で、日本社会の問題点を鋭くえぐった。
　８４年「不当逮捕」で講談社ノンフィクション賞。吉展ちゃん事件を扱った「誘拐」
や金嬉老事件がテーマの「私戦」、「村が消えた」など。

（共同）

「電車男」などが受賞　「ウェブ・オブ・ザ・イヤー２００４」

　純愛文学の「電車男」が今年のベストサイト話題賞に−。ソフトバンクパブリッシングが発行する
月刊インターネット情報誌「ヤフー・インターネット・ガイド」は８日、一般利用者によるネット投票
（約１５万票）で選んだ今年のベストサイト「ウェブ・オブ・ザ・イヤー２００４」の各賞を発表した。
　話題賞の１位には、ネット掲示板から生まれ、ベストセラーにもなった純愛文学の「電車男」が選ばれ、
「冬のソナタ」「世界の中心で、愛をさけぶ」が続いた。

　また、新しいサービスを対象とする新人賞では、疑問に思ったことを他の利用者に教えてもらえる
Ｑ＆Ａサービス「ヤフー知恵袋」がトップに。生活情報部門では「ぐるなび」が選ばれた。

　玄関口サイトのポータル賞では、トップの「ヤフージャパン」に続き、プロ野球の新規参入争いで
話題を集めた「ライブドア」などが上位に入った。（共同）

(12/09 08:35)

今年の書籍年間ベストセラー、１位は「ハリ・ポタ」

　大手取次会社トーハンは８日、２００４年の書籍年間ベストセラーを発表した。

　１位はＪ・Ｋ・ローリング著、松岡佑子訳「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」（静山社）、
２位は片山恭一著「世界の中心で、愛をさけぶ」（小学館）。芥川賞を最年少で受賞した
綿矢りさ著『蹴りたい背中』（河出書房新社）が６位に入るなど、ベスト１０の半分を小説が占めたほか、
冬のソナタ関連書がベスト２０に２作入った。

(2004/12/8/23:15　読売新聞　無断転載禁止)

http://www.ungro-p.com/?c2

1920年代版「ブリジット・ジョーンズの日記」、英国で発売へ

　［ロンドン　１１日　ロイター］　英国で来週、「real-life Bridget Jones」と題された本が発売される。

　内容は現在８０歳のイレーネ・パウエルさんが、１７歳当時の１９２５年に３カ月間書き留めた日記。
ダイエットと男性がテーマになっている点で、映画化されたベストセラー小説
「ブリジット・ジョーンズの日記」（ヘレン・フィールディング著）と共通する。
　パウエルさんの日記は、出身地の南西部ブリストルの慈善活動に寄付された
書籍の中から見つかった。「狂騒の１９２０年代」における英国の生活を垣間
見ることができるうえ、若い女性の関心事はいつの時代も変わらないことが示されている。

(12/12 18:42)

漫画：「網球王子」、中国デビュー　異例の発表会、海賊版をけん制
　◇集英社の人気漫画「テニスの王子様」

　【北京・大谷麻由美】日本の人気漫画「テニスの王子様」（集英社）の
中国語版（題名「網球王子」）が１１日、中国美術出版総社集団から出版された。
北京で同日開かれた出版発表会で、集英社の鳥嶋和彦第三編集部長は
「面白いものに国境はない」と中国での出版成功に期待を寄せるとともに、
既に出回っている海賊版を指して「劣悪であり、子供たちの発展を阻害する」とけん制した。
　中国では日本の漫画は根強い人気がある。日本で３５００万部を販売した
「テニスの王子様」のうわさは北京でも広まっており、発表会には約３００人の
「漫迷（漫画ファン）」が集まった。中国美術出版は今回、日本で発行されている
１〜２５巻の各巻２万部の計５０万部を発行する。
　中国語版の出版に際して、大々的に発表会を開くのは珍しい。
今回の出版で版権管理などを手掛ける「ムーランプロモーション」の
三田敬・国際事業本部長は「発表会で正規版が出たことをアピールするのが狙い」と
海賊版対策であると明かす。三田本部長によると、「テニスの王子様」の海賊版は
正規版６・９元（１元約１３円）より安い４〜５元で出回っており、対策は急務だ。

毎日新聞　2004年12月12日　東京朝刊

レディ・ジョーカー：全国公開　渡哲也さんら舞台あいさつ

　高村薫さんの小説が原作の、社会派サスペンス映画「レディ・ジョーカー」が１１日、
全国で公開された。東京・銀座の丸の内ＴＯＥＩでは、渡哲也さん、徳重聡さんら出演者と
平山秀幸監督が舞台あいさつし、立ち見を含め約６００人の観客をわかせた。

図書館民営化――人件費削減の利点？選書に偏り？

　公立図書館に「完全民営化」の波が押し寄せている。地方自治法改正によって
運営すべてを委託することが可能になったためで、今年４月に山梨県で、
民間に全面委託された第１号の図書館が開館し、この１０日には北九州市の５館でも
民営化スタートが決まった。
　大阪府の堺市や大東市でも導入を検討中で、業務受託を始めた民間会社には
「人件費削減」を狙う自治体から問い合わせが相次いでいるという。一方で、
公立図書館の司書らからは「利用実績を上げようと選書に偏りが出る恐れがある」などと
反対の声も上がっている。
　図書館は自治体か公的団体が運営するよう同法で規定されていたが、
規制緩和の流れのなかで、昨年９月、民間事業者などを「指定管理者」
として委託できると改正された。４月にオープンした山梨県山中湖村の
「山中湖情報創造館」は、図書館の全業務をＮＰＯ（非営利組織）に委託し、
蔵書のうち約１０００冊は村民に選んでもらう趣向も取り入れた。
　北九州市は、１６ある市立図書館のうち５館の民間全面委託が
１０日の議会で承認された。年間で、この５館分の運営費全体の
約３割にあたる５９００万円の削減効果が期待できるという。

　新図書館が２００６年４月にオープン予定の大東市や、
堺市も民営化を検討しており、高田尚文・堺市立中央図書館長は
「人件費などの節減分は新規業務と蔵書拡充に充てたい。
民営化しても選書は市が主体で行うし、将来的にも有料化はありえない」とする。

　これに対し、日本図書館協会の松岡要事務局長は「民間はベストセラーを
中心に選ぶ可能性があるし、司書も専門性がつきにくい」と疑問を投げかける。

(2004/12/11/16:21　読売新聞　無断転載禁止)

俳人の鈴木六林男氏死去　０２年に現代俳句大賞

　鈴木　六林男氏（すずき・むりお＝俳人、現代俳句協会顧問、本名次郎＝じろう）
１２日午前９時４４分、肝不全のため大阪府泉大津市の病院で死去、８５歳。
大阪府出身。葬儀・告別式は１４日午前１１時から泉大津市池浦町１の１７の５、
泉大津メモリアルホールで。喪主は二女の夫、宮川有（みやがわ・たもつ）氏。
　俳句結社「花曜」を主宰。１９９５年に蛇笏賞、２００２年に現代俳句大賞を受賞した。主な句集に「荒天」など。

（共同）(12/13 12:32)

作家・車谷長吉さんと俳人が和解　私小説の表現めぐり謝罪

　直木賞作家、車谷長吉さんが文芸誌で発表した私小説に実名で
取り上げられ、名誉を傷つけられたとして、俳人の斎藤慎爾さんが
車谷さんらに書籍化の差し止めなどを求めた訴訟は１３日、
東京地裁（滝沢孝臣裁判長）で和解が成立した。
　和解条項は（１）車谷さん側が斎藤さんに関する記述が事実と違うことを
認めて謝罪（２）書籍などで再発表する場合は表現を変更する−などの内容。
　斎藤さんの代理人弁護士は「実名表記の私小説という手法の
行き過ぎが認められたもので、完全勝訴に近い和解だ」としている。
　問題となったのは文芸誌に掲載された小説「刑務所の裏」。
斎藤さんと主人公「私」との金銭トラブルなどが描かれている。

（共同）(12/13 16:58)

深キョン「富豪刑事」はヘリで初出勤

　深田恭子（22）が超お嬢さま刑事を演じるテレビ朝日「富豪刑事」
（来年1月13日から木曜午後9時）がこのほど、クランクインした。
筒井康隆氏の同名小説が原作。大富豪の孫娘（深田）が新人刑事として配属され、
奇抜なアイデアで難事件を解決していく。初出勤の撮影では、遅刻しそうになって
ヘリコプターを使うなど早くも型破りの場面が登場。総額1000万円以上の
衣装を着た深田は「昼ドラをよく見るので、丁寧な言葉は好きなんです」とすっかりその気？　！
（日刊スポーツ） - 12月13日9時32分更新

訃報：長谷川泉さん８６歳＝文芸評論家、医学書院元社長
　
　長谷川泉さん８６歳（はせがわ・いずみ＝文芸評論家、医学書院元社長）１０日、
急性呼吸不全のため死去。長谷川家・医学書院の合同葬は２４日午前１１時、
東京都港区芝公園４の７の３５の増上寺光摂殿。葬儀委員長は金原優同社社長。
自宅は文京区西片１の１の１１。喪主は長男洋（ひろし）さん。

　千葉県生まれ。東京大国文科卒。戦中戦後にかけて「東大新聞」を編集した。
その後、出版社の医学書院に入社し、社長、会長などを歴任。編集者の傍ら森鴎外、
川端康成など近代文学の研究を続け、清泉女子大教授や学習院大、東京大講師も務めた。
１９５９年に久松潜一賞を受賞。詩人でもあった。著書に「近代への架橋」「近代日本文学評論史」
「森鴎外論考」「川端康成論考」「長谷川泉詩集」などがある。森鴎外記念会理事長も務めていた。

毎日新聞　2004年12月14日　12時49分

「国民の天皇」などに大仏次郎論壇賞

　第４回大仏次郎論壇賞（朝日新聞社主催）は、
ケネス・ルオフ・米ポートランド州立大助教授の「国民の天皇」（共同通信社）、
瀧井一博・兵庫県立大助教授の「文明史のなかの明治憲法」（講談社）に決まった。

　副賞２００万円。贈呈式は来年１月２７日、東京・帝国ホテルで。

(2004/12/14/22:09　読売新聞　無断転載禁止)

李白の漢詩「黄鶴楼送孟浩然之広陵」の舞台（武漢＝中国）

　◆長江の流れ詩心刺激

　中国一の大河・長江の黄土色のとうとうたる流れが市内を貫流する武漢。
唐代の大詩人、李白が河畔の黄鶴楼から、下流はるか８００キロの揚州へ旅立つ先輩、
孟浩然を見送ったのは１２００年以上前のことである。
　長江を望む緑に囲まれた小高い丘、蛇山の上には現在、１９８５年建立の６代目黄鶴楼が立つ。
上流となる左手から下流の右手へ、長江の代表的造船所の１つ「武昌造船廠」、
長江を横断した初の鉄橋「長江大橋」（１９５７年完工）、三角形が並んだ形の
構造が美しい吊（つ）り橋の「長江二橋」――。
　新中国建国後まもない１９５０年代に重点建設都市に指定された大工業都市に
かつての趣はないが、川面の霧の中に大河が溶け込んでゆく雄大な風景だけは変化がない。
「孤帆の遠影　碧空（へきくう）に尽き　唯（ただ）見る　長江の天際に流るるを」
と詠んだ漢詩の一節があらためて脳裏に浮かび上がる。
「正確な統計ではないが黄鶴楼を題材にした漢詩は２０００首以上ある」
　黄鶴楼に関する詩を集めた「歴代名家詩詞選注」の編纂（へんさん）に携わった
管理事務所の余楚民主任（４６）は、雄大な風景とロマンチックな名前の楼閣が
いかに数多くの作品の題材となったかについて誇らしげに答えた。

もっとも、ベテラン女性ガイドの王娟さん（３１）によると、地元での人気は、
道士が黄色い鶴に乗って飛び立ったという伝説をモチーフにした「黄鶴楼」を詠んだ
崔■（さいこう）（？―７５４）の方が高いという。
　「なぜ」と尋ねると、「だって、李白は有名人だからあちこちでよく知られた
詩を詠んでいるでしょう。崔■はこれが１番有名な作品ですから」。
　大詩人への評価を“地元密着度”で決めるこの答えには彼らへの深い愛着がうかがえた。
　黄鶴楼付近の情景を詠み込んだ数ある名作のうち、新しいのは、
故毛沢東主席の漢詩「水調歌頭・游泳（ゆうえい）」（１９５６年）だ。夏は市民の水浴びの場に、
冬は若い２人の語らいの場となる長江大橋のたもとの巨大な橋脚には、詩人でもあり、
水泳をよく好んだ毛の詩が記してあったのだが、今年秋の暴風で壊れ、補修中だった。
　主席主治医であった李志綏氏の著書「毛沢東の私生活」（文芸春秋刊）によると、
毛は長江上流をせき止める「三峡ダム」計画を聞いて壮大な計画に魂をかき立てられた後、
長江の自然とこれを改造する人間を詠んだ「游泳」を作ったという。
　この場所から見る長江の流れは速く荒々しい。黄鶴楼と目と鼻の先にありながら、
大河は李白の描いた情景とは全く違った姿を見せる。この年秋の第８回党大会以降、
当時、権力拡大中だった劉少奇、トウ小平に対する権力闘争が顕在化していったことを考えると、
漢詩の中の人間像には毛自身の姿も重なってくる。
　異なる時代、異なる性格の偉人たちは、全く違う長江を描いた。共通しているのは、
そのスケールの大きさと、美しい楼閣のコンビネーションが詩心を持つ人々の
気持ちをたまらなくかきたてるということなのだろう。

　■は「景」の右側に「頁」

　（文と写真　伊藤　彰浩）

http://www.yomiuri.co.jp/tabi/world/20041214sc22.htm

ヒュー・グラント、英文学賞の審査員に

［ロンドン　１５日　ロイター］　映画「ノッティングヒルの恋人」で本屋を演じた
英俳優ヒュー・グラントが１５日、権威ある文学賞の１つ、ホワイトブレッド賞の審査員の１人に選ばれた。
　受賞者の発表は来月の予定。
　グラントは奨学金を取得してオックスフォード大で学んだ経験を持ち、
好きな本の１つはフィリップ・ロス著「ポートノイの不満」という。
　ホワイトブレッド賞の審査には、以前から著名人が加わっている。
５年前にはローリング・ストーンズのミック・ジャガーの元妻で、モデルのジェリー・ホールが審査員を務めた。

(12/16 15:53)

スタインベック記念図書館、経費削減で来年閉鎖

［サンフランシスコ　１５日　ロイター］　ノーベル文学賞作家ジョン・スタインベックの
出身地である米カリフォルニア州中部サリナスで来年上期、経費削減の一環から、
記念図書館が閉鎖される。
　サリナス市議会は１４日夜、予算不足を理由に、賛成多数で図書館への補助を
打ち切る案を可決した。これにより、スタインベック記念図書館を含む３カ所が閉鎖に追い込まれる。
　関係者が１５日語ったところによると、削減額８００万ドルのうち、
３００万ドルは図書館補助金だった。同市は警官の新規採用中止や
レクリエーション施設の閉鎖などにも乗り出し、経費削減を進める方針という。

(12/16 17:53)

「草苑」創刊、女性俳人の第一人者・桂信子さん死去

　温雅な句風の女性俳人の第一人者で現代俳句協会顧問の
桂信子（かつら・のぶこ、本名・丹羽信子＝にわ・のぶこ）さんが１６日午前１０時１０分、
脳こうそくのため亡くなった。９０歳だった。
　親族のみで密葬を行い後日、結社「草苑」でお別れの会を開く。
自宅は兵庫県西宮市高木東町３の４１ベルパージュ西宮北口３１２号。
喪主は兄の孫、丹羽琢磨（にわ・たくま）氏。
　大阪市生まれ。新興俳句運動の旗手、日野草城主宰の「旗艦」に投句。日野の西欧的で自由な
作風にひかれる一方、山口誓子の知的な構成力にも影響を受けた。俳壇の大半を男性が占めていた
１９７０年に俳誌「草苑（そうえん）」を創刊、女性主宰のさきがけとなった。
　女性の心情を詠み込んだ「やはらかき身を月光の中に容（い）れ」「ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき」
などの句で戦後早くから注目され、「一天の翳（かげ）りなきとき帰燕かな」など自然に
生の陰影を象徴させる句風を確立。８０年代以降の俳句ブームには批判的で、
句集のはんらんや結社のありかたに率直な提言を行った。
　８２年から９６年まで「よみうり俳壇」（大阪本社版）選者。７７年に句集「新緑」で現代俳句女流賞、
９２年に「樹影」で蛇笏賞。９９年には女性として初めて現代俳句協会大賞を受け、２００４年「草影」で
毎日芸術賞を受賞した。句集に「月光抄」「女身」「晩春」「花影」など。
　４０年来の親交があった俳人坪内稔典さんは「肉体のみずみずしさを詠み込んだ
第一句集『月光抄』が鮮烈。女性がだれもそんなことを詠まなかった時代だった。
お人柄はひたむきで率直。結婚２年でご主人を亡くされ、俳句と結婚したような生涯でした」と話している。

(2004/12/16/19:47　読売新聞　無断転載禁止)

現代短歌新人賞：
河野美砂子さんの歌集「無言歌」に決定
　第５回現代短歌新人賞（さいたま市主催）が河野美砂子さんの
歌集「無言歌」（砂子屋書房）に決まり、１４日発表された。女性の気鋭歌人が対象。
河野さんは５６年生まれ。ピアニストとして活躍するかたわら短歌を始め９５年に
角川短歌賞受賞。歌誌「塔」所属。京都市北区在住。

毎日新聞　2004年12月15日　3時05分

グーグル：
１５００万冊以上の書籍オンライン化計画を発表
　【ロサンゼルス國枝すみれ】インターネット検索エンジンのグーグル
（本社は米カリフォルニア州マウンテンビュー）は１４日、ハーバード、
スタンフォード、ミシガン、オックスフォードの４大学とニューヨーク公立図書館にある
蔵書の一部１５００万冊以上を今後数年かけウェブ上で閲覧できるようにする計画を発表した。
　米国では１９２３年以降、英国では２０世紀以降に出版された本は著作権の問題があり、
ウェブ上に全ページを公開できず、一部の公開となる。しかし、ディケンズの「二都物語」、
ブロンテの「嵐が丘」、トウェインの「ハックルベリー・フィンの冒険」など多くの古典文学は
ウェブ上で全作品を読めるようになる。コンピューターで本を読み取り、画像処理するなどして公開する。
　オンライン閲覧は、絶版になった本も簡単に読め、貸し出しによる劣化がないなどの利点がある。
すでにオンライン文学図書館（ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｌｉｔｅｒａｔｕｒｅ．ｏｒｇ／）などが
複数の古典作品をウェブ上に公開している。ニューヨーク・タイムズ紙によると、
米国会図書館とエジプト、中国など５カ国の図書館も１００万冊のオンライン化計画を進めており、
来年４月には約７万冊がウェブ上に公開される。

毎日新聞　2004年12月15日　11時07分

中森蒔人氏死去
元ほるぷ会長
　中森蒔人氏（なかもり・まきと＝元ほるぷ会長）１３日午前１０時２０分、
心筋こうそくのため栃木県南河内町の病院で死去、８０歳。東京都出身
。自宅は栃木県野木町友沼５９７２の８。葬儀・告別式は関係者だけで行い、
後日しのぶ会を開く予定。喪主は妻アサ子（あさこ）さん。
　図書月販を創業し、「ほるぷ出版」など「ほるぷ」グループに発展させた。

池澤夏樹さんに親鸞賞授与　「静かな大地」で受賞

　第３回親鸞賞（本願寺維持財団主催）の授賞式が１８日、
京都市山科区の東山浄苑であり、小説「静かな大地」（朝日新聞社）
で受賞した作家の池澤夏樹さん（５９）に、記念品と賞金２００万円が贈られた。
池澤さんは「子どものころ母から聞かされた祖先の話が土台になり、小説という形になった。
賞をいただき、親孝行にもなりました」と喜びを語った。
　「静かな大地」は、明治初期に淡路島から北海道に入植した兄弟とア
イヌの人々の繁栄と没落を描いた歴史小説。０１年から０２年にかけて１年間、朝日新聞に連載された。
　式では選考委員の加賀乙彦、黒井千次、瀬戸内寂聴、中西進の４氏に池澤さんを交え、
受賞作をテーマにしたシンポジウムが開かれた。

(12/18 18:41)

紀伊国屋演劇賞：
浜田寅彦、立石凉子さんらが受賞
浜田寅彦さん

　第３９回紀伊國屋演劇賞（紀伊國屋書店主催）が１７日、次の各氏・劇団に決定した。
贈呈式は来年１月２０日午後４時から東京・ホテルニューオータニ鳳凰西の間で。
　《団体賞》ｔｐｔ（「エンジェルス・イン・アメリカ」「ナイン　ＴＨＥ　ＭＵＳＩＣＡＬ」などの舞台成果）
　《個人賞》浜田寅彦（「足摺岬」「十二人の怒れる男たち」の演技）▽高橋巖
（青年座下北沢５劇場同時公演の音響）▽立石凉子（「エレファント・バニッシュ」
「ビューティークィーン・オブ・リーナン」の演技）▽千葉哲也（「ＴＨＥ　ＯＴＨＥＲ　ＳＩＤＥ／線のむこう側」
「胎内」の演技）▽加藤忍（「コミック・ポテンシャル」「バッファローの月」の演技）

毎日新聞　2004年12月17日　19時10分

安田・ドン・キホーテ社長の著書、出版中止

　ドン・キホーテの安田隆夫社長がビジネスの成功法などを記し、
今月末に出版予定だった著書が急遽(きゅうきょ)、出版中止になったことが１６日、分かった。
出版元の徳間書店は「死者を出したことを重く受けとめた」としている。
　さいたま市で従業員３人が焼死した火災を受け、徳間書店と安田社長が１４日朝に電話で協議し決めた。
すべて印刷を終え、出荷を待つ状態だった。印刷部数は公表していない。保管するか裁断するかは未定という。
　題名は「ドン・キホーテ深夜の勝負師」(１５７５円)。その中で安田社長は、惨事を招いた要因とも指摘される、
商品を山積みにする「圧縮陳列」について、次のように述べている。
　「仕入れた商品は大型段ボールに積み込まれ、トラックで次々と店に到着する。
もちろん倉庫を借りる余裕などない。だから、すべて狭い店の中に押し込まねばならない。
商品は棚という棚にぎっしりと突っ込み、棚の上には段ボールを天井まで積み上げた。
通路も商品と段ボールに占拠され、売り場はまるで迷路のジャングル状となった。
ただし箱を積み上げるだけでは何を売っているのかが分からない。私は段ボールに窓を開け、
商品を説明した手書きのＰＯＰ(ポップ・店内広告)を棚という棚に張った。
これも“ドンキ名物”圧縮陳列とＰＯＰ洪水の始まりだ」
　徳間書店は「内容はまったく関係ない。あくまで人道的な意味合いで決めた」としている。

　【2004/12/17 東京朝刊から】

(12/17 12:17)

訃報：アンソニー・サンプソンさん７８歳＝英作家
　アンソニー・サンプソンさん（英作家、ジャーナリスト）英インディペンデント紙によると、
１８日夜、英国内の自宅で死去、７８歳。南アフリカ通信は死因は心臓発作と伝えた。
　１９２６年、英ダラム州生まれ。オックスフォード大を卒業後、５１年に南アフリカに渡り、
週刊誌の編集者になり、反アパルトヘイト（人種隔離）活動家の
マンデラ氏（後に南ア大統領）らと親交を結んだ。
　５５年からは英オブザーバー紙などに勤務し、幅広いテーマで執筆。
国際石油資本を取材した「セブン・シスターズ」（７５年）、
国際的な武器取引の内幕を描いた「兵器市場」（７７年）などが代表作。
マンデラ氏から執筆依頼された同氏の伝記は９９年に出版された。
　晩年は週１回、インディペンデント紙のコラムを執筆。
イラク戦争前にはロンドンでの反戦の大デモ行進に参加した。（共同）

毎日新聞　2004年12月20日　12時12分

余録：「ズッコケ三人組」
　行動派のハチベエ、のんびり屋のモーちゃん、物知りのハカセ。
稲穂県ミドリ市を騒がせてきた花山第二小６年１組の元気な仲間たちが、
２７年がかりで卒業の日を迎えた。そう言えば、懐かしく思い出す人は多いだろう
▲那須正幹（まさもと）さんの児童文学シリーズ「ズッコケ三人組」（ポプラ社）が、
今月新刊の第５０巻で完結した。子供が興味を持つ話題を取り上げて、
理屈抜きに面白い本を。那須さんと編集者の坂井宏先（ひろゆき）さん
（現社長）のそんな思いが、計２１５０万部のロングセラーを生んだ
▲決して優等生ではない小学生が、意外な事件やトラブルに巻き込まれ、
自分の知恵と判断で解決していく。どこにもいそうな主人公像が、
世代を超えて共感を呼んだ。普段の生活を一歩離れた冒険は成長の糧だ。
その楽しみ方を教えてくれることが、人気の秘密でもあった▲働き盛りの年代が最初の読者だったころ、
ケータイもなく、コンビニも生まれたばかりだった。市街地開発は急速に進んでいたが、
探求心を満たす空間がまだ、身近に残っていた。いじめや学級崩壊が大きな問題になるのは、
もう少し後のことだ▲心霊ブーム、プチ家出。作品は、時代の動きを映してきた。だが、
子供を取り巻く社会の姿は激変した。誘拐などの事件が相次ぎ、ちょっとした日常からのはみ出しは、
危険と不安の種になる。ファンから「あんな世界があればいいのに」という便りが多くなった
▲「読者と地続きだった物語が、ファンタジーになったのかな。だけど、夢のあふれた世界が好きな、
子供の本質は変わらない」。那須さんはいう。自由で安全な環境を整えてやるのは大人の責任だ。
その先に、子供たちがズッコケながら、思い切り羽ばたける未来があると信じたい。

毎日新聞　2004年12月20日　0時12分

高校文芸コンクール、東京で表彰式

　第１９回全国高等学校文芸コンクール（全国高等学校文化連盟、
読売新聞社主催、文化庁後援、一ツ橋文芸教育振興会協賛）の表彰式が１８日、
東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた。

　北海道札幌月寒高２年筒井麻美さん（小説）、
大分県立大分上野丘高３年室越龍之介さん（詩）、長野県・伊那西高１年埋橋佳那さん（短歌）、
三重県・高田高２年生駒大祐さん（俳句）、岩手県立盛岡第四高文芸部（文芸部誌）に最優秀賞が、
同高３年齋藤由貴さん（小説）、生駒さんに読売新聞社賞が贈られた。

(2004/12/18/23:21　読売新聞　無断転載禁止)

ホトトギス選者、稲畑廣太郎さんに　母汀子さんから交代

　日本最古で最大の俳句雑誌「ホトトギス」の中心となる「雑詠」欄の選者が、
主宰者の稲畑汀子氏（７３）から、長男で同誌編集長の廣太郎氏（４７）に交代する。
２０日発行の０５年１月号で汀子氏が明らかにした。１月２０日締め切りの
５月号分投句から廣太郎氏が担当する。
　１８９７年創刊の同誌は、翌年、汀子氏の祖父で俳人の高浜虚子に発行が受け継がれた。
虚子は１９０８年に、読者からの投句を扱う「雑詠」欄を雑誌の中心に据え、
約４０年間選者を務めた。その後、選者は、虚子の長男・高浜年尾氏が２６年間つとめ、
７７年にその次女の汀子氏が継いだ。同欄には、現在、毎号約３万の投句がある。
　汀子氏は降板の理由として、年尾氏とほぼ同年数、選者を務めたこと、
来年４月号で創刊１３００号を迎えること、などをあげている。

(12/21 08:07)

訃報：笹原金次郎さん８４歳＝中央公論元編集長

　笹原金次郎さん８４歳（ささはら・きんじろう＝中央公論元編集長）１８日、
肺炎のため死去。葬儀は２４日午前１０時、東京都品川区西五反田５の３２の
２０の桐ケ谷斎場。自宅は非公表。喪主は妻敦子（あつこ）さん。
　中央公論社を取締役で退社後、日本サラリーマンユニオン常任理事を務め、
７７年参院選に新自由クラブから立候補（落選）した。

毎日新聞　2004年12月20日　12時25分

秋元康さん初の新聞小説　「象の背中」元日スタート

　美空ひばりの名曲「川の流れのように」の作詞などで知られ、
幅広いジャンルで活躍する秋元康さん(４８)が１月１日から、産経新聞紙上で
初の新聞連載小説に挑戦する。
　タイトルは「象の背中」。３１日に最終回を迎える大石静さんの「四つの嘘」に続く
連載小説で、余命半年というがんの宣告を受けた中年男の切ない物語。
青春の日々をともにした旧友や恋人らとの再会を通じて、人生の終着点について考察する
。孤独な主人公の心のもつれや不安、ささやかな幸福を取り戻す姿を独白調の文体で描く。
　秋元さんは高校時代からラジオやテレビの放送作家として頭角をあらわした。
作詞家のキャリアはほぼ２０年になる。ヒット曲は美空ひばりから小泉今日子まで多数。
人生の喜怒哀楽を、演歌やポップスなどに込めてきた。
　また、ホラー小説「着信アリ」は今年１月、映画化され、中高生を中心にブームを巻き起こした。
プロデューサー、映画監督としても特異な才能を発揮してきたが、
死について正面からとらえた作品は今回が初めて。
　高齢化社会が今後さらに進む中、第二の人生に備える中高年層以上の内面に訴える小説になりそうだ。

「電車男」が５０万部突破　原作使用料は被災者に寄付

　インターネットの掲示板から生まれたラブストーリー「電車男」の発行部数が、
発売以来約２カ月で５０万部を超えたと、２１日発行元の新潮社が発表した。
また、同書の漫画化・映像化などで発生する原作使用料は、
著者の中野独人さんら関係者の意向で、新潟県中越地震の被災者に
全額寄付することになった。

　新潮社によると、「電車男」は発売直後から、漫画化、映像化の申し込みが多く、
既に漫画誌３誌での連載が決定。テレビドラマ化や映画化も、近く正式に決まる予定で、
寄付総額は１０００万円を超えると同社はみている。（共同）

(12/21 13:40)

児童文学作家の今西祐行さん死去

　「肥後の石工」などで知られる児童文学作家の今西祐行（いまにし・すけゆき）さんが
２１日午前６時２０分、心不全で死去した。８１歳。
　近親者のみで密葬を行い、年明けにお別れの会を行う。喪主は妻、外喜子さん。
　大阪府生まれ。早稲田大高等学院在学中に早大童話会に入り、坪田譲治に師事した。早
大進学後、学徒出陣。原爆投下翌日の広島に救援隊として行った体験をもとに
「あるハンノキの話」「ヒロシマのうた」などが生まれた。
　人間の良心のあり方を追求し続けた。他の代表作に教科書でも親しまれた
「はまひるがおの小さな海」「一つの花」などがある。
　晩年は、自宅のある神奈川県の農地を借りて私設の「菅井農業小学校」を開設、
都会と地元の子供たちの交流を図る活動も行った。

(2004/12/21/13:22　読売新聞　無断転載禁止)

ハリポタ最新作、来年７月出版　まず英米などで発売

　世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズ最新作の
第６巻「ハリー・ポッター・アンド・ザ・ハーフ・ブラッド・プリンス」が来年７月１６日に
出版されることが２１日明らかになった。英米両国の出版元が発表した。

　それによると、出版されるのは英米両国のほか、カナダ、オーストラリア、
ニュージーランド、南アフリカ共和国。著者のＪ・Ｋ・ローリングさんは２０日、
自らの公式ホームページ上で、最新作が完成したと発表していた。子供向けと
大人向けの表紙の本がそれぞれ発売される見通しで、英国での希望小売価格は
１６．９９ポンド（約３４００円）という。（時事） (12/22 09:45)

青山ブックセンター、洋販に営業譲渡

　東京地裁（大竹たかし裁判長）は２２日、東京の書店「青山ブックセンター（ＡＢＣ）」の
経営会社３社が洋書取次会社「日本洋書販売（洋販）」に営業譲渡することを認める決定をした。
民事再生手続き中の３社は、営業譲渡の対価を債務などの支払いにあてる予定。
　ＡＢＣは今年７月、３社への取引先からの破産申し立てを受けて営業を停止。
洋販の支援で、９月に２店舗で営業を再開した。

(12/22 19:31)

大佛次郎賞：
佐伯一麦さんの「鉄塔家族」など２作品に

　第３１回大佛次郎賞（朝日新聞社主催）が２２日、作家の佐伯一麦さんの
「鉄塔家族」（日本経済新聞社）と若桑みどり・川村学園女子大教授の
「クアトロ・ラガッツィ　天正少年使節と世界帝国」（集英社）に決まった。
賞金各２００万円。贈呈式は１月２７日、東京都千代田区の帝国ホテルで。

毎日新聞　2004年12月23日　5時56分

訃報：
光岡明さん７２歳＝作家
光岡明さん

　光岡明さん７２歳（みつおか・あきら＝作家）２２日、肺がんのため死去。
葬儀は近親者のみで行い、年明けに「しのぶ会」を開く。自宅は熊本市清水万石３の５の１。
喪主は妻千哉恵（ちかえ）さん。

　熊本市出身。熊本日日新聞社で文化放送部長、論説副委員長などを歴任。７
６〜７８年に短編「いづくの蟹」「奥義」などで芥川賞候補４回。８２年に長編「機雷」で直木賞。
他の著書に「千里眼千鶴子」など。

毎日新聞　2004年12月22日　20時05分

日本テレビ：出版の築地ガイド本が本社の出版した本を盗用

　日本テレビが１０月に出版した築地場外市場（東京都中央区）のガイド本が、
毎日新聞社が昨年１１月に出版した本の一部を盗用していたことが分かった。
日テレは毎日新聞社に謝罪し、増刷版の原稿を差し替えた。
　盗用が見つかったのは「『どっちの料理ショー』プロに学ぶ極上食材お買い出し　
グルメの聖地　築地まるごとガイド」。日テレの説明によると、同社内で、
一部の表現が毎日新聞社の「毎日ムック　築地まるかじり２００４　
『市場食べ歩き』完全ガイド」と似ているとの指摘があった。調査の結果、
レストランの紹介部分など計４カ所の表現が酷似しており、執筆した
社外のライターは「毎日新聞社のガイド本を参考にした」と答えたという。
　日本テレビ総合広報部は「毎日新聞社に謝罪し、すでに増刷版の原稿は差し替えた。
今後このようなことがないよう再発防止に努めたい。盗用したライターには厳正に対処する」
とコメントしている。【須山勉】

毎日新聞　2004年12月21日　20時15分

Ｆ・カフカの最後の長編小説を、松本修が鮮やかに舞台化。

遊び心に満ちあふれたまさに現代演劇の集大成！
独特の世界観でひときわ異彩を放った”二十世紀文学の巨人”フランツ・カフカによる
未完の大作「城」。彼の最後の長編小説となったこの作品は、
城に支配されている村に到着した主人公Kが、様々な手段で城を目指すものの、
村人達に振り回されるばかりでどうしても辿りつけず、次第に疲弊していく物語です。
読者に謎をかけ、とまどわせながら答えは示されないというカフカの手法は、
演劇的な面白さに満ちた不思議な魅力に溢れています。この物語を舞台化するのは
、同じカフカの長編「AMERIKA（失踪者）」を舞台化して高い評価を得た松本修。
長期間のワークショップを経て、見ることの快楽を徹底的に追及した舞台をたっぷりとお楽しみください。

【日程】　2005年1月14日(金)〜1月30日(日)
【会場】　新国立劇場小劇場
【料金】　A席￥5,250　B席￥3,150（税込）
【お問い合わせ】　03-5352-9999（新国立劇場ボックスオフィス）

http://www.enjoytokyo.jp/OD004Detail.html?EVENT_ID=10209

「半落ち」など５作品優秀賞　日本アカデミー賞

　第２８回日本アカデミー賞の優秀賞などが２２日発表され、優秀作品賞には、
「隠し剣　鬼の爪」「スウィングガールズ」「世界の中心で、愛をさけぶ」「血と骨」
「半落ち」の５作品が選ばれた。来年２月に行われる授賞式では、各部門の最優秀賞が発表される。

　その他の主な受賞は次の通り。
　優秀監督賞＝崔洋一（血と骨）、佐々部清（半落ち）、矢口史靖（スウィングガールズ）、
山田洋次（隠し剣　鬼の爪）、行定勲（世界の中心で、愛をさけぶ）
▽優秀主演男優賞＝哀川翔（ゼブラーマン）、大沢たかお（解夏）、寺尾聡（半落ち）、
永瀬正敏（隠し剣　鬼の爪）、役所広司（笑の大学）▽優秀主演女優賞＝鈴木京香（血と骨）、
竹内結子（いま、会いにゆきます）、常盤貴子（赤い月）、深田恭子（下妻物語）、松たか子（隠し剣　鬼の爪）


【１２月２３日　東京朝刊より】

「ハリポタ」「セカチュー」…出版売り上げ８年ぶり増

　出版科学研究所が２４日発表した２００４年１月―１１月の出版物の売り上げは、
前年比０・６％増の２兆４９５億円となった。

　内訳は書籍が８７０６億円で同４・１％増、雑誌は１兆１７８９億円で同１・８％減。
同研究所では、「１２月中の急速な落ち込みは考えにくく、
来月発表される２００４年の年間売り上げで、８年ぶりにプラス成長となるのは確実」とみている。

　出版物の売り上げは、経済不況やインターネットの普及など趣味の多様化を受け
１９９６年をピークに毎年減少。今年は雑誌の不振は深刻な一方、「世界の中心で、愛をさけぶ」、
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」など小説、児童書を中心に書籍のミリオンセラーが相次ぎ、
低迷脱出に結びついた。

(2004/12/24/14:38　読売新聞　無断転載禁止)

詩人の石垣りんさん死去、独自の視点で生き方とらえる

　自立した自由な人間の目で社会や女性の生き方をとらえ直した
詩人の石垣りん（いしがき・りん）さんが、２６日午前５時３５分、
東京都杉並区内の病院で死去した。８４歳だった。
　告別式は本人の遺志で行わず、後日「お別れの会」を開く。
事務局は杉並区和泉３の２５の１、童話屋。自宅は大田区南雪谷１の１の１の３０７。
　６月に脳こうそくで倒れ、入退院を繰り返していた。
　東京生まれ。小学生のころから少女雑誌に詩の投稿を始め、高等小学校卒業後に
勤めた銀行の労働組合の機関誌などに詩を発表し続けた。１９３８年、女性の投稿仲間と
同人誌「断層」を創刊した。
　第１詩集「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」を出したのは５９年、３９歳の時で、
椎間板（ついかんばん）ヘルニアの快気祝いとして配った。第２詩集「表札など」で６９年、
Ｈ氏賞、「石垣りん詩集」で７２年、田村俊子賞を受賞した。
　日常の言葉を用いて、戦後の社会や家族制度、労働について詩にした。鋭い批評性と
あたたかな人間味が共存する作風は、幅広い読者を得、多くの作品が教科書に採用されている。
短編小説やエッセーも手がけた。

(2004/12/27/02:36　読売新聞　無断転載禁止)

「飢餓海峡」決定版を刊行　水上勉さん、晩年に改稿

　今年９月に８５歳で亡くなった作家、水上勉さんが晩年に、代表作「飢餓海峡」を
改稿した「改訂決定版」が来年１月、刊行されることになった。
　１９８９年の訪中で天安門事件を目の当たりにした水上さんは帰国後、心筋梗塞（こうそく）で
倒れた。リハビリで指を使おうとパソコンに取り組み、素材に自著を選んで９４年から
改稿に取り組んだ。初期のエネルギーに満ちた作品を書き写すうち、老成した目で
「若書き」が気になる部分が出てきて、手を入れたようだ。
　物語に大きな変化はないが、叙述に精密に手を入れた。主人公・樽見京一郎が
海に身を投げる場面は、旧版では「樽見京一郎の躯（からだ）が、空に上って一回転していた」と
あるところ、決定版では「樽見京一郎は躯をくの字に折って、手錠をはめた両手を
合掌するようにして股（また）にはさみ、空に上がって一回転していた」と詳しく丁寧に書いている。
　「飢餓海峡」は６３年刊行。改訂版を刊行する河出書房新社の担当編集者、
小池三子男さんは「樽見は水上さんの自己像と重なる。作家になった自分の偽善性を彼に
見ていたのだと思う。特に樽見をめぐる描写が増えている」と話す。
　「飢餓−」は５４年に起きた青函連絡船洞爺丸沈没事故に想を得て、時代を終戦直後に
移して書いた長編小説。貧困にあえぐ人間の悲しみと宿命を見詰めている。改訂版は、
９５年から福井県大飯町の資料館「若州一滴文庫」から私家版として販売されたが、
一般には知られていなかった。

（共同）(12/27 08:59)

歌会始の儀：入選者１０人決まる　今回の題は「歩み」

　宮内庁は２７日付で来年１月１４日に皇居・宮殿で開かれる「歌会始の儀」の
入選者１０人と、天皇陛下に招かれて歌を詠む召人（めしうど）を発表した。

　今回の題は「歩み」で２万７４９８首の応募があった。海外からの応募は
２２の国・地域から寄せられ、点字での応募も６５首あった。入選者のうち
最高齢はブラジル在住の無職、原田清子さん（８８）、最年少は大阪市東住吉区、
私立明浄学院高３年、中田久美子さん（１８）だった。召人は
歌人・清水房雄さん（８９）＝本名・渡辺弘一郎＝が選ばれた。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20041227k0000e040001000c.html

ネット生まれ物語「電車男」、４誌競作で漫画化

　ネット上の掲示板「２ちゃんねる」生まれの恋愛物語「電車男」（新潮社刊）が、
コミック誌４誌で相次ぎ漫画化されることになった。最近、ベストセラー書籍の
漫画化が目立つが４誌競作は異例で、ネット上の匿名の恋愛談議が漫画原作となるのも新しい現象だ。
　「電車男」は独身男性が集まる掲示板を舞台に、純情なオタク青年「電車男」の
相談にネットの仲間たちが助言、意中の女性との恋愛成就に導いた２か月間の
やり取りを「中野独人（ひとり）」の名前で書籍化した。
　ネット発の自然発生的な恋愛ドラマとして話題を呼び、１０月の発売から
２か月で５０万部に達し、各誌から漫画化依頼が相次いだ。
　漫画版電車男を連載するのは、「ヤングチャンピオン誌」（秋田書店、今月２８日発売号〜）、
「月刊チャンピオンＲＥＤ誌」（同、１月１９日発売３月号〜）、「週刊ヤングサンデー誌」
（小学館、１月６日発売号〜）の青年誌３誌で、少女漫画誌「デザート」（講談社）も
来年春１回読み切りの掲載を予定している。
　ヤングチャンピオン編集部は「匿名のネット掲示板から友情の物語が生まれたことが面白く、
今を反映する漫画向きの題材」と狙いを説明。一方、人気恋愛漫画家、原秀則さんを
起用するヤングサンデー編集部は、「初めての試みでネット上の匿名の人たちをどう
表現するか試行錯誤。競作でも各漫画家の個性で、違った内容になる」と話す。
　漫画化、映画化原作料など２次使用料については関係者の意向で、
新潟県中越地震の義援金に寄付されるという。
　コミック誌は２００４年の発行部数が前年比４％減と低迷。その一方、芥川賞の「蛇にピアス」、
携帯サイトの連載から生まれた「Ｄｅｅｐ　Ｌｏｖｅ」などベストセラー小説の漫画化が相次ぎ、
「世界の中心で、愛をさけぶ」漫画版は原作の小説とともにミリオンセラーになっている。

(2004/12/28/03:16　読売新聞　無断転載禁止)

米作家で批評家のスーザン・ソンタグが死去

　［ニューヨーク　２８日　ロイター］　米作家で批評家のスーザン・ソンタグが２８日、
ニューヨーク市内のがん専門病院で死去した。

　７１歳だった。

　ニューヨークの知性の代表者として、フランスの実存主義作家からバレエ、
写真、政治など幅広い分野に関心を示した。活動範囲は人権運動や映画界にも及んだ。

　著書には全米図書賞を受賞した「In America」など１７冊があり、３０カ国語以上に翻訳されている。

　近年では米誌ニューヨーカーに、同時多発テロが文明への攻撃ではなく、
米国の同盟関係や行動が招いた結果であったとするエッセイを発表し、激しい論議を呼んだ。

(12/29 13:36)

詩人の中村稔氏ら４氏に贈呈　２００４年度朝日賞

　２００４年度の朝日賞は４氏に贈ります。各界からの推薦をもとに、
朝日新聞文化財団と朝日新聞社の選考委員会（委員長＝箱島信一同財団理事長・朝日新聞社長）が
慎重に審議し、決定しました。贈呈式は２７日、東京・日比谷の帝国ホテルで行い、
正賞のブロンズ像と副賞（１件５００万円）を贈呈します。（敬称略、順不同）

◇『私の昭和史』にいたる、詩作や文学館活動による長年の業績
　　詩人　中村稔（なかむら・みのる）

◇米国を拠点にピアニスト、ビッグバンドリーダーとしてジャズ発展に寄与した功績
　　音楽家　穐吉敏子（あきよし・としこ）

◇携帯電話の基盤となる音声圧縮技術の開発
　　名城大学教授　板倉文忠（いたくら・ふみただ）

◇たんぱく質分解にかかわるプロテアソームの構造と機能の解明
　　東京都臨床医学総合研究所副所長　田中啓二（たなか・けいじ） (01/01 06:26)

作品を映像などで再現　「金子みすゞ展」銀座で開幕

　「大漁」「私と小鳥と鈴と」など優れた詩作品を残した金子みすゞの世界を紹介する
「童謡詩人　金子みすゞ展」（朝日新聞社主催）が３０日、東京・銀座の松屋で始まった。
昨年が生誕１００年にあたるみすゞは、大正後期に自作を雑誌に発表し、
その才能を絶賛されながら早世した。

　５００を超える作品の中から厳選した７０編を、映像や人形などを通し再現するほか、
みすゞを題材にしたドラマや映画、絵本原画、初公開の資料もあわせて展示している。
１月１７日まで（元日休み）。一般１０００円など。

(12/30 17:25)

訃報：
田中裕明さん　４５歳　死去＝俳人
　田中裕明さん　４５歳（たなか・ひろあき＝俳人）１２月３０日、肺炎のため死去。
葬儀は４日正午、大阪市北区長柄西１の６の１４の大阪北玉泉院。
自宅は大阪府島本町若山台１の３の３の３０４。喪主は妻まり（俳人の森賀まり）さん。

　俳誌「ゆう」主宰。１９８２年度第２８回角川俳句賞受賞。句集に
「花間一壺」「先生から手紙」「夜の客人」など。

毎日新聞　2005年1月1日　東京朝刊

森鴎外への年賀状展示、「寒月」鮮やかに　東京・千駄木

　東京都文京区千駄木１丁目にある区立鴎外記念本郷図書館で、
年末から開かれている企画展「森鴎外への年賀状――描かれた絵を楽しむ」が、
年始の休館を終え、５日から再開した。

　同区では鴎外関係の書簡８１１通と、はがき１３５１通を所蔵。その中で知人から
鴎外にあてた年賀状は７５通あるが、今年の干支（えと）の酉（とり）をデザインしたものなど、
１６通が展示されている。０５年から１９年までに送られたもので、差出人は
画家、俳人、歌人から陸軍の軍医まで。鴎外の充実した活動期の交友関係を
うかがい知ることが出来る。

　画家・岡田三郎助による鶏のエッチングや作家・斎藤茂吉が「寒月」の文字を
色鮮やかにデザインしたものなど、「見た目に楽しいものを集めた」と同館。
展示は１９日まで。 (01/06 15:51)

国語力、５０年ぶり調査へ　読解力低下に危機感　国語研

　国立国語研究所（甲斐睦朗所長）は、日本人の読み書き能力など国語力を
調査する方針を固めた。実施されれば約半世紀ぶりで、早ければ０６年をめざし
調査内容や方法の検討に入る。背景には昨秋、人名用漢字を増やした際、
若い世代が名前の漢字を意味よりも音（おん）や画数を優先して選んでいることが分かったり、
国際的調査で日本の若者の「読解力」低下が明らかになったりしたことへの危機感がある。
　大規模な調査は、４８年に約２万１千人を対象とした「日本人の読み書き能力調査」、
５５年に文部省（当時）が実施した約２千人の「国民の読み書き能力調査」以来。
０６年から始まる同研究所の次期中期計画（０６〜１０年）の中で調査方針を打ち出す。
　４８年の調査は連合国軍総司令部（ＧＨＱ）の民間情報教育局（ＣＩＥ）の指示で
文部省教育研修所（現・国立教育政策研究所）が実施し、全国の１５〜６４歳の
２万１千人が対象で１万６８１４人が参加。仮名や数字、漢字の読み書き、
文章や語句の理解を調べた。その結果、漢字の読み書きができない人は２．１％にとどまり、
識字率の高さが判明。１００点満点で平均７８．３点で、予想以上に高かった。
　５５年の文部省調査は、関東、東北の１５〜２４歳の各千人が対象で、
４８年調査後の変化を見る目的だったが、読み書き能力はほとんど変化がなかった。
　これらの調査以後は、小・中学生の調査はあるが、成人を対象にした調査は行われていない。

(01/06 16:54)

　文化審議会は昨年２月の答申で、読み書きなど国語力を向上させる国語教育見直しを提言した。
　その後９月には、法務省が人名用漢字を新たに４８８字認めた。この際、役所で
受け付けを拒否された人名漢字を調べたところ、若い世代が漢字を音や画数を優先して
選んでいることが分かった。また、昨年公表された経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）の４１カ国・
地域参加の学習到達度調査（０３年）でも、日本の１５歳の「読解力」は１４位と前回００年の８位から下がった。
　こうした流れの中、昨年１２月の文化審議会国語分科会では、甲斐所長が「漢字の読み書きなど
国民の国語力の調査が必要だ」と発言していた。
　調査内容や規模などは今後検討するが、最大の問題は調査方法だという。４８年調査では
参加者は決められた日時に各地の小学校に集まった。５５年の調査は面接と集合調査が行われた。
　同研究所の杉戸清樹・日本語教育部門長は「調査に対する意識が大きく変わり、言葉を
調べられることに抵抗感がある。アクセントや方言、敬語などの調査も難しくなってきた。
調査方法を模索したい」と話している。

芥川、直木賞候補決まる　２１歳白岩さんら１４人

　第１３２回芥川、直木賞（日本文学振興会主催）の候補作が６日、発表された。
選考会は１３日夕、東京・築地の「新喜楽」で開かれる。両賞とも７作ずつ
計１４作品が候補に。芥川賞候補の白岩玄さんは２１歳。受賞すれば、男性では最年少受賞となる。

　候補作は次の通り。

　【芥川賞】阿部和重「グランド・フィナーレ」（群像１２月号）
▽石黒達昌「目をとじるまでの短かい間」（文学界１２月号）
▽井村恭一「不在の姉」（文学界９月号）▽白岩玄「野ブタ。をプロデュース」（文芸冬号）
▽田口賢司「メロウ１９８３」（新潮８月号）▽中島たい子「漢方小説」（すばる１１月号）
▽山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」（文芸冬号）

　【直木賞】伊坂幸太郎「グラスホッパー」（角川書店）▽岩井三四二「十楽の夢」（文芸春秋）
▽角田光代「対岸の彼女」（文芸春秋）▽古処誠二「七月七日」（集英社）
▽福井晴敏「６ステイン」（講談社）▽本多孝好「真夜中の五分前」（新潮社）▽山本兼一「火天の城」（文芸春秋）

（共同）

(01/06 11:28)

Ｗ・アイズナー氏死去　米を代表する漫画家

　ウィル・アイズナー氏（米漫画家）ＡＰ通信によると、３日、
心臓バイパス手術後の合併症のためフロリダの病院で死去、８７歳。

　１９３０年代から漫画制作を開始。４０−５２年に日曜日の新聞紙上で
連載された「ザ・スピリット」では犯罪に立ち向かう仮面の主人公の活躍を
描き人気を集めた。絵とせりふの絶妙な組み合わせで現実感ある作品をつくったと評され、
８８年には米国の優秀な漫画に「ウィル・アイズナー賞」が贈られることが決まるなど、
米漫画界の代表的存在だった。

（共同）

ニューヨーク・タイムズ紙、電子版の有料化を検討

　［ニューヨーク　７日　ロイター］　米ニューヨーク・タイムズは７日、現在無料の
電子版を有料化することを検討していると発表した。ただ、直ちに有料化する計画はないという。

　ニューヨーク・タイムズ紙の最大のライバル紙、ダウジョーンズの
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は既に電子版を有料化している。

(01/09 12:36)

高見順賞に相沢氏の「マンゴー幻想」、建畠氏の「零度の犬」

　第３５回高見順賞（高見順文学振興会主催）は１０日、
相沢啓三氏の詩集「マンゴー幻想」（書肆山田）と
建畠晢氏の詩集「零度の犬」（同）に決まった。賞金は各２５万円。
贈呈式は３月１８日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで。

　相沢氏は１９２９年山梨県生まれ、音楽評論家として知られる。
建畠氏は４７年京都府生まれ。多摩美大教授、美術評論家。（共同）

(01/10 22:03)

村上春樹さん：
小説「海辺のカフカ」を米誌が絶賛
　【ロサンゼルス國枝すみれ】村上春樹さんの小説「海辺のカフカ」の
英訳本「カフカ・オン・ザ・ショア」が米国内で出版され、米雑誌「ピープル」の
最新号（１月１７日号）の書評欄で絶賛されている。

　同誌の採点票は最高で星四つだが、「海辺のカフカ」は星三つ半を獲得。
同誌は「村上は魔法を使って、いく通りにも解釈できる夢のような光景を描き出した。
結末では何も終わらない。読者のなかには読み終えて頭痛がする人もいるだろうが、
５回繰り返して読む人もいるだろう」と称賛した。

毎日新聞　2005年1月11日　20時15分

筒井敬介さん死去　ドラマ「バス通り裏」の脚本

　ＮＨＫのドラマ「バス通り裏」の脚本なども手掛けた児童文学作家で劇作家の
筒井敬介（つつい・けいすけ、本名小西理夫＝こにし・まさお）さんが８日午後６時３５分、
腎不全のため東京都目黒区の三宿病院で死去した。８７歳。東京都出身。
葬儀・告別式は近親者のみで済ませた。喪主は妻陽子（ようこ）さん。
近くしのぶ会が行われる予定。連絡先は東京都新宿区市谷台町４の１５、小峰書店。

　慶応大在学中から演劇活動を開始。戦後、児童文学の創作を始めた。
ＮＨＫの契約作家となり、ドラマの脚本も手掛けた。中でも１９５０年代から始まったテ
レビドラマ草創期の帯ドラマ「バス通り裏」は、ホームドラマの草分けとして人気となり、
十朱幸代さん、岩下志麻さんら人気俳優を輩出した。

　主な作品に「かちかち山のすぐそばで」など。「筒井敬介童話全集（全１２巻）」
「筒井敬介児童劇集（全３巻）」も刊行されている。（共同）

(01/11 12:25)

芥川賞に阿部和重さん、直木賞は角田光代さん

　第１３２回芥川賞・直木賞（日本文学振興会主催）の選考委員会が１３日、
東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に阿部和重さん（３６）の「グランド・フィナーレ」
（群像１２月号）が、直木賞に角田光代さん（３７）の「対岸の彼女」（文芸春秋）が選ばれた。
副賞は各１００万円。授賞式は２月１８日午後６時から、東京・丸の内の東京会館で行われる。
　芥川賞の阿部さんは山形県東根市生まれ。９４年「アメリカの夜」で群像新人文学賞を
受けてデビュー。「インディヴィジュアル・プロジェクション」などでシブヤ系文学の旗手とも呼ばれた。
９９年「無情の世界」で野間文芸新人賞。０３年「シンセミア」で伊藤整文学賞と毎日出版文化賞。
　受賞作は、少女のヌード写真を撮りためていたことが妻に見つかり、離婚させられた男が主人公。
故郷に戻った男は、芝居をしたいという女の子２人の演出をすることになるが、２人は姿を消してしまう。
彼女たちを捜す過程で男は、現実に向き合う決意をする。
　阿部さんは会見で「芥川賞は３回も取り逃がした賞。新人に贈られる賞をもらったので
複雑な心境です」と語った。
　選考委員の宮本輝さんは「阿部さんは修練を積んできたのか、小説家としての芯の
ようなものが太くなった」と評した。
　直木賞の角田さんは横浜市生まれ。９０年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。
９６年「まどろむ夜のＵＦＯ」で野間文芸新人賞。０３年、直木賞候補になった「空中庭園」で
婦人公論文芸賞を受賞したほか、坪田譲治文学賞などを受けている。 (01/14 00:11)

今 ２ちゃんねるを初めとするネット内で話題沸騰中！
奇才 田中聡のエロポエム！爆笑＆号泣必死！

現行スレ：絶好調田中聡の魂のポエム
http://tmp4.2ch.net/test/read.cgi/kitchen/1102740496/l50
田中聡のＨＰ：三流ポエマーの楽園
http://tyuboo.hp.infoseek.co.jp/

鶴屋南北戯曲賞に坂手洋二さん

　０４年に上演された優れた新作戯曲に贈られる第８回鶴屋南北戯曲賞
（光文シエラザード文化財団主催）が、坂手洋二さんの「だるまさんがころんだ」
に決まった。１８日発表された。副賞２００万円。

　贈呈式は３月１６日午後５時半から東京・丸の内の東京会館で。 (01/18 14:54)

米児童文学賞：
日系米国人の作品「きらきら」
　米図書館協会は１７日、優れた児童文学書に贈る２００５年のニューベリー賞に、
日系米国人少女を主人公にしたシンシア・カドハタさんの作品「きらきら」を選んだと発表した。

　同作品は１９５０年代から６０年代前半の米国南部で暮らす日系人の生活を描いた。
偏見に立ち向かう姿や家族に起きる悲劇などを通じて、家族愛の強さを平易な文章で
表現しているというのが授賞理由。

　「きらきら」は邦訳も出版されている。（ニューヨーク共同）

毎日新聞　2005年1月18日　22時14分

尾崎豊朗読詩アルバム３・２４発売　名古屋限定放送ラジオ傑作１０編

　シンガー・ソングライターの故・尾崎豊さん（９２年死去、享年２６歳）が
１０代のころにラジオのレギュラー番組で発表した朗読詩を集めたアルバム
（タイトル未定）が３月２４日に発売されることが１８日、分かった。１９８５年からの２年間、
東海ラジオで発表した約５０作品から１０作品を選出したもので、ＣＤ化は初めてとなる。
急死から１３年　甦る１０代の声
　尾崎さんは１０代のころにレギュラー出演していた東海ラジオ「誰かのクラクション」
（８５年１０月〜８６年３月、８６年１０月〜８７年３月）で詩の朗読（ポエトリー・リーディング）も
していた。名古屋地区限定の放送だったため、他地方のファンにとっては
幻の作品となっていたが、尾崎さんの急死から１３年のこの春、ＣＤアルバムでよみがえる。

　ＣＤ化は、ラジオで放送された約５０本から１０本を選出。尾崎さんの詩の朗読のバックには、
昨年発売のトリビュートアルバムにも参加したユニット「ＣＲＯＵＣＨＩＮＧ　ＢＯＹＳ」の
Ｔｏｍｉ　Ｙｏ（トーミ・ヨー）と、桐朋学園大の学生音楽家約４０人によるオーケストラ演奏が流れる。
また未発表の写真を使用した映像ＤＶＤ付きだ。

　昨年のトリビュート盤は売り上げが８０万枚を突破するなど今も根強い人気を誇る尾崎さん。
若者たちの代弁者としてカリスマ的な人気を博したが、同番組での詩の朗読は
その音楽性の核心となる作品。８５年に発売された詩集「誰かのクラクション」（現在は絶版）も
当時約４０万部の売り上げを記録している。

　４月７日には東京・丸の内の東京国際フォーラム・ホールＣでアルバム発売記念コンサートも開催。
尾崎さんの朗読とオーケストラ演奏が披露されるほか、未公開映像も上映される予定だという。
（スポーツ報知） - 1月19日8時1分更新

NHK 月曜ドラマシリーズ
ハチロー　母の詩　父の詩

2005年1月24日（月）より連続9回

昭和の童謡詩人・サトウハチローと
その家族が織りなす波乱万丈の物語
　｢りんごの唄」、「長崎の鐘」、童謡「ちいさい秋みつけた」、そして「おかあさんの詩」、
数々の美しい抒情詩を残した童謡詩人・サトウハチロー。実は、彼は、世間の常識と
モラルに収まることなく一生を駆け抜けた、永遠の不良少年だった――。
　原作は、ハチローの異母妹・佐藤愛子による「血脈」。ハチローの父・紅緑からハチロー、
愛子と受け継がれた佐藤家の荒ぶる血を克明につづった大作をドラマ化するにあたり、
ハチローの生き様に焦点を絞ります。
　ドラマは、愛と憎しみに揺れる親子を軸に据えた壮大な家族劇で、反発の対象だった父親と
やがて同じ修羅の道を歩んでいくハチローの姿を捉えます。
　昭和を振り返る風俗史的な視座を合わせもちつつ、痛快無比な男とその家族の波乱万丈の物語を、
エネルギッシュに音楽的要素豊かに描き、放送80年となる2005年の巻頭を飾ります。

http://www3.nhk.or.jp/mon9/

坪田譲治文学賞、ベルリン在住の那須田淳さんに

　第２０回坪田譲治文学賞（岡山市など主催）の受賞作が２５日、ドイツ・ベルリン在住の作家、
那須田淳さん（４５）の「ペーターという名のオオカミ」（小峰書店刊）に決まった。
２月２０日に岡山市で表彰式があり、副賞１００万円が贈られる。

(01/25 10:36)

出版販売額：韓流や純愛が貢献、８年ぶり増　０４年

　０４年の書籍と雑誌を合わせた出版物の販売額は前年を０．７％上回る
約２兆２４２８億円だったことが２５日分かった。「出版不況」が長引く中、
８年ぶりにプラスに転じた。「韓流」「純愛」ブームなどに乗り、ベストセラーが
多数生まれたことが追い風となった。

　出版科学研究所の調べは、書籍の販売額は９４２９億円で、前年比４．１％の大幅増。
０３年は２点だった１００万部以上のミリオンセラーが昨年は７点に上るなど、
ヒット作が多発して回復の原動力となった。一方、雑誌は１．７％減の１兆２９９８億円と、
７年連続の前年割れとなった。

　「バカの壁」（新潮社）と「世界の中心で、愛をさけぶ」（小学館）は、２年連続で
１００万部を超えた。また純愛ブームを加速させた「いま、会いにゆきます」（同）、
韓流ブームに乗った「冬のソナタ」（ＮＨＫ出版）などは、映画やテレビとの連動もあって
部数を伸ばした。ファンタジーではシリーズ５巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」（静山社）が
初版で単行本としては史上最高の２９０万部を発行、「ハリ・ポタ」ものの底力を示した。

　１９歳の綿矢りささんと２０歳の金原ひとみさんが史上最年少で芥川賞を受賞するなど、
若い作家の活躍も目立った。書店員が「一番売りたい本」を選ぶ「本屋大賞」の創設、
大型書店の相次ぐ開店と、出版界を巡る話題が相次いだことも好材料となった。

　同研究所の佐々木利春主任研究員は「普段本を読まない、若い人たちを引き付けたことが
大きかった」と話している。【栗原俊雄】

　「出版ニュース社」代表の清田義昭さんの話　書籍のベストセラー効果でたまたま増えはしたが、
売り上げ比率の高い雑誌は相変わらず悪く、下げ止まったとは言えない。
出版不況を乗り越えるには出版社、書店、取り次ぎの構造的な改変が不可欠だ。

毎日新聞　2005年1月25日　11時20分

薮春彦賞：
雫井脩介さんの「犯人に告ぐ」
　第７回大薮春彦賞（同賞選考委員会主催）の選考会が２４日開かれ、
雫井脩介（しずくい・しゅうすけ）さんの「犯人に告ぐ」（双葉社）に決まった。
贈賞式は３月４日午後６時、東京・丸の内の東京会館で開かれ、副賞５００万円などが贈られる。

毎日新聞　2005年1月24日　19時39分

俳人協会賞：
鈴木鷹夫さん句集「千年」に
　優れた句集などを選ぶ俳人協会（鷹羽狩行会長）の各賞の選考委員会が２２日、
東京で開かれ、ベテラン対象の第４４回俳人協会賞は鈴木鷹夫さん（７６）の
句集「千年」（角川書店）に決まった。鈴木さんは石田波郷に師事し、俳誌「門」を主宰している。

　また第２８回同新人賞は辻美奈子さん（３９）の「真咲」（ふらんす堂）
▽松永浮堂さん（４８）の「げんげ」（文学の森）▽山崎祐子さん（４８）の
「点睛」（角川書店）に、第１９回同評論賞は西村和子さん（５５）の「虚子の京都」（同）、
第１９回同評論新人賞は小川軽舟さん（４３）の「魅了する詩型−現代俳句私論」（富士見書房）に決まった。

　授賞式は２月２２日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われる。【酒井佐忠】

毎日新聞　2005年1月22日　18時40分

若山牧水：未発表の短歌見つかる　宮崎

　宮崎県延岡市教委は２４日、大分県の歯科医から寄贈された歌人・若山牧水
（１８８５〜１９２８年）の関連資料１０４点の中に、未発表の短歌１首があったと発表した。
他に未公開書簡１１点も含まれ、歌人の佐佐木幸綱・早稲田大教授は「内容的にも
貴重なものが多い。牧水の郷里（延岡市、宮崎県東郷町）への思い、経済状態を知る上で
欠かせない資料だ」と高く評価している。

　見つかった短歌は牧水が１９２７年、朝鮮半島を揮ごう旅行中に詠んだもの。
色紙に自筆で「有明の月こそかゝれ観音の峰むらさきに明けむとしつゝ」と記されており、
牧水の孫の榎本篁子・沼津市若山牧水記念館（静岡県）館長は「筆跡などから牧水の
新出歌の可能性が高い」としている。
　資料を寄贈したのは、牧水と親交のあった同市の実業家、谷次郎氏（５１年死去）の孫、
谷英巳さん（４６）＝大分県院内町。
　未公開書簡は次郎氏にあてたもの７通と、牧水の延岡高等小学校時代の友人に
あてたもの４通。資料は総数２６９９点。牧水関連以外に野口雨情や高浜虚子の書なども含まれている。
　若山牧水は宮崎県北部の東郷町で生まれ、高等小から中学までの８年間を延岡市で過ごした。
“旅の歌人”として知られ、４３年の生涯で７０００余首を詠んだ。【椎葉昭夫】

毎日新聞　2005年1月24日　21時57分

＜訃報＞真木洋三さん７８歳＝作家

　真木洋三さん７８歳（まき・ようぞう〈本名・石丸守孝＝いしまる・もりたか〉作家）１６日、
すい臓がんのため死去。葬儀は近親者のみで済ませた。自宅は東京都杉並区
成田西２の１４の１。喪主は妻美智子さん。読売新聞社会部記者などを経て著述に専念。
主な著書に「モーツァルトは誰に殺されたか」「東郷平八郎」など。
（毎日新聞） - 1月28日18時29分更新

＜お別れの会＞今西祐行さん、３月３日に

　今西祐行さん＝児童文学者・昨年１２月２１日死去＝のお別れの会は３月３日午後３時、
東京都新宿区袋町６の日本出版クラブ会館で行われる。呼びかけ団体は「びわの実学校」同人、
日本児童文学者協会など。
（毎日新聞） - 1月28日19時33分更新

＜故司馬遼太郎さん＞同氏記念館で菜の花イベント　東大阪市

　素朴な菜の花を好んだ作家、故司馬遼太郎さんの命日「菜の花忌」（２月１２日）を
前に、東大阪市の「司馬遼太郎記念館」で２９日、ボランティアらが敷地内に約１５０鉢の
菜の花を並べるイベントが行われた。司馬さんの書斎の前でも、色づいた菜の花が風に揺れ、
来館者を和ませている。４月上旬ごろまで飾られる予定。
（毎日新聞） - 1月29日12時58分更新

１５歳作家デビューへ　岩手の河崎さんに小学館が新人賞

　１９歳の芥川賞作家など若い世代の書き手が活躍するなか、
１５歳の少女が大手出版社の新人賞を受け、デビューすることになった。
若い才能を発掘してきたことで知られる「文芸賞」（河出書房新社主催）でもこれまでは
「１９８０アイコ十六歳」の堀田あけみさんら１７歳が下限。文学・小説賞を取ってデビューした
作家では異例の若さになった。

　第６回「小学館文庫小説賞」（小学館主催、賞金１００万円）に、５７１編の応募作から選ばれたのは
岩手県の河崎愛美（まなみ）さんが書いた恋愛小説「あなたへ」。今春、小学館から単行本として発売される。

　受賞作は４００字詰め原稿用紙に換算して約３００枚。愛する「あなた」へ少女が書く手紙の形式で、
出会いから突然の別れまでの心の動きを描いた。

　同賞は作家の選考委員は置かず、小学館の文庫文芸編集部員が選ぶ。予備選考を担当した
文芸評論家は「驚くほど落ち着いたストイックな文章で、恋愛感情の透明な美しさとかなしさを
表現しようとしている」と話す。

　河崎さんは理科系の高専１年に在学中。中学生になってから村山由佳さんらの小説を
集中的に読むようになり、これまでに地元紙の小説コンクールで新人賞を受けたこともある。
「誰かに気持ちを伝えたいと思ったとき、小説という形式がぴったりでした。心の深いところに届く小説を、
直球勝負で書いていきたい。でも、自分の人生を犠牲にしてまで書くものではないので、
次の小説はまた書きたいものが出てきたら取りかかります」と話す。

　出版界に詳しい編集者で評論家の藤本由香里さんは「感性を重視した作品や、
軽く読めるものが大ヒットする時代には、若い作家の活躍が続く」と分析している。 (01/30 11:10)

読書感想文：
全国コンクールの入賞者が決定
　第５０回青少年読書感想文全国コンクール（社団法人全国学校図書館協議会・
毎日新聞社主催、内閣府・文部科学省後援、サントリー株式会社協賛）は、
全国からの４００万７５７１編（参加２万９８５５校）の応募の中から、各都道府県の
地方審査を通過した７４０編の入選作品について中央審査が行われ、次の通り入賞者が
決定した。表彰式は２月４日（金）午後１時、東京・丸の内の東京会館で行われる。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20050130k0000m040108000c.html

ボブ・ディラン初の自伝　全米批評家協会賞候補に

　【ロサンゼルス＝岡田敏一】米の伝説的なフォーク・ロック歌手、
ボブ・ディラン（６３）が昨年１０月に出版した初の自伝「クロニクルス　Ｖｏｌ・１」が
全米批評家協会賞の伝記・自伝部門にノミネートされた。発表・授賞式は３月１８日に
ニューヨークで行われる。

　同賞はフィクション、評論、詩など計５部門あり、伝記・自伝部門ではディランの自伝をはじめ、
米の国家財政の基盤を築いたとされるアレクサンダー・ハミルトンやシェークスピアの
伝記など計５作品がノミネートされた。

　ディランの自伝は、これまでの評価や業績を自己否定するかのような衝撃的な内容に加え、
「非凡かつ啓発的で、文章も美しい傑作」（発行人のデビット・ローゼンタール氏）であることから、
これまでに約３１万２０００部を売った。

　同協会は１９７４年に設立され、現在、全米の大手出版社の編集者や評論家など計約６００人が所属している。

【2005/01/29 大阪夕刊から】

新札効果サマサマ　樋口一葉の記念館、入場者増で建て替え

　新五千円札の顔である樋口一葉の生涯を自筆の原稿や遺品などで紹介している
東京都台東区立一葉記念館が、建て替えのため１月いっぱいで休館する。新記念館は
平成１８年秋の完成予定だ。新札効果で入場者が増加しており、区では新たな観光の
目玉にしたい考え。記念館は日本初の女性作家の単独資料館だが、「官」ではなく住民の
主導で昭和３６年に誕生したという歴史を持つ。関係者は「新札効果が長年の懸案だった
建て替えを後押しした」と感慨深げだ。
　記念館がある台東区竜泉は、作家・一葉をはぐくんだ場所だ。一葉一家はここで
明治２６年７月から約９カ月にわたって雑貨店を営んだ。花街の吉原は目と鼻の先。
一葉は代表作「たけくらべ」の着想をここで得た。
　地域住民の一葉に寄せる思いは強い。戦後、「一葉協賛会」を設立し、旧居碑や記念碑を建設。
さらに記念館の用地を買収し、区に提供した。記念館は「わが町」の象徴といえる。
　記念館はいま、入場者ラッシュにわいている。それまで年間入場者は平均約１万４０００人だったのが、
一葉が新紙幣に登場することに決まった１４年度には２万４０００人に。新札の流通が始まった
昨年１１月は１カ月で１万９０００人を記録、１６年度は４万人の大台突破が予想されている。
　入場者の質も変わってきている。以前は国文学の愛読者が多かったが、最近はテレビや新聞で
一葉に興味を持った人たちが増えている。周辺は都内の観光ルートになりつつある。
　こうした新しいファン層に対応するため、現在の鉄筋２階建てを鉄筋３階、地下１階建てに拡充し、
展示室の面積を現行の１３５平方メートルから１．５倍に広げる。
　お年寄りや身障者の記念館観覧を容易にするバリアフリーに改造するほか、記念公園は
日本庭園になる案が検討されている。

　２月下旬には取り壊しが始まり、１８年１１月２３日の「一葉忌」の完成を目標にしている。その間、
約７００点の収蔵品は台東区生涯学習センターに移動、展示される予定。総工費は８億円前後の見込み。(関厚夫)

【2005/01/31 大阪夕刊から】

ハウルにセカチュー…邦画好調で映画興行収入が新記録

　「ハウルの動く城」など邦画好調で新記録を更新−。日本映画製作者連盟（映連）が
３１日発表した２００４年全国映画概況によると、昨年１年間の興行収入は約２１０９億円を記録、
過去最高だった０３年を上回った。入場人員も１億７０００万人を超えた。

　中でも邦画の興行収入は前年比で１７．８％増加した。映連の松岡功会長は
「日本映画が力をつけ、好成績につながった」と分析している。

　最大のヒット作は現在公開中の宮崎駿監督のアニメ「ハウルの動く城」で、
興行収入は２００億円に達する見込み。邦画は２位以下に「世界の中心で、愛をさけぶ」（８５億円）、
「いま、会いにゆきます」（４８億円）と、純愛ブームを反映したラブストーリーが続いた。

　洋画は「ラスト　サムライ」（１３７億円）に続いて「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」（１３５億円）
「ファインディング・ニモ」（１１０億円）の順。

　シネマコンプレックス（シネコン）が各地で続々オープンしており、松岡会長は「スクリーン増加の割合に、
まだ興行収入と入場者数の増加率が追いついていない。入場人員を２億人にしたい」と目標を掲げている。（共同）

(01/31 19:17)

作家・宮本輝氏のミュージアム、母校の追手門学院大に

　作家の宮本輝さん（５７）の直筆原稿や愛用品を展示する「宮本輝ミュージアム」が
母校の追手門学院大学（大阪府茨木市）の図書館内に開設されることが２８日までに決まった。

　２００８年に創立１２０周年を迎える同学院の記念事業の一環で、図書館の吹き抜け
エントランスを改装、５月２１日から一般公開する。

(2005/1/29/12:11　読売新聞　無断転載禁止)

中尊寺ゆつこ

ハリー・ポッター著者、フィッシング詐欺への警戒を呼びかけ

　［ロンドン　２日　ロイター］　人気ファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの著者、
Ｊ・Ｋ・ローリングは２日、シリーズ最新作を利用してファンをだまそうとする「フィッシング詐欺」
への警戒を呼びかけた。

　詐欺の手口は、７月１６日に発売予定の電子版を販売するとかたった偽のウェブサイトを開設し、
銀行預金口座番号やクレジットカード番号などの個人情報を盗み取ろうとするもの。

　担当弁護士がこの偽サイトを閉鎖に追い込んだことを受け、ローリングは自身の公式ウェブサイトで、
こうした詐欺事件が今後再発する恐れを指摘した。

　警察当局は、今回の事件に東欧の犯罪組織が関与しているとの認識を示している。

　ローリングはこれまでに一度も、自著の電子版が発表されるのを公認していない。

(02/03 13:56)

日本ペンクラブ：
戦争と平和を考える集会−−東京・千代田区で１２日
　日本ペンクラブ（井上ひさし会長）は１２日午後１時、東京都千代田区の
日本プレスセンターホールで「いま、戦争と平和を考える」集会第４弾を開く。
ノンフィクション作家、吉岡忍さんが「日米首脳の発言にみる９・１１から自衛隊派遣延長まで」を
リポートし、ビデオ「現地撮影ビデオに見るイラク戦争の実態」（高遠菜穂子さん提供）上映。
続いて井上会長、作家の辻井喬さん、酒井啓子・アジア経済研究所地域研究センター参事
によるシンポジウム「戦争と言論」などが行われる。定員４００人、予約不要。参加費５００円。
問い合わせは日本ペンクラブ（０３・５６１４・５３９１）

毎日新聞　2005年2月3日　東京夕刊

ドン・キホーテの初版本発見か　出版４百周年のスペイン

　スペインからの報道によると、同国の作家セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」の
初版とみられる本がこのほど、同国南東部のムルシエで発見された。今年は
ドン・キホーテ出版４００周年に当たり、各地で記念行事が行われており、初版本と
確認されれば、お祝いムードを一層盛り上げそうだ。（時事） (02/05 09:20)

新田次郎：
息子が遺作の未完小説書き継ぐ　年内に完成
　１５日に二十五回忌を迎える作家、新田次郎さんの遺作で未完の小説を、
二男でお茶の水女子大教授の藤原正彦さん（６１）が書き継ぎ、年内に完成させる。
新田さんが最晩年に情熱を傾けた作品が、四半世紀ぶりに完結する見込みとなった。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20050205k0000e040052000c.html

ネット掲示板出版物　「電車男」二匹目のドジョウ狙い続々と新刊

　匿名ならではの恥ずかしい告白、見知らぬ同士だから言える厳しい本音が、
ドラマを生む…。インターネット掲示板の書き込みが、書籍になるケースが目だってきた。
あまりにできすぎた“美談”ゆえ、真贋（がん）論争も起きているベストセラー「電車男」は、
今年から３誌で漫画連載がスタート。来月には朗読劇が上演されるなど、「セカチュー」
（世界の中心で、愛をさけぶ）の大ヒットに続く純愛もののメディアミックスに発展しそうな勢いだ。
二匹目、三匹目のドジョウも電車男の後を追う。（重松明子）

　この１０日間に「今週、妻が浮気します」「実録鬼嫁日記」なと、ネットの書き込みを元にした
新刊が相次いでいる。丸善丸の内本店（東京都千代田区）では「すでに認知度も高く出足はいい。
ブログの普及でこのテの本が続々出そうな気配です」。

　１５刷５２万５０００部を突破し、検証のサイトや本が出版されるなど、今や神話的存在となっている
「電車男」（新潮社）は、もてない独身男性が集まる「２ちゃんねる」の掲示板上での２カ月にわたる
やりとりだ。オタク青年＝電車男が、電車の中で酔っ払いにからまれていた美しい女性を助けたところ、
彼女からお礼が届く。電車男は進展を願うが、女性への接し方が分からず掲示板に助けを求めた。
掲示板の住人たちは、髪形、服装、店選びなど、細かなアドバイスを書き込み励まし、時に説教する。
素直な電車男はみるみる成長を遂げ、ついに恋愛成就。電車男の報告に、掲示板にはアスキーアート
（文字を組み合わせたネット独特の絵）の祝電が乱れ飛んだ…。

　

ネットの画面をそのまま再現した印刷は「出版にあたり最も苦労した点」と新潮社の
担当編集者、郡司裕子さん（３４）。不透明な著作権や版権の問題が、書籍化である
程度整理されたことから、新潮社には映画など４０件ものオファーが殺到した。

　まずは今年に入り、小学館の「ヤングサンデー」、秋田書店の「ヤングチャンピオン」
「チャンピオンレッド」で電車男が漫画になった。「読者アンケートでも早速上位にランクイン。
ネット時代ならではの素材の面白さに加え、恋愛あり、友情あり、主人公の成長物語としての
面白さが魅力」とヤングサンデー編集部。春には２つの女性誌でも漫画化が決定。
３月１２日からの朗読劇を主催するサンケイスポーツでは「２ちゃんねるの先行販売では
２日間で３００枚以上販売。チケットも残りわずか」。

　そんな騒動を尻目に…「クリスマスには頑張って高いお店を予約しました。彼女のいる
年末年始って忙しいものなんですね…」。電車男本人と３回会っているという郡司さんの元には、
今も彼女との順調な交際を伝えるメールが届くという。

　一方、「『電車男』を超える、大人の愛の物語」との帯を付け、先月２５日に発売された
「今週、妻が浮気します」は、「ＯＫＷｅｂコミュニティ／教えて！ｇｏｏ」という相談サイトの
２週間のやりとりを収録。発売１週間で３刷４万３０００部と出足好調だ。「今週妻が浮気します。
今はホテルに乗り込んで何かしらの決着をつけようと思っています。しかしそれは正しい方法でしょうか？」

　共働き、２人の子持ちの夫から寄せられた切ない質問に、５０人を超す男女から
親身な助言や励ましが寄せられる。揺れる心情を赤裸々に明かす質問者。問題解決に
向かって掲示板が連体し、物語性を帯びる過程は電車男と共通している。

「妻を思う夫の気持ち、回答者の温かさに胸を打たれた。ネット上でも無料で読めるが、
線を引いたり付箋をつけたり、本としてじっくり読みたい需要はあると感じた」と
中央公論新社の担当編集者、山本春秋さん（２９）。出版の申し出に戸惑ったのは
質問者本人だ。「自身が特定されたり、家族に知られることを心配されていた。
一般人である掲示板の著者をどう守ってゆくかが課題」と山本さん。

　「ｇｏｏリサーチ」と共同で約５００人に行った調査によると、
「ネット掲示板で質問・相談をしたことがある人」は１６％。「今後利用したい人」は
１９％で、その理由は「匿名で相談できる」８０％、「本音で遠慮なく意見してくれそう」７１％が主流だ。

　身近な人でなく、カウンセラーでもない、第三の相談場所として台頭する掲示板。
一つの悩みから、また新しいドラマが生まれる可能性は大いにありそう。

【2005/02/05 東京朝刊から】

詩盗用で活動自粛の安倍なつみさん復帰
　詩の盗用問題で昨年１２月から活動を自粛していた歌手の安倍なつみさん（２３）が７日、
会見を開き、同日から活動を再開させると発表した。安倍さんは「作家の方々など多くの方に
ご迷惑をおかけしました。（今回の盗用は）自覚がなかったとしか言いようがありません。
２カ月間たくさん考え、なぜこうなったか自問自答し、反省しました。申し訳ありませんでした」と謝罪した。

　所属事務所によると、１１日からの公演に向けて同日から舞台けいこを始めた。
新曲の発売やテレビ、ラジオへの出演は未定という。

(02/07 16:57)

岸田戯曲賞に岡田利規さんと宮藤官九郎さん

　第４９回岸田国士戯曲賞（白水社主催）の選考会が７日開かれ、
岡田利規さん（３１）の「三月の５日間」と、宮藤官九郎さん（３４）の「鈍獣」の
２作品に決まった。

　岡田さんは横浜市出身。受賞作は昨年２月、主宰する演劇ユニット「チェルフィッチュ」で
上演した。宮藤さんは宮城県出身で、劇団「大人計画」に所属。映画やドラマで活躍する
人気脚本家で、俳優でもある。受賞作は昨年７月から９月にかけて、パルコ劇場（東京・渋谷）などで上演した。

　選考委員の井上ひさしさんは「２作品とも、現在の日本人の言語生活を活写していて、貴重」と評した。

(02/07 20:56)

木山捷平文学賞、最後の受賞者に芥川賞作家の松浦氏

　岡山県笠岡市などが主催する「第９回木山捷平文学賞」に７日、芥川賞作家で
東京大大学院教授の松浦寿輝さん（５０）＝東京都三鷹市＝の
「あやめ　鰈（かれい）　ひかがみ」（講談社）が決まった。副賞１００万円。
３月１３日に笠岡市で贈呈式がある。

　同賞は９６年、同市出身の詩人で小説家だった捷平を顕彰しようと、
生誕１００周年にあたる０４年度までの時限条例を市が制定して設けられた。
今回が最後の選考となった。

(02/08 00:14)

北米で少女マンガ誌創刊　小学館・集英社・白泉社

　北米での市場拡大を狙い、「ＮＡＮＡ」など日本で人気の少女マンガ６作を集めた
月刊誌「ＳＨＯＪＯ　ＢＥＡＴ」が、６月に創刊される。集英社と小学館が出資し、
海外でのマンガ出版を手がけているビズ（本社サンフランシスコ）が、８日発表した。

　集英社の「ＮＡＮＡ」（矢沢あい作）、小学館の「絶対彼氏」（渡瀬悠宇作）、
白泉社の「ゴッドチャイルド」（由貴香織里作）など、少女マンガ大手３社の
人気作をそろえた。２５０〜３００ページで定価は約６５０円。

　ビズは０２年から「週刊少年ジャンプ」（集英社）の英語版月刊誌「ＳＨＯＮＥＮ　ＪＵＭＰ」
（３０万部）を北米で発行している。４月には、小学館の在米子会社でアニメ・キャラクター事業を
展開する小プロ・エンターテインメントと合併、総合的なエンターテインメント企業を目指す。
「ＳＨＯＪＯ　ＢＥＡＴ」は、新会社最初の大型事業となる。

　北米のマンガ読者は男の子に偏っていたが、９０年代から、日本アニメの人気に
後押しされ女の子にも日本のマンガが浸透。「ＳＨＯＮＥＮ　ＪＵＭＰ」読者のうち女性が
３割に上ることから、少女マンガ誌創刊に踏み切った。 (02/08 19:01)

織田作之助賞：
受賞作なし　佳作に名古屋の横井さん
　大阪文学振興会は７日、「第２１回織田作之助賞」（同振興会主催、
大阪府・同府教委・大阪市・同市教委・毎日新聞社後援）の審査結果を発表した。
受賞作はなく、佳作に、名古屋市昭和区の司法書士、横井和彦さん（７５）の「六道珍皇寺」が
選ばれた。佳作と選考委員評は同日発売の「文学界」３月号（文芸春秋）に掲載されている。

　「六道珍皇寺」は、江戸時代の京都を舞台に、冥界と現世をさまよう男の珍騒動を、
ユーモラスに描いている。【新土居仁昌】

毎日新聞　2005年2月7日　21時43分

八雲「稲むらの火」が副読本に…津波の恐ろしさ伝える
　津波の恐ろしさを伝える小泉八雲原作の「稲むらの火」が、新年度から
小学６年の道徳副読本に掲載されることになった。

　東南海・南海地震に備え、復活を望む教諭らの声が届いた。

　「稲むらの火」は、地震後の異様な速さの引き波で津波を察知した
庄屋の五兵衛が、高台の稲束に火を放ち、火事と思わせて村人を集め救った物語。

　１８５４年（安政元年）の南海地震の際、和歌山県広川町での実話がもとで、
同県内の教諭が書き直した作品が１９３７年から１０年間、小学５年の国語の
国定教科書に載った。戦後は、東京の教科書会社が８１年から１１年間、この作品を、
道徳副読本に掲載した。

　今回、副読本に復活させるのは教育出版（東京）で、関東地方の教諭らから
「地震への心構えとして再掲載を」との要望を受けて昨年、決めた。

　小泉首相は、インドネシア・スマトラ島沖地震の被災国支援緊急首脳会議で、
シンガポールのリー・シェンロン首相から「『稲むらの火』という話は本当ですか」と
尋ねられたことを明らかにしており、この話は海外でも知られていた。

(2005/2/7/14:37　読売新聞　無断転載禁止)

ジブリ、徳間書店から独立　宮崎、高畑両監督ら取締役に

　今ヒット中の「ハウルの動く城」などのアニメ映画で知られるスタジオジブリが、
徳間書店から独立することが１１日、明らかになった。

　独立のための新会社「株式会社スタジオジブリ」（東京都小金井市）をこのほど設立。
今年度中に徳間書店から、過去の作品も含めた営業権を譲渡される。新会社は
資本金１０００万円で、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサー、高畑勲監督らが取締役となり、
鈴木プロデューサーが代表権を持つ。

　スタジオジブリは８５年、徳間書店の子会社として設立されたが９７年、
徳間側の経営基盤強化のために吸収合併された。

　ベルリン国際映画祭金熊賞と米アカデミー長編アニメ賞を受賞した「千と千尋の神隠し」をはじめ、
「となりのトトロ」「もののけ姫」などでヒットを出し、世界的に高い評価を受けている。 (02/11 19:47)

米劇作家アーサー・ミラー氏死去

　ＡＰ通信などによると、米国の劇作家で「セールスマンの死」などの作品で知られる
アーサー・ミラー氏が１０日、米コネティカット州の自宅で死去した、と同氏のアシスタントが
１１日明らかにした。８９歳だった。同氏はがんを患っていたという。

(02/12 00:55)

越県合併で新中津川市誕生、島崎藤村の故郷が岐阜県に

　岐阜県の中津川市など７市町村と長野県山口村が１３日に合併し、
新「中津川市」が誕生した。
　この日午後１時から、中津川文化会館で記念式典が開かれ、関係者約９００人が
新市の誕生を祝った。大山耕二市長は「合併はゴールではなく、未来へのスタート。
それぞれの地域が自然や文化を磨き、互いの個性を認め合い、合併して良かったと
言えるまちづくりを目指していきたい」と述べた。
　新市は、人口約８万６０００人、面積約６７６平方キロ・メートル。文豪島崎藤村の出身地で、
中山道の宿場としても有名な山口村の馬籠地区も岐阜県になった。
　県境を越えての合併は、１９５９年に栃木県菱村が群馬県桐生市に編入されて以来、４６年ぶり。
　越県合併を巡っては、長野県の田中康夫知事が「長野に残りたいという人を守る責務がある」と
反対したが、同県議会が山口村の民意を尊重するとして昨年１２月、議員提案で合併関連議案を可決し、
今年１月に田中知事が総務相に合併申請を提出するなど異例の経過をたどった。
（読売新聞） - 2月13日15時7分更新

辻仁成氏と韓国女流作家、韓国紙に合同で小説連載へ

　【ソウル＝豊浦潤一】韓国のハンギョレ新聞は１６日、日韓国交正常化４０周年を
記念して、日本の作家、辻仁成さん（４５）と韓国の女流作家、孔枝泳さん（４２）が、
日本人男性と韓国人女性の恋愛物語を描いた小説を、５月から同紙に連載すると発表した。

　日本人作家の小説が、韓国紙に掲載されるのは初めてという。

　小説は、辻さんが日本人男性、孔さんが韓国人女性の視点で別々に描き、
同じ紙面に掲載される。辻さんが、同じ手法で江國香織さんと執筆した
小説「冷静と情熱のあいだ」が、韓国でも若者を中心にヒットしたことに着目した。
筋書きは２人で話し合うが、過去と現在の日韓関係を物語の背景に据えることで一致しているという。

　孔さんは、韓国で１９８８年にデビューし、代表作「サイの角のようにひとりで行け」（９３年）など
主にフェミニズムを素材に執筆している。

(2005/2/17/22:23　読売新聞　無断転載禁止)

中原中也賞に三角みづ紀さんの「オウバアキル」

　新鮮で優れた現代詩集に贈られる「第１０回中原中也賞」（山口市など主催）の
選考会が１９日、詩人・中原中也（１９０７〜３７）の出身地・山口市であり、東京造形大３年の
三角みづ紀さん（２３）＝東京都八王子市＝の「オウバアキル」（思潮社）に決まった。

　全国から３００詩集の応募と推薦があった。受賞作は「日々の生活の不安や現代の若者の
心的状況を凝視した上、かろやかにうたいきった」と評価された。贈呈式は４月２９日、山口市である。 (02/19 20:56)

経営再建中の徳間書店が新会社に移行へ　３月３１日付

　アニメ映画製作のスタジオジブリが独立することが明らかになった徳間書店（松下武義社長）は
１８日、中心事業である出版事業も独立させ、３月３１日付で新会社に移行すると発表した。
社名は同じ「徳間書店」で、社長は松下氏が務める。現在の会社は名前を変え、不動産の管理などで
当面存続するという。スタジオジブリも同じ日に新会社「スタジオジブリ」（鈴木敏夫社長）となる。

　徳間書店は経営再建中で、「出版部門の収支が改善し、自立するだけの経営体力ができたため」
と説明している。

(02/18 19:52)

芥川・直木賞：
古井さんと田辺さんが選考委員退任
　芥川賞選考委員の作家、古井由吉さん（６７）と直木賞選考委員の作家、
田辺聖子さん（７６）が、それぞれ退任することが２１日、わかった。主催している
日本文学振興会は「古井さんは創作に専念するため、田辺さんは以前から
そろそろ辞めたいと話していた」と説明している。

　２人の退任で、両賞の選考委員はそれぞれ９人になるが、次回（今夏。第１３３回）の
選考には補充しないという。古井さんは１９８５年下半期（第９４回）から、
田辺さんは８７年上半期（第９７回）から選考委員を務めていた。【重里徹也】

毎日新聞　2005年2月22日　3時00分

横溝正史賞：
伊岡瞬さんの「約束」に決まる
　第２５回横溝正史ミステリ大賞（角川書店主催）の選考会が２１日、
東京都内で開かれ、伊岡瞬さん（４５）の「約束」に決まった。テレビドラマ化される
作品に贈られるテレビ東京賞にも同時に選ばれた。伊岡さんは東京都武蔵野市出身、
広告会社勤務。埼玉県所沢市在住。

毎日新聞　2005年2月21日　20時59分

現代俳句協会賞：
俳人の八田木枯さんに
　第６０回現代俳句協会賞（現代俳句協会主催）が俳人の八田木枯（こがらし）さん（８０）に
決まり２２日発表された。ベテラン俳人の過去３年間の自選５０句が対象。八田さんは
山口誓子に師事して活躍したが２０年間活動を休止。７７年に再開し同人誌「晩紅」などを
創刊している。授賞式は３月２６日、東京・上野の東天紅で開かれる同協会総会で行われる。

毎日新聞　2005年2月22日　19時15分

世界文化社：
命名本で画数間違い
　赤ちゃんの命名のガイド本「幸せ名づけ　最新決定版」（世界文化社）に掲載された
漢字のうち、約１２０字の画数表示が間違っていたことが分かり、同社が回収を始めた。

　同書は昨年１０月、約２万部発行された。画数・占星術などを元に名前を選ぶ実用書で、
例示した名前に画数を付けているが、今月初め、読者の指摘で間違いが判明したという。
同社は購入者に回収を呼びかけており、３月中旬をめどに完成させる「改訂版」と交換する。
担当者は「校正が不十分だった。今のところ読者からの苦情はないが、
問題の重要性を考えて回収を決めた」と話している。【栗原俊雄】

毎日新聞　2005年2月22日　21時48分

読売文学賞の贈賞式、「厳選」４氏が喜びの声

　第５６回読売文学賞の贈賞式が２３日午後６時から東京・丸の内のパレスホテルで開かれた。

　内山斉読売新聞グループ本社社長が「４氏の受賞は史上最も少ないが、
それだけ選考が厳しかったのだろう。これからもいろいろな分野の方の活躍を祈念したい」と、
あいさつ。松浦寿輝、前田速夫、飯島耕一、岡井隆の４氏に正賞のすずりと副賞の２００万円が贈られた。

　選考委員の丸谷才一氏は「無理に受賞作を出さない『実質本位』が、この賞の誠実さ。
４作とも読み応えがあり、伝統と名声のある賞にふさわしい受賞者を得た」と評した。

　続いて受賞者が一人ずつ喜びの言葉を述べ、岡井隆氏は「私は不遇が似合う歌人と
言われてきたが、それは誤解。今回のような幸運を契機に、いろんな人の心を
かすめる歌を作りたい」と話し、大きな拍手を浴びた。



[読売新聞]

薔薇族：
復刊　第１号は４月２１日発売
　７１年に創刊された男性同性愛者向け専門誌の草分けで、昨年９月に廃刊になった
「薔薇族」が復刊されることが決まった。東京の出版社「メディアソフト」が発行元となり、
編集長は廃刊前と同様に伊藤文学さん（７２）が務める。復刊第１号の発売は４月２１日（６月号）で、
目玉は伊藤さんと美輪明宏さんの対談。伊藤さんは「もうすぐ７３歳になるが、
つえを突いてでも出したかったので、うれしかった。他の同性愛者向け雑誌より年齢層を
上げた本にしたい」と話している。【栗原俊雄】

毎日新聞　2005年2月23日　18時51分

皇太子さま紹介の本、各地で売り切れに

　皇太子さまが誕生日にあたっての記者会見で読み上げた詩「子ども」を収めた本
「あなた自身の社会　スウェーデンの中学教科書」が２３日、各地の書店で売り切れ状態となった。
出版元の新評論には朝から注文が殺到、同社は急きょ１万部の増刷を決めた。増刷分が
書店に並ぶのは３月上旬の予定。

　この本は、法律上の義務と権利、社会制度、人間関係などを中学生に考えさせながら
わかりやすく解説した教科書で、スウェーデンで９１年に出版された。詩「子ども」は
「私たちの社会保障」という章で引用されている。９７年に翻訳出版され、これまでに
約１万部が発行されている。 (02/23 18:57)

直木記念館、大阪で開館　芥川への手紙など展示

　直木賞に名を残しながらも、その作品や人物像などはあまり知られていない作家、
直木三十五（１８９１−１９３４年）の功績をしのぶ記念館が、直木の命日の２４日午前、
大阪市中央区にオープンした。
　午前１０時半から行われたテープカットには、直木賞作家の藤本義一さん（７２）も参加。
藤本さんは「直木は多くの時代小説を執筆したほか、映画や雑誌編集にもかかわり、
興味があった。その記念館がようやく出来上がりうれしい」と述べた。直木のおいにあたる
東京都在住の植村鞆音さん（６６）も駆け付けた。
　記念館は直木生誕の地に近い、通称「空堀地区」の商業文化施設「萌（ほう）」の２階。
約３０平方メートルの一室に、直木が自身の全集を飾る序文執筆を芥川竜之介に依頼した
直筆の手紙など、貴重な資料や写真を展示している。
　寝そべって原稿を書くことが多かったという直木の書斎も再現。来館者は書斎の畳の上で、
直木の全集などを読むことができる。
　記念館は空堀地区の町おこしを手掛ける住民の有志らが計画。昨年１０月に仮オープンし、
募金活動などを続けながら資料を充実させた。入館料は２００円（中学生以下１００円）。水曜日定休（祝日除く）。（共同）

(02/24 11:28)

第２０回「正論大賞」贈呈式　森本氏「登山５合目の水」

　第２０回「正論大賞」（フジサンケイグループ主催）の贈呈式が２３日、
東京都千代田区の赤坂プリンスホテルで行われ、大賞を受賞した拓殖大学教授の
森本敏氏（６３）にブロンズ彫刻「飛翔」（御正進氏制作）と副賞１００万円が清
原武彦産経新聞社会長から贈られた。また第５回「正論新風賞」を受賞した精神科医、
和田秀樹氏（４４）にブロンズ彫刻「ソナチネ」（小堤良一氏制作）と副賞５０万円が大戸宏フジテレビ常務から贈られた。

http://www.sankei.co.jp/news/050224/bun027.htm

与謝野晶子の短歌、全集未収１０首発見

　「みだれ髪」で知られる歌人・与謝野晶子の全集に収録されていない短歌１０首が見つかり、
出身地の大阪府堺市が２５日、発表した。同市出身で講談師の旭堂小南陵さんが大正時代の
総合誌に発表されているのを発見。調査の依頼を受けた堺市立与謝野晶子文芸館が、
これまで刊行された全集に未収録であることを確認した。今後、同館で展示する。

　短歌は、小南陵さんが一昨年秋に古書市で購入した実業之日本社刊行の総合誌「東京」の
１９２５（大正１４）年１０月増大号に「軽井沢雑詠」の題で掲載されていた。

　「峠なるうぐひすの聲（こえ）山山の重るやうに波をつくれり」「培（つちか）ひて思ふ昔もありぬべき
碓氷の裾（すそ）の山荘の花」など、おもに信州地方を旅行中に詠んだとみられる短歌が収録されていた。

　与謝野晶子を研究している入江春行・元大谷女子大教授は「『東京』は１９２４年に刊行され
３年後に廃刊となり、知名度も高くなかったため、過去の全集の編者が気づかなかったのではないか」と話す。

(02/26 13:50)

志賀直哉宛の書簡など５４００通、近代文学館に

　「小説の神様」と呼ばれ、日本近代文学を代表する作家の一人、志賀直哉（１８８３〜１９７１）が
作家や画家たちから受け取った書簡など計５４００通が、二男の直吉さん（７９）から日本近代文学館（
東京都目黒区駒場）に寄託されたことが２５日、発表された。文学史を考える一級資料として注目されそうだ。
　志賀あてのものは明治中期から昭和４０年代にかけて、３５８人から志賀に送られた
手紙やはがき４４９０通。このうち、３０００通以上が未発表という。さらに志賀から夫人あてのものも寄託された。
　また、すでに同文学館に寄託されていた代表作「暗夜行路」や「城の崎にて」の原稿や草稿２１７点
▽未定稿２３８点などが寄贈された。
　志賀あて書簡は、白樺派関係の里見とん、梅原龍三郎、柳宗悦をはじめ、夏目漱石、谷崎潤一郎、
佐藤春夫、北原白秋、室生犀星、川端康成などからのもので、幅広い交流をうかがわせる。
　書簡の内容はさまざまだが、文豪たちとの交友、戦争など時事的な問題への言及など、
その時その時の文学者たちの思いが肉声で伝わってくるという。
　同文学館常務理事で、早稲田大名誉教授の紅野敏郎さんは「近代文学の主要作家たちで、
これだけの書簡がまとまって保管されている例はないと思う。志賀さんには神経質で気難しい
イメージがあるけれども、意外なことです。これらから新たな志賀直哉像がわかり、
意外な日本文学史が浮き彫りになるかもしれません」と話す。
　同文学館では３月１２日に理事会を開いてワーキンググループを設置し、これらの書簡の
整理作業を進め、将来は公開や刊行をする方針だ。【重里徹也】

毎日新聞　2005年2月25日　19時53分

ジャン・ケロール氏死去

「夜と霧の詩」（46年）で知られる、フランスの詩人、小説家のジャン・ケロール氏が
10日ボルドー市にて死去。93歳。

「夜と〜」は、アラン・レネ監督の記録映画「夜と霧」（55年）の基になった。

http://c-au.2ch.net/test/-/ranking/1108986236/l50

「世界で最も美しい書籍」に邦書　ドイツ書籍財団が発表

　ＤＰＡ通信によると、ドイツ書籍財団は２８日、日本の活字の歴史を調べた
「日本の近代活字」（近代印刷活字文化保存会）が「世界で最も美しい書籍」に選ばれたと発表した。

　３月にドイツ東部ライプチヒで開かれる書籍見本市で、最高賞の「金活字賞」が
贈られる予定。（共同）

(03/01 00:53)

「図書館で調べる学習賞」表彰式、２５人と２団体出席

　「第８回図書館を使った“調べる”学習賞コンクール」（ＮＰＯ「図書館の学校」、
日本児童教育振興財団主催、読売新聞社、活字文化推進会議など後援）の
表彰式が２６日、東京・大手町の読売新聞東京本社で行われた。

　文部科学大臣奨励賞を受賞した小野未稀さん（千葉県袖ヶ浦市立中川小６年）、
徳永祥子さん（同市立昭和中１年）、細谷理恵さん（埼玉県立松山女子高１年）ら
上位入賞者２５人と２団体の代表者が出席。「図書館の学校」の亀田邦子理事長が
「探求心と熱意と努力に敬意を表します」とあいさつし、受賞者に賞状や記念の盾が贈られた。

　和菓子について調べた小野さんは「これからも日本独特の文化を図書館で
調べていきたい」と話していた。

(2005/2/26/20:35　読売新聞　無断転載禁止)

訃報：
マーリオ・ルーツィさん９０歳＝イタリアの詩人
　マーリオ・ルーツィさん９０歳（イタリアの詩人）ＡＰ通信によると、２月２８日、
イタリア・フィレンツェの自宅で死去。死因は明らかになっていない。

　３０年代に詩作を始め、詩集「砂漠の初花」（５２年）などが注目を集めた。
形而上的な作風で知られ、エルメティズモ（錬金術主義）と呼ばれる文芸思潮の
中心的存在となり「２０世紀イタリアの代表的詩人」「最大のノーベル文学賞候補」
といわれた。（ローマ共同）

毎日新聞　2005年3月2日　0時05分

詩歌文学館賞：
各部門の受賞者決まる
　第２０回詩歌文学館賞（日本現代詩歌文学館振興会など主催）の選考委員会が１日、
東京都内で開かれ、各部門の受賞者が決まった。贈賞式は５月２８日、
岩手県北上市の日本現代詩歌文学館で。

　【現代詩】飯島耕一さんの詩集「アメリカ」（思潮社）【短歌】宮英子さんの
歌集「西域更紗（さらさ）」（柊書房）【俳句】林翔（しょう）さんの句集「光年」（ふらんす堂）

毎日新聞　2005年3月1日　19時20分

芥川賞・直木賞：
「純愛ブーム」に抗して　実力派２人を祝福−−贈呈式
　第１３２回芥川、直木賞（日本文学振興会主催）の贈呈式がこのほど、
東京・丸の内の東京会館で行われた。最近の安易な「純愛ブーム」を批判しながら
文学の質を求める発言が目立った。

　今回の受賞作は、芥川賞が阿部和重さんの「グランド・フィナーレ」（『群像』１２月号）、
直木賞は角田光代さんの『対岸の彼女』（文芸春秋）。まず、芥川賞選考委員の
山田詠美さんが「とても重い感じが全体に流れている傑作。近ごろ、“泣ける小説”という、
チャチなものが多いとお嘆きの方にもお勧めです」と称賛した。

　続いて、直木賞選考委員の林真理子さんが、人間の弱さや醜さを見せるのが
小説だという考えが広がり、それが逆に純愛ブームを呼び起こしたと解説。でも、
角田作品は「残酷な終わり方もできたのに、キラキラ光る希望を見せてくれた。
時代の空気を読み、それを支える文章を持っている」と指摘した。

　これに対し阿部さんは「辞書に載っていないワイザツな言葉と、辞書にしか載っていない
普段あまり使わない言葉を組み合わせてイビツな文章を作っていこうと思い、やってきた。
今後もしつこいくらい、この試みを続けたい」、角田さんは取材相手や担当編集者たちが
すべて女性だったことを紹介し「この小説に体温があるとしたら、みなさんが集まって
下さった体温だと思います」と喜びを語った。

　４人のあいさつはいずれも、手垢（てあか）のついた平板でワンパターンの純愛
ストーリーを超えて、いかに新しい作品が可能かを模索する言葉のように聞こえた。【重里徹也】

毎日新聞　2005年3月1日　東京夕刊

「ちびくろ・さんぼ」復刊へ　東京の出版社が４月に

　黒人差別を助長するとの抗議を受け、１９８８年に絶版となった岩波書店発行の
ロングセラー絵本「ちびくろ・さんぼ」（フランク・ドビアス絵、光吉夏弥訳）が別の
出版社から４月上旬に復刊されることが３日、分かった。新しい版元となる「瑞雲舎」
（東京都港区、井上富雄社長）には書店からの注文が相次いでいるという。

　「ちびくろ・さんぼ」は、英国人女性、ヘレン・バンナーマンさんがインド滞在中に執筆し、
１９世紀末に英国で出版。黒人の子どもが散歩中にトラに遭遇し、衣服を奪われるが、
機転を利かせて取り戻す話。岩波版は５３年初版、１００万部以上売れた。ほかにも
２０社以上の版元から翻訳本が出版されていた。

　しかし「米国では『さんぼ』は黒人への蔑称（べっしょう）」などと市民団体などからの指摘を受け、
岩波書店は同書を絶版に。９０年代にかけ、同書を出版していた日本のすべての出版社も絶版にした。

　井上社長は「何が差別的かをよく考える必要があると思う。インドでは『さんぼ』は
一般的な子どもの名前。岩波版は次世代に残す価値があると思う」と話している。（共同）

(03/03 12:14)

山田孝之：
映画版「電車男」の主人公に
　インターネット掲示板「２ちゃんねる」への書き込みから生まれた純愛物語を
映画化する「電車男」で、俳優の山田孝之（２１）が、主人公の電車男を演じることが４日、
決まった。
　女性と交際経験のない青年が、掲示板サイトの投稿者からアドバイスを受け、電車内で
酔った客から助けた女性との恋を成就させていく物語。ネット上のやりとりは昨年５月に
終了したが、１０月に新潮社から“小説”として出版され、５０万部を突破。出版各社がコミック化し、
今月には朗読劇が上演される。
　映画初主演となる山田は「原作が人気なのでプレッシャーを感じています」と緊張気味。
電車男は、オタク青年役だが「僕自身“アキバ系”ではないけど、オタクなところも
持ってますから」と意欲満々だ。
　電車男が恋をする女性「エルメス」は、原作で電車男が「似ている」と主張している
中谷美紀（２９）が演じる。６月公開予定。

スポーツニッポン　2005年3月5日

Ｈ氏賞：
山本純子さんの「あまのがわ」
　日本現代詩人会主催の第５５回Ｈ氏賞と第２３回現代詩人賞の選考委員会が
５日開かれ、Ｈ氏賞は山本純子さん（４８）＝大津市＝の「あまのがわ」（花神社）、
現代詩人賞は平林敏彦さん（８０）＝静岡県伊東市＝の「舟歌」（思潮社）に決まった。
贈呈式は５月２８日午後１時、東京・日暮里のホテルラングウッドで行われ、それぞれに賞金５０万円と記念品が贈られる。

毎日新聞　2005年3月5日　19時04分

コクド株の持ち分確認求め、堤清二氏も提訴

　西武鉄道グループの中核会社「コクド」の株について、グループを創業した
堤康次郎氏の二男で、セゾン文化財団理事長の堤清二氏（７７）と親族２人が、
「株主の多くは名義借りで自分たちが相続したもの」として、コクド幹部ら２７人が
名義人になっている同社株計２１７株分について、持ち分の確認を求める訴訟を
東京地裁に起こしていたことが分かった。

　清二氏側は、「財産的利益を求めるのではなく、名義借りの真実にフタをして
グループ再編を進めるやり方に一石を投じたい」としている。

【画質】里谷多英の御乱交写メール画像出回る？【イマイチ】
ttp://bubble3.2ch.net/test/read.cgi/toilet/1109467537/
祭りｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!!!!!

吉川英治文学賞に北原亞以子さんの「夜の明けるまで」

　第３９回吉川英治文学賞（吉川英治国民文化振興会主催）は７日、
北原亞以子さんの「夜の明けるまで」（講談社）に決まった。第２６回
吉川英治文学新人賞には恩田陸さんの「夜のピクニック」（新潮社）と
瀬尾まいこさんの「幸福な食卓」（講談社）が選ばれた。贈呈式は４月１１日
午後５時から東京・内幸町の帝国ホテルで。

　第３９回吉川英治文化賞は次の通り。

　名取美和さん（タイ・チェンマイ市にＨＩＶ孤児の施設設立）▽平沢保治さん
（ハンセン病患者に対する偏見や差別をなくすための活動）
▽松田富士彌さん（精密機器へのはんだ付け指導）▽山之内義一郎さん
（総合教育のための「学校の森」作り提唱） (03/07 20:09)

ヒロシマ原爆詩人の栗原貞子さん死去

　広島への原爆投下直後の極限状態で人間の生と死を見つめた詩「生ましめんかな」で
知られる詩人、栗原貞子（くりはら・さだこ）さんが６日午後８時１５分、老衰のため
広島市安佐南区長束３の２２の１の自宅で死去した。９２歳。
　告別式は未定。喪主は長女、真理子さん。
　広島市可部町（現安佐北区）生まれ。女学校時代から短歌や詩を創作し、３
２歳の時に爆心の北４キロの自宅で被爆した。
　「生ましめんかな」は、原爆投下翌日の未明に、同市千田町（現中区）にあった
旧広島貯金支局の地下室で生まれた赤ん坊と、命がけで赤ん坊を取り上げた助産師らをうたった。
　戦争の被害者と加害者の両方を見つめた詩「ヒロシマというとき」も平和教育教材として
英、独、仏、スペイン語などに翻訳された。
　４５年１２月、広島で「中国文化連盟」を結成。戦後の原爆文学を盛り上げ、６０年には
作家の正田篠枝さんらと「原水禁広島母の会」を設立した。
　近年は体調を崩して入退院を繰り返し、２００４年４月からは自宅で療養を続けていた。

(2005/3/7/01:19　読売新聞　無断転載禁止)

浅草や吉原描く…「風俗ライター」吉村平吉さん死去
　浅草や吉原などの歓楽街の喜怒哀楽を描き続けてきた作家吉村平吉
（よしむら・へいきち）さんが、東京都台東区竜泉の自宅で亡くなっていたことが６日、わかった。８４歳だった。
　告別式などは未定。
　吉村さんが住んでいたマンションの管理人男性（６０）が５日夕、吉村さん宅の
新聞受けに新聞がたまっているのを不審に思い、合鍵で部屋に入ったところ、寝室で死亡しているのを発見した。
　警視庁下谷署では、吉村さんが高血圧などで通院していたことなどから、今月１日ごろ、
病死したとみている。吉村さんは独り暮らしだった。
　喜劇王・エノケン（榎本健一）の一座で、文芸部員として活動していたこともあり、
「エノケンの生き証人」としても知られた。
　その後、「風俗ライター」として、台東区の浅草や吉原の歓楽街で生きる人々に
光を当てた作品を生み続けた。

(2005/3/6/23:05　読売新聞　無断転載禁止)

＜訃報＞菖蒲あやさん８１歳＝俳人、俳誌「春嶺」主宰

　菖蒲あやさん８１歳（しょうぶ・あや＝俳人、俳誌「春嶺」主宰）７日、
くも膜下出血のため死去。葬儀の日取りは未定。自宅は東京都墨田区
京島２の１５の１１。喪主はおいの菖蒲稔（みのる）さん。富安風生に師事し、
東京・下町の風景を描写。６８年「路地」で第７回俳人協会賞を受賞。
著書に「自註句集菖蒲あや」など。
（毎日新聞） - 3月7日22時7分更新

第３８回日本詩人クラブ賞：
尾花仙朔氏の詩集『有明まで』に決定
　尾花仙朔氏の詩集『有明まで』（思潮社）に決定。尾花氏は２７年生まれ、
これまでに土井晩翠賞、地球賞などを受賞。仙台市青葉区在住。
また第１５回同新人賞は星善博氏の『水葬の森』（土曜美術社出版販売）に、
第５回同クラブ詩界賞は神品芳夫氏の『自然詩の系譜　２０世紀ドイツ詩の水脈』
（みすず書房）にそれぞれ決まった。

毎日新聞　2005年3月8日　東京夕刊

詩：競演、即興の楽しさ　大岡信さんの「連詩」の会、成果刊行
　詩人の大岡信さんと谷川俊太郎さんを中心に５年にわたり行われた
連詩制作の成果をまとめ、１人での作品では味わえない競演の楽しさを伝える
『連詩　闇にひそむ光』（岩波書店）が、大岡信さんの編さんで刊行された。
　これは静岡県文化財団の協力で、大岡さんの出生地にちなんで「しずおか連詩の会」と
名づけ、１９９９年１１月から０３年１１月まで５年にわたり、毎年１回５人の詩人が、
静岡市内のホテルなどで行った作品集。連詩は、俳句の連句を模したもので、
発句にあたる主に５行の詩を受けて、違う作者がたとえば３行、５行などと交互に作品を
付け合うもの。１人の発想ではなく、先行の詩を受けて生まれるイメージの変化が独特の
味を生誕させる。しかも、即興のため、連詩作品がまるで息をするような表情を見せるのが面白い。

　収録された連詩は、「闇にひそむ光」（巻一）「千年という海」（巻二）から「水平線」（巻五）までで
計２００編に及ぶ。たとえば「闇にひそむ光」では大岡さん、谷川さんのほか高橋順子さん、
ドイツ詩人のウリ・ベッカー、ドゥルス・グリューンバインさんの５人が参加。毎回５人で必ず
他国の詩人を招き、高橋睦郎、新藤凉子、白石かずこさんらのほか、中国の北島（ベイダオ）、
米国生まれで中原中也賞詩人のアーサー・ビナード、フィンランドのカイ・ニエミネンさんらが集い、
海外の詩人たちとも連詩の楽しさを分かち合った。
　連詩のさばき役を務めた大岡さんは「時には（次の詩ができるまで）長い時間待ったり、
翻訳者などの苦労があったが、連詩の根本的な要件の一つは展開の面白さ。近くまた
この会を再開させたい」と話している。【酒井佐忠】

毎日新聞　2005年3月8日　東京夕刊

詩歌の現在：
３月　誤解多い啄木像を洗う＝酒井佐忠
　硬質な叙情と明晰（めいせき）な知性で活躍する詩人中村稔さんの詩業を
総括するような著書が昨年から多く出され、『私の昭和史』が毎日芸術賞などに
輝いたのは周知のことだ。昭和１０年代の不安定な時代の中で文学と法律を志す人の
精神状態を客観的に描いた『私の昭和史』はもちろんだが、その陰で「関心のおもむくままに
詩歌俳句の世界に遊んだ」という「雑多な文章」を集めた詩歌批評集『私の詩歌逍遥』（青土社）に、
私の興味はより多く注がれた。

　青春期に作品を暗唱するほどに魅せられた詩歌人が、ある時期、色あせるのではなく、
むしろ作品に接することに羞恥（しゅうち）を感じて遠ざけたくなることがある。石川啄木や
中原中也、立原道造らがその典型的な例だが、読者が年齢を経てくると、再びその魅力に
取りつかれることがある。『私の詩歌逍遥』の中の「啄木の魅力」（００年に行われた講演の
ための原稿）を読んでそんな思いを強くした。

　石川啄木は、多く誤解にみちた詩歌人である、と中村さんは言う。誰にでも知られた
＜東海の小島の磯の白砂に／われ泣きぬれて／蟹とたはむる＞に代表されるように
ただ感傷的で望郷の思いを表現した作家と多くの人に思われる。だが、よく作品に目を
通していくと決してそれだけではない。＜東海の小島の磯の＞の作品にしても啄木の
流離と漂泊の思いが込められ、決して悪い歌ではないという。

事実、読者である私も、かなりの歳月を経て再びこの歌に接し、言葉の甘さはあるものの、
単なる感傷ではない根源的な存在の悲しみがあるのではないか、と思うほどだ。それは
あの＜汚れつちまつた悲しみに／今日も小雪の降りかかる＞という中也のフレーズに
通じるものでもある。

　もう一つ、面白いことをこの著書から私は知った。生前刊行されたただ一つの歌集である
『一握の砂』は、典型的な青春歌集と思っていたのが、実はそうではなかった。
啄木は自らの歌集の広告文に次のように書いている。「其身（そのみ）動く能（あた）はずして、
其（その）心早く一切の束縛より放たれたる著者の痛苦の声、是也（これなり）。
著者の歌は従来の青年男女の間に限られたる明治新短歌の領域を拡張して、
広く読者を中年の人々に求む」。つまり『一握の砂』は、「人生の辛酸をなめた
中年の人々に読んでいただきたい歌集」（中村さん）なのだ。何十年を経て啄木に
接して得る私の感慨はあながち間違いではなかった。

中村さんの啄木再評価の圧巻は、わずか２６年の生涯のうちの最晩年の４年間に、
家族や社会の在り様に透徹した目を注ぎ、狂気の淵（ふち）をさまよいながら、
「日常の瑣末（さまつ）を材料にして、人生の真の姿をつかみとっていく新しさ」と
述べるところだ。＜気弱なる斥候（せっこう）のごとく／おそれつつ／深夜の街を
一人散歩す＞＜高山のいただきに登り／なにがなしに帽子をふりて／下りきしかな＞
などの作品を最も好きな歌に挙げ、精神の葛藤（かっとう）の末に得た、日常の瑣末で、
しかも一見無意味と思われることを題材にした作品に啄木の新しさを発見する。
瑣末で無意味と見えることに真実が存在することを啄木は教えたのだ。

　さらに詩人、歌人とは何かについても啄木は深く問うている。死が近づくにつれ啄木は、
詩人や歌詠みには何ら特権はなく、一にも二にも人間であり、普通人であらねばならないと
考えていたという中村さんの指摘にも、私は共感した。

　また、今月になって出た『中村稔著作集第３巻・短詩型文学論』（青土社）の
「第２章　子規と啄木」でさらに詳しい啄木像に触れることができ、作家は違うが
昨年末刊行の『若山牧水歌集』（岩波文庫・伊藤一彦編）も青春歌人の読み直しとして
興味深い。（専門編集委員）

斜陽館：落雪で塀崩れる　青森・金木

　記録的な大雪が続いた青森県で１２日、国の重要文化財で文豪、
太宰治の記念館「斜陽館」（同県金木町）の塀が、隣家から落ちた雪の
直撃を受け崩れる被害があった。
　県警金木署などによると、１２日午前１１時ごろ、斜陽館の北側にある
飲食店の１階屋根に積もっていた雪（幅約６メートル、高さ約１．３メートル、
奥行き２．７メートル）が滑り落ち、隣接する記念館の赤レンガの塀（高さ約３．４メートル）に
のし掛かった。塀は上部が幅約１．３メートル、高さ約１メートルにわたって崩れた。
　同館は町出身の作家、太宰治（１９０９〜４８）の生家で、現在は記念館として全国から
来訪者が絶えない。同館は「修復するかどうかや費用負担については、管理者の町教委が
１４日に国の文化庁に問い合わせる」と話している。
　青森地方気象台によると、同町に近い五所川原市の１２日午前１１時現在の積雪は１１２センチ。
今月３日には、８２年の観測開始以来２番目となる積雪１５０センチを記録するなど大雪が続いていた。【八木祥平】

毎日新聞　2005年3月12日　19時16分

吉永小百合さんが詩の朗読　東京大空襲６０年の集いで

　約１０万人が亡くなった東京大空襲から６０年の１０日夜、東京都千代田区主催の
「平和へのつどい２００５」に女優、吉永小百合さんが原爆詩の朗読で参加、
「東京大空襲も広島、長崎と同じように普通に暮らす数多くの女性や子ども、
お年寄りの命が奪われた」と語り、戦争体験を次世代に伝えることの大切さを訴えた。

　１９８６年からボランティアで原爆詩の朗読活動を続けている吉永さんは、
集まった約８００人の区民らの前で、６日死去した広島市出身の詩人、
栗原貞子さんの作品で命の貴さをうたった「生ましめんかな」など原爆詩１０編を朗読した。

　つどいに先立ち、吉永さんは「東京に生まれ育った者として、忘れてはならない日として
語り継いでいかなければ」と話した。

　戦後６０年に当たることし、吉永さんは「みなさんに平和のことを真剣に考えてもらう
きっかけになれば」と広島、長崎の被爆者団体や学校など十数カ所を訪れ、詩の朗読をする予定という。（共同）

(03/10 20:25)

自筆で楽しむ『たけくらべ』　原稿を完全復元出版

　新５０００円札の「顔」として定着した樋口一葉の代表作「たけくらべ」の自筆原稿を、
そっくりそのまま復元した書籍が近く出版される。一葉は能書家としても知られ、
文章と文体、書が一体となった総合芸術としての「たけくらべ」の全容が戦後初めて
一般の目に触れることになる。限定３００部で定価７万１４００円と高価だが、
「本物」は数億円の価値があるとされるだけに、愛好家たちの注目を集めそうだ。

　書道関連書籍の老舗・二玄社(東京都文京区)が「直筆『たけくらべ』」(山梨県立文学館監修、
野口碩解説)として今月下旬に出版する。同社の編集員が、格調の高さと生命力とを併せ持った
独自の書風で綴(つづ)られた原稿の一部を見て感激し、発刊を思い立った。
　復元されたのは、同人誌「文学界」に連載された後、明治２９年４月、当時の主要誌である
「文芸倶楽部」に一括掲載されたときの清書原稿で、４００字詰めの原稿用紙で７５枚(うち三枚は妹、
くにの代筆)にわたっている。
　一葉はこの年の初めごろから体の不調を感じ始めていた。このため、清書は自分の手で行ったが、
漢字のふりがなについては一部、くにに任せていた。一葉は、「たけくらべ」が一括掲載され、
名声が頂点に達した同年１１月、２４年の短い一生を終える。

　復元本では、通常では出ない微妙な色の違いも再現した。このため、一葉がつけた紅色のふりがなと、
くにがつけた朱色のふりがなの見分けがつくなど、一葉研究家も称賛を惜しまない。

　この自筆原稿は三十数年間にわたって行方がわからなくなっていた。文学、美術的価値は
「値段のつけようがないほど高い」(関係者)ため、「米国の美術館が数億円で購入に動いた」
とのうわさもあったが、平成２年にその存在が確認され、現在は山梨県立文学館に寄託されている。
　当時、自筆原稿の確認に尽力した同県総合教育センターの福岡哲司主幹は「自筆原稿からは、
最後の力をふりしぼって筆を握っていた一葉の息遣いが伝わってくる。この貴重な芸術作品に
一人でも多くの人がふれてほしい」と話している。

【2005/03/13 東京朝刊から】

１０代の心射止め「ＮＡＮＡ」旋風　少女漫画、繊細な感情描写で大ヒット

　１０代の女性を中心に爆発的な人気を集め、単行本売り上げが１１巻で１７００万部を
超えている少女漫画「ＮＡＮＡ」(矢沢あい作)。今月、ストーリーに共感したミュージシャン
によるＣＤやゲームが発売されるほか、東京・渋谷には「ＮＡＮＡカフェ」も登場する。
今秋には映画も公開される予定という。ＮＡＮＡ旋風はジャンルを超えて、
カルチャー全域に広がり始めている。
　「ＮＡＮＡ」は、メジャーデビューを目指すボーカリストの大崎ナナと、恋人を追いかけて
上京した小松奈々の２人が主人公。東京行きの新幹線で偶然出会った２人を軸に物語が
展開され、友情や恋愛、多彩な人間関係がきめ細かく描かれている。
　連載は５年前、中高生向けの月刊誌「クッキー」(集英社)創刊と同時にスタート。
ファッション誌から抜け出たような鮮やかな絵柄や、読み解きたいと思わせる表現手法などが受け、
瞬く間に人気漫画に躍り出た。

　クッキーの梅岡光夫編集長が「血液型や身長などのデータを決めるなど登場人物の
背景設定が細かく、実在する人間のように描かれている。そのリアルさが、幅広い人の心に
浸透したのでは」と言うように、若い女性以外にも人気は広がり、１３組のミュージシャンが
レーベルを超えて集まりＣＤ「ＬＯＶＥ　ｆｏｒ　ＮＡＮＡ」(東芝ＥＭＩ)を制作、１６日に発売される。
　人気グループのＤｏ　Ａｓ　ＩｎｆｉｎｉｔｙやＺＯＮＥ、ＴＨＥ　ＡＬＦＥＥの高見沢俊彦、大塚愛らが
「ＮＡＮＡ」をテーマに曲を書き下ろしており、愛読者でもある大塚は「１話１話が終わるごとに、
(主人公２人の)心の声が、ポエムのような形で描かれている。その言葉の一つ一つが心につきささる」と話す。

　また、１５日からは東京・渋谷に約１カ月間の期間限定で、漫画や関連商品を備えた
「ＮＡＮＡカフェ」がオープンするほか、１７日には登場人物になりきって楽しめる
ゲーム「ＮＡＮＡ」(コナミ)が発売される。
　さらに、中島美嘉らが出演する実写映画も今秋に公開予定で、人気はますます過熱しそう。

　少女マンガに詳しい評論家の藤本由香里さんは「『ＮＡＮＡ』には、少女漫画の純粋さと、
街と地続きのリアリティーがある。感情の描写も繊細で鋭敏。ひたむきだけど、べたついていない。
非常にいい意味で少女漫画の新しい到達点がある」と話している。(安田幸弘)

【2005/03/13 東京朝刊から】

東京大空襲６０年、「ガラスのうさぎ」アニメ映画に

　東京大空襲で母と２人の妹を失った作家高木敏子さん（７２）がその経験をまとめた
児童書「ガラスのうさぎ」が、初めてアニメ映画化された。

　大空襲から６０年を迎えた１０日、高木さんや四分一（しぶいち）節子監督が都内で会見し、「
戦争を知らない子どもたちに見てほしい」と呼びかけた。
　高木さんは、東京・本所区（現墨田区）生まれ。実家はガラス工芸工場を営んでいたが、
東京大空襲の時、１２歳だった高木さんは神奈川県二宮町に疎開していた。３か月後、
自宅の焼け跡からぐにゃぐにゃに溶けた「ガラスのうさぎ」の置物を見つけた。父の作品だった。
父も終戦直前、米軍機の機銃掃射を受け死亡した。

　原作（金の星社）は７７年に出版され、国内で２１０万部を超えるロングセラーに。実写映画や
テレビドラマも制作され、英、独、中国など９か国語で翻訳出版された。

　アニメ化について、高木さんは「思いが伝えられない」と断ってきたが、「孫たちに『やっぱりアニメだよ』と
言われて決心した。戦争で人を殺したり、殺されたりする時代に二度としないでほしい」と語った。
　アニメ映画「ガラスのうさぎ」（８４分）では、女優の竹下景子さんが母親の声を演じている。
シネ・リーブル池袋（豊島区）で５月１４日公開。その他の映画館での予定や自主上映についての
問い合わせは、製作委員会（０４２・３９６・７８１５）へ。

(2005/3/10/23:19　読売新聞　無断転載禁止)

速報
セン5スレで清掃局の者というコテハンが錯乱！
↑
要注意人物です。自分のした評価にケチを
つけられカタリ疑い。皆さんもこのコテには
注意しましょう！！！

age

ニュー速＠詩板の皆様今晩は。
この度、糞コテ「しんしん」なる馬鹿が
長らく海底に沈んでいた地下スレ

詩的にレスをつなげて物語を作ろう
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1078684283/

をageやがりました。
これはこの海底での自由を楽しんでいた住人に対する著しい権利侵害であり、
空気を読まないとんでもない行動です。
徹底糾弾します。

>>196
おまえも最低ですね

「夏の思い出」作詞、江間章子さん死去

　「夏がくれば　思い出す」の歌詞で知られる「夏の思い出」（中田喜直作曲）の作詞者で
詩人の江間章子（えま・しょうこ）さんが１２日、脳内出血のため死去した。

　９１歳だった。

　告別のミサは１７日午前１１時、東京都世田谷区上野毛２の１４の２５カトリック上野毛教会。

　新潟県生まれ。１９３６年、詩集「春への招待」を出版、三好達治、草野心平らと共に
現代詩人会で活躍した。

　４９年、尾瀬の風景を歌った「夏の思い出」がラジオで放送されると、広く国民の
愛唱歌として親しまれた。主な作詞曲に「花の街」（團伊玖磨作曲）、歌曲「ながさき」
（同）などがある。

(2005/3/14/12:58　読売新聞　無断転載禁止)

「日本文化は万華鏡」８カ国語で紹介本を出版
2005年03月15日00時37分

　日、英、仏、中など８カ国語の文章で日本を紹介する本「眠れる美女　日本文化の万華鏡」を、
元筑波大学助教授のイサベラ・コバーチュさんが出版した。

　ハンガリー出身。１５年前に墨絵の魅力にひかれ、水墨画家に師事した。
本では自筆の墨絵を挿入し、平将門や岡倉天心、トヨタなど幅広く日本を取り上げている。

　東京・茗荷谷の林泉寺での出版パーティーでは「私の青い瞳には、
日本文化は万華鏡のように映る。素晴らしさを世界中に伝えたい」。定価は６３００円。

大藪春彦賞：
「劇場型捜査」に時代感を込めた−−贈賞式で雫井脩介さん
　第７回大藪春彦賞の贈賞式が東京で開かれ、『犯人に告ぐ』（双葉社）で受賞した
雫井（しずくい）脩介さんが出席した。受賞作は連続男児殺害事件をめぐり、
捜査責任者がニュース番組に出演して捜査を進める「劇場型捜査」を描く。
昨年の「週刊文春ミステリーベスト１０」の国内部門第１位にもなった。

　選考委員の大沢在昌さんが「優れた警察小説で、追う側、追われる側両方の
人生が見えた。劇場型捜査が犯人逮捕に直接結びつかないという指摘もあったが、
気づかず一気に読んだ」と称賛した。

　雫井さんは「第４回の大藪賞の候補になったとき、選考結果を一緒に待った編集者への
手みやげとして持っていったのが『犯人に告ぐ』のプロット。後に評価を得られるとは
思っていなかったが、これはリベンジする宿命を持って生まれた作品ではないかと思う」とあいさつした。

　雫井さんは６８年愛知県生まれ。出版社勤務などを経て９９年、
新潮ミステリー倶楽部賞を受賞してデビュー。「現実に起こりうる
事件をテーマに警察の対応を漠然と考えていたとき、『劇場型犯罪』という現代を
象徴する犯罪があるなら『劇場型捜査』もあるのではと思った。世の中の空気を僕なりに
感じて作り上げたものが『劇場型捜査』でした」と話した。【内藤麻里子】

毎日新聞　2005年3月15日　東京夕刊

斎藤茂吉文学賞：
小池光氏の歌集「滴滴集」が受賞
　第１６回斎藤茂吉短歌文学賞（山形県など主催）の受賞作品に
小池光氏（５７）の歌集「滴滴（てきてき）集」が選ばれた。

　小池氏は埼玉県蓮田市在住の私立高教諭。７２年に「短歌人会」に入会し、
主な歌集に「バルサの翼」「草の庭」「静物」などがある。【大場あい】

毎日新聞　2005年3月14日　18時44分

加藤京都大教授ら１０人に日本学士院賞
2005年03月14日18時22分

　日本学士院（長倉三郎院長）は１４日、優れた研究業績を表彰する０５年度日本学士院賞を９件、
１０人に贈ることを決めた。加藤和也・京都大教授には恩賜賞もあわせて贈る。
若手研究者を対象に学術奨励賞を新設、今年度の５件５人の受賞者も選んだ。
受賞者と専門、受賞対象の研究、著作は次の通り。

　【日本学士院賞】

　加藤和也（かとう・かずや）京都大教授（５３）＝整数論＝数論幾何学の研究

　塩川徹也（しおかわ・てつや）東京大教授（５９）＝フランス文学・思想＝「パスカル考」

他

リンドグレーン文学賞、荒井良二氏が日本人初受賞
2005年03月17日01時01分

　世界の児童文学に貢献した作家らに贈られる第３回アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を、
「なぞなぞのたび」などで知られる絵本作家・荒井良二さん（４８）と英国の
作家フィリップ・プルマンさんが受賞した。日本人の受賞は初めて。

　同賞は、「長くつ下のピッピ」などで知られ、０２年に死去した
児童文学者リンドグレーンを記念して同年、スウェーデン政府が創設した。

　荒井さんは「斬新、大胆、気まぐれ、独自の発光力を持つ作家」と評価された。
賞金は各２５０万クローナ（約３６７５万円）。５月２５日にストックホルムで授賞式がある。

ウルマンの「青春」、新井満さんが新訳　写真詩集出版へ
2005年03月17日17時00分

　「青春とは／若き肉体のなかにあるのではなく／若き精神のなかにこそある」。
この一節で広く知られる米国の実業家で詩人のサムエル・ウルマン（１８４０〜１９２４）の
詩「青春」を、作家新井満さん（５８）が新たに翻訳した写真詩集「青春とは」が２３日、出版される。

　「青春」はウルマンが７８歳の時に書いたとされる青春賛歌。終戦後まもなく、
連合国軍最高司令官マッカーサーが座右の銘としていたこの詩を
英語誌「リーダーズ・ダイジェスト」で読み、感動した織物業界の故岡田義夫氏が邦訳した。
故松下幸之助氏ら高度成長期を担った多くの財界人が愛唱し、中曽根康弘元首相らが
「青春の会」を組織し詩の普及に努めてきた。

今回の企画は、ベストセラー詩集「千の風になって」（作者不明）を翻訳し、
曲をつけてＣＤも出した新井さんが、昨年、ある会社経営者から「青春」に曲を
つけてほしいと依頼されたのがきっかけ。

　新井さんがウルマンの原詩を調べてみると、日本で広まったマッカーサー版は
言葉が削除されたり、逆に加えられたりしていることに気づいた。特に原詩の後半に
出てくる「無線基地」と「アンテナ」という詩句がなかった。

　これらの詩句の背景には、１９１２年のタイタニック号遭難事件で、ＳＯＳ信号を
受信した米国の若き無線局員が三日三晩、励ましのメッセージを送信し続けたという
エピソードがある、とするヘブライ文学研究家・手島佑郎氏の説を知り、
新井さんは改めて完全オリジナル版を訳し直そうと決めた。

　「いまの若者でも写真詩であればイメージが膨らむと写真をつけた。大事なのは、
人生の真理を大人や若者にどう届けるか。この詩には確かに人の心を打つ力がある」と
新井さんは話す。

　税別千円。問い合わせは講談社（０３・５３９５・３６２２）。

日本ペンクラブ、憲法改正国民投票法案の撤回求め声明

　日本ペンクラブ（井上ひさし会長）は１５日、「憲法改正国民投票法案の
白紙撤回を求める」声明を発表した。

　今国会にも上程が予定される同法案が、新聞・雑誌・テレビ等の虚偽・
歪曲（わいきょく）報道の禁止や予測投票の公表禁止などを盛り込む予定と
されることに対して、「曖昧（あいまい）な文言によって過度に広汎（こうはん）な
規制が及ぶ危険性を否定できない」としている。

(2005/3/15/23:23　読売新聞　無断転載禁止)

＜訃報＞佐竹申伍さん８４歳＝作家

　佐竹申伍さん８４歳（さたけ・しんご＜本名・佐藤静夫＝さとう・しずお＞作家）２月２４日、
胃がんのため死去。葬儀は近親者で済ませた。自宅は東京都中野区鷺宮２の
１１の１２。喪主は妻寿美子（すみこ）さん。著書に「島左近」「蒲生氏郷」など。
（毎日新聞） - 3月17日10時5分更新

Ａ・ノートンさん死去　「魔法の世界」シリーズの作家

　アンドレ・ノートンさん（米ＳＦ・ファンタジー作家）ＡＰ通信によると、１７日、
うっ血性心不全のため米南部テネシー州ナッシュビル近郊の自宅で死去、９３歳。

　１９３４年に最初の作品を出版後、約７０年間で１３０以上の作品を完成。
このうち、秘密の道を使って出入りする想像上の惑星での生活を描いた「
魔法の世界」シリーズで３０以上の作品を発表し人気を集めた。
米国のＳＦ・ファンタジー作家協会が若者向けの優れた作品に対し、
２００６年から「アンドレ・ノートン賞」を授与することを決めたばかりだった。

（共同）

「ダ・ヴィンチ・コード」は恥ずべき本…枢機卿が批判

　【ローマ＝藤原善晴】カトリック教会のタルチジオ・ベルトネ枢機卿（ジェノバ大司教）が
このほど、世界的ベストセラーとなっている長編ミステリー小説「ダ・ヴィンチ・コード」
（ダン・ブラウン著）について、「事実無根な事が含まれた恥ずべき本」と痛烈に批判、
ローマ法王庁の見解かと話題を集めている。

　イタリアのラジオ、新聞を通じて語ったもの。

　この小説は、「キリスト聖杯伝説」を巡る謎解きを中心に展開する。同枢機卿は、
キリストとマグダラのマリアの間に子供がいたとしている部分などを特に問題視。
「作り話なのに、読んだ人が本当の話だと誤解する危険がある」とかみついた。
ローマ法王ヨハネ・パウロ２世が入院していた、ローマ市内のカトリック系総合病院内の
書店でも売っていたとして「残念なことだ」と述べた。

(2005/3/17/21:57　読売新聞　無断転載禁止)

「早稲田文学」フリーペーパーに
　坪内逍遥が創刊し、１００年以上の歴史を誇る文芸誌「早稲田文学」が、
４月発売の５月号を最後に書店販売を休止し、無料配布するフリーペーパー化
することが１７日、明らかになった。

　同誌は１８９１年創刊。休刊と再刊を繰り返し、現在の第８次「早稲田文学」は、
１９７６年から刊行されていた。しかし、執筆者への原稿料、スタッフへの賃金を
十分に支払えず、現状で発行を続けるのは困難と判断した。フリーペーパーは、
今年６〜８月に第１号を出す計画。

(2005/3/18/02:03　読売新聞　無断転載禁止)

消えゆく老舗、喫茶店「談話室滝沢」が歴史に幕

　文化人やサラリーマンらが打ち合わせ場所として利用してきた東京の
老舗喫茶店「談話室滝沢」と、無名の新人芸術家の登竜門として知られる
「ギャラリー新宿高野」が今月末、その歴史に幕を下ろす。

　「サービスの質を維持できなくなった」「高齢のため引退」と理由はそれぞれだが、
閉店や閉廊を惜しむ声が尽きない。

　新宿、池袋、御茶ノ水駅前に計４店舗を構える「滝沢」の開店は１９６６年。
コーヒーなどの飲み物はすべて１０００円と高めだが、入り口に日本庭園風の
水鉢などがある「新宿本店」（３５０席）では、静かな音楽の流れる中で、多くの
作家が編集者と打ち合わせをしたり、サラリーマンが商談したりしてきた。
全寮制で接客マナーを厳しく鍛えた社員ウエートレスも、名物の一つだった。

　その「滝沢」も、５年前に全寮制が廃止され、寮も昨年３月になくなった。
「若い人には全寮制が合わないためか人材が集まらず、今はウエートレスの
８割がアルバイトとなってしまった」と、経営会社の赤木勝利専務（６７）は打ち明ける。
セルフサービスの喫茶店が増えたことも、「雰囲気を売る『談話室』というスタイルが
時代に合わなくなった」と話す。

　滝沢次郎社長（７９）は「サービスが低下して皆様に迷惑をかける前に、引き際が大切と思った」と語る。

◆机・雰囲気・いすのすべてが好きだった…劇作家・別役さん◆

　３０年来、原稿を書くのはいつも「滝沢」だったという劇作家の別役実さん（６７）は、
「広い机と静かな雰囲気、清潔ないす、何もかも好きだった。落ち着いて仕事が出来る
場所がなくなってしまった」と閉店を残念がる。

　◆画廊「ギャラリー新宿高野」も閉廊◆

　画廊「ギャラリー新宿高野」は、８３年のオープン以来、支配人を務めてきた
天野秀二さん（８９）が高齢を理由に引退するのに合わせ、閉廊する。
　画廊は、新宿駅東口近くにある老舗果物店「新宿高野」の故・高野吉太郎会長と
天野さんが、「新宿からの文化発信を」と開設した。
　「大きな美術館と同じことをしても仕方がない」と考え、無名の新人発掘に重点を置き、
新聞や専門誌、口コミなどを通じて、絵画にこだわらず独創的な創作活動に取り組む
新人探しに腐心した。天野さんは、これぞと思う人には直接会いに出かけ、
「その人の人間的な魅力を引き出せる企画を心がけた」という。
　これまで、年４５回程度の展覧会を開き、国内外の延べ約１０００人の芸術家に
発表の場を提供した。昨年春、高野会長（今年１月に死去）も「君がやめるなら、
閉廊しようじゃないか」と、やむなく納得したという。
　３年前、乾燥させた果物の皮で作る室内装飾品を展示した金沢市のカフェギャラリー経営
才田春光さん（５０）は、「天野さんの自筆の展覧会の案内状がもう来ないのかと思うとさみしい。
無名の人が、いろいろな自己表現ができる場がなくなるのは残念」と話している。
　

(2005/3/18/14:37　読売新聞　無断転載禁止)

磯村初代館長が退任　パリ日本文化会館
2005年03月22日19時59分

　日本の国際交流基金は２１日、日本とフランスの文化交流の拠点となる
パリ日本文化会館の磯村尚徳館長（７５）が３月末で退任し、中川正輝副館長（６３）が
昇格する人事を発表した。また新たに設けられる名誉館長に高階秀爾・大原美術館長が
非常勤で就任することも発表した。

　元ＮＨＫ特別主幹の磯村氏は、９７年のパリ日本文化会館の開館以来、初代館長を務めていた。

　後任の中川氏は、９４〜０１年にフランス三井物産社長を務めるなど商社マンとして計１１年間、
フランスに駐在した経験を持つ。この間、在仏日本商工会議所会頭を務め、昨年、
パリ日本文化会館の副館長に就任した。

　高階氏は東大教授（美術史）、国立西洋美術館の館長を経て、０２年から大原美術館長を務めている。

バチカン古文書：
凸版印刷が一役　解読計画に調印
　◇見えない文字が見えてくる

　バチカン教皇庁図書館が所蔵する古文書に隠された文字や画像を解読するため、
凸版印刷（東京都千代田区）は同図書館との共同事業「パリンプセスト・プロジェクト」の
推進で合意し、調印した。

　パリンプセストとは、何度か上書きされた羊皮紙（特殊処理された動物の皮）の写本。
紙が普及する以前に使われていたが、つくるのが大変で同じ重さの金と等価だったという。
このため、いらなくなった文字を洗い落としたり削ったりして何度も利用された。

　プロジェクトの狙いは、その消された文字の解読だ。貴重な古文書の可能性がある。
ただ、これまで有効とされてきた化学薬品や紫外線の使用は写本を劣化させ、人体にも悪い。
そこで、写本などに負担のない手法として、同社の画像識別・デジタル化技術が生かされることになった。

　対象は約２００冊。今後、３年にわたり文字の読み取り、解析を行い、アーカイブ化して出版の予定という。

毎日新聞　2005年3月22日　東京夕刊

第８回日本ミステリー文学大賞：
贈呈式　西村京太郎さん、照れながら喜び語る
　第８回日本ミステリー文学大賞（光文シエラザード文化財団主催）の贈呈式が１６日、
東京都内で開かれ、本紙「日曜くらぶ」に小説「小樽　北の墓標」を連載中の作家、
西村京太郎さんが出席した。

　同賞はミステリー文学への多大な貢献をした作家を表彰するために創設された。
選考委員の阿刀田高さんは「文学は門戸を広く開いている公平な世界。西村さんは
その世界の賞を、新人賞から始まって一つ一つ取って上ってこられ、堂々たる大作家に
なられた。初期の短編『南神威島』は短編の一大名作だと思う。その後、
ミステリー作家としてすばらしい業績を重ねられた」と称賛した。

　西村さんは６０年、勤務していた人事院を退職し執筆に専念。６３年『歪（ゆが）んだ朝』で
オール読物推理小説新人賞、６５年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞受賞。「十津川警部」
シリーズなどトラベル・ミステリーの第一人者として人気を博す。

　西村さんは「先ほど、賞を一つずつ取ってだんだん大きくなったといわれたが、取って
も取っても売れなかった。賞はもらっても売れないものだと思っていた。それが売れる
ようになったのは光文社から出た『寝台特急（ブルートレイン）殺人事件』からです。
その光文社からこの賞をいただいてうれしいです」と喜びを語った。生来の照れ屋。
「短い（あいさつ）ですが、しょうがない」とつぶやき、会場が笑いに包まれた。

　受賞を記念して十津川警部が活躍する特別書き下ろし『青い国から来た殺人者』（光文社）が
今週末刊行される。【内藤麻里子】

毎日新聞　2005年3月22日　東京夕刊

寄稿：
村上春樹の普遍性　英訳者としての１５年−−ジェイ・ルービンさん
　村上春樹さんの『海辺のカフカ』英語版（Ｐ・ガブリエル訳）が英米書店のベストセラーに躍り出て、
その根強い人気のほどを物語っている。村上作品が米国で本格的に出版されたのは
８９年の『羊をめぐる冒険』ごろから。ここ１５年あまりの村上作品の読まれ方について、
作家のよき理解者であり翻訳者でもあるハーバード大東アジア言語文明学科教授（
日本文化）のジェイ・ルービンさんに寄稿してもらった。

　『ねじまき鳥クロニクル』を訳していた１９９５年のことだった。村上春樹が読者とどれだけ
コミュニケーションできるか、その能力を理解する経験をした。このときのことを
＜ムラカミ・モーメント（村上春樹の瞬間）＞と名づけたいと思う。

　その日、私は第３部の第１０章の、ちょうど赤坂ナツメグが、子どものころ暮らしていた
満州（中国東北部）の話をする部分にさしかかっていた。ナツメグの父親は、
新京（現長春市）にあった動物園で主任獣医を務めていたのである。

　ナツメグはこう語る。

　「動物園での生活が私は大好きだった。お父さんの身体からはいつも動物の
匂（にお）いがしていた。いろんな動物の匂いがひとつに入り混じっていて
それが毎日毎日少しずつまるで香水の配合を変えるみたいに変化するの。
お父さんが家に帰ってくると、いつも膝（ひざ）の上にのってその匂いをくんくんとかがせてもらったものだわ」

翻訳はたいてい午前中に済ませ、午後はほかの仕事をするのが日課だった。
この部分を訳した日の夕方になって、なんの脈略もなく突然、５０年代によく聴いていた
エディ・フィッシャーの古い歌を口ずさんでいる自分に気づいた。「オー・マイ・パパ」という歌である。

　この歌のことなど４０年以上考えたこともなかったし、ましてや歌ったこともない。
歌詞の最初の一節が口から出たとたん、数時間前にあの場面を翻訳したことが、
本来なら忘れてしまっていただろう、昔の未開封の記憶をたぐりよせたのだということがわかった。

　翻訳中に歌が浮かんだのではないが、村上の書いたもののなにかが私の脳を
古い記憶を呼び起こす状態に整え、「オー・マイ・パパ」を思い出させるよう作用したのである。

　それだけではない。村上の小説を読み始めてからというもの、経験したこともないのに
どこかで見たことのある風景に出会う＜デジャビュ＞や記憶の不思議な作用について、
ずっと繊細になっていることにも気づいた。ほかの読者からも、どういうわけか、
村上が読者の脳の中に入り込み、奇妙でおもしろいことをするという話をよく聞くのだ。

　記憶はもちろん、村上の中心的なテーマである。しかし記憶というテーマを選んで
書いているからといって、そのテーマを読者に直感的に喚起させられるかどうかは別問題だ。

あるいはまた、潜在意識にある、または半ば意識している経験をなんのこだわりもなく
文章のなかで泳がせることで。さらに、自分の読者にどう語れば効果があるかを意識的に
計算することによって。先の文章に出てきた動物の匂いという強烈な官能性は、
村上が効果を計算して使ったのだと私は思っている。

　彼の文章がもっとも魅力を放つ＜瞬間＞は、このように国籍などには無関係に、
世界中の人々がまったく同じように反応する普遍的経験に触れるときだ。だから、
村上作品に対する日本の読者の反応と、日本以外の国での反応に大きな差があるとは思えない。
また、彼の作品が米国で初めて紹介されて以来、読者層が大きく変化してもいない。
ただその数が増え続けているだけなのだ。【訳・佐藤由紀】

芥川賞作家の阪田寛夫氏が死去　童謡「サッちゃん」を作詞

　童謡「サッちゃん」の作詞者で、日本芸術院会員の芥川賞作家、
阪田寛夫（さかた・ひろお）氏が２２日午前８時４分、肺炎のため東京都内の
病院で死去した。７９歳。大阪市出身。葬儀・告別式は２５日午後１時から
東京都港区赤坂１ノ１４ノ３、日本キリスト教団霊南坂教会で。喪主は妻、豊（とよ）さん。

　東大在学中、三浦朱門氏らとともに同人誌を創刊した。大阪の朝日放送で
ラジオ番組のプロデューサーなどを務めた後、退職して文筆業に専念。「サッちゃん」の
作詞をはじめ、ドラマやミュージカルの脚本、童謡、小説、詩など、さまざまな分野で活躍した。

　ラジオドラマ「花子の旅行」で久保田万太郎賞を受け、１９７５年には母親の
最期を描いた「土の器」で芥川賞を受賞した。他の主な作品に「
海道東征」（川端康成文学賞）、「わが小林一三」などがある。

　二女は元宝塚歌劇団トップスターで、女優の大浦みずきさん。

（共同）

(03/22 13:05)

痛み分けの賠償命令が確定　接待記事で本多氏と岩瀬氏

　元朝日新聞記者の本多勝一氏らがリクルートからスキー旅行の接待を受けたと
報じたジャーナリスト、岩瀬達哉氏の記事をめぐり、互いが損害賠償を求めた訴訟で、
最高裁第三小法廷（浜田邦夫裁判長）は２２日、双方の上告を退ける決定をした。

　本多氏は２００万円、岩瀬氏が計１７６万円をそれぞれ相手側に支払うよう命じた
両者痛み分けの二審東京高裁判決が確定した。

　二審判決によると、岩瀬氏は講談社の雑誌「Ｖｉｅｗｓ」（休刊）１９９７年１月号の記事や
単行本で、朝日新聞社の幹部がリクルートの接待を受け、格安で岩手県のスキー場に
旅行をしたと指摘し、参加者名は肩書やイニシャルで表記。

　本多氏は雑誌記事で岩瀬氏を「人類最低の、真の意味で卑しい職業の連中」などと批判した。

　二審判決は、岩瀬氏の記事には一部誤りがある一方で、本多氏の反論記事も
名誉棄損に当たると判断していた。（共同）

(03/22 20:11)

前登志夫さんら芸術院賞に８氏　３氏に恩賜賞
2005年03月24日23時23分

　日本芸術院（三浦朱門院長）は２４日、芸術活動で顕著な業績があった人に
贈る日本芸術院賞の今年の受賞者を発表した。詩歌の前登志夫さん（７９）ら
８人が選ばれた。洋楽の内田光子さん（５６）ら３人には恩賜賞も贈られる。
授賞式は６月２０日に東京・上野の日本芸術院会館で行われる。受賞者と
受賞対象となった作品や業績は次の通り。◎は恩賜賞受賞者。（敬称略）

　【第１部（美術）】

▽詩歌

　◎前　登志夫（まえ・としお＝本名・前登志晃）７９歳。歌集「鳥総立」をはじめとする長年の短歌における業績

雑記帳：
雪のラブレター最優秀賞に徳島の田中久子さん
　◇山形県尾花沢市の「第４回雪のラブレター」の入賞作品が決まり、
俳句、恋文の両部門計３５５９点の応募から、最優秀賞は俳句が
徳島県勝浦町の田中久子さん、恋文が福岡市博多区の菜美さん（ペンネーム）の作品に決まった。

　◇豪雪地帯を逆手に市をアピールするのが狙い。田中さんの句
「雪の道　ぶっきらぼうな　手を借りる」は、その後の恋の行方に
誰もが心動かされると評価された。

　◇恋文は「雪を素直に喜べない年になった。回りもみんなそう。
そんな中、あなたは、言ったよね。『やった、雪だ！』この人を好きになって良かった。
そう思ったけど、今はまだ秘密」。熱い思いに雪解けも進みそう。【松沢康】

毎日新聞　2005年3月24日　18時00分

【社告】産経児童出版文化賞　５月５日発表

　「子供たちに優れた本を与えよう」との趣旨で制定され、今年で第５２回を迎えます。
受賞作品は、５月５日の「こどもの日」に産経新聞紙上で発表します。

　【選考対象】昨年１月１日から１２月３１日までに初版で発行された児童向け図書（学習参考図書は除く）

　【対象作品点数】４２５２点

　【選考方法】選考委員が有識者からの推薦と出版社の自薦図書を参考資料として各賞を決定

　【賞】▽大賞（１点）＝出版社にブロンズ像。著者、訳者、編者のいずれかに
副賞５０万円と記念品▽ＪＲ賞（１点）＝出版社に記念品。著者などに副賞３０万円と
記念品▽賞（５点）＝出版社に記念品。著者などに盾、副賞１０万円
▽その他の賞＝美術賞（１点）、フジテレビ賞（１点）、ニッポン放送賞（１点）、推薦（１０点）

「博士の愛した数式」の小川さんらに出版賞　日本数学会
2005年03月29日21時49分

　日本数学会（理事長・森田康夫東北大教授）は、数学の魅力を伝える出版に
尽力した人をたたえる出版賞を初めて制定し、東京都内で３０日まで開催中の
年会で５件９人の受賞者を発表した。

　小説「博士の愛した数式」を書いた作家の小川洋子さん、長く数学の雑誌と書籍に
携わってきた編集者の亀井哲治郎さんら、受賞者には数学の専門家でない人が多く含まれた。

　森田理事長は「数学が専門化しすぎて、一般の人はもとより、理系の人にも
わかりにくくなっている。数学のおもしろさを巧みに引き出せる人を応援したい」と話す。

　ほかの受賞者は次のみなさん。（敬称略）▽「インド数学研究」を出版した
楠葉隆徳、林隆夫、矢野道雄▽「分数ができない大学生」を出版した岡部恒治、戸瀬信之、
西村和雄▽多くの数学啓発書を執筆した志賀浩二

日本絵本賞：
大賞を受賞した中川ひろたかさんらを表彰
　第１０回日本絵本賞（全国学校図書館協議会・毎日新聞社主催、山田養蜂場特別協賛、
図書印刷・旭洋紙パルプ・ウィズコーポレーション協賛）の表彰式が２９日、
東京・一ツ橋の毎日ホールで行われた。絵本大賞を受賞した「ないた」の著者、
中川ひろたかさん、翻訳絵本「エリカ　奇跡のいのち」で翻訳絵本賞を受賞した
柳田邦男さんら受賞者が出席し、賞状、トロフィーなどが贈られた。

毎日新聞　2005年3月29日　19時32分

丸山豊記念現代詩賞に森崎和江さんの「ささ笛ひとつ」
2005年03月30日22時35分

　福岡県久留米市ゆかりの詩人、丸山豊（１９１５〜８９）の功績をたたえ、
優れた現代詩に与えられる「第１４回丸山豊記念現代詩賞」（同実行委主催）に
同県宗像市の作家で詩人の森崎和江さん（７７）の詩集「ささ笛ひとつ」が選ばれ、
３０日、発表された。５月１４日に久留米市の石橋文化会館で贈呈式と森崎さんの記念講演がある。

　同賞は昨年１年間に国内で発刊された詩集、詩書約２００点を対象に、詩人の
清水哲男さんらが選考委員をつとめた。副賞として１００万円が贈られる。

　「からゆきさん」（朝日新聞社）などの著書でも知られる森崎さんは、丸山が
主宰した詩誌「母音」の同人だった。「丸山先生には言葉に言い尽くせぬ恩恵に
あずかりました。心の底から師と仰ぐお人柄でした」との受賞コメントを寄せている。

　森崎さんは、３月まで連載された本紙（西部本社発行）のコラム「ちょっと深呼吸」の
筆者の一人だった。

谷川俊太郎氏に中国の文学賞　外国人で初

　詩人の谷川俊太郎さん（７３）が北京で２９日、中国内外の文学作品を対象とした
「二十一世紀鼎鈞双年文学賞」を外国人として初受賞した。

　受賞作品は、谷川俊太郎さんの詩集を中国語に翻訳した「谷川俊太郎詩選」
（中国河北教育出版社）で、谷川さんがこれまでに発表した代表的な詩を、中国の詩人の田原さんが選び、翻訳した。

　同賞選考委員会は、授賞理由について「人の生死、出会いと別れといった
テーマを独特の手法で描いており、平易な表現の中に込められた思想は深い」
（陳暁明・北京大学教授）と説明。谷川さんは「海外の作家や詩人も対象とさ
れていることに、文化大革命後の開かれた中国の姿勢を感じた」と喜びを表した。

　２年に１回の同賞は２００３年に新設され、今回が２回目。国内の文学者や
評論家が選考委員を務めている。

（共同）

ハリポタ第６作、米の初版は史上最高１０８０万部


　【ニューヨーク＝大塚隆一】英語圏では７月１６日に発売されるベストセラー小説
「ハリー・ポッター」シリーズの第６作「ハリー・ポッターと混血のプリンス（仮題）」について、
米国の出版社スコラスティックは３０日、初版を１０８０万部刷ると発表した。予約が
殺到しているためという。

　米国のハードカバー書籍の初版部数としては史上最高。従来の記録は
前作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の６８０万部だった。同シリーズは
６２の言葉に訳され、世界で計２億５０００万部が売れている。

(2005/3/31/20:08　読売新聞　無断転載禁止)

若山牧水記念文学館がオープン　宮崎県東郷町

　歌人、若山牧水の資料を展示する「若山牧水記念文学館」（伊藤一彦館長）が１日、
故郷の宮崎県東郷町にオープンした。今年は牧水生誕１２０年に当たり、
同町は「牧水研究の拠点になれば」と期待している。

　牧水は明治・大正期に活躍。酒と旅を愛し、「幾山河越えさり行かば寂しさの
終てなむ国ぞ今日も旅ゆく」などの歌で知られる。

　同館は県産材のスギやヒノキを用いた木造平屋で、延べ床面積は約７６０平方メートル、
総工費約３億円。同町の牧水記念館の老朽化が進んだため、生誕１２０年に合わせ新築した。
昨年５月から改修を進めてきた生家の公開も再開した。

　記念文学館は３つの展示室を設け、第１展示室に直筆の掛け軸や原稿、
愛用品など約２５０点の所蔵品のうち、約１３０点を展示。展示品は半年に
１回の割合で入れ替える。他の２つの展示室では同町出身の詩人高森文夫や
若山牧水賞受賞者を紹介する。（共同）

(04/01 10:30)

活字文化振興は国の責務
　超党派の「活字文化議員連盟」（２８４人。代表幹事・河村建夫前文部科学相ら）は
３１日午前、国会内で総会を開き、「文字・活字文化振興法」の骨子案をまとめた。

　文字・活字文化の振興・推進は国や地方自治体の責務と明記し、利用しやすい
図書館づくりなどの環境整備を求めている。国民の活字離れを深刻に受け止め、
「総合的な施策の推進により、知的な国民生活と文化の薫り高い社会の形成に
寄与」しようというものだ。今国会に提出し、成立を目指す方針だ。

　法案は、「すべての国民が居住地域や身体上の条件などにかかわらず、
豊かな文字・活字文化の恵沢を平等に享受できる環境整備を進めること」を
基本理念としている。国や地方自治体には、連携して文字・活字文化の
振興・推進に関する施策を策定し、実施する責務があるとした。

学校教育については、「読む力、書く力、調べる力を育成する教育の充実を図る」とし、
そのため教育方法の改善や教職員の資質、能力向上のための施策を国・地方自治体が
講ずるよう求めている。

　また、利用しやすい学校図書館づくりを目指し、司書教諭の配置や図書資料の充実など、
人と物の両面の整備に取り組むこととした。

　このほか、学術的価値のある出版物の普及に向けた施策や文字・活字文化振興のための
財政上の措置を政府に求めている。

　活字議連はまた、同法に基づいて進めるべき具体的な目標施策を
「法施行に伴う施策の展開」としてまとめた。

　政治、行政、民間が連携して〈１〉地域における文字・活字文化の振興
〈２〉学校教育に関する施策〈３〉出版活動への支援――に取り組むとしている。
具体的には、乳幼児期から本に親しませる「ブックスタート」の普及・支援や学校での
読書の時間の確保、教員養成課程への「図書館科」「読書科」の導入などを提案。
著作物再販売価格維持制度の維持なども求めている。

◆文字・活字文化振興法骨子案の主な内容

　▽国は、文字・活字文化の振興に関する施策を総合的に策定・実施する
責務を有する

　▽地方自治体は、国との連携を図り、地域の実情を踏まえ、文字・活字文化の
推進に関する施策を策定・実施する責務を有する

　▽国・地方自治体は、公共図書館が広く住民に利用される環境整備を図るため、
必要な施策を講ずる

　▽国は、学術的価値のある出版物の普及を図るため、必要な施策を講ずる

(2005年3月31日 読売新聞 無断転載禁止)

三島由紀夫：
「会計日記」、学生時代の行動克明に　

　昭和を代表する作家、三島由紀夫（１９２５〜７０）の４６〜４７年の日記が２日から、
山梨県山中湖村の三島由紀夫文学館で公開される。三島の日記が見つかったのは
初めて。文学者を志す若き日の行動が細かく記述され、愛憎相半ばした太宰治との
接触や代表作「仮面の告白」に登場する“運命の女性”との再会など、三島文学の
核心に触れる内容に満ちている。

　この日記は、「会計日記」と名付けられた１冊の大学ノートで、万年筆で記されていた。
同館が９６年に三島家から入手した資料の中に含まれていた。４６年５月１１日から、
高等文官試験（国家公務員１種試験）に合格した直後の４７年１１月１３日に及んでいる。
当初は金銭出納帳だったが、次第に行動メモになった。

見た映画や芝居の入場料、買った本の値段、友人と飲んだコーヒー代、
もらった原稿料などが克明に記されている。当時、三島は東京大法学部に在学中。
４６年６月には川端康成の推薦で短編「煙草（たばこ）」を雑誌に発表し、
本格的なデビューを飾った。金銭の収支記録の背景には、筆で生活していけるかどうかを
確かめる意図もあったらしい。

　三島と太宰が４６年に会ったことはわかっていたが、初めて１２月１４日であることが
確定できた。三島の知人の家に太宰と評論家・亀井勝一郎を招いた。これは、
太宰研究にも一石を投じそうだ。【米本浩二】

　三島文学に詳しい佐藤秀明・近畿大教授の話　三島の青春の一時期が
細部までうかがえる。観念的な作り物と思われる三島文学が、
意外に現実から素材を得ていることがわかり、きわめて貴重な資料だ。


毎日新聞　2005年4月2日　3時00分

三島由紀夫：
三島日記まるで家計簿　文筆生活可能か検証？
　徹底して人工的な虚構を築き、華麗で美しい小説を残した三島由紀夫の日記が
初めてみつかり、公開される。豪華絢爛（けんらん）な“人工物”のイメージが
強い三島文学だが、日記の記述は即物的な態度が貫かれており、作品と日記の対照は、
三島作品の読み直しを迫りそうだ。

　日記は、まるで家計簿のように、個々の支出とともにその累計も記され、
冷徹に事実と数字が並んでいる。たとえば、４６年６月１８日の記述はこんな具合だ。
「電車賃１．００、日刊スポーツ０．５０、カルピス２杯１０．００」

　支出は日ごとにトータルでも示されている。支出の単年累計は日記をつけ始めてから
４６年末までに２８４２円３０銭。４７年の日記の終了までには１万３３６６円５０銭になっている。
佐藤秀明・近畿大教授によると、現在に換算すると１５０〜２００倍になるという。

同年代の若者の支出と比べて破格に多く、三島が決して倹約するために、
この日記をつけたのではないことがわかる。

　三島由紀夫文学館（山梨県山中湖村）の工藤正義・学芸室長は「原稿料で
生活できるかどうかを検証するため、どれぐらい使うかを知りたかったのではないか」と
指摘する。そして、検証の結果、これでは生活できないと大蔵省に
勤務することを決めたのでは、と推測する。

　一方、日記は三島文学の成立事情も雄弁に物語る。「仮面の告白」には
「園子」という女性が主人公の「私」と濃密にかかわる。「私」は「園子」と交際するが、
「私」の拒絶に彼女は別の男と結婚する。その後、二人は偶然に再会する。

　日記から、三島が「園子」のモデルになった女性と４６年９月１６日に再会したことが
わかった。私小説嫌いで知られる三島だが、小説と事実の意外な符合は、創作の秘密をうかがわせる。

　この日記の一部は２３日から６月５日まで、県立神奈川近代文学館（横浜市）で
開かれる「三島由紀夫　ドラマティックヒストリー」展でも公開される。【米本浩二】

毎日新聞　2005年4月2日　3時00分

国宝「古今和歌集巻第二十」を展示　高知・県立文学館

　高知県が昨年、旧土佐藩主の山内家から７億円で購入した国宝「古今和歌集巻第二十」
（高野切本（こうやぎれぼん））など、山内家の宝物を展示する特別展が２日、
高知市の県立文学館で始まった。５月２９日まで。

　高野切本は古今和歌集の最古の写本で、平安時代に書かれ、高野山に伝えられていたもの。
全長約２・６メートルの巻物で、２９首の和歌がつづられている。完全な形で現存するのは、
巻第二十など３巻のみという。

　特別展ではこのほか、これまで山内家から県に寄贈された約６万６０００点の資料の中から、
南北朝時代の太刀や徳川家康が山内一豊に送った礼状など約６０点を展示。

　財政難の県が高野切本を購入したことには賛否両論があったが、見学した高知市の主婦（６８）は
「平安時代にこういう素晴らしい和歌や文字があったことは、後世に伝えるべきだ。県の
購入はよかったと思う」と話していた。（共同）

(04/02 11:30)

詩の入り口示す新文庫
　詩書の専門出版社である思潮社が「詩の森文庫」を創刊した。
クリティック、エッセー、ポエムの３部門があり、一気に１０冊を配本した。
吉本隆明、谷川雁、埴谷雄高などの詩論の集成や、名著の新編集がある一方で、
野村喜和夫の『現代詩作マニュアル』のような新著もある。共通するのは
「よき入門こそよき専門に通じる」という姿勢。定評ある「現代詩文庫」に
並ぶシリーズに育てたいとしている。

(2004年12月27日 読売新聞 無断転載禁止)

鷲谷七菜子さんの句集「晨鐘」、蛇笏賞に決定

　第３９回蛇笏賞（角川文化振興財団主催）の選考会が４日開かれ、
鷲谷七菜子（わしたに・ななこ）さん（８２）の句集「晨鐘（しんしょう）」（本阿弥書店刊）に決まった。

　鷲谷さんは大阪府生まれ。山口草堂に師事し、俳誌「南風」主宰を長く務めた。
副賞は１００万円。贈呈式は６月２０日、東京・丸の内の東京会館で。

(2005/4/4/20:38　読売新聞　無断転載禁止)

「Ｈａｃｈｉｋｏ」絵本、米から逆輸入…秋田でも好評

　忠犬ハチ公を描いた米国人女性の絵本が邦訳され、
「Ｈａｃｈｉｋｏ――心に生きつづけるハチ公――」（フレーベル館刊）として出版された。

　絵本は、日本で知られたハチ公の物語を、新たな登場人物を通して紹介。
出版社は「海外で紹介された日本の物語が逆輸入された珍しいケース」と話し、
ハチ公の生まれ故郷・秋田県大館市では「物語が新鮮な形で読める」と好評だ。
　絵本の原作は、カリフォルニアの女性絵本作家パメラ・ターナーさん。
絵は画家ヤン・ナッシンベンネさんが担当し、２００４年５月に米国内で出版された。
ターナーさんは、東京で暮らした経験があり、渋谷駅のハチ公像が帰らぬ主人を
待ち続けた秋田犬の実話に由来することに感動。「アメリカの人たちに紹介したい」と執筆した。
　ターナーさんは、少年ケンタロウという架空の人物を登場させて、物語を展開する。
ケンタロウはハチ公に昼ご飯を与える仲になる。飼い主の上野英三郎・東京帝大教授の
急逝後もじっと待ち続けるハチ公の姿や、改札口を行き来する人々の温かいまなざしなどを、
ケンタロウの視点を通して描き出している。
　Ｈａｃｈｉｋｏ日本語版は、昨秋から準備が進められ、表紙は日本人イラストレーターが
今の渋谷を描いた。編集を担当したフレーベル館の天野誠さんは「主人を１０年間も
待ち続けた犬がいて、人々も温かく見守るほのぼのとした時代があったことを感じてほしい。
外国人の目から見たハチ公が新たな感動を与えてくれるはず」と話している。
　１０５０円。問い合わせは同社（０３・５３９５・６６１３）へ。
(2005/4/4/15:00　読売新聞　無断転載禁止)

＜寺山修司賞＞伊藤一彦さん受賞　葛原妙子賞は今野寿美さん

　男性歌人が対象の第１０回寺山修司短歌賞（砂子屋書房主催）が
伊藤一彦さん（６１）の歌集「新月の蜜」（雁書館）に決まり、４日発表された。
また新設された女性歌人対象の第１回葛原妙子賞（同書房主催）は、
今野寿美さん（５２）の「龍笛」（砂子屋書房）に決まった。
（毎日新聞） - 4月4日19時28分更新

向田邦子賞に大森美香さん脚本の「不機嫌なジーン」

　優れたテレビドラマの脚本に贈られる「第２３回向田邦子賞」
（向田邦子賞委員会、東京ニュース通信社主催）に大森美香さんの
「不機嫌なジーン」（フジテレビ）が４日、選ばれた。

　清潔でリズミカルなセリフで遺伝子という科学的なテーマに挑戦した点が評価された。

　大森さんは３３歳。フジテレビ社員を経て、１９９８年に脚本家デビュー。
主な作品にドラマ「君はペット」、映画「インストール」など。

(2005/4/4/23:15　読売新聞　無断転載禁止)

講談社出版文化賞に木内達朗氏ら

　第３６回講談社出版文化賞が５日決まった。受賞者は次の通り。（敬称略）

　▽さしえ賞＝木内達朗「月の光」（「小説すばる」掲載、作・重松清）など
▽写真賞＝長倉洋海「ザビット一家、家を建てる」（偕成社）
▽ブックデザイン賞＝渡邉良重「ブローチ」（リトル・モア、文・内田也哉子）
▽絵本賞＝Ｇ・Ｄ・パヴリーシン・絵、神沢利子・作「鹿よ　おれの兄弟よ」（福音館書店）
▽第２１回科学出版賞＝桑村哲生「性転換する魚たち」（岩波書店）

　副賞各１００万円。贈呈式は５月２４日午後６時、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで。

(2005/4/5/19:44　読売新聞　無断転載禁止)

新一筆啓上賞、今年のテーマは「愛」
　福井県丸岡町は５日、日本一短い手紙のコンクール「新一筆啓上賞」の
今年のテーマを「愛」と発表した。

　往復書簡形式で、それぞれ句読点を含めて４０文字以内。前回まで
２５文字以上となっていた最低字数制限は廃止した。同町は「短くても思いが
伝わってくる作品を期待したい」としている。

　締め切りは１０月１１日（当日消印有効）。問い合わせは、同町文化振興事業団内の
新一筆啓上賞「愛」係（０７７６・６７・５１００）。
ホームページ（ｈｔｔｐ：／／ｍａｒｕｏｋａ‐ｆｕｍｉ．ｊｐ／）からも応募用紙をダウンロードできる。

(2005/4/5/12:30　読売新聞　無断転載禁止)

迢空賞に小池光氏の歌集「時のめぐりに」

　第３９回迢空賞（角川文化振興財団主催）の選考会が５日開かれ、
小池光氏（５７）の歌集「時のめぐりに」（本阿弥書店）が選ばれた。
小池氏は宮城県生まれ。「短歌人」編集人。

　副賞１００万円。贈呈式は６月２０日午後５時、東京・丸の内の東京会館で。

(2005/4/5/19:41　読売新聞　無断転載禁止)

２００５年本屋大賞に恩田陸さんの「夜のピクニック」

　全国の書店員の投票で、最も客に薦めたい小説を選ぶ「２００５年本屋大賞」
（同実行委主催）に５日、恩田陸さんの「夜のピクニック」（新潮社）が選ばれた。

　次点は荻原浩さんの「明日の記憶」（光文社）。２６９人が投票に参加し、
昨年１１月末までの１年間に出版された日本の小説を対象に順位を付けた。

(2005/4/5/21:24　読売新聞　無断転載禁止)

米国のノーベル賞作家ソール・ベローさん死去
2005年04月06日11時20分

　現代アメリカを代表する作家でノーベル文学賞受賞者のソール・ベローさんが５日、
マサチューセッツ州ブルックラインの自宅で死去した。８９歳だった。ロイター通信は
自然死と伝えている。

　帝政ロシアからカナダに移住したユダヤ人の家庭に生まれ、少年期にシカゴに移った。
つの長編小説を発表した後、「オーギー・マーチの冒険」（５３年）「ハーツォグ」（６４年）で
全米図書賞を受賞。ヘミングウェー、フォークナーらに続く米国を代表する作家として一躍注目された。

　７６年、ノーベル文学賞を受賞。時代を観察する目の鋭さと、独特のユーモアがにじむ
作品で、米文学界きっての知性派として知られた。新奇な文体や実験小説を嫌い、
伝統的小説形式の擁護者・実践者であり続けた。

　作品はほかに「雨の王ヘンダソン」「フンボルトの贈り物」（ピュリツァー賞）など。
６０年代の若者の反乱と都市の荒廃を描いた「サムラー氏の惑星」で、３度目の
全米図書賞をとったが、一方で反動主義、性差別者との非難も浴びた。００年、
保守の論客をモデルにした小説「ラベルスタイン」を発表した。７２年に来日している。

新田次郎文学賞に中村彰彦さん
2005年04月08日20時51分

　第２４回新田次郎文学賞（新田次郎記念会主催）の選考会が８日開かれ、
中村彰彦さんの「落花は枝に還らずとも――会津藩士・秋月悌次郎」
（上下、中央公論新社）が選ばれた。賞金１００万円。授賞式は５月３１日
午後６時から、東京・丸の内の東京会館で。

雨情の晩年の未発表作、親族が確認　釧路の情景よむ
2005年04月07日22時23分

　「七つの子」や「青い眼の人形」などの作詩で知られる民謡・童謡詩人、
野口雨情（１８８２〜１９４５）が晩年、北海道釧路市の友人に贈った屏風（びょうぶ）に
書かれていた連詩が、本人の直筆で未発表作品であることを雨情の孫が７日、
確認した。「没後６０年の今年出会えるなんて夢のよう」と喜んでいる。

　釧路市立図書館が所蔵する高さ１．３７メートル、幅３．１８メートルの屏風で、
釧路湿原や街の情景などが七七七五調でよまれている。
「昭和十五年九月上旬　雨情々仙」と記され、印も押されていた。

　雨情は茨城県生まれで上京後、１９０７年に北海道に渡り、帰京するまでの約２年間、
記者として小樽の新聞社などに勤めた。晩年、新聞社時代の同僚だった大槻豊氏を
釧路に訪ねた際、この屏風に詩を書いて贈ったらしい。大槻氏の死後、
家族が９４年に釧路市に寄贈した。

雨情の孫で「野口雨情生家・資料館」（茨城県北茨城市）の野口不二子代表（６１）が
鑑定した。野口さんによると、晩年の特徴である良寛をまねた字体が見られ、
「雨情」の後に「情仙」と続けるのは納得のいく作品の証しだという。

　雨情研究で知られる岐阜市の伊奈波神社宮司、東道人さん（５７）は
「作品はおそらく小唄で、求めに応じてつくったものだろう。貴重な資料だ」と話している。

　　　　　　◇　　　　　　◇

　確認された連詩は次の通り。

　駒は嘶（いなな）く釧路の平野鶴も来て舞ふ春採湖（はるとりこ）

　遠く雄阿寒群立つ雲は釧路平野の雨となる

　釧路いとしや夜霧の中に月もおほろにぬれて出る

　知人（ちりと）岬の波うちきはを啼（な）いて渡るは磯千鳥

　山は遠いし野原はひろし水は流るる雲はゆく

椋鳩十文学賞：
岩手のやえがしなおこさんが受賞
　第１５回椋鳩十児童文学賞（鹿児島市など主催）に８日、岩手県北上市の主婦、
やえがしなおこ（本名・寺内直子）さん（４０）の「雪の林」（ポプラ社）が選ばれた。
岩手の野山を舞台に人と自然、動物が織りなすドラマを描いている。
「宮沢賢治をほうふつとさせる描写。伸びやかな個性が、自然や生き物たちを
活躍させている。椋鳩十生誕１００周年にふさわしい」と評価された。

　賞は鹿児島にゆかりの深い椋鳩十（１９０５〜８７年）を記念し、昨年の
新人作家の初刊行本が対象。今回は４１点の応募があった。

毎日新聞　2005年4月8日　19時30分

「人生いろいろ」作詞、中山大三郎さんが死去

　「人生いろいろ」や「珍島物語」などのヒット曲で知られる作詞・作曲家の
中山大三郎（なかやま・だいざぶろう）さんが７日午前０時３分、
中いん頭がんのため亡くなった。６４歳だった。

　告別式は１２日正午から、東京都港区芝公園４の７の３５増上寺光摂殿。
喪主は妻、三佐子さん。

　大学時代に作詞家の星野哲郎さんに師事。レコード会社の専属を経て、
フリーとなり、島倉千代子さんの「人生いろいろ」の作詞や、天童よしみさんの
「珍島物語」の作詞、作曲などを手掛けた。１９９９年にがんを公表していた。

(2005/4/7/13:53　読売新聞　無断転載禁止)

現代詩手帖賞：廿楽順治さんと永澤康太さんに

　現代詩手帖賞（思潮社主催）が、廿楽（つづら）順治さんと永澤康太さんの
２人に決まった。雑誌『現代詩手帖』への投稿作品が対象で過去に受賞者から
多くの著名詩人を輩出している。廿楽さんは６０年生まれ。神奈川県横須賀市
在住。永澤さんは８３年生まれ。東京都杉並区在住。


毎日新聞　2005年4月7日　東京夕刊

俳誌「ホトトギス」、１０８年かけ創刊１３００号
2005年04月09日23時26分

　１８９７（明治３０）年１月に創刊された俳誌「ホトトギス」（稲畑汀子主宰）が
１０８年４カ月かけて、この４月号で１３００号を迎えた。９日、東京・高輪の
ホテルでその祝賀会が開かれた。

　祝賀会には、有馬朗人元文相らも顔を見せ、大広間を約１０００人の関係者が
埋めた。前日は、同誌を育てた高浜虚子の４７回忌、虚子の孫で本紙「朝日俳壇」の
選者でもある稲畑主宰は「俳句は極楽の文学。日本文化としてこれからも守り続ける」と
あいさつ。１４００号への新たなスタートを誓った。

栗本薫の大河小説「グイン・サーガ」が１００巻達成
2005年04月09日21時03分

　１シリーズの小説で１００巻目刊行というけた外れの記録が生まれた。
栗本薫さんの英雄ファンタジー「グイン・サーガ」（ハヤカワ文庫）だ。２６年かけての
金字塔を記念して、９日に東京都内で祝賀会が開かれ、ファンら約６００人が集まった。

　同作はパロ、ケイロニア、モンゴールといった国々が群雄割拠し、「三国志」さながらの
権謀渦巻く乱世に、出生の記憶を失った豹（ひょう）頭人身の戦士「グイン」が戦いを
繰り広げる英雄冒険絵巻。２０００人に及ぶという登場人物の描写を通じて愛や
友情、夢をなども描く群像劇だ。
　この日の「大祝賀祭」では、栗本さんが作品執筆の刺激を受けたという
ＳＦ作家高千穂遙さん、ＳＦ・ファンタジー評論家の小谷真理さんとトーク。
「今、思うとあっけなかった。するすると気持ちよく書いてきた。三国志や水滸伝が好きで、
基本に中国の古典がある。シェークスピアや黒沢明、歌舞伎の要素もある」と栗本さん。
すでに１０３巻まで書き上げていることも明かした。
　１００巻累計で、４００字詰め原稿用紙で４万枚分、出版部数は２６００万部を超えたという。
０４年にギネスブックの「最も長い小説」の新記録として申請した。英訳で当時の
ギネス記録だったプルーストの「失われた時を求めて」の約３倍の文字数があったが、
「１冊にまとまっていない」と認められなかったという。

発行５７年の童謡作詞研究誌、編者の急逝で幕
2005年04月09日15時27分

　「かわいい魚屋さん」などの作詞で知られる故・加藤省吾さんが選者を務めたこともある
童謡作詞研究誌「おてだま」が廃刊することになった。５７年にわたり山形から童謡文化を
継承し続けた作詞家の結城ふじをさん＝本名・芙二男＝が亡くなったための、
苦渋の選択だった。全国でも珍しい月刊誌の廃刊に、惜しむ声はやまない。

　「おてだま」は、ふじをさんの兄・よしをさん＝同・芳夫＝が３７（昭和１２）年に創刊したが、
軍の召集を受けて書き手がいなくなり１度は自然と廃刊した。戦死した兄に代わり、
ふじをさんが復刊させたのは４８年。以来、山形市の自宅を編集部にし、１人で発行を続けてきた。

　そのふじをさんが２月、肺がんのため７９歳で急逝。全国約１００人の読者からは存続を求
める声が強かったが、「主人が亡くなったいま、潔く廃刊するのがいい」と妻のきみ子さん（７８）が決断した。

読者の１人、小黒恵子・日本童謡協会常任理事は「長い時間をかけ、
童謡の世界のすそ野を広げてきた人。おてだまから育った多くの人が、
童謡界で活躍している。その育ての親を亡くして非常に残念」と悲しむ。

　最終号となる６６５号は、きみ子さんが編集し、発送作業にとりかかっている。
職場の国鉄で知り合い、晩年は作詞に役立つようにと出無精のふじをさんを新緑や
紅葉のきれいな蔵王高原などに連れて行ったパートナー。「夫ががっかりしないような
最終作ができた」という。問い合わせはおてだま詩謡社（０２３・６３１・６９５２）へ。

＜訃報＞北原政吉さん９６歳＝詩人

　北原政吉さん９６歳（きたはら・まさよし＝詩人）７日、老衰のため死去。
葬儀は１３日午前１０時、千葉県佐倉市大蛇町７９０の４のさくら斎場。
自宅は同県四街道市大日３３５の６。喪主は長男汎（ひろし）さん。
詩集に「笙子」や「華麗島詩月紀行」など。
（毎日新聞） - 4月9日18時22分更新

獄中の夫との往復書簡１４１通を出版　加藤登紀子さん
2005年04月11日17時12分

　歌手の加藤登紀子さん（６１）が、夫の藤本敏夫さんとの往復書簡集
「絆（きずな）」（藤原書店）を出版した。「知床旅情」が７１年に大ヒットした加藤
さんが、「全学連」の元委員長で服役中だった藤本さんと７２年５月に「獄中結婚」して
以来約２年半、１４１通の手紙を出しあった。藤本さんの出所後はほとんど
見返すこともなかったが、０２年７月に藤本さんが５８歳で亡くなり、「二人の
生きた証しを残したい」と、ほぼ３０年ぶりに全容を公開することにした。

　書簡集には、まだ３０歳前後だった２人が、日々悩みながら手紙という細い糸を
通じて向き合った過程が再現されている。

　服役中、藤本さんは読書を重ね、食と農の問題を一生の課題と思い定めた。
加藤さんは夫との接見のため刑務所に通いながら７２年暮れ、長女を出産。
一度は歌を捨てる決意をしたが、なお思い断ちがたく、再び歌手の道を歩き始めた。

出版は、夫の遺稿を出版したい、と加藤さんが０４年春、藤原良雄・藤原書店社長（５６）に
相談したのがきっかけ。「ほかに未発表の文章は」と尋ねられ、手紙を思い出した。
藤原さんは「貴重な記録。全部載せましょう」。歌手デビュー４０周年を記念しての出版は、
夫の遺稿と往復書簡で計５２０ページの大著となった。

　７２年暮れ、加藤さんが長女誕生を電報で知らせると、刑務所の夫から
「美亜子と付けて下さい」と返事がきたやりとりも収録されている。「美しいアジアの子」を
意味する名の長女もいまは３２歳。美亜子さんは「学生運動のリーダーと歌手との
獄中結婚、そのかすがいとなった私。ドラマチックすぎる事実を、自分と結びつけて
考えられなかった。その時の２人と同世代になった今、読んでおきたいとの
思いがわいた」とあとがきに記している。

　死別して３年。夫が書き残した文章を出版し、やり残した農業や環境問題の
活動を継ぐことは「いまここにいない夫との対話の続き」だと加藤さん。
「獄中の夫に手紙を書き送り、ともに生きていることを実感しようとしたあのころと、
今はよく似ている」と語る。

大宅壮一ノンフィクション賞、稲泉連氏と高木徹氏に
2005年04月12日20時36分

　第３６回大宅壮一ノンフィクション賞（日本文学振興会主催）の選考会が１２日開かれ、
ノンフィクションライター稲泉連氏（２６）の「ぼくもいくさに征（ゆ）くのだけれど」（中央公論新社）と、
ＮＨＫディレクター高木徹氏（３９）の「大仏破壊」（文芸春秋）に決まった。賞金１００万円。
贈呈式は６月１６日午後６時から東京・内幸町の帝国ホテルで。

　「ぼくも…」は、２３歳で戦死した詩人竹内浩三の繊細な感性や素顔を浮き彫りにした。
「大仏破壊」は、バーミヤンの大仏破壊とタリバーンの関係に迫った。

島田洋七「佐賀のがばいばあちゃん」が映画化

　漫才師の島田洋七（本名・徳永昭広）さん（５５）が貧しさの中、
明るくたくましい祖母と佐賀で過ごした少年時代をつづった本
「佐賀のがばいばあちゃん」が映画化されることになり、佐賀市で撮影が始まった。

９００年前の色彩を復元　源氏物語絵巻６巻を公開

　平安時代後期の１２世紀前半に描かれた国宝「源氏物語絵巻」の復元作業を進めていた
徳川美術館（名古屋市東区）で１５日、新たに完成した模写６図が報道陣に公開された。
これで同美術館所蔵の絵巻１５図すべての復元が完了した。１５図とも１６日から５月２２日
まで一般公開される。
　６図は「蓬生」「関屋」「柏木一」「竹河二」「宿木一」「東屋一」。
　１５図すべてをエックス線や蛍光反応で画像をとらえる最先端の技術で分析。
肉眼では見えない文様やはく落部分を再現し「制作当時の姿にほぼ１００パーセント近づけた」
（同美術館）という。
　「柏木一」は、女三の宮の出家を嘆く源氏、朱雀（すざく）院と女三の宮だけが白、黒のモノトーンで、
華やかな宮廷と３人の悲しみの対比を狙った技巧が施されていたほか、「蓬生」のはく落した庭部分には
イネ科の植物などが青々と描かれていたことが分かった。
　これまで銀が変色したと考えられていた紫色は、蘇芳（すおう）という赤系の染料による着色と判明。
昨年復元が完成した「柏木二」に使われており、夕霧の紫色の直衣（のうし）が赤に白の衣を重ねる
「桜襲（さくらがさね）」を忠実に表現したものだった。（共同）(04/15 20:49)

高田渡さんが死去　６０年代フォークの中心

　「自衛隊に入ろう」などで知られるフォーク歌手の高田渡（たかだ・わたる）さんが１６日未明、
入院先の北海道釧路市の病院で死去した。死因は不明。５６歳。岐阜県出身。葬儀・告別式の
日取りなどは未定。
　４月３日のライブの後に釧路市で倒れ、同市内の病院に入院していた。
　１０代から東京で活動を始め、１９６０年代末に京都に移って岡林信康さんらと関西フォークの
中心的存在になった。時事的な話題を皮肉ったり現代詩をメロディーに乗せるなど反逆、
批評精神に富んだ作風。「日本の吟遊詩人」とも呼ばれた。
　７０年代以降は東京・吉祥寺を本拠にした。８０、９０年代には体調を崩したが、２０００年ごろから回復。
０４年には高田さんの日常を追ったドキュメンタリー映画「タカダワタル的」が公開されるなど、
若者にも再評価されていた。

　■フォーク歌手の中川五郎さんの話　高田渡さんは１９６０年代から米国のフォークソングに
日本の詩を結び付けることで、借り物ではない独自の音楽を創造した。現代の暮らしや時代に
目を向けた歌を携え、４０年近くにわたり全国を行脚して続けた高田さんの活動は日本の音楽風土に
しっかりと根付き、多くの歌手に影響を与えた。気さくで優しく、いつも彼の周りには人の輪が
広がっていました。５０代半ばでの早すぎる死はあまりにも残念です。（共同）(04/16 12:31)

俳誌「鷹」主宰、俳人の藤田湘子さんが死去

　俳誌「鷹」主宰で人気俳人の藤田湘子（ふじた・しょうし、本名・良久＝よしひさ）さんが１５日、
胃がんのため亡くなった。７９歳だった。

　葬儀は家族のみで済ませ、後日お別れの会を行う予定。
自宅は横浜市青葉区美しが丘４の５１の９。喪主は妻、和枝さん。

　神奈川県生まれ。１０代で水原秋桜子に師事し、１９５７年、石田波郷の後を継ぎ
「馬酔木」編集長になる。旧国鉄に勤務する傍ら、様々な俳句に学び、かったつな
俳諧性を獲得。６４年に創刊した「鷹」を、俳壇を代表する結社に育てた。２０００年、
句集「神楽」で詩歌文学館賞。ほかの句集に「途上」「狩人」など。日経俳壇選者で、
長く蛇笏賞の選考委員を務めた。
代表句に＜愛されずして沖遠く泳ぐなり＞＜うすらひは深山へかへる花の如＞。

(2005/4/15/19:43　読売新聞　無断転載禁止)

口の絵筆で描く、星野富弘さんの美術館が新装オープン

　四肢まひの障害を乗り越え、口にくわえた絵筆で描く詩画作家星野富弘さん（５８）
（群馬県新里村）の作品を紹介する群馬県勢多・東村の村立富弘美術館が建て替えられ、
１６日開館した。

　鉄筋コンクリート平屋建てで、床面積は従来の２・５倍となり、展示作品と資料は
約１・５倍の計約１００点。デザインは「円」を基本にし、６つの展示室やロビーなど
３３室は直径５〜１７メートルの円形となっている。

　同館は星野さんの出身地である同村に１９９１年、開設された。身近な草花や風景の水彩画に、
日常の一瞬一瞬の感動や発見、喜びを表現した詩を添えた作品が人気を呼び、
入場者は開館以来４７０万人を超えている。施設が手狭になったため、１昨年秋、
約２０億円をかけて旧館隣に着工。旧館は昨年末で閉館した。

　１５日に行われた完成式典であいさつした星野さんは、「ふるさとが夢の場所となった。
花も葉も木の実も丸形が基本。（私の絵も）丸い部屋の中にいるのが一番居心地がいいのでは」と語った。

(2005/4/16/10:46　読売新聞　無断転載禁止)

文化勲章作家の丹羽文雄さんが死去
2005年04月20日10時52分
　肉親の愛憎や現代風俗を描いて流行作家になり、後年は親鸞などを題材に
人間の業を描いた小説家で文化勲章受章者の丹羽文雄（にわ・ふみお）さんが２０日
午前０時２５分、肺炎のため東京都武蔵野市の自宅で死去した。１００歳だった。
近親者のみによる密葬後、後日、日本文芸家協会葬を行う。喪主は長男・直樹さん。
連絡先は千代田区紀尾井町３の２３の同協会（０３・３２６５・９６５７）。

　１９０４年、三重県四日市市の浄土真宗の寺に生まれた。８歳の時に家出した
母への思慕を通しての人間洞察が、のちに創作の強いテーマとなった。早大在学中に
先輩の尾崎一雄の影響で作家を志す。卒業後は生家で僧になるが、生母をモデルにした
「鮎（あゆ）」で注目され、２８歳で上京した。

「海面」「甲羅類」などのマダムもの、「若い季節」などの都市風俗ものを次々に書き、
流行作家となった。戦時中は「海戦」など時局ものも書いたが、情痴小説作家とみなされ、
しばしば発禁になった。

　戦後は、性風俗や家族の変容に目を向けて精力的に創作を続けた。４７年の
「厭（いや）がらせの年齢」は、流行語にもなった。

　後年、本格的に浄土真宗に取り組み、５年がかりで「親鸞」全５巻を、１１年がかりで
「蓮如」全８巻を完成させた。７７年には文化勲章を受章した。

　８６年ごろからアルツハイマー病のために執筆がままならなくなり、８８年に
前立せん手術の体験をつづった「蘇生の朝」が最後の作品となった。

松本清張賞は城野隆さんの「一枚摺屋」
2005年04月20日20時30分

　第１２回松本清張賞（日本文学振興会主催）の選考会が２０日、東京都内で開かれ、
大阪府吹田市の城野隆さん（５６）＝本名・鎌田雄三＝の時代小説
「一枚摺屋（いちまいずりや）」に決まった。賞金は５００万円。贈呈式は６月１６日午後６時から
東京・内幸町の帝国ホテルで開かれる。

川端文学賞：
毎日新聞書評執筆者のツジ原さん受賞
　昨年発表された短編小説から最優秀作を選ぶ第３１回川端康成文学賞（川端康成記念会主催）の
選考会が１８日、東京都内で開かれ、ツジ原登さん（５９）の「枯葉の中の青い炎」
（文芸誌「新潮」０４年８月号に掲載。単行本は新潮社「枯葉の中の青い炎」に収録）が選ばれた。
ツジ原さんは毎日新聞「今週の本棚」の書評執筆者。【米本浩二】

毎日新聞　2005年4月18日　20時26分

課外授業ようこそ先輩
NHK総合テレビ
毎週水曜日午後11：15〜11：44

2005年4月20日放送
「言葉はからだの中にある」
藤井寺市立藤井小学校
佐々木幹郎　（詩人）

各界の第一線で活躍する人々が出身校である小学校を訪ね、その専門とする世界と自らの
人生について授業し、後輩の子どもたちに熱いメッセージを送る…。落語家、芸術家、
スポーツ選手、哲学者など、ジャンルを問わず第一線で活躍する人々が多彩な授業を繰り広げる。

がん闘病記などの作家、奥山貴宏氏死去　３３歳

　奥山　貴宏氏（おくやま・たかひろ＝作家）１７日午後８時１分、肺がんのため
東京都新宿区の病院で死去、３３歳。山形県出身。葬儀・告別式は済ませた。
喪主は父、秀弥（ひでや）氏。

　出版社勤務を経てフリーライターに。３１歳のときがんを告知され、ウェブサイトの
闘病記が評判になり、単行本として出版された。自伝小説「ヴァニシングポイント」が
出版されたばかりだった。

（共同）

(04/21 08:46)

ホラー小説大賞に恒川光太郎氏の「夜市」
2005年04月22日22時34分

　第１２回日本ホラー小説大賞（角川書店、フジテレビ主催）は２２日、大賞（賞金５００万円）に
那覇市在住、恒川光太郎氏（３１）の「夜市」、長編賞（同３００万円）に東京都三鷹市在住、
大山尚利氏（３０）の「チューイングボーン」、短編賞（同２００万円）に大阪府高槻市在住、
あせごのまん氏（４２）の「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」がそれぞれ選ばれた。（時事）

宮尾登美子さん：北海道伊達市に２３日文学記念館オープン

　ＮＨＫ大河ドラマ「義経」の原作である「宮尾本　平家物語」を執筆した、北海道伊達市
ゆかりの直木賞作家、宮尾登美子さん（７９）の業績を称える「宮尾登美子文学記念館」が２３日、
「だて歴史の杜」（同市梅本町）内にオープンする。同市は「観光客と市民の憩いの場に
なってほしい」と、新たな観光拠点として期待を寄せている。

　宮尾さんは高知県出身で、直木賞受賞作「一絃の琴」や「蔵」、自伝的四部作として知られる
「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」など数々のベストセラーを送り出した人気作家。避暑のため
９９〜０３年の夏、同市で執筆活動を行い、「平家物語」もこの時期に完成した。市内で
講演会を開くなど地域に密着した活動も行っており、市民から記念施設を求める声が強かった。

　同館は道の駅「黎明（れいめい）館」の隣りに完成。宮尾さんが寄贈した日記や生原稿、
映像化された作品を見ることができるほか、着物など愛用品を展示するコーナーや
全作品を検索できるパソコンなども備えた。

２３日の完成式典（午前１１時）後に一般公開される。また、２４日午後２時から
「歴史の杜」内のカルチャーセンター大ホールで、宮尾さんが「平家物語の女たち」を
テーマに記念講演する。

　入館料は大人５００円、小中学生２４０円（記念講演は２５００円）。休館日は
年末年始のみ。詳細は、だて観光協会０１４２・２５・５５６７。【大谷津統一】

毎日新聞　2005年4月22日　13時40分

シェークスピアは別の顔？　英紙報道

　２２日付の英デーリー・テレグラフ紙は、文豪、シェークスピア（１５６４−１６１６年）の生存中に
描かれたとされ、日本でもなじみのある肖像画について、実際の製作時期は死後約２００年たった
１９世紀以降との疑いが生じていると報じた。

　国立肖像画美術館が、肖像画に使われた顔料の年代を分析し明らかにした。他の肖像画も
分析しており、同紙は広く定着している「はげ頭にひげ面」のイメージには疑問符が
付きかねないとしている。

　同美術館は、シェークスピアの生地、ストラトフォード・アポン・エイボンで展示されている
「フラワー・シェークスピア」と呼ばれる肖像画を調査。１８１８年以前には存在しなかった
顔料が使われていたことが分かった。後年の修復で新しい顔料を使った可能性はないという。（共同）

(04/22 19:59)

小熊秀雄賞に寺田さん　看護師の体験を通じ静かに生と死つづる　　2005/04/21 08:29
　【旭川】小樽生まれで旭川ゆかりの詩人小熊秀雄（１９０１−４０年）の業績を記念し、
社会性を持つ優れた現代詩集に贈られる第３８回小熊秀雄賞（旭川文化団体協議会など主催）に
２０日、埼玉県さいたま市の看護師寺田美由記さん（４９）の詩集「かんごかてい（看護過程）」（詩学社）が
選ばれた。

　全国から１３２点の応募があった。寺田さんの詩集は看護の現場から生まれた作品２４編で構成され、
生と死などの主題を平易で静かな言葉でつづった。選考委員会は「看護師の体験を通して自分の
思いを語る姿勢が心を打つ。社会とのつながりのある詩で、小熊賞にふさわしい」と評価した。

啄木、道内では丸刈り？　七三分けの大通公園の像に異説 2005/04/15 14:16
　【八雲】札幌・大通公園にある有名な石川啄木像の髪形について、渡島管内八雲町の
啄木研究家が異説を唱えている。彫刻の頭部は七三に分けたふさふさの髪に覆われているが
「啄木が札幌の新聞社に勤めていた一九○七年（明治四十年）には丸刈りだったはず」というのだ。

　指摘しているのは、靴店を営む傍ら、やくも啄木会会長として啄木を研究している長江隆一さん（６６）。
「上京するまで道内を転々としていた約一年間は髪を短くしていたはずです」

　詩人野口雨情が、啄木との出会いを回想した随筆「札幌時代の石川啄木」に「『知ってる人かい、
きたない着物を着てる坊さんだよ』と名刺を枕元へ置いていってしまった。（中略）頭の刈方は普通と
違つて一分の丸刈である、女中がどこかの寺の坊さんと思ったのも無理はない」とある。また、
札幌を離れ四カ月後に着任した「釧路新聞」時代、豆粒大のはげが目立つようになったことから
「豆ランプ」のあだ名がついたという。

この彫刻は、啄木没後七十年を記念して一九八一年に建立された。ブロンズ製で高さは
約二メートル。作者は、羊ケ丘展望台の「丘の上のクラーク像」で知られる札幌の坂坦道
（さかたんどう）さん（一九二○−九八年）。

　向かって左側にある歌碑には「しんとして幅広き街の秋の夜の玉蜀黍（とうもろこし）の焼くるにほひよ」の
短歌が彫られている。建立当時、啄木にトウモロコシを持たせる案もあったが、「食べた証拠がない」と
取りやめになった経緯がある。

　先ごろ大通公園を歩いていて気がついたという長江さんは「彫刻家の責任というよりは、
違う年代の写真を資料として渡されたのではないか」とみる。なお、道内の啄木像としては
函館・大森海岸にある、故本郷新さんの彫刻も名高いが、こちらは丸刈りになっている。

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050415&j=0031&k=200504153202

小熊秀雄賞に寺田さん　看護師の体験を通じ静かに生と死つづる　　2005/04/21 08:29

寺田さんは新潟県佐渡島生まれ。埼玉県内の病院に勤務する。受賞作は２冊目の詩集。
寺田さんは「受賞に驚いています。小熊秀雄の詩は気持ちを真っすぐぶつける
スタイルに親近感を抱いていました。今後も一生懸命詩を書いていきたい」と喜びを話した。

　寺田さんには賞金３０万円が贈られ、贈呈式は５月２１日、旭川商工会議所大ホールで行われる。

オススメポエムサイト発見！
http://www10.plala.or.jp/bjs/

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ここのポエム泣けるよ。
恋愛系で。　泣きたい人はみてみ！

「親日宣言」邦訳出版　韓国歌手「友好に役立てば」

チョ・ヨンナムさん　靖国参拝　日韓の間で見つめる
竹島問題や教科書問題で反日感情が強まる韓国で今年一月、『殴り殺される覚悟で
書いた親日宣言』を出版した韓国の国民的歌手、チョ・ヨンナムさん(６１)。韓国での
風当たりは当然厳しいが、「物事の見方はひとつではないということを伝えたかった」と
今でも「親日」を崩さない。著書が邦訳されたのを機に来日したチョさんが「日本への思い」や
「今後の日韓関係」について語った。
　あるとき突然、「親日」になったわけではない。職業柄、何度も来日したことがあるチョさんは
日本の印象を「豊かだ。人が多い。これだけ大きな国にもかかわらず、非常に秩序がとれている」と話す。
アジアの隣国でも自国とは違った風土、人、文化などに興味を持った。
　３年前に日韓が共同開催したサッカーＷ杯。韓国がベスト４に進出すると、多くの日本人が
韓国を真剣に応援してくれた。この感動で「知日派」を宣言。翌年、盧武鉉大統領が就任後
初めて訪日。国会演説のシーンを韓国のテレビでみていたチョさんは「議場から１８回も
拍手が起きた。韓国だったら外国の元首が国会演説しても、最初と最後に拍手するぐらい。
韓国人としてうれしかった」。これで「親日宣言」だ。

「知日派」「親日派」として韓国の有力紙「中央日報」でコラムを連載していたことで、昨年９月、
日本の国際交流基金の文化人招聘(しょうへい)プログラムで来日。「どこか行きたい場所はありますか」と
聞かれたチョさんは考えた。「川端康成の小説『雪国』の舞台…。いや、違う。それで、思いついたのが
靖国神社だった」という。「えっ、靖国ですか…」。同基金の担当者は言葉を失った。
　靖国神社はチョさんの目にどう映ったか。「やられたと思った。『トリイ』は目立っていたが、
普通の神社と変わらなかった。参拝をけしからんと韓国や中国が声高に叫ぶことで、ものすごい場所かと
洗脳されていた」とチョさんは笑う。
チョさんは「彼ら(日本人)は自分たちの先祖がいくらひどいことをしたとしても、先祖だから何があっても
祀(まつ)らなければならないと言うだろうし、われわれは、犯罪者扱いすべきで、合祀(ごうし)や参拝は
けしからんと言うだろうと思った」。溝は埋まらないが、チョさんはその真ん中に立って見つめていこうと考えている。
　「親日宣言」をしても、当然、日本のすべてを受け入れているわけではない。それでも、竹島問題や
教科書問題で熱くなっている韓国に比べ、冷めた対応の日本をみると、「冷静に対応するなら日本の方が
一段上だなと思う」という。
　その上で、「ひとつの物事をみても、支配した側とされた側がお互いの立場を本当に理解していない
側面が目立つ。被害を受けた側は小さなことでもギャーとなるでしょう」と日本側に理解も求めている。
　今後の日韓両国に必要なことは−。「お互いが顔と顔を突き合わせ、相手の気持ちを理解しながら
話し合うことが必要だ。無理な要求をすれば何の前進もない」。当たり前のことだが、それさえ滞っているのが今の日韓関係。
　「関係改善のために少しでも役立てば」と思ったのが「親日」本出版の理由だという。

　『殴り殺される覚悟で書いた親日宣言』邦訳(ランダムハウス講談社)は１５００円(税別)で刊行中。

(04/24 10:20)

「ミッフィー展」始まる　作者のスタジオも再現
2005年04月27日10時45分

　オランダ発の絵本の主人公ミッフィーが誕生して今年で５０年を迎えるのを記念した
「ミッフィー展」（朝日新聞社主催）が２７日、東京・松屋銀座で開幕した。

　日本で刊行されていない初期の絵本から、代表作のスケッチや原画約１５０点を国内で
初公開し、半世紀の軌跡を振り返る内容。作者のディック・ブルーナのスタジオを再現し、
ミッフィーが描かれる様子を映像でも紹介する。５月９日まで。一般１０００円など。

訃報：
豊増幸子さん　８９歳　死去＝県歌人協会会長　／佐賀
　豊増幸子さん　８９歳（とよます・ゆきこ＝県歌人協会会長）２７日、肺炎のため死去。
告別式は２９日午前１１時、東京都西東京市西原町４の３の４９の西原グリーンハイツ集会場。
自宅は同ハイツ１２棟７１０号。喪主は長男清明（きよあき）さん。

　６５年に県内で短歌会「麦の芽」を創立、０４年まで主宰、以後名誉会長を務めた。代表作は
歌集「青い封筒」（８７年）、佐賀の民俗史を取材した「ふるさと紀行」（７３年）など。９３年に
文部大臣賞（地域文化振興）受賞。

毎日新聞　2005年4月29日

個人的なんですけど・・・　
うわさで　「生きることを生きる」とうのがあって
誰が書いた詩でしたっけ？

米作家ノーマン・メイラー、自身の資料をテキサス大学に譲渡

　［オースティン（米テキサス州）　２８日　ロイター］　米現代文学界を代表する
作家ノーマン・メイラー（８２）は２８日、原稿をはじめとする資料を、総額２５０万ドルで
テキサス大学に譲渡したと発表した。
　推定９００箱に及ぶ膨大な資料は、自著４０冊余りの手書き原稿のほか、支払い済み小切手や
自動車修理の請求書なども含まれており、７月に同大のハリー・ランサム・ヒューマニティーズ・
リサーチ・センターに引き渡される。目録作成や保管作業を経て、学生や研究者に公開される予定。
　メイラーは同センターを譲渡先に選んだ理由について、米国で最も充実した文学資料館であるうえ、
第２次世界大戦中の陸軍訓練兵時代を過ごしたテキサスに愛着があるためと説明している。
（ロイター） - 4月29日18時10分更新

マリア・シェルさん死去　映画「居酒屋」で名演技

　オーストリア通信によると、ルネ・クレマン監督の映画「居酒屋」の名演技などで知られた
女優マリア・シェルさんが２６日夜、肺炎のためオーストリア・ケルンテン州の自宅で死去した。
７９歳。ドイツ語圏で国際的に活躍した最後の女優の１人といわれた。弟のマクシミリアン・シェルも有名な俳優。
　ウィーン出身。スイス人の作家の父と、オーストリア人の女優の母との間に生まれ、ナチスの迫害を
避け移住したスイスで育った。１６歳から女優として活動。
　ヘルムート・コイトナー監督の「最後の橋」（１９５４年）のドイツ人医師役でカンヌ映画祭の女優賞を取り、
一躍トップスターに。
　「居酒屋」（５６年）のジェルベーズ役でベネチア映画祭の女優賞を獲得。ハリウッドでも活躍し、
ユル・ブリナーやマーロン・ブランドらとも共演した。
　その後は劇場を活動の中心に移したが、晩年は病気を繰り返し、療養生活を送っていた。私生活では３度結婚した。（共同）

「赤毛のアン」原作者と翻訳者、孫同士が初対面

　人気小説「赤毛のアン」シリーズを書いたカナダ人作家Ｌ・Ｍ・モンゴメリの孫、
ケイト・マクドナルド・バトラーさん（４８）が２日、同書を初めて邦訳した村岡花子さんの孫姉妹を東京に訪ねた。
　作者と翻訳者は生前、会うことはなかったが、孫の代で初対面が実現した。
　ケイトさんが訪れたのは、東京都大田区の「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」。花子さんの孫の
美枝さん（４５）、恵理さん（３７）が出迎えた。
　ケイトさんは愛知県で開催中の「愛・地球博」（愛知万博）で行われる、アンを題材にした行事に出席するため、
カナダから来日。日本でアンが根強い人気を保っていることを知り、「村岡さんの人柄を知りたい」と東京に立ち寄った。
　アンの邦訳本がずらりと並んだ部屋で、美枝さんらはケイトさんに祖母の少女時代の写真を見せた。
　姉妹が「祖母は『モンゴメリさんと親友になれたかも』と言っていました」と話すと、ケイトさんは
「家庭を大切にしつつ仕事に励んだ２人は似ている。天国で仲良くなっているかもしれませんね」と笑った。

(2005/5/2/23:53　読売新聞　無断転載禁止)

＜訃報＞大洞正典さん８９歳＝元創文社編集長

　大洞正典さん８９歳（おおほら・まさのり＝元創文社編集長）４月２６日、肺炎のため死去。
葬儀は近親者のみで行った。自宅は非公表。喪主は長男正量（まさかず）さん。１９５１年、
学術研究書出版の創文社の設立にかかわった。５８〜８３年、哲学者の串田孫一さんらと
山の月刊誌「アルプ」を発行した。
（毎日新聞） - 5月2日20時20分更新

＜訃報＞矢口純さん８４歳＝エッセイスト

　矢口純さん８４歳（やぐち・じゅん＝＜本名・きよし＞エッセイスト、元「婦人画報」編集長）４月３０日、
老衰のため死去。葬儀は４日正午、東京都国立市東２の２の１の應善寺。自宅は同市東２の１８の１３。
喪主は長男卓（たく）さん。
　著書に「酒を愛する男の酒」など。
（毎日新聞） - 5月2日20時21分更新

蕪村の未知の句を発見　「春雨や女郎花なンど芽に出る」2005年05月06日16時34分

　江戸時代中期の俳人・与謝蕪村（ぶそん）（１７１６〜８３）の自筆草稿が個人の所蔵品から見つかり、
これまで知られていない句が１句含まれていることがわかった。１９９２年から刊行中の「蕪村全集」
（全９巻、講談社）の最終巻に「発句補遺」として収録される予定になっている。
　草稿は横２４センチ、縦１５センチ余りの紙に「春興」と題して、「燈を置かで人あるさまやうめの花」
「具足師の古きやどりや梅の花」「柴刈に砦（とりで）を出るや雉（きじ）の声」「春雨や女郎花（おみなえし）
なンど芽に出（いず）る」の４句が書かれ、「右　夜半翁」と作者名がある。夜半翁は蕪村の別号。
　「蕪村全集」の編集委員代表で国文学者の尾形仂（つとむ）さんによると、最初の句は末尾を
「梅の宿」とした異形句があり、次の２句も既知の句だが、最後の句は初めて見つかったという。
　所蔵者の祖父は兵庫県の丹波地方出身で、草稿は祖父の遺品から見つかった。尾形さんは、
俳諧師たちが正月に配る「春興帖（しゅんきょうちょう）」という祝儀物のために、蕪村が書き送った
メモのようなものではないかと推定する。
　「丹波には蕪村の弟子兼パトロンが何人かおり、彼らが蕪村に句を注文したのでしょう。補遺に
収めるのは５０句以上になりますが、骨董（こっとう）・古書店筋からでなく新しい句が見つかるのは、
ゆかしい話ですね」と尾形さんは語っている。

海外の文学：
キューバ　作家、セネル・パス　新作は主人公の青春時代に焦点
　◇『苺とチョコレート』から１５年

　キューバを代表する作家、セネル・パスさん（４９）が１５年ぶりとなる長編小説『八月の虎』（仮題）を
書き終え、年内にもスペインの出版社から刊行される。

　パスさんは９３年に映画化された「苺（イチゴ）とチョコレート」の原作（９０年刊、邦訳は９４年、集英社刊・
野谷文昭訳）で世界的に知られる。脚本も手がけたこの映画は、９４年のベルリン国際映画祭審査員特別賞を
受賞し日本でも公開された。

　７０年代末のハバナを舞台に、革命主義者の学生ダビドが同性愛者との交流を通し偏見を脱ぎ捨てていく
成長物語だった。新作はこの続編といえるものだが、時代はさかのぼり、ダビドの１０代後半の青春を描いている。

『苺と…』はゲイの物語とくくられがちだが、真正面から同性愛を描いていない。むしろ同性愛の友人を
得ることで差別する者の目がどう変わるか、個人的な経験が人の世界観にどのような影響を与えるかに
焦点が当てられている。
　「私たちはよそ者や外国人、異教徒、少数派との距離を常に測っている。でも人は同化しなくても、
違いを認め寛容さを知ることで相手を抱きしめられる。作品はそんな普遍的な価値を描いたから
成功したのだと思う」
　作品に表れる同性愛者のせつなさは、世界の少数派であるキューバそのもののあり方にも重なる。映画は
この国の日常を自然光を駆使した映像で浮かび上がらせた。アフリカ系宗教のサンテリアとカトリックの混合や、
前世代の作曲家、詩人を紹介し、キューバ文化への誘い水の役も果たしている。
　映画の成功で小説以外の仕事が増え、スペインやキューバ映画の脚本、監修、映画学校での講義で多忙を
極めた。「そろそろ本来の仕事に」と１５年前に書き始めて未完だった『八月の虎』の執筆を数年前に再開し
書き続けてきた。
　作家の分身でもある主人公ダビドが１６歳ごろの話で、「ドン・キホーテが親友と恋人を得て、初めて闘いに
旅立てたころと同じ設定」となるという。前作同様、主人公が悪戦苦闘するユーモアあふれる作品になったようだ。
　キューバを去る作家は多いが、この人はハバナ旧市街の古いアパートで夫人と暮らし続けている。
「スペイン移住を勧められたが、やはり国の歴史を生きてこそ、その土地を描けるのだと思う」。
前作では滅びゆくハバナの美しさが印象に残る。「仮に国が落ちるところまで落ちても、自分はここに居座るつもり。
キューバ人の独特の語り口、喧騒（けんそう）を聞きながらあれこれ考えるのが僕の創作の原点だから」と話した。
【ハバナで藤原章生、写真も】毎日新聞　2005年5月6日　東京夕刊

サハリン：少数民族の書籍３冊を刊行　北大大学院
　戦前の日本統治時代の樺太（現サハリン）で迫害を受けた少数民族の資料をまとめた書籍が
北海道大学大学院文学研究科から刊行された。国内には当時の少数民族に関する資料が
ほとんどなく、差別と偏見の中で生活した少数民族の実態の一部が浮き彫りになっている。

　「サハリン北方先住民族文献集・文芸作品篇」（Ａ４判、１５１ページ）、
「オタス・サハリン北方少数民族の近代史」（Ａ５判、１６６ページ）、「サハリンのウイルタ」
（Ａ５判、１８３ページ）の３点。

　北大では９５年に文学部の講堂で頭骨６体が見つかり、うち３体がサハリン少数民族のウイルタの
頭骨だった。樺太の敷香（現ポロナイスク）郊外にあった少数民族が居住する「オタスの杜（もり）」から
持ち込まれたとみられ、０３年にサハリンの少数民族委に返還した。人類学の標本として持ち込まれた
とみられるが、その経緯や理由は分かっていない。このため、「少しでもサハリン少数民族への理解を
進めたい」と、同科でサハリンプロジェクト（代表・菊池俊彦教授）を設置し、書籍の刊行を企画した。

文献集には、オタスの杜に居住していたウイルタや同じく少数民族のニブヒを題材にした
１９０５〜４５年の文芸作品２７点を掲載。オタスを訪れた作家たちのエッセーや紀行文が中心だが、
見せ物となっているウイルタや、同化教育の様子などが少数民族をさげすむ言葉で記されている。

　ほかの２点はサハリンで刊行された書籍の和訳。「オタス」は、時代の波に翻ろうされたオタスの
リーダーの一生を描き、「サハリンのウイルタ」はウイルタ民族の歴史や生活様式がまとめられている。

　菊池教授は「当時は少数民族を人間扱いしていなかった。北大に持ち込まれた頭骨が差別を
受けていた人のものであることが、この書籍で分かると思う」と話している。

　各４００部製作し、道内の一部図書館や博物館、資料館、全国の主要大学図書館などに
配布した。【板垣博之】

毎日新聞　2005年5月8日　1時20分

丹羽文雄さんの日本文芸家協会葬に４００人
　先月２０日に１００歳で死去した作家、丹羽文雄さんの「日本文芸家協会葬」が９日、
東京・築地の築地本願寺で行われ、約４００人が参列した。

　日本芸術院長で作家の三浦朱門さんは「浄土真宗の寺に生まれた先生は、生涯をかけて
煩悩からの解脱を追求され、その頂点が長編『蓮如』だった。今大きな喪失感を覚えている」と
弔辞を述べた。

　同協会の黒井千次理事長は「文学上の業績と並行して、文士の生活改善にこれほど時間を
注いだ人はいない」と、同協会の会長、理事長を通算１６年務め、著作権保護などに尽力した功績をしのんだ。

(2005/5/9/19:16　読売新聞　無断転載禁止)

「言語力」育成目指し法案提出へ　超党派の活字文化議連
2005年05月10日15時39分

　読書週間初日の１０月２７日を「文字・活字文化の日」と定め、「言語力」を育てることを目指した
法案が今月下旬にも国会に提出される見通しとなった。超党派の国会議員２８６人がつくる
活字文化議員連盟が成立を目指す「文字・活字文化振興法案」。子供たちの学力低下が指摘される中、
国語力の向上につなげる狙いもある。

　議連の作業部会（座長・河村建夫前文部科学相）を中心にまとめられた法案骨子によると、
目的として「人類が蓄積してきた知識や知恵の継承や向上、健全な民主主義の発展には
文字・活字文化は欠かせない」と明記。知的で豊かな国民生活や、活力ある社会の実現に
寄与することをうたっている。

さらに、読み書きにとどまらず、調べる力や伝える力を含む幅広い能力を表す言葉として
「言語力」との概念を規定。教育方法の改善や教職員の資質向上、学校図書館の充実などを
通じて、学校教育における言語力の涵養（かんよう）を図るよう、国や地方公共団体に求めている。

　議連では、法施行後の具体策として、学校図書館整備費への財政的な支援や、
小規模校への司書教諭の配置、新聞を使った教育活動の充実などを想定しており、
関係機関との協議の場を設けて具体化に取り組む方針だ。

三島由紀夫賞・山本周五郎賞：候補作を発表
　第１８回三島由紀夫賞、山本周五郎賞（新潮文芸振興会主催）の候補作がこのほど発表された。
選考会は１７日に東京都内で開かれる。候補作は次の通り。（敬称略）

　▽三島賞

　中村文則『悪意の手記』（「新潮」０４年５月号）▽本谷有希子『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』
（「群像」０４年１２月号）▽青木淳悟『クレーターのほとりで』（「新潮」０４年１０月号）
▽鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』（「新潮」０５年２月号）▽三崎亜記『となり町戦争』（集英社）
▽黒川創『明るい夜』（「文学界」０５年４月号）

　◇山本賞

　伊坂幸太郎『チルドレン』（講談社）▽三浦しをん『私が語りはじめた彼は』（新潮社）
▽荻原浩『明日の記憶』（光文社）▽島本理生『ナラタージュ』（角川書店）
▽垣根涼介『君たちに明日はない』（新潮社） 毎日新聞　2005年5月10日　東京夕刊

太宰治賞：
津村記久生さんと川本晶子さんが受賞
　第２１回太宰治賞（筑摩書房、東京都三鷹市共催）の選考会が１０日夜、三鷹市内で開かれ、
大阪市西成区の会社員、津村記久生＝本名・津村紀久子＝さん（２７）の「マンイーター」と、
東京都中野区のフリーライター、川本晶子（本名・吉川由佳）さん（４２）の「刺繍（ししゅう）」の
２作品に決まった。同賞で２作品の同時受賞は初めて。賞金は１００万円。

　マンイーターは、大学４年の女性の日常生活を軸に誘拐や虐待、性的暴力など社会の暴力性への
不快感を示す内容。刺繍は、離婚歴のある４０歳の女性が年下の恋人と認知症の母と
かかわり合う中で真の自立に向かう姿を描いた。授賞式は６月１５日、東京・丸の内の東京会館で開かれる。

毎日新聞　2005年5月10日　22時34分

日本出版学会賞：受賞者決まる
　◇第２６回日本出版学会賞

　本賞は鈴木俊幸・中央大教授の近世近代出版史に関する研究書・論文と書籍研究文献目録に、
奨励賞は評論家、中野晴行さんの『マンガ産業論』（筑摩書房）に決まった。授賞式は１４日、
東京都日野市の実践女子短大で開かれる同学会総会に際し行われる。

毎日新聞　2005年5月10日　東京夕刊

桑原武夫学芸賞：
池澤夏樹さんと猪木武徳教授が受賞
　第８回桑原武夫学芸賞（潮出版社主催）が、作家、池澤夏樹さんの「パレオマニア　
大英博物館からの１３の旅」（集英社インターナショナル）、
猪木武徳・国際日本文化研究センター教授の
「文芸にあらわれた日本の近代　社会科学と文学のあいだ」（有斐閣）の２作に決まり、
１０日発表された。副賞は各１００万円。贈賞式は７月１１日午後６時、京都市の京都ホテルオークラで。

毎日新聞　2005年5月10日　21時52分

両陛下、エンヤさんらアイルランド文化関係者と懇談

　【ダブリン＝井上茂男】アイルランド訪問中の天皇、皇后両陛下は９日、ダブリン市長が主催した
同国の文化関係者との懇談会に出席、ノーベル文学賞の詩人シェイマス・ヒーニー、人気歌手の
エンヤ、フルート奏者のジェームズ・ゴールウェイの各氏らと懇談された。
　癒やし系の音楽で日本でも人気のエンヤさんは、「お二人が私の音楽を聴き、私と会いたかったと
言ってくれたことがうれしい」と話していた。
　この後、両陛下は１６世紀に英女王エリザベス１世が創設したトリニティ大学を訪れ、ケルト美術の
最高峰とされる装飾写本「ケルズの書」を見学、古い図書２０万冊を奥行き６５メートルの図書室に
収蔵する「オールドライブラリー」を見て回られた。
　これでアイルランドでの日程は終わり、両陛下は１０日、公式訪問先のノルウェーに向かわれる。

(2005/5/10/13:14　読売新聞　無断転載禁止)

日本歌人クラブ：各賞決まる
　日本歌人クラブ主催の各賞が次の通り決まった。授賞式は２１日、東京都新宿区の
東医健保会館で行われる。

　▽第３２回日本歌人クラブ賞＝大下一真氏の歌集『足下』（不識書院）。大下氏は１９４８年生まれ。
歌誌「まひる野」所属。▽第１１回同新人賞＝里見佳保氏の『リカ先生の夏』（角川書店）。
里見氏は７３年生まれ。無所属。▽第３回同評論賞＝原田清氏の『会津八一　人生と芸術』（砂子屋書房）と
松坂弘氏の『定型の力と日本語表現』（雁書館）。原田氏は３０年生まれ。「槻の木」所属。松坂氏は
３５年生まれ。「炸」所属。

毎日新聞　2005年5月10日　東京夕刊

小説：『司馬遼太郎短篇全集』刊行開始　国民作家の原点示す
　◇ひたむきな人物、絶妙の語り口

　『司馬遼太郎短篇全集』（全１２巻、文芸春秋）の刊行が始まった。計１５６編を収録するが、
うち３７編が単行本に未収録の作品。不思議さが募る伝奇的世界から、切れ味鋭い人物描写や
独特な史観まで、昭和を代表する歴史小説家の原点を知り、短編の深い味わいを楽しむのに
絶好のシリーズになっている。

　発表順に編集されている。１２巻を見渡すと、１９５０年代末から６０年代前半に作品が集中している。そして、
７６年の「木曜島の夜会」を最後に短編は書かれない。怪異物をしきりに書いた初期から、長編のかたわら
小説誌に盛んに短編を発表した時期を経て、司馬は長編とエッセーに仕事を絞っていった。

　大長編作家のイメージが強い司馬だが、短編の名手という側面もあるのがわかる。また、発想の原風景を
示したり、長編のデッサンだったりする作品も少なくない。

刊行された第１巻には２１編が収められているが、うち１８編が単行本未収録。本名の福田定一名で
発表された作品が大半。それらに示されている特徴を五つ挙げてみよう。
　まず、仏教的な題材が色濃い。新聞記者時代に京都で宗教を担当したこともあって、司馬の仏教への
造詣の深さはよく知られている。仏教関係の雑誌に掲載されることも多く、“現代的な仏教説話”と
呼びたくなる作品もある。
　いかにも司馬好みの主人公も散見される。苦労に耐えながら一心に螺鈿（らでん）細工に精魂を傾ける男や、
魚にひたすらにひかれる魚類学者など、世俗を超えて生きる人たちの肖像は、司馬が生涯、
日本史の中に探し続けた人物像と共通点があるように思える。
　織田信長と豊臣秀吉、劉邦に敗れた項羽、モンゴルの大草原など、後年に大作になって結実するテーマの
萌芽（ほうが）もうかがえる。これらの題材への思いの深さを思わせる。
　大阪という商都へのこだわりも印象深い。織田作之助との類似を指摘したくなるほどで、歴史をとらえるのに
経済を重視した態度とも関連しているのだろう。
　そして、親しみやすい語り口。歯切れのいい文章、登場人物たちへの適度な距離が醸し出すユーモア、
時に交じる挿話（「余談ながら」という前置きはないが）。第１巻だけでも、国民作家の出発点がうかがえる重宝な一冊になっている。【重里徹也】

俳句：
俳誌「ホトトギス」１３００号　一貫した「伝統志向」の力
　正岡子規の俳句革新の志を受け継ぎ、日本で一番長い歴史を持つ俳誌『ホトトギス』
（稲畑汀子主宰）が、４月号で創刊１３００号となり、東京・品川のホテルに会員や俳壇関係者ら
約１０００人が出席して盛大な記念会が開かれた。俳句を取り巻く状況が多様化する一方、
雑誌も同人誌などが増える中で、大きな結社誌の果たす役割は何か、と新たに問題提起する機会ともなった。

　『ホトトギス』第１号は、１８９７年１月、松山市で柳原極堂らによって刊行された。翌年１０月から
発行所を東京に移し、高浜虚子、高浜年尾さらに現在の稲畑氏と主宰者は変わったが、
虚子が提唱した「花鳥諷詠」「客観写生」という思考を一貫して守り抜いている。新興俳句や
社会性・前衛俳句、さらに中村草田男、加藤楸邨らによる近代的な人間探求派の俳句が隆盛する
昭和の俳句史の中で、徹底して「伝統」の立場を固持してきた。虚子の俳句に対する考えを守り、
そうすることによって『ホトトギス』の隆盛が保たれたといえる。

稲畑氏は１３００号に寄せて「情報化時代にはこれまで進めてきた方法では処しきれないものがある。
しかし時代の荒波にのまれ、大事な基本を失っては俳句はおしまい。定型を原則として守り、
季題を詠むという最低の約束事を大事にしたい」と記している。記念会のあいさつでも「俳句は
西洋文学のように近代的自我を追求するものではない。人間も自然の一部であると考え、
意識的自我より無意識的領域を探索すべきだ」と、改めて伝統文芸としての「俳句の本質」を強調した。

　記念会では鷹羽狩行・俳人協会会長、松沢昭現代俳句協会会長、小暮剛平・国際俳句協会会長や
有馬朗人氏らが祝辞を述べたが、「自然と人間の共存を図り、最終的には全世界の平和に
貢献することが俳句の力でもある」（有馬氏）との認識で共通していた。昨年暮れから俳壇は、
桂信子、鈴木六林男、藤田湘子と個性的な大俳人を次々失い、俳誌の終刊や多様化が目立つ中で、
伝統に立ち返るのもまた一つの生き方と思われる。【酒井佐忠】

毎日新聞　2005年5月10日　東京夕刊

推理作家協会：
理事長に大沢在昌さんが内定

　日本推理作家協会は１２日、新理事長に作家、大沢在昌さん（４９）が内定したと発表した。
逢坂剛理事長（６１）の任期満了に伴うもの。今月３０日に開かれる同協会総会で正式決定される。
同協会は作家、評論家、挿絵画家ら６３０人が所属する社団法人。大沢さんは初代会長の江戸川乱歩から
数えて１２人目になる。大沢さんは、新宿鮫シリーズなどで知られる。

毎日新聞　2005年5月12日　18時37分

本格ミステリ大賞：
法月綸太郎さんの「生首に聞いてみろ」
　本格ミステリ作家クラブ（有栖川有栖会長）が会員の直接投票で選ぶ第５回本格ミステリ大賞の
開票が１３日行われ、小説部門は法月（のりづき）綸太郎さんの「生首に聞いてみろ」（角川書店）に、
評論・研究部門は天城一さん著、日下三蔵さん編の「天城一の密室犯罪学教程」（日本評論社）に決まった。

毎日新聞　2005年5月13日　19時36分

商標登録：
「二十四の瞳」の無効請求へ　小豆島の観光施設
　壷井栄の小説「二十四の瞳」の舞台となった香川県・小豆島で、土庄（とのしょう）町の
化粧品製造販売会社が「二十四の瞳」の商標登録を今年３月、特許庁から取得
していたことが分かった。これに、同名映画のロケが行われた同島内の内海（うちのみ）町に
ある観光施設が「イメージが壊されるおそれがある」と反発、近く特許庁に商標登録無効を請求する。

　商標登録したのは小豆島ヘルシーランド（柳生好彦社長）。同社は目の健康食品を開発中の
昨年３月に登録申請。「二十四の瞳」は、奈良県の男性が７４年に商標登録していたが、
今年１月に失効し、３月に同社が後を継ぐ形で取得した。

柳生社長は「商標は一企業として使用せず、小豆島内で有効活用していきたい。島内の業者に
使用料を請求するつもりはない」との考えを表明。島内の企業の使用に関しては
「小豆島とのしょう観光協会」に権利を委託するという。

　この動きに、映画のオープンセットを保存・展示している内海町の「二十四の瞳映画村」を
運営する財団法人「岬の分教場保存会」は同社を批判。理事長の坂下一朗・内海町長は
「名称は島民が大切にしてきた財産。一企業が所有するのは問題で、イメージダウンが心配」と
話している。【秋長律子】

毎日新聞　2005年5月14日　20時23分

新潮：６月号　川端康成・東山魁夷の往復書簡公開　両大家、素顔の付き合い
　作家の川端康成（１８９９〜１９７２）＝と日本画家の東山魁夷（１９０８〜９９）＝が５５〜７１年の１７年間に
交わした未公開書簡約１００通が発売中の『新潮』６月号に掲載されている。作品を認めあい、贈り物を
届けあうなど濃密な交流から、昭和を代表する両大家の素顔が見えてくる。【米本浩二】

　財団法人川端康成記念会理事長の川端香男里さんと記念会評議員の平山三男さんの「解説」によると、
５５年春に『新潮』編集者の仲介で２人の交流が始まる。東山が川端作品の装丁を手がけるなど、
以前から互いに関心を持っていたという。

　東山はまず、美術品収集家としても知られる鎌倉市の川端宅を訪れた感激を「玉堂の雪景、
大雅蕪村の画帖　宗達の蓬、石濤の梅竹を拝見しました。名品の数々が今も眼前に
浮んでまいります」（５５年４月１６日付）と書く。

　一方の川端は東山の写生展を訪れた感激をつづり、「あの滝の下絵など何とかおゆずり
いただけないものでしょうか」（５６年６月２５日付）と率直に書き、東山が「当方に所蔵するつもりで非売に
しておきました。（略）日頃の御厚情の御礼として差し上げたく存じます」（同７月４日付）と応じるなど、
互いへの興味と敬意が深まっていく様子が分かる。
　東山は６６年１０月２２日付書簡に「北海道のもみじ御覧に入れます」と紅葉の押し葉を同封。川端は
「うつくしく拝見」（同２９日付）と東山の風流心に応えている。一方、川端は「谷崎（潤一郎）さんも
おなくなりになり私もさびしい思いですが、なお私は私なりの多少は力を注いだものを書きたいと、
落ち着きを得たくてなりません」（６５年８月１４日付）と書くなど、折々の重大事も文面に反映されている。
　川端のノーベル文学賞が決まった６８年に東山は「御作品を通じて日本人の美の心が、世界の人の
心に触れ合えるということが一番嬉しく感じられます」（６８年１０月２５日付）と速達を送る。川端は
受賞決定後に即興で詠んだ句「秋の野に鈴鳴らし行く人見えず（「野」と「鈴」で「ノーベル」の言葉遊び）」
などの書を東山に贈り、東山は「何よりの良き記念」（同１１月１６日付）と喜びの返事をしたためている。
　「解説」によると、川端書簡の大部分が、くつろいだ気分の時に用いられる筆で書かれており、
「文学以前の私的な内心の息遣いが聞こえてくる」という。 毎日新聞　2005年5月13日　東京夕刊

伊藤整文学賞に笙野、富岡両氏
2005年05月16日21時30分

　第１６回伊藤整文学賞（伊藤整文学賞の会など主催）が１６日発表され、小説部門に
笙野頼子氏の「金毘羅」（集英社）、評論部門に富岡多惠子氏の「西鶴の感情」（講談社）が選ばれた。
副賞１００万円。贈呈式は６月１７日、北海道小樽市の小樽グランドホテルで。

三島賞に鹿島田氏、山本賞に荻原、垣根両氏
2005年05月17日19時10分

　第１８回三島由紀夫賞・山本周五郎賞（新潮文芸振興会主催）の選考会が１７日、
東京都内のホテルで開かれ、三島賞は鹿島田真希氏の「六〇〇〇度の愛」（「新潮」２月号）に、
山本賞は荻原浩氏の「明日の記憶」（光文社）と垣根涼介氏の「君たちに明日はない」（新潮社）に決まった。
授賞式は６月２４日午後５時から、東京・虎ノ門のホテルオークラで。

超良スレだな。
がんばってください。

「漱石山房」復元へ、サロンの雰囲気再び　東京・新宿
2005年05月18日14時03分

　夏目漱石（１８６７〜１９１６）が死去までの９年間住んだ「漱石山房」（東京都新宿区）を、旧居跡に
復元する計画が進んでいる。山房は漱石が「こころ」や「明暗」など代表作を執筆、芥川龍之介ら
門人・知人が集まったところで、近代日本文学を象徴する場でもある。土地を所有する新宿区は、
来月にも有識者や地域の人を含めた懇談会を開き、復元の方法や活用の仕方などを具体的に話し合う。

　旧居跡は現在、同区立漱石公園（同区早稲田南町７番地）になっている。敷地が約１０００平方メートル
あった旧居は漱石没後、家族が住んだが、４５年の空襲で焼失。その後、敷地の約半分に
区営アパート１棟が建ち、残りが漱石公園となり、漱石の胸像や「吾輩は猫である」にちなむ猫塚がある。
この公園に書斎と応接間などを復元する計画だ。アパートがあるため、全体の復元は難しい。

　旧居の設計図は残されていないが、写真や本人、知人が書き残した記述などを総合して復元する。
書斎と応接間はそれぞれ８畳で、廊下に囲まれている。この様子は随筆「硝子（がらす）戸の中」などで
印象深く描かれている。

漱石の長男故純一氏に生前、間取りなどを詳細に聞き取り、概略図を描いたことのある工学院大学の
中山繁信教授（建築学）は「正確な設計図がなくても十分、復元できると思う」と話す。

　区では今年度から３年計画で、７５００万円規模の同公園のリニューアルに取り組んでいる。当面は
公園を補修し、山房復元や完成後の維持管理、活用の仕方などについては来月中にも懇談会を
開いて意見を聞く予定だ。中山弘子区長は「漱石ファンや地域の方の声を聞きながら具体化していきたい」と話す。

　漱石の旧居のうち「吾輩は猫である」を書いた東京・千駄木の家は、愛知県犬山市の明治村に移築、
保存されている。

第２０回詩歌文学館賞：
贈賞式と講演会−−２８日、岩手・北上
　２８日午後２時半から岩手県北上市の日本現代詩歌文学館で開催される。

　今年の受賞者は詩部門が詩集『アメリカ』（思潮社）の飯島耕一さん、短歌部門が
歌集『西域更紗』（柊書房）の宮英子さん、俳句部門は句集『光年』（ふらんす堂）の林翔さんの３人。
飯島耕一さんは読売文学賞も得ており、林さんは今年９１歳だが、旺盛な作句活動を続けて話題の俳人。
宮さんは代表的な戦後歌人の宮柊二夫人だ。

　贈賞式のあと俳句部門の選考委員で毎日俳壇選者の鷹羽狩行さんが「俳句の現在」と題して講演する。
入場無料。問い合わせは０１９７・６５・１７２８。

毎日新聞　2005年5月19日　東京夕刊

仏文学翻訳者、平岡篤頼さんが死去
　文芸評論家で早稲田大学名誉教授の平岡篤頼（ひらおか・とくよし）さんが１８日午前２時５０分、
都内の病院で死去した。７６歳。

　告別式は２２日午前１０時、東京都品川区西五反田５の３２の２０桐ヶ谷斎場。喪主は妻、不二子さん。

　大阪府出身。ロブ・グリエらフランスのヌーボーロマンの小説の翻訳者として知られ、
ノーベル賞作家クロード・シモン「アカシア」などを翻訳したほか、小説家として芥川賞候補にもなった。
文芸誌「早稲田文学」の発行人を長く務め、作家の三田誠広さん、小川洋子さんら数多くの後進の育成にあたった。

（2005年5月18日14時53分 読売新聞）

>>319

どうも(*~∇~)
文学板には負けるけどね

「旧富岡製糸場」など１５件を史跡に答申
　文化審議会（阿刀田高会長）は２０日、明治政府が模範工場として設立した「旧富岡製糸場」
（群馬県富岡市）など１５件を史跡に、
和歌の歌枕で有名な奈良県橿原市の大和三山（香具山、畝傍山、耳成山）など３件を名勝に、
人里に植えられたサクラとしては、幹の太さが最も太い「草岡の大明神ザクラ」（山形県長井市）を天然記念物に、
新たに指定するよう中山文部科学相に答申した。

ダイヤモンド経済小説大賞に相場英雄氏

　第２回ダイヤモンド経済小説大賞（ダイヤモンド社主催）は２０日、相場英雄氏の「デフォルト」に決まった。
賞金は１００万円。受賞作は３０日発売の「週刊ダイヤモンド」６月４日号に掲載、後日、同社から単行本化される。
　相場氏は時事通信社記者。１９６７年新潟県生まれ。本名非公表。金融問題などを担当している。　
（時事通信） - 5月20日20時1分更新

＜丸善＞メルマガ会員にウイルス誤送信

　書籍販売大手「丸善」が発行するメールマガジンの会員１万６２３３人に対し、
同社のサーバーからウイルスメールが送信されたことが分かり、同社は１９日午前９時に
サーバーを停止した。同社が調査したところ、本来は削除すべきメーリングリストをサーバーから
削除し忘れたのが原因とみられる。
（毎日新聞） - 5月19日22時25分更新

仏哲学者ポール・リクール氏死去　９２歳

　フランスを代表する哲学者、ポール・リクール氏が２０日、パリ郊外の自宅で老衰のため死去した。
９２歳だった。近親者が明らかにした。

　哲学の伝統に立ちながら、神話や聖書解釈、精神分析など幅広い領域でテクスト解釈学を適用、
現代哲学に新たな局面を切り開いた。
　南東部バランス生まれ。レンヌ大卒。第２次大戦で徴兵されたが、戦時中の大半はポーランドの
捕虜収容所で過ごした。パリ第１０大教授、米シカゴ大教授などを歴任。
　２０００年６月、科学や芸術の発展に貢献した人物に贈られる京都賞（稲盛財団主催）を受賞。
著書に「生きた隠喩（いんゆ）」「他者のような自己自身」などがある。（共同）

(05/22 00:14)

三一書房の再審査申し立て棄却、解雇取り消し命じる
　経営不振から対立が続いている出版社「三一書房」（東京都文京区）の労使問題で、
中央労働委員会（山口浩一郎会長）は２０日、組合員６人の懲戒解雇処分などについて
不当労働行為を認め、初審を不服とした同社の再審査申し立てを棄却。懲戒解雇の取り消しや、
組合員１０人分の未払い給与支払いなどを命じた。

　この問題では、２００１年９月に、初審の都地方労働委員会が懲戒解雇処分取り消しなどを命じ、
中労委も踏襲。また、再審査中、さかのぼって懲戒解雇された組合員１人についても、命令書で事実認定した。

　命令書によると、同社は１９９８年に経営悪化が表面化。労組は賃金カットなどに反発して
ストライキを繰り返し、同社はロックアウト（事業所閉鎖）や懲戒解雇を行うなど、労使が激しく対立した。
（2005年5月20日20時8分 読売新聞）

藤原伊織さん：
小説誌に寄稿し食道がんを告白

　直木賞作家の藤原伊織さん（５７）が、食道がんを発症し、５年生存率が約２０％と
告知されていることが分かった。発売された小説誌「オール読物」６月号（文芸春秋）に寄稿して、
自ら明らかにしている。

　寄稿によると、がんが分かったのは今年２月中旬で、３月中旬から断続的に入院して
放射線治療などをしていた。６月に４回目の入院予定。

　藤原さんは、９５年の作品「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した。【鈴木英生】

毎日新聞　2005年5月22日　19時23分

藤原ていさんは認知症…「母への詫び状」で長女が公表
　壮絶な引き揚げ体験を描いたベストセラー小説「流れる星は生きている」で知られる
作家藤原ていさん（８６）が認知症＝痴呆（ちほう）＝であることを、長女の高校講師、
咲子さん（５９）が、近く発売される自著「母への詫（わ）び状」（山と渓谷社）で初めて公表した。

　ていさんは作家新田次郎さんの妻。本紙「人生案内」の回答者を１９９７年３月まで
約１３年間務め、厳しさと温かさを併せ持つ回答が好評だった。７年ほど前に認知症と診断され、
昨年からは、自宅に近い東京都武蔵野市内の施設に入所している。家族のことは認識できているという。

　咲子さんが今回、ていさんの症状に触れたのは、発症を機に、長年にわたる母娘の
わだかまりが解けたと考えたためだった。「流れる……」で、三児を連れ中国東北部から
逃げる主人公は、二人の兄を生かすために「咲子を犠牲に」すべきかどうか悩む。
咲子さんは１２歳の時に初めて読み、兄たちに比べ厳しくしつけられたとの思いもあって、
自身が母に愛されているのか疑問を持ち続けてきた。実話を基にした創作だと知った後も、
母とは衝突することが多かった。

　ところが認知症の症状が進むにつれて、ていさんは穏やかになり、反発し合っていた娘にも
優しく接するようになったという。「厳しく育ててくれたことに、今は思う存分感謝できる。認知症が、
初めて母とじっくり向き合うきっかけを与えてくれた」と咲子さんは話している。

（2005年5月22日19時48分 読売新聞）

日本ペンクラブ会長、井上ひさし氏が再任
2005年05月23日19時44分

　日本ペンクラブは２３日、東京・丸の内の東京会館で総会と理事会を開き、
会長に井上ひさし氏（７０）を再任した。井上氏は２期目で、任期は２年。

日本推理作家協会賞に貴志祐介氏「硝子のハンマー」など
2005年05月24日20時01分

　第５８回日本推理作家協会賞の選考会が２４日、東京都内で開かれ、長編および
連作短編集部門は貴志祐介氏の「硝子（がらす）のハンマー」（角川書店）、
戸松淳矩氏の「剣と薔薇（ばら）の夏」（東京創元社）に、
評論その他の部門は日高恒太朗氏の「不時着」（新人物往来社）に決まった。
短編部門は受賞作なし。賞金は各５０万円。贈呈式は６月２８日午後６時から東京・新橋の第一ホテル東京で。

江戸川乱歩賞に秋葉俊介氏「天使のナイフ」
2005年05月24日20時02分

　第５１回江戸川乱歩賞（日本推理作家協会主催）の選考会が２４日、東京都内で開かれ、
埼玉県川越市の秋葉俊介氏（３５）の「天使のナイフ」に決まった。賞金１千万円。
贈呈式は９月１６日午後６時から東京・内幸町の帝国ホテルで。

「坊っちゃん劇場」、来年開設　四国のミュージカル上演

　四国ゆかりのミュージカルを上演するなど、地域文化発信を目指す常設劇場
「坊っちゃん劇場」が２００６年４月、愛媛県東温市にオープンすることが決まり、
こけら落としとなる「坊っちゃん！」（脚本・演出ジェームス三木さん）の制作発表会見が２４日、
松山市で開かれた。
　劇場は、劇団「わらび座」（秋田県田沢湖町）と松山市の企業の共同出資で、複合商業施設
「レスパスシティ」内に建設。延べ床面積１５００平方メートルに約４３０席を設け、前列は桟敷席にする。
　今年８月に着工し、０６年２月ごろ完成予定。施設内には温泉やレストランがあり、
観劇とのお得なセットも用意する。
　第１作は、夏目漱石が小説「坊っちゃん」を発表してから０６年で１００周年になるのを
記念したもので、江戸っ子の坊っちゃんから見た原作の視点を、松山の中学生の視点に逆転させた。
　会見でジェームス三木さんは「原作で悪く書かれた松山側にも言い分があるだろう。
地方発の坊っちゃんの面白さを味わってほしい」と話した。
　初日は来年４月２２日で、年間３００回公演する。松山市などでオーディションをし出演者を
選ぶ予定だ。
　２作目以降は、お遍路文化や、中世に瀬戸内海を中心に活動した村上水軍、道後温泉などを
題材にした作品を上演する。
　同劇場開業準備室の山川優子（やまかわ・ゆうこ）さんは「観光コースのほか、
地元で演劇を志す人の活躍の場にしたい」と話している。（共同）
(05/24 16:36)

新訳「星の王子さま」続々　岩波版半世紀、独占権が消滅 2005年05月26日08時05分

　多くの人に読み継がれてきたサン・テグジュペリの「星の王子さま」が、来月から様々な出版社から
新訳で続々と出版される。日本での著作権が今年１月で切れ、これに伴い岩波書店が持っていた
独占的な翻訳出版権も消滅したためだ。倉橋由美子さんや池澤夏樹さんら著名作家による新訳もあり、
新しい「王子さま」像が話題を呼びそうだ。

　「星の王子さま」は、フランス人作家のサン・テグジュペリが飛行機で飛び立ったまま行方不明になる
前年の４３年に英語版とフランス語版が出版された。日本では５３年に岩波少年文庫として出た。
日本での著作権保護期間は原則として著作者の死後５０年まで。だが、この作品の日本での
著作権を管理している会社によると、第２次世界大戦中に著作権が機能しなかった期間が
「戦時加算」として加わるなどして１０年以上延びたという。

王子の純粋な心が読者の胸を打って日本だけで約６００万部に達し、今なお売れ続けている
大ロングセラー。出版社が次々に名乗りを上げている。６月には論創社、宝島社、中央公論新社が
刊行。また、８月には集英社が池澤夏樹さんの訳で出す予定だ。ほかにも準備中の出版社があり、
１０種類近く出るのではないかと見られている。

　岩波版はフランス文学者の故内藤濯（あろう）さんの訳。新訳本は新味を出すのに懸命だ。
宝島社版の訳を担当した倉橋由美子さんは「内藤さんの訳はすばらしい。ただ、子どもの読者を
意識して訳しておられるので、私は大人のために訳した。だから、これまでのイメージを
裏切ってしまうかもしれません」と話す。

出版を決めた４社の本はいずれも題名に「星の王子さま」を使う予定だ。岩波書店と内藤さんの
翻訳の著作権の継承者である長男で作家の初穂さん（８４）はこれに反発している。原題を直訳すると
「小さい王子」。「星の王子さま」は、濯さんのアイデアだからだ。

　初穂さんは「新訳ならば、それにふさわしい題名をつくるべきだ」と話す。「『星の王子さま』の
名前で出版するなら、法律などに詳しい人に相談して何らかの手を打ちたい」。ただ、
著作権の専門家は、一般的に本の題名には著作権は及ばず、法的に争うことは難しいとみている。

　論創社は「あとがき」で、濯さんへの敬意を示す予定だ。

韓国：日中韓の研究者が共通教材出版　盧大統領も激励
　【ソウル堀山明子】日本、韓国、中国の研究者らによる「日中韓３国共通歴史教材委員会」は２６日、
ソウル市内で記者会見し、歴史認識の共有を目指した近現代の歴史教材「未来をひらく歴史」を
出版したと発表した。出版記念会には、盧武鉉（ノムヒョン）大統領がメッセージを寄せ、「歴史は
未来を見る窓。韓中日の国民が正しい歴史認識を共にする時、平和と共存の北東アジア時代がくる」と
活動を激励した。

　教材は、３国の執筆者５４人が０２年３月から近現代史の議論を重ね、完成させた。韓国語版に続いて
日本語版も東京で２７日に発表、近く中国語版も出版される。

　聯合ニュースによると、日中韓３国による歴史教科書研究の必要性を繰り返し主張してきた盧大統領は、
出版前から「本がみたい」と要望。出版社側が仮製本の４冊を２０日に届けると、さっそく読み出すほどの
高い関心を示しているという。

毎日新聞　2005年5月26日　20時32分

>>337-339
星の王子様は子どもじゃ意味は分からんと思うし
新訳楽しみだなぁ〜。
アホみたいに悲しい話だよね・・。

中原中也の友人あて書簡発見　「さびしい」と心境つづる

　詩人、中原中也（なかはら・ちゅうや）（１９０７−３７）が、友人で詩人の故高森文夫
（たかもり・ふみお）氏に送ったはがき１通が、宮崎県東郷町の高森氏の実家から見つかった。
同町の若山牧水記念文学館で６月２日から公開される。
　中也が高森氏にあてた書簡約６０通は敗戦後、すべて紛失していたとみられていたが、
高森氏がしおりとして本に挟んでいたものが見つかった。
　はがきは１９３５年４月１７日付。中也の第一詩集「山羊の歌」が好評を博していた時期だが、
東京の大学を卒業して郷里に帰った高森氏に「淋しい　誰に会っても余り面白くない」
「君がゐなくなつて僕は全く淋しいことだ」と当時の心境を打ち明けている。
　高森氏は詩集「浚渫（しゅんせつ）船」で知られるほか、東郷町長などを歴任した。中也が３１年、
音楽評論家の吉田秀和（よしだ・ひでかず）さんを訪ねた際に知り合い、翌３２年には２人で九州を
旅行するなど交際を続けた。
　同文学館では、高森氏が所蔵していた中也の写真や中也の自筆署名入り訳詩集も同時に公開。
写真はカヤの上に寝そべる中也を撮影したもので初公開になるという。（共同）(05/25 18:29)

「嵐が丘」は確かそのままでしたね。
「ライ麦」は「キャッチャー・イン・ライ」。
ボリス・ヴィアン「日々の泡」は「うたかたの日々」


私もタイトルはそのままでいいと思うけどね。
逆に違うタイトルを付けた方が差別化が図れるかもしれないですね。

「竜馬がゆく」リレー朗読　銅像の“喜寿”祝い３３時間

　高知市の観光名所、桂浜にある坂本竜馬の銅像が２７日、建立７７年を迎えたのを記念し、
作家司馬遼太郎さんの小説「竜馬がゆく」をファンが３３時間かけて読みつなぐ朗読リレーが行われた。

　３３歳で波乱の生涯を閉じた竜馬にちなんだイベントで、全国から集まったファンが１人５分ずつ順番に
朗読。長編のため、主催者側がダイジェスト版をつくった。

　同日正午、太平洋を臨む銅像前の広場でスタート。トップを務めた高知市の旅館従業員、
徳弘靖亮（とくひろ・やすあき）さん（２６）は「緊張した。竜馬のおかげで、高知は全国からいい
イメージを持ってもらえる」と笑顔で話した。３００人以上が参加し、“完走”は２８日午後９時の予定。

　銅像は１９２８年、高知出身の早稲田大生が「地元の生んだ偉人の精神を後世に伝えよう」と
募金を呼び掛けて建立。全国の竜馬ファンが訪れる観光スポットになっている。（共同）

(05/27 17:58)

中越地震　被災地に２万冊贈呈　出版関係「贈る会」が
　
　読書推進運動協議会など出版関係８団体でつくる「新潟県中越大震災の被災地へ本を贈る会」
（代表・野間佐和子講談社社長）が２６日、２万冊余りの本を被災１０市町村の小中高校、
養護学校計１０５校に贈った。
　同会は「被災地の子どもたちに勇気と元気を」と２月に発足。業界に呼びかけたところ８５社が賛同し、
絵本や小説、参考書などが集まった。
　川口町立川口小（桑原昭校長、児童数１９０人）にはこの日、本を詰めた段ボール４箱が到着。
早速、子犬の写真集を仲良く広げた６年生の渡辺美咲さん（１１）と小宮山菜月さん（１１）は「本が
こんなにたくさん。みんなで楽しめそう」と喜んだ。【野崎勲】
（毎日新聞） - 5月27日10時14分更新

新川和江さん：
詩画集『人体詩抄』刊行　「自己の根城を見つめる」
　目や鼻、そして背中や血管など人の身体にかかわる器官に触発されて生まれた新川和江さんの詩に、
個性的な人物デッサンで活躍する甲斐清子さんの絵を組み合わせた詩画集『人体詩抄』
（玲風書房＝０３・５３４３・２３１５）が刊行された。

　代表的な女性詩人の新川さんの７０年代に発表された詩が中心。既に現代詩文庫『新川和江詩集』などで
活字化されているが、単行詩集にまとめられるのは初めて。
＜鼻というものは　夜ひとりになると／にょきにょきにょきにょき　伸びるらしい＞と語られる「鼻」や、
＜雑踏の中を歩きながら／ひとは　自分の背中を／見知らぬ遠い国のように思う／
はるかな地平線のように思う＞と始まる「背中」など１９編の詩には、人間の身体から発せられる
深い思想が平明な言葉で構築されている。

画家の甲斐さんは４７年、宮崎県高千穂町生まれ。人物デッサンによる新しいリアリズム表現の
探究で知られる。新川さんが８３年に吉原幸子とともに創刊した『現代詩ラ・メール』誌上で、
人体をとらえる線描の確かさに魅惑され、「いつか詩画集を出したい」と思っていたのが実現した。

　新川さんが『人体詩抄』を編んだのは、日本で最初の詩集といわれる『新体詩抄』をもじり人体の
各器官をモチーフとした連作を遊び心で始めたのがきっかけだ。だが詩作から歳月を経て
「私自身の器官の衰えを知るとともに、人間の器官の持つ重要性を知りました。愛だの夢だの言っても、
人間はつまるところ、ここにある一個の＜体＞を根城にして初めて自己を営んでいるのです」と
記している。【酒井佐忠】

毎日新聞　2005年5月27日　東京夕刊

蓮池薫さん翻訳家デビュー
　北朝鮮による拉致被害者、蓮池薫さん（４７）が初めて翻訳した韓国の歴史小説「孤将」（新潮社）が
２７日に発売される。２５日、都内で記者会見した蓮池さんは「奪われた２４年間を取り返すため、
何かにチャレンジしたかった」と話し、今後、翻訳家の道を歩む意向を明らかにした。

　「孤将」は、１６世紀、文禄・慶長の役で朝鮮に出兵した豊臣秀吉の軍と戦った武将、李舜臣を
題材にしたもので、原作は韓国で２００１年に発表されベストセラーとなった。

　蓮池さんは新潟県柏崎市の臨時職員を昨年１２月に退職。現在は中央大学法学部の通信教育を
受けているが、「この年齢で法律家になるのは無理。今できることを」と、子どもたちが帰国した後の
昨年８月に翻訳作業に取りかかったという。

(2005年5月26日 読売新聞)

日本問う三島の「近代能楽集」　蜷川演出でＮＹへ 2005年05月31日16時23分

　演出家、蜷川幸雄が、三島由紀夫作「近代能楽集」に再び取り組んでいる。「卒塔婆小町（そとばこまち）」と
「弱法師（よろぼし）」の２編で、６月１日にさいたま市の彩の国さいたま芸術劇場で開幕。国内各地を巡演後、
ニューヨークのリンカーンセンター・フェスティバルでも上演する。「ニューヨークの観客にどう見られるのか、
すごく興味がある」と蜷川は話す。

　この２編は００年に併せて上演され、翌年ロンドンでも公演した。

　「卒塔婆小町」は夜の公園で詩人を相手に９９歳の老婆が語るうちに、時が一瞬にしてさかのぼる物語。
出演者は全員男性で、老婆を壌晴彦、詩人を高橋洋が演じる。

　「弱法師」の主人公は盲目の青年、俊徳。自分をめぐって家庭裁判所で対立する養父母と実の両親に
暴君のように振る舞い、調停委員の桜間には戦災で失明した時に見た「この世のおわりの風景」を語る。
俊徳は藤原竜也。桜間は夏木マリ。

演出の基本は変えないが、蜷川は「微妙なニュアンスなど演技に細かい注文をつけている」という。
　「三島戯曲が昔より心に届くようになった」ともいう。英国などでの仕事が多くなり、日本の現代劇の
アイデンティティーを考える場面が増えた。
　「欧州では常に『私たちにとっての日本』と『西洋人が考える日本』の二重性を負わされる。ジャポニズム
でしか見ない批評に差別を感じることもある。三島さんはみごとなレトリックで、あえて『偽の西洋』のような
戯曲を書いた。その違和感を日本人の感性でどう埋めるのか。それを考えるのは、西洋演劇を受容して生まれた
日本の現代劇の中で日本的なものとは何かと問うた三島さんの姿勢につながることだと思う」

　ニューヨーク公演は７月２８〜３０日。同フェスティバルの中核演目として、フランスの太陽劇団、イタリアの
ミラノ・ピッコロ劇団といった欧州を代表する集団と並んで招かれた。
　「弱法師」の藤原は前回に続いての出演。「まったく新しい気持ちで取り組んでいます。こんなに衝撃的な作品は
そうはないから大変です。才能ある多くの人が集まるニューヨークで僕の演技を見てもらえるのは大きなチャンスに
なると思う」と張り切っている。
　さいたま公演は６月１９日まで。１万円〜６０００円。２４〜２６日＝新潟市民芸術文化会館▽３０日〜７月３日、
名古屋・愛知県勤労会館▽９〜１７日＝大阪・シアターＢＲＡＶＡ！。電話０３・３４９０・４９４９（ホリプロ）。

推理作家協会・新理事長に大沢在昌氏
　日本推理作家協会は３０日、逢坂剛理事長の任期満了に伴い、
大沢在昌氏（４９）を第１２代理事長に選んだ。

　任期は２年。

（2005年5月31日0時0分 読売新聞）

ジョニー・デップ、作家の追悼タワーへ資金提供
　
　今年2月に自殺した作家、ハンター・S・トンプソンを偲ぶ追悼タワーが自宅敷地内に建てられることになり、
このタワーからトンプソンの遺灰が敷地内に撒かれることになった。公私共に交流の深かったジョニー・デップは、
タワーへ自らの資金を提供した。デップは、トンプソンをモデルにした『ラスベガスをやっつけろ』で主演を務め、
一時は生活を共にするほどの親しい関係だった。イベントは、トンプソンの自殺から6か月後の8月に、
20名の招待客のみで執り行うことが決まっている。追悼タワーは基礎部の幅が12フィート、頂上の幅は8フィートで、
ここに大砲が設置され、遺灰は大砲から撃ち撒かれる予定。[5月27日　アスペン]　
（FLiX） - 6月2日11時16分更新

「名探偵コナン」声優と原作者が結婚！
　人気アニメ「名探偵コナン」のコナン役で知られる声優高山みなみ（41）と、同アニメの原作者で漫
画家の青山剛昌氏（41）が結婚していたことが1日、分かった。関係者によると、3月に高山が、
青山氏に逆プロポーズ。高山の誕生日の5月5日に、都内の区役所に婚姻届を提出した。（日刊スポーツ）

ブッカー国際賞：第１回受賞者は作家・詩人のカダレさん　
　英文学最高の賞として知られるブッカー賞に国際版の「ブッカー・インターナショナル賞」が創設され、
２日（日本時間３日）、第１回受賞者にアルバニア出身でフランス在住の
作家・詩人のイスマイル・カダレさん（６９）が選ばれた。２７日に英エディンバラで行う授賞式で、
カダレさんに６万ポンド（約１２００万円）、翻訳者に１万５０００ポンド（約３００万円）が贈られる。

　カダレさんは１９３６年、アルバニア南部ギロカステル生まれ。第二次大戦中のパルチザンを描いた
最初の長編「死者の軍隊の将軍」で世界的に知られるようになった。政治的寓意（ぐうい）をこめた
「城」「夢宮殿」はじめ、「砕かれた四月」「誰がドルンチナを連れ戻したか」など、世界４０カ国以上で
翻訳出版されている。９０年、「作家は独裁主義とは相いれない」と、フランスに亡命した。

　同賞の審査委員長は授賞理由として「歴史、情熱、伝説、政治、災害など文化全体を地図の
ごとく描いた」と述べた。

　同賞には、大江健三郎さん、フィリップ・ロスさんらノーベル文学賞受賞者を含む１７人の世界的作家が
候補に挙がっていた。【佐藤由紀】毎日新聞　2005年6月3日　13時32分

ヘミングウェーの家が危機　ハリケーンで老朽化

　ロイター通信によると、米ノーベル賞作家ヘミングウェーが小説「老人と海」を執筆したキューバの
首都ハバナ郊外にある家が２日、米史跡保存団体が毎年発表している「アメリカで最も危険に
さらされている史跡」のリストに加わった。米国以外の建造物がリストに載るのは初めて。

　ヘミングウェーは１９３９年から６０年までこの家で過ごした。現在は博物館となっている。カリブ海で
頻発するハリケーンやキューバの熱帯性の気候により老朽化し「緊急の保護措置」が必要とみなされた。

　長年にわたり敵対関係にある社会主義国キューバへの渡航を禁じている米政府は５月、
特例として同団体などの調査チームのキューバ行きを許可していた。

　リストにはほかに史跡１０カ所が掲載された。（共同）

(06/03 14:04)

Ｐ・マッカートニーさんが絵本出版　１０月、８カ国で予定

　元ビートルズのポール・マッカートニーさんが手掛けた初の絵本が、１０月に世界８カ国で
出版されることが分かった。米国の出版元ペンギン・グループが２日までに明らかにした。
日本語訳の出版時期は不明という。

　書名は「ハイ・イン・ザ・クラウズ」で、有名なアニメ作家のジェフ・ダンバーさんと
児童小説家フィリップ・アーダーさんとの共作。ダンバーさんと以前、
制作したアニメ映画「トロピック・アイランド・ハム」が下敷きになっている。米国では１０月４日発売され、
初版は５０万部を予定。

　マッカートニーさんは「長年温めてきた物語と主人公らが、形になると思うとわくわくする。
素晴らしい本になるよ」とコメントしている。（共同）

(06/03 15:23)

伊藤整、単行本にメモ　「チャタレイ裁判」で理論武装？2005年06月07日18時27分

　翻訳した「チャタレイ夫人の恋人」の性描写をめぐる刑事裁判で有罪になった作家伊藤整（１９０５〜６９）が、
自ら書き込みをした単行本が見つかった。検察側が問題としそうな個所に反論を書き入れたとみられる。
単行本は北海道小樽市立小樽文学館が所蔵しており、生誕１００年を記念して１８日から始まる
特別展「よみがえる伊藤整」で初公開する。
　単行本は３年前、遺族から小樽文学館に寄贈された。最近になり、北大名誉教授（日本近代文学）で
「伊藤整の世界」の著書もある亀井秀雄館長（６８）が書き込みを見つけた。亀井さんによると、公判に
備えた準備として伊藤が自ら理論武装したらしい。

　この本は裁判が始まると同時に証拠品として押収され、すぐに返却された。伊藤の書き込みは
その直後のことらしく、検察が問題にしそうな性描写の文章１２カ所の文学的な価値について書き添えている。
　例えば「彼は彼女の中に、はげしい憐（あわ）れみと愛慕の思い、野性的な貪慾（どんよく）な
肉體（にくたい）の慾（よく）を目覚ませた」の文章に傍線が引かれ、下段の空白部分に
「東洋的な孤立、反社会的受動、反責任等が性と同質である」とある。
　チャタレイ夫人との性行為が終わった後の文学者マイクリスのせりふ「君は男と同時に快楽を追求する
ことは出来ないのですね」や「残忍」という言葉にも傍線があり、「他人を考えれない孤独者マイクリス」
「精神のみのエゴイステックなセックス」と記されている。

仏で太宰治が人気、ドキュメンタリー制作で監督来日
　フランスの映像監督２人が、１９日に命日を迎える作家・太宰治の衰えぬ人気の秘密を探るドキュメンタリー作品
制作のため来日、６日から、太宰最期の地となった東京都三鷹市でファンたちに取材を始めた。フランスでも
高まりつつある太宰人気が背景だという。

　太宰は「文章の皮肉なタッチがフランス人好み」（甲南大のディディエ・シッシュ助教授）。近年、「斜陽」
「人間失格」などの仏訳が読まれているという。
　来日したのは、欧州のテレビ向けのドキュメンタリーなどを制作しているジル・シオネさん（５６）と
マリー＝フランシーヌ・ル・ジャリュさん（３９）。
　２人はこの日、太宰信奉が高じて三鷹に古本屋を開いた駄場みゆきさん（３９）の店を訪れ、
「永遠に太宰に恋してます」と語るのを興味深そうに聞いた。
　この後、約１か月かけて青森県金木町（現・五所川原市）の太宰の生家や、作品の舞台となった
甲府などを訪れる。太宰の命日には、三鷹・禅林寺で開かれる「桜桃忌」でファンを取材する。
シオネさんは「欧州中が太宰を理解できるような作品に」と意気込んでいる。

（2005年6月7日3時7分 読売新聞）

英女流文学賞のオレンジ賞、少年殺人犯描いた作品が受賞
2005年06月08日16時37分

　［ロンドン　７日　ロイター］　英国で最も権威ある女流文学賞、オレンジ賞が７日発表され、
米国出身ライオネル・シュライバーの７作目「We Need to Talk About Kevin」が選出された。

　１６歳の誕生日を前に連続殺人を犯した男子高校生を、母親の視点から描いた作品。
刑務所に収監された息子と面会した母親が、別居した夫に書き送る手紙という形式で物語が進行する。

　郊外住民や親子関係への厳しい視点で、同作品は激しい論議を巻き起こすとともに、
英米両国で口コミで評判が広がった。

石原さとみら131人が昔話を朗読しＣＤに
2005年06月08日10時01分

　和田アキ子、深田恭子、石原さとみらホリプロのタレント総勢１３１人が昔話を朗読したＣＤが
発売されることが７日、分かった。ＴＯＫＹＯ　ＦＭとタイアップした企画で、ＣＤのタイトルは
「日本昔ばなし〜フェアリー・ストーリーズ〜」（８月２４日発売）。「親子のコミュニケーションの場を
提供したい」と、４５周年を迎えたホリプロが総力を挙げて取り組んでいる。

　人気タレントと昔話という組み合わせは、大手芸能プロダクションのホリプロが４５周年記念企画として考案した。
担当者は「タレントが朗読することで長く語り継がれている昔話の良さを知ってもらえれば。お母さんと
子供のコミュニケーションの１つのきっかけになればうれしい」と話す。

同プロはＴＯＫＹＯ　ＦＭとタイアップ、４月から始まった「セブンイレブン・フェアリー・ストーリーズ」
（日曜午前７時２５分）で所属タレントが昔話を朗読している。これまで山瀬まみ、宮崎美子、
東ちづるらが登場。今後も石原さとみ（１２日放送）、和田アキ子、榊原郁恵、宮地真緒、らが登場する予定だ。
リスナーからの反響は予想以上で「聞き逃した番組をもう１度放送してほしい」との声が殺到しているという。

　日本コロムビアから発売されるＣＤ「日本昔ばなし〜フェアリー・ストーリーズ」は番組に出演した
２６人に加え１０５人のタレントが参加。合計１１７編の昔話が収録される。ＣＤから参加するタレントには、
武田修宏、つぶやきシロー、イジリー岡田らがいる。全１０巻で完結し、第１弾は８月２４日に
第１巻から第３巻まで発売される（以降１０巻までは随時発売）。朗読したタレントたちも
「昔、母が読んでくれた昔話を思い出した」「子供ができたらこんなふうに読んであげたい」などと、
親子のきずなを再確認していた。

「子供たちの心動かす本を」産経児童出版文化賞贈賞式

　第５２回産経児童出版文化賞（産経新聞社主催、フジテレビジョン、ニッポン放送後援、ＪＲ６社協賛、
ホテルメトロポリタンエドモント協力）の贈賞式が７日、秋篠宮妃紀子さまをお迎えして、
東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで行われた。関係者約３００人が出席し、受賞者を祝福した。
　贈賞式では、住田良能・産経新聞社長が「健やかな子供を育てていくうえで児童出版の役割は大きい」と
あいさつした後、紀子さまがお言葉を述べられた。
　その後、「昔のくらしの道具事典」（岩崎書店）の監修で、大賞を受賞した東京都歴史文化財団学芸員の
小林克さんらに、賞が贈られた。小林さんは「昔の道具といっても、いろいろな移り変わりがあることを
分かりやすく解説しました。私一人の力ではなく、出版社の方々とのチームワークの受賞です」と喜びを語った。
　産経児童出版文化賞は子供たちに優れた本を与えようと、昭和２８年に設けられた。今回は昨年１年間に
出版された児童書４２５２点の中から、大賞など計２０点の優秀作品を決定した。

■秋篠宮妃紀子さまお言葉

　子供たちが読書する時間が少なくなってきているといわれていますが、児童や生徒に読書の機会を
積極的に設ける学校が多くなってまいりました。子供たちが本と語り合うことで視野を広げ、
感性を豊かにはぐくむことは大事なことであると思います。今後も子供たち、大人の私たちの心を深く動かし、
長く読み継がれる本が作られていくことを願っています。

《受章者と作品》

　【大賞】「昔のくらしの道具事典」（小林克監修　岩崎書店）
　【ＪＲ賞】「ヒットラーのむすめ」（ジャッキー・フレンチ作、さくまゆみこ訳　鈴木出版）
　【賞】「ホリス・ウッズの絵」（パトリシア・ライリー・ギフ作、もりうちすみこ訳　さ・え・ら書房）
▽「スピリット島の少女」（ルイーズ・アードリック作、宮木陽子訳　福音館書店）
▽「瞬間」（栗林慧著　フレーベル館）▽「うさぎのおうち」（マーガレット・ワイズ・ブラウン文、
ガース・ウィリアムズ絵、松井るり子訳　ほるぷ出版）▽「ウィッシュリスト」（オーエン・コルファー著、種田紫訳　理論社）
　【美術賞】「悲しい本」（マイケル・ローゼン作、クェンティン・ブレイク絵、谷川俊太郎訳　あかね書房）
　【フジテレビ賞】「盲導犬不合格物語」（沢田俊子文　学習研究社）
　【ニッポン放送賞】「どうぶつゆうびん」（もとしたいづみ文、あべ弘士絵　講談社）
　【推薦】「てつびん物語」（奥野安彦写真、土方正志文　偕成社）▽「ふしぎの森のヤーヤー」
（内田麟太郎作、高畠純絵　金の星社）▽「ジュディ・モードはごきげんななめ」（メーガン・マクドナルド作、
ピーター・レイノルズ絵、宮坂宏美訳　小峰書店）▽「かかしごん」（なりたさとこ作・絵　ＢＬ出版）▽「カッチェン」
（トミ・ウンゲラー作　ＢＬ出版）▽「スズメの大研究」（国松俊英文、関口シュン絵　ＰＨＰ研究所）
▽「祈祷師の娘」（中脇初枝作、卯月みゆき画　福音館書店）▽「武器では地球を救えない」
（和田登著、高田勲画　文渓堂）▽「石ころがうまれた」（渡辺一夫著　ポプラ社）▽「ヤギの見る色　どんな色？」
（岸上祐子著　ポプラ社）
【2005/06/08 東京朝刊から】(06/08 07:54)

詩：『大庭みな子全詩集』刊行　自然にこぼれた私の言葉
　『大庭みな子全詩集』（めるくまーる）が刊行された。１０代から詩を書き続けている作家、大庭みな子さんの
１９５０〜０１年の作品５６編を収録。「私の文学の出発は詩作」という大庭さんの言葉への鋭敏な感覚が際立つ一冊だ。

　大庭さんは３０年、東京生まれ。代表作に『寂兮寥兮（かたちもなく）』（谷崎賞）、『啼（な）く鳥の』（野間文芸賞）など。
９６年に脳こうそくで倒れ、左半身不随となったが、短歌を盛り込んだ『浦安うた日記』で０３年の紫式部賞を受けるなど、
創作熱は衰えていない。
　河野多恵子さんと共に女性初の芥川賞選考委員になるなど常に純文学の第一線にいた大庭さんだが、詩も折々、
書き留めていたという。「自分では詩人だと思っています。小説よりも詩の方が、発想の段階から、より自分の
心情に近いと思う」と語る。
　全詩集の初期作品には大庭さんの小説が結晶したような味わいが濃厚だ。５０年の《筆竜胆（ふでりんどう）、
何ごともわきまえている女、／土筆（つくし）、倖（しあわ）せな少年、》や、
５４年の《乳房にまつわる風の中から／虹の泡が生れる。》などの詩句には、芥川賞を受けたデビュー作
『三匹の蟹』（６８年）に通じる硬質な叙情が漂う。

　また、水爆実験の衝撃をうたう「つばめ」（５４年）では《あたり一面／火ぶくれた魚の腹。／鳥はペストの鼠。
／海はくさった葡萄の汁。》など大庭さんには珍しい激しい言葉で核兵器を生んだ人間の愚劣さを告発。
１４歳で広島の原爆の惨状をまのあたりにした人らしい怒りを込める。
　倒れる前の「むかし女がいた」（９４年）は、死と再生を繰り返す人間社会を空の高みから俯瞰（ふかん）したような長編詩。
《女の姿がよく見えない者を男という／男の姿がよく見えない者を女という》など、「分かりあえない他者」という
大庭小説の主題を詩の形で変奏。大庭さんは「好きな男の人のことでも、女の私には、死ぬまで分からない」と愉快そうに笑う。

　自身の「みな子」や「秘書兼下男」の夫利雄さん、「孫息子」や知人の「宗子さん」ら親しい人々が登場するのは
「炎（も）える琥珀（こはく）」（９６年）である。川端康成や中上健次ら過去に親しく接した作家らも詩行に現れ、
《はっはっは　宗子さん／みな子はどうしよう》など天衣無縫の書きぶりに、現世を達観したユーモアがにじむ。
また、《女に生まれてしまったので／女を残酷にみつめるしかないのです》などの詩句が含蓄に富む。
　大庭さんは「どれも私の内側から自然にこぼれてきた言葉です。詩でも小説でも難しいと言われるとつらかった。
わかりやすい、と言っていただくのが一番うれしい」と話している。【米本浩二】

毎日新聞　2005年6月7日　東京夕刊

http://diary10.cgiboy.com/0/syo1192/index.cgi?mode=out

新田次郎賞：中村彰彦さんが喜び語る　新田氏との縁を披露−−授賞式
　第２４回新田次郎文学賞の授賞式が東京で行われ、
『落花は枝に還らずとも』（中央公論新社）で受賞した中村彰彦さんが
喜びを語った。

　中村さんは「編集者時代の昭和５３（１９７８）年、直木賞の
選考委員をされていた新田さんのお宅に候補作を届けた時、
初めてお会いしました。当時は物書きになる気はありませんでしたが、
書斎に史料がそろっているのを見て、『いつかは自分も、
こんな史料が欲しいなあ』と考えたことを思い出しました。
不思議な巡り合わせです」と話した。

受賞作は幕末、会津藩の外交官として奔走した秋月悌次郎（ていじろう）の
一生を描いた。派手な戦闘は経験せず、浮いた話も残っていない人物だけに、
小説の主人公として取り上げるのは難しかった。
だがあまり知られていない維新後の教育者としての活躍まで描き、
「文句のつけようがない内容」（伊藤桂一・新田次郎記念会理事長）
にまとめ上げた。

　中村さんは「秋月の人徳に与えられた賞だと思います。近いうち、
妻と一緒に彼の墓にあいさつにいきます」としめくくり、
会場から拍手が送られた。【栗原俊雄】

毎日新聞　2005年6月7日　東京夕刊

学校図書館賞：
香川県立高松工芸高が受賞　都内で表彰式　
　学校図書館の振興に貢献した個人・団体をたたえる「学校図書館賞」「学校図書館出版賞」
（主催・日本学校図書館振興会、全国学校図書館協議会）の表彰式が８日、東京都内であった。
「第３５回学校図書館賞」は、奨励賞に専門高校の特性を生かし、「ものづくり」を積極的に取り入れた
読書活動に取り組んだ香川県立高松工芸高校（東条正幸校長）が選ばれた。「第７回学校図書館出版賞」には
「ビジュアルブック　語り伝えるヒロシマ・ナガサキ」を発行した新日本出版社と「学校に行けないはたらく子どもたち」を
発行した汐文社が選ばれた。その他の賞は該当がなかった。

毎日新聞　2005年6月8日　19時10分

作品展：乱歩が収集した、江戸文学の資料を展示−−西鶴の初刷本など
　江戸川乱歩が収集していた江戸文学に関連した資料を集めた「江戸川乱歩旧蔵江戸文学作品展」が、
豊島区西池袋３の立教大学池袋キャンパス太刀川記念館で１０〜１２日に開かれる。

　乱歩の長男の平井隆太郎元立教大教授が０２年、同大に隣接する乱歩の邸宅と土蔵、
乱歩のコレクション約３万点を同大に寄贈。その中から、井原西鶴の浮世草子『好色一代男』の
初刷本など江戸文学に関する資料約１００点を展示する。

　乱歩所有の『好色一代男』は、複数の所有者を経て、乱歩が１９５０年に浅倉屋という古書店から
当時の５万円で入手したという記録が残っている。入場無料。【手塚さや香】

毎日新聞　2005年6月9日　東京夕刊

展示：出版物を一堂に紹介−−東北文化研センター
　東北芸術工科大の「東京サテライトキャンパス」（中央区日本橋堀留町１）で、同大学東北文化研究センターの
出版物を集めた展示、販売会が開かれている。

　『東北学』『別冊東北学』『季刊東北学』といった主要出版物を通じ、９９年の設立以来、
市民・研究者の交流を図り、東北文化研究の拠点となるよう努めてきた同センターの歩みを紹介しようとの企画。
１４日までだが、１１、１２日は休み。問い合わせは同大学東京事務所（０３・５６１４・６５５６）。

毎日新聞　2005年6月9日　東京夕刊

詩歌の現在：６月　新たな悲劇に抗する詩を＝酒井佐忠
　２０世紀とは違う新たな枠組みの中で複雑化した悲劇が相次ぐ現在に、詩の言葉はどうあるべきか。また平準化された
グローバルな情報過剰の時代に、詩人は何をなすべきか。そんなことを考えさせる２冊の本に出合った。

　まず韓国の代表的詩人・高銀（コウン）氏と吉増剛造氏の対話・往復書簡からなる『日韓詩人の対話　「アジア」の渚で』
（藤原書店）だ。高氏は、１９３３年韓国全羅北道生まれ。朝鮮戦争時に虐殺を目撃して出家するがのちに還俗し、
民主化運動に携わりながら小説・評論でも活躍する。沖縄から朝鮮半島へ、南の海の民俗風習の胎動に
耳を澄ます日本の詩人・吉増氏という格好の聞き手、語り手を得て高氏は、稀有（けう）の体験と想像力に基づいた思考で、
現在の詩の言葉の有り様に警鐘を鳴らす。

　詩人はもちろん母国語が根拠である。さまざまな理由で母国語が失われつつある現在だが、高氏は、母国語に
依拠しつつさらに母国語の外の世界に出て行くことの必要性を説く。「体験のない想像や想像の排除された体験の平面は、
両方とも詩の停滞であるはず」と記す。そしてドイツのヘルダーリン、ロシアのマヤコフスキーら苦悩の詩人を
例に挙げ「なぜ今日の詩人はこんなにも日常的であるか、なぜ彼らのような精神的な痛みがないのかという懐疑を抱きます」と
時代への危機意識を失った詩人たちの現況を指摘する。

時代の危機は、２０世紀と形を変え、表層には現れにくい姿で存在する。その時代の暗闇を敏感に感じ取り、
詩人の顔は「世界の影」と接していなければならない、つまり詩人は病む者でなければならない、と高氏は言う。

　２１世紀の暗闇を踏まえつつ詩人が提唱するのは「海への夢想」だ。近世や近代（あるいは現在）の
陸地中心主義による加害と被害の関係ではなく、「海の沿岸国家が開かれた存在として一つの交響楽のような
関係を保つ」ことを高氏は夢想する。昨年韓国の東南部を襲った台風被害の中で、沖縄を含めた日本列島と
朝鮮半島が一つの台風圏内にあることを再認識もした。

　対話者の吉増氏にしても精神の流動性では際立った存在だ。何十年来、南島をさまよい、そこで出会った人々や
海の色から、日常的ではない実験的な詩の言葉を採取しつづけている。海への夢想に関しては、高氏と感覚を
共有しているだろう。海への夢想から真の情愛で結ばれる東北アジアへ、さらに近代ではなく人間の原初が
息づいていた古代へ。そして東北アジアの未来へ。２人の詩人の語りと書簡は決して夢物語を綴（つづ）っている訳ではない。

そして高氏が感受する時代の闇とは、安易なグローバリズムと西欧的なオリエンタリズム、アメリカによる世界化、
さらに「東アジアの深刻な不和が、日本をその震央として発生している」ことであるという。その闇の前に詩人は
立ち尽くす。

　『「アジア」の渚で』について多く触れたがもう一冊は、楊煉（ヤンリエン）氏の『幸福なる魂の手記』
（思潮社・浅見洋二編訳）である。楊氏は、５５年生まれ。中国・北京で育ち北島（ベイタオ）氏らととも
地下文芸雑誌『今天』に参加、新しい世代の詩人として活躍した。天安門事件を契機に出国し、
現在はロンドンに在住して、その作品は国際的に高い評価を受けている。

　彼の詩作品や０２年１１月、山口県の秋吉台国際芸術村で開かれた国際現代詩セミナーでの講演を著書は
収録している。楊氏もまた母国語にとらわれつつ流浪をつづける。だが彼は「亡命文学」というジャンルを否定する。
亡命（エグザイル）とは詩の題材ではありえない。楊氏は結果的に中国大陸から亡命したが、
それは精神そのものの亡命なのである。すべての詩人は精神の亡命者だ。その点では高氏も吉増氏も
同じであろう。（専門編集委員）

人気作家　世界に一つだけのモルトウイスキー造りに挑戦
　
　人気作家６人が８日、大阪府島本町のサントリー山崎蒸溜所に集い、世界に一つだけの
モルトウイスキー「謎２００５」造りに挑んだ。
　「謎」シリーズとして、日本推理作家協会と毎日新聞社が００年から毎年主催。今回は、初回から
連続参加の逢坂剛さん、大沢在昌さん（日本推理作家協会理事長）、北方謙三さんの３人に加え、
本紙に連載した小説「魂萌（たまも）え！」の単行本が好評の桐野夏生さん、東野圭吾さん、
福井晴敏さんと豪華な顔ぶれがそろった。
　６人は１０種類のモルト原酒をバッティング（ブレンド）しながら、好みの味、香り、色に仕上げた。
サントリーのチーフブレンダー、輿水（こしみず）精一さんら計８人が審査し、福井さんの
作品「ＡＥＧＩＳ（イージス）」が「謎２００５」に決定した。
　自著「亡国のイージス」にちなんだ命名で、福井さんは「重厚だけれども重過ぎず、華やかさのある
ウイスキーをイメージしました。全体を調和させながら突出した部分を生かす点は、小説の創作にも
通じますね」と話していた。
　ＡＥＧＩＳは今秋に限定販売される。【有本忠浩】
（毎日新聞） - 6月9日10時14分更新

雑記帳　大学図書館にマンガ資料館オープン　山口・周南
　
　◇山口県周南市の徳山大（杉光英俊学長）図書館に８日、「マンガ資料館」がオープンした。蔵書は
手塚治虫の名作「ジャングル大帝」から最新のヒット作まで５０００冊。
　◇徳山大は今春、ビジネス戦略学科にマンガ、アニメの制作技術などを学ぶ「知財開発コース」を新設。
資料館は学生向けだが、利用登録すれば一般、小中高生も入館できる。
　◇総費用３００万円。「あしたのジョー」の原画レプリカ、昭和３０年代の月刊誌原本など「お宝」がざくざく。
定員割れが続く中、これで未来の徳大生を獲得？【鈴木美穂】
（毎日新聞） - 6月9日10時14分更新

歌人の塚本邦雄氏死去　８４歳

　前衛短歌の旗手で、戦後の短歌界に大きな影響を与えた歌人の塚本邦雄（つかもと・くにお）氏が
９日午後３時５４分、呼吸不全のため大阪府守口市の病院で死去した。８４歳。滋賀県出身。
葬儀・告別式は１３日に大阪府東大阪市荒本西１ノ１８ノ２、東大阪玉泉院で。喪主は長男で
作家の青史（せいし）氏。

　９日、施設で足腰のリハビリ中に食べ物がのどに詰まり、病院に搬送されていた。

　大阪の商社に勤める傍ら、歌人・前川佐美雄に師事して「日本歌人」に入会。１９５１（昭和２６）年、
第１歌集「水葬物語」を刊行。以後、作品を次々に発表し、岡井隆氏、故寺山修司氏らとともに
前衛短歌運動の中心的存在として活躍した。作家の故三島由紀夫とも交流があった。

　象徴主義的、反写実的作風は、それまでの自然主義や写生論などで事実性にとらわれていた短歌界の
常識を大きく覆した。鮮烈な美と情念の世界を壮麗な日本語を駆使して歌い上げ「言葉の魔術師」と呼ばれた。

　「日本人霊歌」で現代歌人協会賞、「詩歌変」で詩歌文学館賞、「不変律」で迢空賞、「黄金律」で
斎藤茂吉短歌文学賞、「魔王」で現代短歌大賞など多くの賞を受賞している。

　８９年から１０年間、近畿大教授を務めた。９０年、紫綬褒章を受章。短歌結社「玲瓏（れいろう）」主宰。

　「定型幻視論」「茂吉秀歌」（全５巻）などの評論のほか、小説「藤原定家」「紺青のわかれ」も著すなど、
旺盛な活動で知られた。「塚本邦雄全集」（全１５巻）が出ている。（共同）

(06/10 08:14)

近畿大で「活字文化公開講座」、学生ら５００人参加
　読売新聞社が進める「２１世紀活字文化プロジェクト」の一環として、「活字文化公開講座」
（活字文化推進会議、近畿大主催）が１１日、近畿大（大阪府東大阪市）で開かれ、学生や市民ら
約５００人が参加した。

　昨年末、スマトラ沖地震の巨大津波で大きな被害を受けたタイで図書館づくりの活動を続ける
シャンティ国際ボランティア会専務理事、秦辰也さんが基調講演。「絵本によって子供たちは生きる
勇気を取り戻し、周囲の大人も勇気づけられる」と語った。

　この後、秦さんとＮＨＫ解説委員の柳沢秀夫さんが「本を読みたい〜災害と戦乱下の子らはいま」を
テーマに議論。柳沢さんは世界各地の紛争や内戦を取材した経験をもとに「憎しみの連鎖を断ち切るには、
本を読める環境が必要だ」と訴えた。

（2005年6月11日20時10分 読売新聞）

「大人のための残酷童話」…作家、倉橋由美子さん死去

　「パルタイ」「スミヤキストＱの冒険」など反リアリズム小説で知られた作家、
倉橋由美子（くらはし・ゆみこ、本名・熊谷由美子＝くまがい・ゆみこ）さんが１０日午前１０時９分、
拡張型心筋症で亡くなっていたことが分かった。６９歳。
　葬儀は１３日に済ませた。喪主は夫、熊谷冨裕氏。
　１９３５年、高知県生まれ。６０年安保の年、明治大在学中の２４歳で書いた「パルタイ」でデビュー。
翌年には作品集「パルタイ」で女流文学賞を受けた。党（パルタイ）という組織への違和感を描き、
観念性に富む作品は、同年生まれの学生作家大江健三郎氏とも比較され、話題になった。
　その後は「聖少女」で近親相姦（そうかん）の問題を追求するなど、人間の存在を問う反リアリズムの
作品を発表。一方で「夢の浮橋」「反悲劇」など、パロディー性豊かで毒のある世界をつくる。
　名作童話の裏に潜む人間の邪悪な心を一流の毒舌文体で描いた創作集「大人のための残酷童話」
（８４年）はロングセラーに。社会の女性化が進んだ架空の世界を描いた８６年のＳＦ滑稽（こっけい）冒険譚（たん）
「アマノン国往還記」は翌年、泉鏡花文学賞。

[読売新聞]

「日本を愛したティファニー」などエッセイスト賞
2005年06月16日23時07分

　第５３回日本エッセイスト・クラブ賞は１６日、久我なつみ氏の「日本を愛したティファニー」
（河出書房新社）、滝沢荘一氏の「名優・滝沢修と激動昭和」（新風舎）、竹山恭二氏の
「報道電報検閲秘史―丸亀郵便局の日露戦争」（朝日新聞社）の３作に決まった。

　授賞式は７月１３日午後３時から、東京・内幸町の日本記者クラブで。

憲法改正：
あす、表現の自由考えるシンポ−−東京・立教大学
　立教大学の人権センターは、憲法を改正して表現・報道の自由を規制しようという動きが与野党の
一部から出ている中で、表現の自由の意義や報道機関をめぐる現状と問題点を考える
シンポジウムを１８日午後１時から、東京都豊島区池袋キャンパスで開く。パネリストは「放送禁止歌」などの
著書があるドキュメンタリー作家の森達也さんと飯室勝彦・中京大教授の２人。
司会は服部孝章・立教大教授。人権センター（０３・３９８５・３１９２）。

毎日新聞　2005年6月17日　東京朝刊

ヒトラーの「わが闘争」４７２万円　署名入り初版本

　ナチス・ドイツの独裁者ヒトラー（１８８９―１９４５）の著書「わが闘争」の署名入り初版本などが１５日、
ロンドンの古書類競売業者ブルームズベリーの競売で２万３８００ポンド（約４７２万円）で落札された。

　ＰＡ通信などによると、落札したのは英国人バイヤーで、インクの署名の入った同書のほか、
ヒトラーが知人あてに出したカード類も含まれている。

　１９２０年代に刊行された「わが闘争」は、アーリア民族の優越性と反ユダヤ主義を前面に打ち出し、
ナチス・ドイツのイデオロギーの柱となった。（共同）

(06/16 12:50)

図書券発行９月まで、カードに一本化
　日本図書普及は１６日、図書券の発行を９月末で停止し、プリペイド式の図書カードに
一本化することを明らかにした。

　図書券は、１９６０年に発行を開始した。全国１万９００店で使用でき、昨年度の発行額は４８０億円に上った。
しかし、ピーク時の９４年度と比べ、１６０億円ほど発行額が減少している。一方、図書カードは９０年の発行開始で、
昨年度の発行額が２３０億円。同社では、図書カードの読みとり機の設置店が全国１万５００店に増加したことに加え、
図柄を自由に選べる図書カードは贈答品としても優れていることから、図書券の発行停止を決めた。

　古い図書券は、１０月以降も無期限に使用できる。

（2005年6月16日19時50分 読売新聞）

柳田国男の子を思う心くっきり　絵はがき２００余通出版 2005年06月17日13時45分

　日本民俗学の創始者柳田国男（１８７５〜１９６２）が、国内外の旅先から家族にあてた絵はがきなど
二百数十通が見つかった。「柳田國男の絵葉書（えはがき）」（晶文社）として今月末、刊行される。
人間・柳田を知る手がかりになりそうだ。

　見つかったのは国の役人だった１９０４年から、民俗学者として調査研究を続けていた５１年まで、
折にふれて書かれたもの。中国・台湾や欧州各国からも出されている。柳田家が所蔵していた。

　妻・孝あては衣類の手配など生活上の連絡が多いが、柳田が貴族院書記官長を辞任した
１９年１２月２３日のはがきでは「其後新聞を見ずとも多分うるさかつたこと気毒に存候」とねぎらっている。

１男４女の子どもたちには、やさしく書いた。次女・千枝（当時８歳）にあてた２０年１１月１日付の
犬山城（愛知県犬山市）の絵はがきでは「けふ犬山に来て千枝子のおてがみを此おしろの一ばん上で
よみました」と書く。

　また、４５年６月１３日、入営後の消息を案じていた長男・為正から連絡を受けた柳田は
「其後どうしたかと毎日うはさいたしをり候処　御葉書により消息を知り安堵いたし候」と、速達を送った。

　柳田は１７年に台湾・中国を、２１年から２３年までは国際連盟委任統治委員として欧州を旅した。
欧州からのはがきの一部は「柳田國男全集」（筑摩書房）に収められているが、訪ねた場所や会った
人物など今回初めて明らかになったことも多い。

　整理にあたった田中正明・二松学舎大講師は「柳田研究は細分化されて全体像が見えにくいが、
人と学問を結びつける手がかりとして重要な資料だ」と話している。

太宰治の直筆はがき発見　「京都へ移住」の思いも

　「人間失格」などで知られる作家太宰治（だざい・おさむ）の直筆はがきが、鳥取県倉吉市で
１８日までに見つかった。太宰が終戦前後に疎開していた青森県金木町（現五所川原市）の実家から
知人に出したはがきで、京都移住を検討していることがつづられている。

　はがきのあて先は当時、朝日新聞大阪本社出版局に勤めていた故松崎哲郎（まつざき・てつろう）さん。
長女の森脇恭子（もりわき・きょうこ）さん（７１）が倉吉市の自宅で、三女の野見節子（のみ・せつこ）さん（６５）と
一緒に亡母の遺品を整理していて見つけた。

　はがきの日付などから１９４６年６月６日に出したとみられ、花などを頭にのせて京都市内へ売りに行く
「大原女」を描いた絵はがきに「お逢ひできずに、そのうち大阪へおいでになってしまって、ざんねんです。
ひょっとしたら私は京都へ移住するかもしれません」などと書かれていた。

太宰は同年１１月、東京都三鷹市の自宅に戻り、京都移住は実現しなかった。「評伝太宰治」などの著書がある
岐阜女子大の相馬正一（そうま・しょういち）名誉教授（７６）は「終戦後、太宰はほかにも出版社の人などに
京都移住に触れた手紙を出している。東京は焼け野原になっていたので、移住先の１つとして戦火を免れた
京都を考えていたのでは」とみる。

　１９日は太宰の命日に当たる「桜桃忌」。誕生日でもあり、出身地の五所川原市では生誕祭が催される。

（共同）

(06/18 17:45)

「電車男」本と映画Ｗで100万突破
2005年06月19日10時01分

　ネット掲示板「２ちゃんねる」から生まれた実話の純愛物語「電車男」（新潮社）が週明けにも
１００万部を突破することが１８日、分かった。４日に封切られた山田孝之（２１）主演の同名映画も
動員数１００万人を超えるのは確実で、相乗効果で“ダブルミリオン”を達成する見込みだ。オタクの男性が、
女性と交際するために助けを求めて始まったネット上のやりとりが評判となり、昨年１０月に
「著者・中野独人」として書籍化された。最近、映画と原作本の“ダブルミリオン”を達成したのは
「世界の中心で、愛をさけぶ」「いま、会いにゆきます」がある。

ディープスロート伝記に　トム・ハンクス主演で映画化も

　１６日付の米紙ワシントン・ポストによると、ウォーターゲート事件の情報源「ディープスロート」だった
元連邦捜査局（ＦＢＩ）副長官マーク・フェルト氏（９１）の伝記の出版が決まった。来年春の出版予定。人気俳優、
トム・ハンクスさん主演による映画化の構想も進んでいる。
　出版の権利を獲得したパブリックアフェアーズ・ブック社によれば、伝記の仮題は「Ｇ―マン（ＦＢＩ捜査官の意）の生涯」で、
フェルト氏がポスト紙に事件の情報提供を決断する経緯などが明かされる。
　素材として、１９７９年に出版されたフェルト氏の回想録、フェルト氏や家族、弁護士の証言を取り込む。
　映画化はユニバーサル・ピクチャーズが進めており、脚本も準備中。公開時期などは決まっておらず、
実現すればハンクスさんはフェルト氏の役を演じる。
　一方、情報をフェルト氏から得て事件をスクープしたポスト紙のボブ・ウッドワード編集局次長による
「秘密の男―ウォーターゲートのディープスロート物語」が７月に出版される予定だ。（共同）

(06/17 12:12)

「本を愛して」…九大の活字文化講座で大沢在昌さん
　読売新聞社が推進する「２１世紀活字文化プロジェクト」の一つ、「活字文化公開講座」
（活字文化推進会議、九州大主催）が１８日、福岡市の九州大で開かれた。学生からお年寄りまで
約２５０人が参加。

　「新宿鮫（ざめ）」シリーズで知られる作家の大沢在昌さんが「ミステリーと私」と題して講演し、
「本はそれ自体がドラマだが、本が作られる過程にもドラマがある。本を愛して下さい」と語りかけた。

（2005年6月18日19時15分 読売新聞）

太宰治賞：津村さんと川本さん、同時受賞の感激−−贈呈式

　第２１回太宰治賞の贈呈式が都内で１５日夜あり、受賞作「マンイーター」の津村記久生さんと、
「刺繍（ししゅう）」の川本晶子さんに副賞１００万円などが贈られた。同賞の２人受賞は今回が初めて。
　津村さんは７８年生まれ、大阪市在住。川本さんは６２年生まれ、東京都在住。
　式のあいさつで、選考委員の柴田翔さんは女子学生の卒業間近の日々を描く「マンイーター」に触れ、
「なにげない日常に見え、実は人を食う社会の中で暮らしていることが見えてくる」と評した。老いた母と
中年の娘を書いた「刺繍」については、小川洋子さんが「母の後ろ姿を見送る孤独がリアリティーを
もって伝わってくる」と述べた。
　津村さんは「導いてくれた皆さんに感謝します」、川本さんは「大好きな小説を真ん中にすえて暮らしていきたい」と
それぞれあいさつ。太宰治の長女、津島園子さんが２人に花束を贈った。受賞作や選評は『太宰治賞２００５』
（筑摩書房）に掲載されている。【米本浩二】

毎日新聞　2005年6月20日　東京夕刊

「パリは燃えているか」の米作家コリンズ氏が死去
　ラリー・コリンズ氏（米国の作家）２０日、フランス南部フレジュスの病院で脳出血のため死去した。
７５歳。

　米軍の軍務のために渡仏、ドミニク・ラピエール氏に出会い、２人で作品を書くことを決めた。
映画化もされた共著の代表作「パリは燃えているか」は第２次世界大戦末期、ナチスドイツのヒトラーが
パリ破壊を在パリのドイツ軍司令部に命じた言葉で、連合軍によるパリ解放の様子をパリ市民や
軍人などへの取材を通して描いた。

　共著書にはインド独立やイスラエル建国などをテーマとした作品もある。

（2005年6月21日1時52分 読売新聞）

森光子がコンサートで朗読　反戦・ひばりへの思い込め
2005年06月13日16時52分

　愛の様々な形を言葉に託したいと、森光子がコンサートで朗読する会が東京で続く。

　１６日午後７時からは三軒茶屋・昭和女子大学人見記念講堂で、反戦を歌に込める「ふれ愛コンサート」
（日本作編曲家協会主催）。２４日午後６時からは日本武道館で、美空ひばりの１７回忌を追悼するコンサート
「歌声はひばりと共に２００５」。ひばりの名曲メロディーをバックに歌詞を朗読するＣＤ「森光子が詠む美空ひばりの詩」
（シンコーミュージック）も出る。「戦後６０年。平和を願って戦争で亡くなった人々や、若くして倒れたひばりさんへの
思いを込めたい」と話す。

　「ふれ愛コンサート」は、同協会会長の服部克久らが指揮して、島田歌穂や平野忠彦が、愛をテーマにヒットした
映画やミュージカル音楽を歌う。森は、金子みすゞの詩とジョン・レノン作詞作曲「イマジン」（湯川れい子訳）を朗読し、
戦争の記憶を語る。

ひばりとは公私ともに交際していた。「私に寒い時代があったことを、ひばりさんは心にかけてくれていた」。
追悼コンサートでは、ひばりの残した言葉を朗読する。

　１２のメロディーを収めたＣＤ「森光子が詠む―」（加藤和也選曲）には、広島で開かれた
第１回平和音楽祭のために書かれた「一本の鉛筆」（作詩松山善三、作曲佐藤勝）がある。
「一枚のザラ紙が　あれば　あなたをかえしてと　私は書く／一本の鉛筆が　あれば　八月六日の　朝と書く」。
ひばりと森が、心の奥底で交流する朗読だ。「ふれ愛コンサート」のチケットは完売。武道館コンサート
「歌声は―」の問い合わせは０３・５８０２・９９９９（ＣＮプレイガイド）。

「電車男」が原作使用料を寄付　中越地震被災者に７５０万円

　インターネットの匿名掲示板から生まれたオタク青年の純愛物語「電車男」（新潮社刊）で中心的な書き込みをした
「電車男さん」が２２日、同書の漫画化、映像化などで発生する原作使用料を日本赤十字社へ寄付した。

　同社を通じ、新潟県中越地震の被災者へ贈られる。新潮社によると、額は約７５０万円で、寄付総額は今後、１
０００万円を超える見込みという。

　５０万部を超えた際に「自分だけでなく、みんながネット掲示板に書き込んで出来上がった作品。収益を社会に
還元したい」として、寄付の意向を表明していた。

　同書は発行部数百万部を突破。６月４日から公開された同名の映画も、観客１００万人を動員するなど
ブームを巻き起こした。（共同）

(06/22 21:10)

「星の王子さま」新訳書名で要望書　岩波書店 2005年06月23日03時08分

　岩波書店は２２日までに、サンテグジュペリの「星の王子さま」の新訳本を出した論創社に対し、
本の扉裏やあとがきに「星の王子さま」の書名は岩波版の翻訳者の内藤濯（あろう）氏の考案であることを、
重版分から明示することなどを求める要望書を出した。論創社の森下紀夫社長は「あとがきではすでに
触れているが、翻訳者と相談して対応を決めたい」としている。

　「星の王子さま」の原題は「小さい王子」。岩波書店が１９５３年以来独占的に出版してきたが、
日本での著作権が今年１月に切れたため、さまざまな出版社が新訳本を予定している。
論創社版は今月出版された。

　岩波書店の宮部信明編集局部長は「基本的には、新訳にふさわしい別の書名をつけるべきだと考える。
それでも『星の王子さま』を使いたい場合は、先人の創造的な営為に対する敬意を示してほしい」と話している。

　今月１０日に亡くなった作家の倉橋由美子さんによる新訳本を今月末に出す宝島社は、岩波書店の要望に沿うという。

訃報：
ミシェル・リブゴーシュさん　８２歳　死去＝仏のシャンソン作詞家
　ミシェル・リブゴーシュさん　８２歳（仏のシャンソン作詞家）長期の闘病生活の後、パリ郊外で死去。
関係者が２２日、明らかにした。

　歌手エディット・ピアフのためにアルゼンチンの曲に作詞して「群衆」をヒットさせたほか、
ピアフに「愛の言葉」など１７曲を作詞。５０年代から６０年代に活躍し、イブ・モンタン、ジュリエット・グレコら
シャンソン歌手のために作詞した。【共同】

毎日新聞　2005年6月23日　東京夕刊

絵本作家の長新太さん死去
　絵本作家の長新太（ちょう・しんた、本名・鈴木●治＝すずき・しゅうじ）さんが２５日、
中咽頭ガンのため東京都内の病院で死去した。７７歳。（●は「秋」の下に「手」）

　告別式は７月１日午前９時半、品川区西五反田５の３２の２０桐ヶ谷斎場。喪主は妻、フミさん。
自宅は公表していない。

　１９５８年に絵本を初出版してから、ナンセンスとユーモアのある作品をカラフルで暖かみのある配色で描き、
これまでに４００冊以上を発表した。代表作は「おしゃべりなたまごやき」「キャベツくん」「ゴムあたまポンたろう」など。
読売国際漫画大賞の選考委員も務めていた。

（2005年6月26日13時19分 読売新聞）

渋沢クローデル賞：
日本文学史研究のロズラン教授に　
　【パリ福島良典】日本とフランスに関する優れた研究をたたえる第２２回（０５年度）渋沢クローデル賞
（毎日新聞社・日仏会館主催、駐日仏大使館・駐仏日本大使館・渋沢栄一記念財団後援、
ＬＶＪグループ株式会社ルイ・ヴィトン　ジャパン　カンパニー協賛、日仏会館学術委員会協力）の
フランス側選考会が１日、パリで開かれた。

　選考の結果、仏国立東洋言語文化学院（ＩＮＡＬＣＯ）教授、エマニュエル・ロズラン氏（４４）の
著書「文学と国民性−−１９世紀日本における文学史の誕生」（レ・ベル・レットル）が受賞作に選ばれた。
同書は明治中期以降国文学史の概念が成立する過程を考察、欧州との比較を加え近代日本で
国民意識が生まれた歴史背景を分析した。

　エマニュエル・ロズラン氏は１９６０年生まれ。森鴎外研究で知られ、現在、ＩＮＡＬＣＯ日本学科長。
副賞として日仏間の往復航空券と日本での１カ月間の滞在費が授与される。

毎日新聞　2005年7月2日　18時54分

萩原葉子さん死去　朔太郎の長女、女流文学賞　８４歳

　詩人、萩原朔太郎の長女で「天上の花」「蕁麻(いらくさ)の家」などの作家、萩原葉子(はぎわら・ようこ)さんが
１日午前３時３９分、播種(はしゅ)性血管内凝固症候群のため、東京都世田谷区の病院で死去した。８４歳。
前橋市出身。葬儀は親族だけで行う。喪主は長男で多摩美大教授の朔美(さくみ)氏。

　３０代で離婚し、育児の傍ら文筆活動に入る。「父・萩原朔太郎」でデビュー、日本エッセイスト・クラブ賞を受けた。
昭和４１年の「天上の花−三好達治抄」で田村俊子賞、新潮社文学賞。「蕁麻の家」は両親が離婚するなど
複雑な家庭環境で育った自らの青春時代を綴り、女流文学賞を受賞した。

【2005/07/01 大阪夕刊から】

星の王子さま“出版狂騒曲”　著作権切れ、独占翻訳権も消滅

≪大人・女性向け、原文に忠実…差別化し７社新訳本≫

　サンテグジュペリの名作「星の王子さま」の新訳本が、先月から続々と出版されている。日本での著作権が
今年１月で切れ、同時に岩波書店が独占的に持つ翻訳出版権も消滅したためだ。日本では毎年１０万部も
売れるベストセラーだけに新訳本に７社が名乗りを上げ、出版業界は過熱している。（上塚真由）

　「星の王子さま」は、フランス人飛行士で作家、サンテグジュペリが第２次世界大戦中の１９４３年に書いた。
サハラ砂漠に不時着した飛行士の前に、小さな惑星からきた王子さまが現れ、会話をしながら友情を育てていく。
大人の世界に反発し、「もっとも大切なものは目に見えない」というメッセージを残す。サンテグジュペリは翌年、
偵察飛行に飛び立ったまま消息を絶ち、遺作となった。

　本は世界１４０の地域と国で出版され、約２５００万部が販売されているという。日本では昭和２８年に
岩波少年文庫から出版され、累計で約６００万部も出ており、現在も思春期の少年少女たちの愛読書となっている。

フランス文学者の鹿島茂さんは「単純で純粋な人は純粋な物語と読み、意地の悪い人が読めば、辛辣（しんらつ）な
大人の寓話（ぐうわ）とも読める。１０００人が読めば、１０００通りに読める本。優れた文学作品の特徴だけれど、
誤読の幅が大きいのが魅力」と話す。また日本人の多くが、王子さまを自分に置き換えているのだとも指摘する。

　日本で著作権の保護期間は原則として著作者の死後５０年だが、戦争期間中が上乗せされ、１０年以上延び、
今年１月に切れている。そのため６月には論創社、同１０日に亡くなった作家、倉橋由美子さん訳の宝島社、
中央公論新社が相次いで出版。８月から９月にかけては作家、池澤夏樹さんが訳した集英社とグラフ社、
さらに新潮社と角川書店も刊行予定。

　原書の著作権を管理するフランス著作権事務所には１０社から問い合わせがあった。それゆえ
故内藤濯（あろう）氏が子供向けに訳した岩波書店版に対し、「大人のための小説。大人向けに訳した」（宝島社）、
「幅広い層の女性がターゲット」（集英社）、「原文を忠実に訳した教科書的」（論創社）、
「物語そのものがプレゼント。造本にもこだわった」（中央公論新社）と各社は差別化に躍起だ。

一方、タイトルに関してトラブルも起きた。原書のタイトルを直訳すると「小さい王子」。グラフ社以外は岩波書店の
「星の王子さま」を使用。岩波書店児童書編集部は「内藤さんが苦心を重ねた末に創造的に考え出された。
新しい訳書は新訳にふさわしい別のタイトルが使われるべきだ。タイトルは法律で保護されないが、使ってほしくない」と
反発する。岩波によると、意訳しているのは日本だけだという。

　岩波は各社に、内藤氏の創案であると扉の裏に明記することなどを求めている。「『星の王子さま』は固有名詞の
ようになっている。読者に一番届きやすい」（宝島社）とタイトルは譲れないのが実情だ。

　「星の王子さま」をめぐる“出版狂騒曲”に鹿島さんは、「サンテグジュペリの子供っぽさ、言い換えれば、
オタクさが受けている。戦後、日本は成熟拒否の文脈に入った。成熟しないことを合理化し、
わがことのように読む人が増えたのでしょう」と冷ややかだ。


【2005/07/02 東京朝刊から】

吉永小百合さん、広島で被爆者８０人に原爆詩朗読
　女優の吉永小百合さんが２日、広島市中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で、原爆詩を朗読した。
「被爆体験を語り継ぐきっかけに」との吉永さんの願いから聴衆は被爆者に限られ、約８０人が耳を傾けた。

　被爆６０年を機に、同館が主催。吉永さんが峠三吉の詩集から「ちちをかえせ　ははをかえせ……」と読みあげると、
会場にすすり泣きが広がった。同市立本川小の児童２６人と「折り鶴」も合唱した。

　吉永さんは、テレビドラマで胎内被爆の女性を演じたのを機に約２０年前、朗読活動を始めた。参加した女性（７５）は
「体験を伝えたい反面、つらくて出来ない。勇気をもらったような気がした」と話した。

（2005年7月2日20時13分 読売新聞）

８７分署シリーズ作者のエド・マクベインさん死去
2005年07月08日10時25分

　ＡＰ通信によると、警察小説の新たな形を確立した「８７分署」シリーズで知られる米国の
作家エド・マクベイン（本名エバン・ハンター）さんが６日、米コネティカット州ウェストンで
喉頭（こうとう）がんのため死去した。７８歳だった。

　５６年の「警官嫌い」に始まった８７分署シリーズは、５０冊以上に及ぶ。ニューヨークをモデルにした
架空の都市で起きる犯罪に取り組む８７分署の警察官たちの捜査を人情味あふれる筆致で生き生きと描いた。
警察小説やテレビの刑事もの、海外の作家にも大きな影響を与え、「キングの身代金」は
黒沢明監督の「天国と地獄」の原作になった。アルフレッド・ヒチコック監督の「鳥」の脚本を書いたことでも知られる。

　ニューヨーク市出身。（ニューヨーク）

乙部綾子さん：ライブドア“美人広報”がエッセー本出版

エッセイを出版したライブドア広報の乙部綾子さん　ニッポン放送買収騒動で、ライブドアの“美人広報”
として注目された乙部綾子さん（２９）が５日、初の書き下ろしエッセー
「ライブドア広報　乙部綾子　私のポジティブ仕事術４０のヒント」（双葉社刊）の出版を記念し、
東京・六本木ヒルズ内の書店で２００人を招いてサイン会を開いた。エッセーでは、
バスローブ姿などカラーグラビアも公開している。

芥川、直木賞：候補作決まる　１４日に選考会
　第１３３回芥川、直木賞の候補作が７日、両賞を主催する日本文学振興会から発表された。選考会は１４日、
東京都内で開かれる。候補作は次の通り。（敬称略）

　【芥川賞】伊藤たかみ「無花果カレーライス」（「文芸」夏号）▽楠見朋彦「小鳥の母」（「文学界」６月号）
▽栗田有起「マルコの夢」（「すばる」５月号）▽中島たい子「この人と結婚するかも」（「すばる」６月号）
▽中村文則「土の中の子供」（「新潮」４月号）▽樋口直哉「さよなら　アメリカ」（「群像」６月号）
▽松井雪子「恋蜘蛛」（「文学界」６月号）

　【直木賞】絲（いと）山秋子「逃亡くそたわけ」（中央公論新社）▽恩田陸「ユージニア」（角川書店）
▽朱川湊人「花まんま」（文芸春秋）▽古川日出男「ベルカ、吠えないのか？」（文芸春秋）
▽三浦しをん「むかしのはなし」（幻冬舎）▽三崎亜記「となり町戦争」（集英社）
▽森絵都「いつかパラソルの下で」（角川書店）

毎日新聞　2005年7月7日　10時25分

漱石夫婦の不思議な関係描く舞台、８日から東京で
2005年07月07日16時32分

けいこ場での高橋克実（左）と小林聡美

　夏目漱石とその妻・鏡子が主人公の舞台「新編・吾輩は猫である」（宮本研作）が、８日から東京・三軒茶屋の
シアタートラムで上演される。２人の日常に漱石の小説の世界を重ね、夫婦の関係と明治の知識人の内面を
浮かび上がらせた作品だ。主演は高橋克実と小林聡美。若手の井上尊晶が演出する。

　「明治。文豪。漱石。最初はどうしてもそういう硬いイメージにとらわれていたのですが、けいこが進むにつれ、
楽しい戯曲だなあと感じるようになりました」と高橋は話す。

　この作品は８２年に文学座が初演した。漱石（金之助）と鏡子の暮らしに、「吾輩は猫である」「夢十夜」が交錯する。
高橋は金之助と、「猫」の苦沙弥（くしゃみ）、「夢十夜」の庄太郎を、小林は鏡子、細君、夢の女を演じる。

高橋は「自分はインテリとはほど遠いので、漱石役はかなりとまどいました」と苦笑しながら、
「でも、金之助と、猫の目から見た苦沙弥をはっきり切り替えて演じることで、かえって両者のつながりが実感でき、
人物像が腑（ふ）に落ちた。緊張が解けて、神経を病む漱石、悪妻といわれる鏡子というイメージから
離れた夫婦の姿が感じられるようになりました」と言う。

　小林は「鏡子は、感覚的にぽろっと言ったことが的を射ていて、漱石をぐうっと言わせるような女性。
賢い人ですよね。この夫婦の、特別でありながらさりげない、不思議な関係をすてきだと
感じてもらえるような舞台にできればいいなと思っています」と語る。

　井上は長年、蜷川幸雄の演出助手を務め、自身の演出作「カスパー」などでは、小空間に大がかりな
装置を仕掛け、ダイナミックな舞台を作ってきた。今回は初めて対話を軸にした作品に取り組む。戯曲をかなりカットし、
「愛があってぶつかり合う夫婦の関係に焦点を絞った」という。

　高橋一生、梅沢昌代、坂田聡、山崎一、綾田俊樹が共演。８月７日まで（月曜休演）。６５００円。
前売りは売り切れで当日券がある。電話０３・５４２３・５９０６（シス・カンパニー）。

随筆家の串田孫一氏が死去　８９歳　「山のパンセ」

　「山のパンセ」など滋味あふれるエッセーで知られ、詩人、哲学者でもあった串田孫一（くしだ・まごいち）さんが
８日午前５時半、老衰のため東京都小金井市の自宅で死去した。８９歳。東京都出身。葬儀・告別式は
１０日午後１時から東京都台東区西浅草１ノ７ノ１９、清光寺で。喪主は妻、美枝子（みえこ）さん。

　１９３９年東大哲学科卒。在学中から山岳雑誌に寄稿し、戦後発表した柔軟な筆致の人生論、
幸福論が若者の支持を得た。山の紀行やエッセー、詩、評論、小説、西洋哲学の紹介・翻訳など、多彩な文筆活動を展開した。

　東京外大教授などを務め、山をめぐる芸術誌「アルプ」や雑誌「心」の編集でも活躍した。６０年代から
約３０年にわたりＦＭ番組「音楽の絵本」に出演。自作の詩やエッセーを朗読する長寿番組としてファンが多かった。

　「串田孫一随想集」や、豊富な植物の知識を生かした名著「博物誌」「山のパンセ」など多数の著書がある。
８０年、紫綬褒章。長男は演出家の串田和美（くしだ・かずよし）氏。（共同）

(07/08 18:47)

Ｃ・シモン氏が死去　フランスのノーベル賞作家

　ヌーボー・ロマン（新しい小説）の旗手で、フランスのノーベル文学賞作家、クロード・シモン氏が６日、
パリで死去した。９１歳。フランスの出版社が９日発表した。

　１９１３年、マダガスカルで生まれ、南フランスやパリで育った。第２次大戦中、騎兵連隊に動員され捕虜になったが、
脱出した経験を持つ。

　戦後、代表作「フランドルへの道」（６０年）「歴史」（６７年）などを次々と発表し、８５年にノーベル文学賞を受賞した。

　近代小説の形式を無視し、革新を目指したヌーボー・ロマンの代表的作家で、ほかに「３枚つづきの絵」
（７３年）「アカシア」（８９年）「路面電車」（２００１年）など、生涯で約２０の小説を残した。（共同）

(07/09 23:03)

ハンセン病元患者の詩英訳　故郷津軽への思い詠む

　群馬県草津町のハンセン病国立療養所「栗生楽泉園」で暮らす元患者の桜井哲夫（本名長峰利造）さん（８１）が、
生まれ故郷への思いを詠んだ詩集「津軽の声が聞こえる」がこのほど、版元のウインズ出版（東京）から英訳出版された。
　「Ｔｈｅ　Ｃａｌｌ　ｏｆ　Ｔｓｕｇａｒｕ」で、ペーパーバック５６ページ。入所前に１５歳まで暮らした青森県鶴田町の情景や、
療養所での日々などが詩情豊かにつづられている。
　桜井さんは１１日、群馬県庁内で記者会見し「世界中の人に読んでもらい、われわれのことを知ってほしい」と話した。
　クリスチャンである桜井さんの「詩集をぜひローマ法王に届けたい」という願いを聞いたウインズ出版が
英訳を実現したという。
（共同通信） - 7月11日20時41分更新

ヤフーが文学賞創設　募集・選考・出版、すべてネットで
2005年07月13日18時37分

　インターネット関連事業大手のヤフーが「文学賞」を創設し、小説を公募する。ネットで作品を募り、
ネットでの一般投票で大賞を決め、電子書籍として出版する。募集から選考、発表までネットで実施する
文学賞は、同社によると「業界初」という。個人のウェブサイトで作品を発表する「作家」も多いことから、
「新たな文学がネット経由で生まれるのではないか」と期待する。

　第１回の応募期間は７月１４日〜９月３０日。「あした」をテーマにした未発表の自作小説が対象で、
６０００〜８０００字。プロかアマかは問わない。ヤフーのポータル（玄関）サイトから進める特設サイトで応募する。

　まず出版関係者などからなる選考委員会が１０作品を選び、特設サイトで１１月中旬〜１２月中旬まで
一般公開して、ネットで投票してもらう。最高得票作品に「Ｙａｈｏｏ！ＪＡＰＡＮ賞」（賞金２０万円）をおくるほか、
作家の石田衣良氏が「選考委員特別賞」（同）を選ぶ。発表は０６年１月で、受賞作は小学館の文芸誌「きらら」にも掲載される。

　ヤフーは今後、年３〜４回のペースで作品を募る考え。脚本や動画などでも賞を設けることを検討している。

トークショー「新！読書生活」…夏に勧める一冊を紹介
　作家らがお勧めの本を紹介するトークショー「新！読書生活」（活字文化推進会議主催、岩波書店、講談社協賛）が９日、
東京・大手町の読売新聞東京本社で開かれた。読売新聞社が進める２１世紀活字文化プロジェクトの一環で、
今年２回目の開催。

　筑摩書房専務で編集者の松田哲夫さんを中心に、作家のあさのあつこさんと、中学生でモデルとして
活躍するｈａｎａｅ＊さんが「君に贈る夏の一冊」をテーマに対談。約２５０人の聴衆を前に、お気に入りの本を
初めて読んだときの印象や読書が好きになるコツを率直に語った。

（2005年7月10日0時14分 読売新聞）

阿川慶大教授に読売・吉野作造賞を贈呈
　第６回「読売・吉野作造賞」の贈賞式が１３日夜、東京・丸の内のパレスホテルで行われ、受賞作「憲法で読むアメリカ史」
（ＰＨＰ新書）を著した慶応義塾大学教授の阿川尚之氏（５４）に、正賞の文箱と副賞（３００万円）が贈られた。

　式には言論界、経済界などから約２００人が出席、内山斉・読売新聞グループ本社社長が「受賞作は憲法を軸に
米国史を分かりやすく書いたもので興奮して読んだ」とあいさつ。選考委員会座長の宮崎勇氏は「憲法をめぐる
具体的な問題を描きながら、米国の民主主義がどう育ってきたかを明らかにした素晴らしい作品だった」と祝辞を述べた。

　受賞した阿川氏は「『学者としていい仕事をしろ』というお考えで頂けたのだと思う。これからも機会ある限り、
米国憲法についての物語を書き続けていきたい」と喜びを語った。

（2005年7月13日20時41分 読売新聞）

第１３３回芥川賞に中村文則さん　直木賞は朱川湊人さん

第１３３回芥川賞、直木賞（日本文学振興会主催）の選考委員会が１４日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、
芥川賞は中村文則（なかむら・ふみのり）さん（２７）の「土の中の子供」（新潮４月号）に、
直木賞は朱川湊人（しゅかわ・みなと）さん（４２）の「花まんま」（文芸春秋）に決まった。

　会見で中村さんは「大変驚いている。ここにいることが信じられない」と話しながらも、次第に表情を緩めた。
朱川さんはにこやかに「こんな大きな賞で…。頭の中が真っ白」と喜んだ。

中村さんは愛知県生まれ、福島大卒業。２００２年に「銃」で新潮新人賞を受けデビューし「遮光」で野間文芸新人賞。
３回目の芥川賞候補で射止めた。愛知県東海市在住。受賞作は親に捨てられ虐待を受けて育った青年を通して、
暴力の根源を見つめる作品。

　朱川さんは大阪市生まれ。慶応大卒。出版社勤務から文筆活動に。作家デビューから３年、２回目の直木賞候補で
受賞した。東京都在住。受賞作は、大阪の路地裏に起きた不思議な出来事を子供時代の記憶として描いた。

　芥川賞選考委員の高樹（たかぎ）のぶ子さんは「人間の本質を追究しようと格闘して書いたことが伝わる。観念に血や
肉を与えて小説をつくろうとする試みが新鮮」と評した。

　直木賞選考委員の北方謙三（きたかた・けんぞう）さんは「現代の怪談を、新しい説話として書き上げた。
大阪の土地柄もよく生きている」と話した。

　贈呈式は８月１９日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は各１００万円。

女性学者の草分け、エッセイスト寿岳章子さん死去
　国語学者でエッセイストの寿岳章子（じゅがく・あきこ）さんが１３日、死去した。８１歳。

　京都市生まれ。東北大卒業後、京大大学院へ進学。女性学者の草分けとして、京都府立大教授を長く務めた。
婦人問題の運動家としても活躍。著書にブレイクやダンテの紹介者として著名な英文学者の父、
文章氏の思い出をつづった「思いは深く」のほか、「日本語と女」「京都町なかの暮らし」など。

（2005年7月14日13時34分 読売新聞）

小さな童話：大賞の奥原弘美さん表彰式
　第２２回《小さな童話》大賞（主催・毎日新聞社、協賛・イトーヨーカドー、協力・シチズン時計）の表彰式が１５日、
東京都千代田区の如水会館であり、「スイカのすい子」で大賞を受賞した奥原弘美さん（４２）＝千葉市＝に、
北村正任・毎日新聞社社長から盾と副賞が贈られた。

　奥原さんの作品は、主人公「ぼく」の母さんが、赤ちゃんでなくスイカを産んだところから始まるユニークなストーリー。
意表を突く展開と文章の巧みさが、高く評価された。奥原さんは受賞のあいさつで「子育ての中で得た、たくさんのお話の
タネ一つひとつに芽を出させたい」と今後の抱負を語った。
　選者賞の一つ「山本容子賞」に豊川遼馬くん（５）＝横浜市、奨励賞に長谷川礼奈さん（１３）＝川崎市＝が入選するなど、
今回は子どもたちの作品が健闘した。
　童話作家、角野栄子さんら審査委員の講評や受賞作品をまとめた冊子は、頒価５００円。問い合わせは
大賞事務局（０３・３２１２・２２７４）。
毎日新聞　2005年7月15日　19時06分　（最終更新時間　7月15日　19時13分）

作家の息遣いそのままに　フォークナー邸を復元

　米国のノーベル賞作家、ウィリアム・フォークナー（１８９７−１９６２）の邸宅が死後４０年以上たって復元され、
履き古された靴など所有物をそのままの状態で公開しているため、「作家の家に忍び込んでいるような感じがする」と
話題を呼んでいる。米紙ニューヨーク・タイムズが１４日伝えた。

　２階建ての邸宅はミシシッピ大学が所有。立ち入り禁止の場所もなく、作業靴やタイプライターが無造作に置かれ、
壁には鉛筆で書いた小説「寓話（ぐうわ）」の下書きが残るなど、作家が住んでいた当時のままを保存。訪れた
高校生の１人は「住んだ人の喜怒哀楽を強く感じ、フォークナーってすごいと思わせる」と感想をもらした。

　フォークナーは晩年までの３２年間、収入の多くをつぎ込み満足のいくまで邸宅の増改築を繰り返した。（共同）

(07/15 10:49)

「ハリポタ」新刊が発売　深夜の書店にファン殺到　英
2005年07月16日12時22分

　魔法使いの少年が主人公の世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズ第６弾となる最新作
「ハリー・ポッターと混血のプリンス」の店頭販売が１６日、英国で始まった。午前零時（日本時間同８時）すぎの
解禁に合わせて開店したロンドン市内の書店には、新刊を真っ先に読もうと、深夜にもかかわらず大勢の
熱烈なファンが詰め掛けた。（時事）

「原爆文学の継承を」　長崎で青来氏らが講演

　被爆６０年を前に、原爆を題材にした文学に関する講演会が１６日、長崎市の原爆資料館で開かれ、
芥川賞作家で長崎市平和推進室長の青来有一（せいらい・ゆういち）氏が「原爆は人間にとって重い経験で、
文学の普遍的テーマ」と話し、文学を通じて被爆の実相を後世に伝える大切さを訴えた。

　原爆やキリシタンなど長崎の歴史をテーマにした作品で知られ、被爆二世でもある青来氏は「被爆者の高齢化で
体験した人自身が書く小説は少なくなったが、感受性豊かな若い世代が写真などを見て追体験して書くことは可能。
今後も書き継がれるだろう」と原爆文学の可能性を強調した。

　長崎での被爆体験を基にした作品を書き続ける作家、林京子（はやし・きょうこ）さんの全集出版を記念した企画で、
青来氏ら５人が講演した。林さんは「過去の体験を資料などできちんと把握した上で、（原爆を）書き継いでほしい」と
若い世代に呼び掛けた。

（共同）(07/16 19:43)

ハリ・ポタ、アマゾンが国内配送フライング
　『ハリー・ポッター』シリーズ英語版最新刊の世界同時発売日の前に、インターネット書籍販売大手の
アマゾンジャパン（本社・東京都渋谷区）が、日本国内の一部の購入予約客に誤って配送していたことが１６日分かった。

　同社によると誤配送分は少数冊で、回収のうえ改めて期日以降に配達し直す措置を取った。原因は
「現在、内部調査中」としている。

（2005年7月16日14時11分 読売新聞）

開高健ノンフィクション賞に藤原章生氏の「遠い地平」
　第３回開高健ノンフィクション賞（集英社主催）は１６日、毎日新聞メキシコ支局記者、
藤原章生（あきお）さん（４４）の「遠い地平」に決まった。

　５年半の特派員生活で出会ったアフリカの人々の半生をつづった。副賞３００万円。
贈賞式は１１月１７日、東京・内幸町の帝国ホテルで。

（2005年7月16日19時27分 読売新聞）

「坊っちゃん」に登場のターナー島を愛媛県が譲渡

　夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場する松山市沖の「ターナー島」を愛媛県が同市に譲渡する。
市は観光資源として活用を検討する。周囲約１３５メートルの無人島で正式名は四十島。
小説に「松の形が（英国の画家）ターナーの絵にありそう」と話す場面があり、愛称で呼ばれる。
（毎日新聞） - 7月18日22時35分更新

「ラッフルズ」など４１ホテル、米投資会社に売却へ

　【シンガポール＝菊池隆】シンガポールのホテル事業大手ラッフルズ・ホールディングスは１８日、
同国を象徴する名門ラッフルズホテルをはじめ、日本のスイスホテル南海大阪（大阪市）を含むホテル事業
（開業準備中を含め計４１ホテル）を米投資会社コロニー・キャピタルに売却すると発表した。

　売却金額は現金で１４億５０００万シンガポール・ドル（約９６０億円）で、コロニーはラッフルズ側の
負債も引き受ける。

　１８８７年に開業したラッフルズホテルは、英国の文豪サマセット・モームなどが愛用した。英植民地時代の
風情を残す外観やバーの看板カクテル「シンガポールスリング」で知られ、日本から訪れる観光客も多い。
ホテルを運営するラッフルズ・インターナショナル社ごと売却するため、営業は売却後も現状のまま続けられる。
（読売新聞） - 7月18日22時2分更新

「ハリポタ」最新作、英で初日に２００万部突破
2005年07月19日06時21分

　世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズ最新作の第６巻「ハリー・ポッターと混血のプリンス」が、
英国で１６日に販売が開始されてから２４時間で２００万部以上を売り上げた。出版元のブルームズベリー社が１８日、
明らかにした。同社は「国内の新刊本初日売り上げの新記録を達成した」としている。

　同社によると、２００３年に発売された同シリーズ第５巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」は初日で
１７７万部余を売り上げたが、今回はこれを上回る驚異的な販売部数となった。（時事）

中高生にも読んでほしい…「さぶ」カバー劇画調に
　時代小説の巨匠、山本周五郎（１９０３〜６７）の人気作品「さぶ」のブックカバーが、この夏の
「新潮文庫の１００冊」フェアを機に、漫画家の池上遼一氏（６１）が描く劇画調の装画となった。
　１５年ほど前、角川文庫が夏目漱石作品のカバーを、わたせせいぞう氏のイラストにした例はあるが、
名作のカバーを劇画調にするのは珍しく、往年のファンには戸惑いの声もある。
　「さぶ」は、無実の罪をきせられて島送りになった栄二と江戸職人さぶとの交流を描いている。
新潮文庫編集部によると、１９６５年の文庫化以来、１７８万部売れ、同文庫で５８点、総計２９５０万部出ている
周五郎作品でも第１位。しかし若い読者への浸透度はいま一つで、栗原正哉編集部長は「中高生などにも
名作を読んでもらいたい」と、装画変更の理由を説明している。
　これまでの辰巳四郎による装画は、橋に雨が降りかかる江戸情緒の漂うものだったが、今回は、大海原に
立ち向かう男たちの姿を漫画にした。池上氏は「男組」や「ＨＥＡＴ―灼熱」などで知られ、周五郎作
「松風の門」などの漫画化も試みている。
　時代小説評論家の寺田博氏は「周五郎作品に、漫画の装画というのは違和感がある。しかし、
作品が読まれないより読まれた方がいい。仕方がないのかなあ」と話している。

（2005年7月19日15時14分 読売新聞）

ハリポタ最新作、ついに発売--ネット上でも大騒動に

　Harry Potterシリーズの最新作「Harry Potter and the Half-Blood Prince（ハリーポッターと混血のプリンス）」が
ついに発売された。これまでで最も発売が待たれていた同書は、Amazon.comだけでも約140万人の読者が予約するなど、
オンラインでの販売記録を塗り替えている。Amazon.comでは昨年の予約受付開始以来、常にベストセラーリストに
名を連ねていた。

　郵便局や配送業者が、発売日当日の配送の約束を果たすべく仕事に追われるなか、インターネットにはすでに
同書についての書評や、発売日深夜のパーティの話、一気に読んでしまった読者によるネタばらしや、
あまりにも内容をばらし過ぎている書き込みへの苦情などが溢れている。米国時間16日午前11時から正午にかけて、
blogサーチエンジン「Technorati」では「Harry Potter」という語が最も多く検索され、
また第9位には「Harry Potter Spoilers」という語が入っていた。

　ニュージャージー州在住のCharles Zwillingは、土曜の早い時間にもかかわらず、Amazonの当該ページには、
徹夜で読破したに違いない読者による書評が37もサイトにアップされていたことに驚いた。

　「何でも1番にならなければ気がすまない人か、他人の楽しみを邪魔したいという意地悪な人でない限り、
書き込むのは止めて欲しい」と同氏は記している。

ワシントンD.C.のPete Cycloneは、ネタ晴らしに抗議する意味で18日までレビューを書き込まないように
Amazon読者に呼びかけている。

　「確かに言論の自由は大事だが、他者の権利が踏みにじられないように、Amazonはこの類のコメントに
警告を載せるべきだ。少なくとも、Amazonはこれらの書評の公開を数日間差し止めておくべきだ。そうすれば、
私はがっかりして慰めようのない14歳の妹の機嫌をとらずに済んだだろう」と記している。

　もちろん、インターネットに接続しないという選択肢もある。しかし、筋書きについておしゃべりせずにいられない
メンバーがいるのを知りながら、「Mugglenet.com」や「Harry Potter Automatic News Aggregator」のような熱烈な
ファンのつくるサイトが、発売日前後の数日間、掲示板を閉鎖するというのは無理な相談だった。

　現時点で同書の評価は分かれており、主人公のHarryをLuke SkywalkerやHenry V、King Arthurに例えたり、
作品中に見られる悪を最近起こったロンドンの地下鉄爆破テロに関連づけたものもあった。同書をシリーズ中で最
も暗い本と呼ぶ読者がいる一方で、シリーズ最高の一冊とする声も上がっている。

ヤクバが詩を書いていたことが蓼穂乃香のブログで判明
ttp://tadehonoka.seesaa.net/

訃報：Ａ・Ｊ・クィネルさん　６５歳　死去＝英国の冒険小説作家
　Ａ・Ｊ・クィネルさん　６５歳（英国の冒険小説作家）マルタ観光局日本地区代表事務所に１９日までに入った
連絡によると、１０日、肺がんのためマルタ・ゴゾ島で死去。

　英バーミンガム近郊の町で生まれ、１９８０年代に「燃える男」でデビュー。ほかに「スナップ・ショット」
「サン・カルロの対決」など。「燃える男」は米映画「マイ・ボディガード」の原作となった。【共同】

毎日新聞　2005年7月20日　東京朝刊

旧海軍の「戦線文庫」復刻へ　戦時中、外地将兵に配布 2005年07月21日13時40分

　戦時中、２００万部の発行部数を誇った娯楽雑誌が今夏、東京の出版社の手でよみがえった。
旧海軍が外地の将兵の慰問用に発行していた「戦線文庫」。兵士たちは戦地で、女優のグラビアをめくり、
人気作家の小説を読んでいたという。終戦とともに姿を消したが、６０年ぶりにほぼ当時のままに復刻。
出版元は「戦線の日常が伝わる貴重な史料」と話している。

　戦線文庫は、１９３８年９月に創刊し、終戦直前の４５年８月５日号で廃刊になるまで毎月出版され、
海軍省が外地にいる将兵１人に１冊ずつ配布した。当時、陸軍省が出版した娯楽雑誌は７万部程度だったが、
戦線文庫は約２００万部が刷られていた。
　グラビアページ、小説、漫画、落語、日本全国の話題など２００ページ以上。小説には菊池寛、長谷川伸、
寒川光太郎、吉屋信子など当時の人気作家が名を連ね、新鋭の漫画家たちの作品も掲載した。
復刻の編集をしたジャーナリストの橋本健午さん（６３）は「当時の雑誌のなかでも内容の充実度は群を抜いていた」とし、
「文壇も漫画家も女優も生活のためには戦争協力せざるを得なかった。責任の是非を問うより、
そんな時代があったことを若い人にも知って欲しい」と話す。

　恋愛小説や美人画などは、一般の雑誌ではほとんど掲載されなかったものだ。橋本さんは「戦線文庫は海軍省が
出版・検閲していた。一般の雑誌のように、生き残りのために過剰に戦争協力の姿勢を見せる必要がなく、
かえって自由な娯楽雑誌になっていたのでは」と推測する。

　戦地からは「女優のサイン付きブロマイドが欲しい」「慰問に来た女優さんによろしく」といった投稿が並んだ。

　ただ、戦局とともに雑誌の質も少しずつ変化した。当初、娯楽中心の話題が多かった「巻頭言」も４３年３月には
「米国人を抹殺せよ」と記す。

　復刻した日本出版は、現社長の矢崎泰夫さん（５８）の父、故笠倉寧之さんが戦線文庫編纂（へんさん）所として発足。
矢崎さんは「戦時がどんなものだったか若い世代には伝わっていない。戦地の日常や、国をあげて戦争へと
向かっていった空気を雑誌から読み取ってもらえれば」と話している。

　復刻したのは３号（３８年１１月３０日発行）と５３号（４３年３月１日発行）。解説本付きで８０００円（税別）。
問い合わせは日本出版（０３・５２６１・１８１１）へ。

大友克洋さん：仏政府が「芸術文化勲章シュバリエ」授与
　フランス政府は、アニメ「ＡＫＩＲＡ」などで知られる映像作家の大友克洋さんに「芸術文化勲章シュバリエ」を授与した。
フランス紙フィガロが２１日報じた。

　芸術文化勲章は、芸術や文化の創作活動に実績があった人に贈られる。シュバリエはその一つの等級で、
騎士を意味する。（パリ共同）

毎日新聞　2005年7月22日　0時16分

舞台挨拶入場券発売に長蛇の列　「亡国のイージス」

　２０日から公開される映画「亡国のイージス」(阪本順治監督)の舞台挨拶(あいさつ)入場券の発売が２１日、
東京・有楽町の丸の内ピカデリー１で始まった。

　午前８時の発売開始を前に５０人以上が列を作り、次々と舞台挨拶入場券を購入した。

　舞台挨拶は３０日の初回上映後に同劇場で行われ、原作者の福井晴敏さん、阪本監督、主演の真田広之さんのほか、
寺尾聰さん、佐藤浩市さん、中井貴一さん、勝地涼さんが参加する。別の出演者による舞台挨拶が大阪、
名古屋でも予定されている。

　「亡国の−」は、防衛庁、海上、航空両自衛隊による史上初の全面協力を得て、総製作費１２億円をかけた超大作。
濃密な男の人間ドラマを描きながら、日本という国が抱える矛盾を的確にあぶり出している。

【2005/07/21 大阪夕刊から】(07/21 18:34)

全日本短歌大会：東京・新宿区の東医健保会館で開催
　第２６回全日本短歌大会（日本歌人クラブ主催、文化庁・毎日新聞社後援）が２３日、東京都新宿区の
東医健保会館で開かれた。大会応募作の中から一般の部文部科学大臣賞の小佐野豊子さん
（静岡県裾野市）▽同日本歌人クラブ賞の石塚ハナさん（横浜市鶴見区）▽同毎日新聞社賞の
三友清史さん（埼玉県寄居町）の３人をはじめ一般・学生の部の入賞者を表彰。
歌人の栗木京子さんが「歌の個性と普遍性」と題して講演した。

毎日新聞　2005年7月23日　18時21分

文字・活字文化振興法、成立
　国民が本や新聞など活字に親しみやすい環境の整備を図ることを目的とする文字・活字文化振興法が、
２２日午後の参院本会議で可決し、成立した。近く施行される見通しだ。

　振興法は、超党派の国会議員２８６人で作る活字文化議員連盟（代表幹事＝河村建夫・前文部科学相ら）がまとめた。

　「文字・活字文化」とは、活字や文字で表現された文章を読んだり、書いたり、出版したりすること、あるいは
その結果生まれた出版物などの文化的所産であると定義。文字・活字文化の振興策の策定と実施を、
国や地方自治体の責務と定めた。

　具体的には、学校教育で「言語力」が十分にはぐくまれるよう必要な策を講ずることとし、そのため教職員の
資質の向上を図るとしている。学校図書館での読書活動の指導にあたる司書教諭や、学校司書の充実を求めている。

　また、学術研究成果の出版物は一般には普及しにくいことから、国が支援することとした。文字・活字文化の
国際的な交流を進めるため、日本語や外国語への翻訳支援などに必要な施策を講じるよう求めている。

　国や地方自治体は、これらの施策の実施のため、必要な財政措置に努めることとされた。
　文字・活字文化振興への理解を深めるため、読書週間初日の１０月２７日を「文字・活字文化の日」としている。
　市町村に対しては、公立図書館のない場合には設置を、既設の場合には、図書館の資料と司書ら人的体制を
充実させることを求めた。また、学校図書館の地域への開放や、活字文化活動を行っている
民間団体への支援も促している。
　活字文化議連は、文字・活字文化振興法の施行に伴って国や市町村が取り組むべき具体的な施策をまとめた。
〈１〉大学などの教員養成課程に、「読書科」（仮称）などを設け教員の資質向上を図る
〈２〉著作者及び出版者の権利保護の充実――などを盛り込んだ。

（2005年7月22日14時13分 読売新聞）

訃報：エドワード・バンカーさん７１歳＝米犯罪小説家
　エドワード・バンカーさん７１歳（米犯罪小説家）ＡＰ通信によると、１９日、米ロサンゼルス近郊の
病院で手術後の合併症のため死去。

　ハリウッドで生まれ、１２歳で矯正施設入り。１７歳以降、強盗、詐欺罪などで計１８年間服役した。
獄中で小説を書き始め、実体験にヒントを得た「リトル・ボーイ・ブルー」「ドッグ・イート・ドッグ」などの
作品で人気を集めた。（共同）

毎日新聞　2005年7月25日　18時55分

ひと：城山三郎さん　「昭和の戦争文学」の刊行を始める
　経済小説の第一人者として知られるが、原点は戦争だ。

　「戦争のことを書くために作家になりました。戦争がなければ大学で経済学を教えていたでしょうね」。
２７日から「硫黄島に死す」「指揮官たちの特攻」などの作品２０点を集めた戦争文学全集の刊行を始める。

　仕事場は神奈川県の湘南海岸を見下ろすマンションの１０階。「本当は、あの海岸で死ぬはずだったんです」。
部下が精神に異常をきたしてしまうような、上官によるせい惨な制裁がしばしば描かれる。小説の構成上誇張して
書いているのかと問うと、「実態ですよ。ひどい世界でした」。

　敗色濃厚な１９４５年５月、国のために死ぬのが当然と考えた１７歳の軍国少年は、海軍特別幹部練習生に志願した。
だが軍隊では「朝から晩まで殴られました。食事だってこっちはイモの葉やつるなのに、士官は毎晩のようにてんぷら。
差別、いじめがひどかった」。

広島県の呉軍港に近い陣地で原爆の光を見た。「子供が殺されたんです。敵を討って」と女性に
泣きつかれたことが忘れられない。敗戦直前、神奈川に移動することが決まった。上陸してくる
敵を迎え撃つ役割だ。飛行機も船もない。機雷のついた棒を持って海に潜り、敵艦の底を突く。
自分も爆死するはずだった。

　「二度と戦争をしてはならない。そのためには体験した人間が伝えておかないと。それが、若くして死んだ人たちの
鎮魂にもなるはずです」【栗原俊雄】

　【略歴】城山三郎（しろやま・さぶろう）さん　名古屋市生まれ。５９年「総会屋錦城」で直木賞。７７歳。
「昭和の戦争文学」全集は来年１月まで８月を除き毎月配本。

毎日新聞　2005年7月27日　0時14分

訃報：杉浦日向子さん４６歳＝江戸研究家、エッセイスト

　杉浦日向子さん　江戸風俗を題材にした漫画やエッセーで知られる文筆家で、ＮＨＫ番組「コメディー　お江戸でござる」の
解説者としても知られた杉浦日向子（すぎうら・ひなこ、本名・鈴木順子＝すずき・じゅんこ）さんが２２日、
下咽頭（いんとう）がんのため亡くなった。４６歳。葬儀は親族で済ませた。「お別れの会」の日取りは未定。
自宅、喪主は非公表。

　東京都生まれ。日大芸術学部中退後、時代考証家の稲垣史生に弟子入り。８０年、吉原を描いた
「通言室乃梅」が漫画雑誌「ガロ」に掲載されてデビュー。江戸から明治を舞台に町人や武士の生きる姿や、
味わいのある夫婦の日常を描いて“文芸漫画”と評された。「百日紅」「百物語」などを発表。８４年「合葬」で
日本漫画家協会賞優秀賞、８８年「風流江戸雀」で文芸春秋漫画賞。

　９３年、漫画家を廃業し江戸研究に専念。エッセーに「江戸へようこそ」「東京イワシ頭」など。
「コメディー　お江戸でござる」には９５年から９年ほど出演して、分かりやすい解説で親しまれた。
９３〜００年、毎日新聞の書評執筆者を務めた。

　０３年暮れから入退院を繰り返していた。

毎日新聞　2005年7月25日　18時48分　（最終更新時間　7月25日　19時33分）

はじめまして。
私は中学校二年で、作家志望歴５年です。
これから新人賞に出そうとがんばってるところです。
私の一番の願いは作家になることですが、二番目の願いは
私の詩集を出版する事です。
小六の一月から中一の誕生日までに書いた詩の厳選45編を詩集にしたいと考えています。
私は誰よりも表現したい、自分の思いを伝えたい、それも自分の言葉で表していきたいのです。

『かく』
ある本を読んだら
私はバナナ色の髪に
なりたくなった
次のページを読んだら
アーモンド形の大きなまなこが
うらやましくなった
物語をかいたら
いつも主人公は二重人格の強がり

私の髪はカラスみたいだし
目は柿の種のようだけど
えんぴつを
にぎることはできるから


これは私が一番最初に書いた詩です。この詩で詩集は始まります。
この詩を読んで何か思ったことがある方、
私の詩集を無償で出版するという方、
どうぞメールください。

[email protected]

展示：「日本絵本賞」の受賞原画、２００点集め開催−−東京・世田谷区
　◇「いちばん好きな絵本はど〜れ？」

　活躍中の絵本作家の原画展が世田谷文学館（東京都世田谷区南烏山１）で開かれている。
「いちばん好きな絵本はど〜れ？『日本絵本賞』受賞絵本原画展」（せたがや文化財団、姫路文学館など主催）の
会場を飾る作品は約２００点。夏休みに親子で楽しめそうな催しだ。

　展示されているのは、日本絵本大賞を受賞した「はやくねてよ」（あきやまただし作・絵、岩崎書店）、
「ないた」（中川ひろたか作／長新太・絵、金の星社）、
日本絵本賞の「さくら子のたんじょう日」（宮川ひろ作／こみねゆら絵、童心社）、
「きつねのかみさま」（あまんきみこ作／酒井駒子・絵、ポプラ社）など１３冊の原画。

　イラストレーターの沢田としきさん（４６）は、大地の恵みの素晴らしさを表現した
「アフリカの音」（講談社９６年刊）で第２回日本絵本賞を受賞。この作品の原画すべてを素焼きの額で飾っている。
「土壁の窓から見える風景が思い描けるように。それに本当のナマの絵を見てもらいたくて、ガラスもはめていません」。
そんな作者のこだわりぶりに触れるのも面白い。

　小学３年の子どもと訪れた主婦（３６）は「一枚一枚の絵に、すべて物語があるんだと改めて感心しました。
画法の違いからくる微妙な表現力の差も、見ていて楽しい」。

　２階展示場には「エノカッパくん」（作・スズキコージ）、「江ノ島妖怪伝　りゅうのおくりもの」（作・宇野亜喜良）など
３４点の仕掛け絵本も。試作品や、仕掛けの狙いのメモが残る画帳なども展示されている。
同館学芸員の竹田由美さん（２８）は「ほのぼのとしたぬくもり、懐かしさ。ここに来れば自分の好きな絵と絵本に
きっと出会えるはず」と話している。８月１４日（日）午後１時から絵本作家、酒井駒子さんのサイン会も開かれる。

　世田谷文学館（電話０３・５３７４・９１１１）は京王線・芦花公園駅南口から徒歩５分。
入場料一般４００円、大学・高校生３００円、小・中学生２００円。８月２８日まで（月曜休館）。

　９月７日〜１０月１６日には姫路文学館（兵庫県姫路市）で開催される。【津武欣也】

毎日新聞　2005年7月27日　東京朝刊

学校図書館賞：奨励賞、香川県立高松工芸高に
　学校図書館の運営や読書指導などの活動を顕彰する第３５回「学校図書館賞」
（日本学校図書館振興会、全国学校図書館協議会主催）の奨励賞に香川県立高松工芸高校が選ばれた。
東京都内で開かれた表彰式には同校司書の村上小百合さん（３５）が出席、
「『ものづくり』を取り入れた読書活動」をテーマに報告した。
　同校には美術科、デザイン科、工芸科など８学科があり、読書は「描くための材料探し」の役割もあるという。
生徒や教諭が読んで心に残った本を毎月「朝読通信」「図書館便り」で紹介するほか、
始業前の「朝の読書」（月〜金曜）、図書委員を中心にした読書推進運動を展開している。また、授業に紙芝居や絵本づくり、
読書感想画を取り入れ、読書感想画中央コンクールに毎年上位入賞する実績も誇る。
　村上さんは「学校図書館は知識や教養を深めるとともに、創作のヒントに満ちた宝庫。さらに有効活用してもらう方法を考え、
生徒たちに親しまれる図書館にしたい」と抱負を語っていた。
　また、併せて選考された第７回学校図書館出版賞に新日本出版社の「ビジュアルブック　語り伝えるヒロシマ・ナガサキ」（全５巻）と
汐文社の「学校に行けないはたらく子どもたち」（全４巻）が選ばれた。
　毎日新聞　2005年7月27日　東京朝刊

>>447

ここでメアドをさらさない方がいいですよ。
スパムが殺到しますからね。
というか、これ自体が手のこんだスパムじゃないよね？
2チャンネルは初心者かな？

作品自体は結構いいと思うけど
売り込みなら他の方法を考えた方がいいよ。
詩集は売れないから、よほどのことがない限り出版などありえない。
だからみんな、自費出版しているわけよ。

まあとにかく頑張って。

【政治】民主党　"独自"の人権擁護法案提出へ
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1122467585

803 名前： 名無しさん＠６周年 投稿日： 2005/07/28(木) 00:16:29 ID:MaiAn2rt0
行動力の差です
私達は自分達の住みやすいように行動をした結果より良い環境になれます
愚かな日本人はネットで騒いで何もしない　当然どちらが勝つかは目に見えてます

829 名前： 名無しさん＠６周年 投稿日： 2005/07/28(木) 00:22:20 ID:MaiAn2rt0
>>807
在日？心配しなくていいですよ
あなた達もみんな同じ立場になれますからw
あなた達に韓国の国籍でもプレゼントしましょうか？
断る？韓国に対する差別で刑務所行くですか？ｗ

あのさ、、、人大杉！！！！！！！！！！

ジョン・レノン使用の歌詞カード、60万ポンドで落札される
2005年07月29日21時36分

　［ロンドン　２８日　ロイター］　ジョン・レノンが使用した手書きの「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ（邦題：愛こそはすべて）」の
手書きの歌詞カードが、２８日に開かれた競売で６０万ポンド（約１億１８００万円）で落札された。主催者側が明らかにした。

　この歌詞カードは、レノン、ジミ・ヘンドリックスなどのポップスターたちの衣服、絵画、楽器などを中心とした
遺品競売に出品されたもの。

　競売会社クーパー・オーウェンの広報担当者によると、この歌詞カードは、ビートルズがテレビ出演した際に使用されたもので、
演奏終了後に床に落ちる様子が記録映画で確認できるという。

　同広報担当者は、「競売会場の雰囲気は大変なものだった。レノンの手書き原稿が６０万ポンドで落札されたときは
特に盛り上がった」と述べた。落札者の身元は公表されなかった。

読む漫才本：戦時中の慰問品として出版　復刻版発売
　戦時中、慰問品として戦地の兵士に送るため編集出版された「読む漫才本」が見つかり、このほど復刻版が発売された。
漫才作家の故・秋田實さんが、書き上げたもので、実物は存在しないと言われていたが、
長女の藤田富美恵さん（６６）＝大阪市＝が遺品を整理していて発見した。「当時の世相や窮屈な生活を、
検閲にかからないように笑いにしようとした苦労の跡がわかる。戦後６０年にあたり、戦争なんて本当に
ばかげているとの思いを、笑いの世界を通して新たにしてもらいたい」と話している。

　見つかったのは、１９３８年〜４０年に出版された計２４冊。エンタツ・エノスケ、ワカナ・一郎、
雁玉・十郎といった当時の人気漫才コンビの台本が、１冊当たり４〜５本掲載されている。
「滅私奉公」「国策料理」「非常時漫才防空戦」「兵隊さんありがとう」などの演題がついた台本が収録されている。

　実際に舞台で演じられた台本ではなく、兵士への慰問品用として、秋田さんが書いたらしい。第二次大戦中、
慰問袋に入れる手軽な読み物として人気があった。内地での生活や兵士への思いが伝わるようにと書かれているだけに、
しゃれ言葉などを使い当時の世相があざやかに描かれている。

　藤田さんは「戦争や兵士をちゃかす漫才は認められなかったので、言葉遊びで笑いを生み出した。
漫才を読むと当時の庶民の思いがよくわかる」と話している。復刻版は、より抜かれた
１６本の台本を４冊にまとめている。１５７５円。問い合わせは新風書房（０６・６７６８・４６００）へ。【松本泉】

毎日新聞　2005年7月29日　13時40分

井上戯曲「父と暮せば」、世界へ　６カ国語に翻訳・上演
2005年07月30日23時00分

　広島で被爆した父と娘の心の交流を描いた井上ひさしさんの戯曲「父と暮（くら）せば」が世界に広がっている。
９４年に発表されて以来、フランス語、ロシア語、英語など六つの言語への翻訳が進み、海外での上演も相次ぐ。
日本の現代戯曲としては異例のことだ。被爆６０年の今年は米国ニューヨークでも上演が予定されている。

　２人芝居「父と暮せば」は井上さんが座付き作者を務める「こまつ座」が上演を重ねている。

　海外ではまず、９７年にパリで地元の劇団がフランス語で上演。こまつ座もモスクワ（０１年）と
香港（０４年）で字幕や同時通訳付きで上演した。

　昨年８月にこまつ座が英文対訳本を出版したことで、上演や翻訳申し込みが一気に増えた。せりふが多いため、
比較的上演が簡便なリーディング（朗読による舞台化）でも内容が伝わりやすい。それも後押しになった。

　こまつ座のまとめによると、カナダでは今年１月からトロント、オタワなどでリーディングが重ねられ、今後も続演の予定。
ロンドンの劇団も５月に取り組んだ。９月１２日にはニューヨークでもリーディングがある。

　イタリアでは本格的な上演が計画され、翻訳が進んでいる。来春にボローニャで開幕し、０７年まで全国を巡演する。
ドイツ語にも翻訳中だ。

　井上さんは「被爆した人たちの気持ちを総合するとこうなると考えて書いた。海外から『原爆を落とされた日本人が、
仕返しをするという発想ではなく、この悲劇が人類の上に繰り返されないようにと考えていることに感銘を受けた』
という反響が寄せられている。被爆者の思いが理解され、広がっているのだと思う」と話している。

「亡国のイージス」原作者・福井さんトークショー

　全国で好評公開中の映画「亡国のイージス」（阪本順治監督）の原作者、福井晴敏さんのトークショーが３１日夕、
東京都台東区の遊園地「浅草花やしき」で開催された。

　福井さんは隣接する墨田区の出身で浅草になじみが深く、この日は映画にちなんだ手旗信号の旗揚げゲームや
映画のオリジナルグッズが当たる抽選会などでファン約２００人との交流を楽しんだ。

　イージス艦をかたどった特設ステージでのトークショーには、劇中の女性工作員、ジョンヒを主人公にした
小説『水平線の光の中、また逢えたら』の著者、橋口いくよさんをゲストに迎えた。

　「イージス艦」に引っかけただじゃれでジンギスカン料理を食べながら、福井さんは「真田広之さんら日本を代表する
俳優たちがそろった映画。長い航海を走り続けられますように」とビールで乾杯。「映画化は不可能といわれたが
防衛庁、海上、航空両自衛隊の協力で実現した。映画を見て、また本が読みたくなったらおれの一番の幸せパターン」と話し、会場を盛り上げていた。

【2005/08/01 東京朝刊から】(08/01 08:11)

ファンタジーノベル大賞に西條さんの「金春屋ゴメス」
　第１７回日本ファンタジーノベル大賞（読売新聞東京本社・清水建設主催、新潮社後援）の選考結果が
１日発表され、大賞は東京都の西條奈加（本名非公表）さん（４０）の「金春屋ゴメス」、優秀賞は北海道の
琴音（ことね）さん（同）（２９）の「愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ」に決まった。賞金は大賞５００万円、
優秀賞１００万円。贈賞式は９月２６日、東京・丸の内のクラブ関東で。受賞作は１１月に新潮社から刊行の予定。

（2005年8月1日20時10分 読売新聞）

現代短歌評論賞：なみの亜子さん「寺山修司の見ていたもの」に決定
　第２３回現代短歌評論賞（短歌研究社主催）が、なみの亜子さんの「寺山修司の見ていたもの」に決定した。
今回は「歌人の登場、あるいは歌人の退場と歌壇の変容について」が課題で、なみのさんの評論は「イメージの
コラージュとしての表現を短歌に取り入れた寺山の影響を、私性を基軸に綿密に論じた」と評価された。

　なみのさんは、６３年生まれ、関西外語大スペイン語学科卒のコピーライター。河野裕子に師事して現在、
歌誌『塔』会員。奈良県西吉野村在住。贈賞式は９月２０日、東京都千代田区の霞が関東京会舘で開かれる。

毎日新聞　2005年8月4日　東京夕刊

米国の新文学賞、ボブ・ディランらの作品が候補に (ロイター)

　［ニューヨーク　４日　ロイター］　新設された米国の文学賞「羽根ペン賞（Quills）」の候補作品が４日発表され、
ボブ・ディラン、スティーブン・キング、Ｊ．Ｋ．ローリングなどの作品が候補にあがった。

　この「羽根ペン賞」は、読者による投票で選ぶ。小説や伝記のほか、グラフィック・ノベルや恋愛小説などを
含む１９部門から成っている。

　そのほか、英国の作家ニック・ホーンビー、チリの女流作家イサベル・アジェンデ、
米国のピューリッツァー賞受賞作家マリリン・ロビンソンらの作品が、候補に名を連ねている。
受賞作の発表は１０月の予定。



[ 2005年8月5日()14時35分 ]

米バラエティ誌のアーチャード氏、芸能コラムを終了へ
2005年08月05日18時16分

　［ロサンゼルス　４日　ロイター］　米デイリー・バラエティ誌のベテラン芸能コラムニスト、アーミー・アーチャード氏が、
５２年間継続してきたコラムを９月１日で終了する。出版社が明らかにした。
　同氏が執筆するコラム「ジャスト・フォー・バラエティ」は、１９５３年から５２年間にわたってレギュラーコラムとして継続。
映画、テレビ番組、またその出演スターに関する内部情報を提供してきた。俳優ロック・ハドソンのエイズ診断や、
フランク・シナトラの最後の言葉も、同氏の手でコラムを飾った。
　同氏の活躍の場はコラムを超え、１００本以上の映画やテレビにも出演。映画のプレミアで司会を務めることもしばしばだった。
　１９７４年からはＣＢＳのピープルズ・チョイス・アワードの共同司会を、１９５８年からはアカデミー賞のグリーターもこなした。
　また同氏は、芸能ニュース業界では珍しいとも思われる公平で正確との評判を常に維持。記事の対象となった
人物の多くから慕われていた。
　「ゴシップ・コラムニスト」と呼ばれることを嫌う同氏のコラムは、決まって「グッドモーニング」の一言で始まり、
セレブに関する出産、死亡、病気などに関する記事をつづった。
　「ジャスト・フォー・バラエティ」の終了後、同氏は引き続きバラエティ誌でニュースや業界のイベントなどの執筆を
担当する予定という。

歴程・夏の詩セミナー：いわき市で開催、７０周年で講師充実−−２６日から
　詩人や詩の愛好者を対象に詩誌『歴程』が毎年行う「歴程・夏の詩セミナー」が２６日から２８日までの３日間、
福島県いわき市立草野心平記念文学館で開かれる。今年は『歴程』創刊７０周年を記念して講師陣も充実している。

　『歴程』は１９３５年５月の創刊。草野心平、高橋新吉、中原中也らが創刊同人で、のちに金子光晴、宮沢賢治らの作品も
掲載し、個性豊かな人間性を尊重する日本の中心的詩誌として現在まで貴重な役割を果たしている。

　今年のセミナーはそうした歴史を振り返り「伝統と未来」を総合テーマに展開し、辻井喬氏が講演。和合亮一氏を「校長」に、
講師は粟津則雄、入沢康夫、長谷川龍生、安水稔和、新藤凉子、井川博年、高橋順子各氏ら。

　宿泊先はいわき市常磐湯本町の温泉・古滝屋。定員５０人。参加費は詩誌を含み３万３０００円（１泊１万８０００円）。
問い合わせは電話・ファクス０５５７・８２・８４２４（新藤凉子方）。

毎日新聞　2005年8月5日　東京夕刊

文学賞：どこへ行く　広く募集、ネットで投票　作家より読者の声重視？
　◇全国に５００近く

　書店員のネット投票で受賞作を決める「本屋大賞」（２００４年創設）の成功をきっかけに、読者参加型の
文学賞創設が相次いでいる。著名な作家・評論家を選考委員にすえる芥川・直木賞など伝統的文学賞に比べ、
新興の文学賞はネット投票や読者代表の参加など“素人”への依存度が大きい。文学賞は
どう変わろうとしているのか。【米本浩二】

　「直木賞の選考委員の好みと書店員の好みとのギャップが大きかった。なぜ意中の作品が選ばれないのかという
不満は以前からありました。初めて書店員が声を出したら、その声が読者に届いた、ということです」

　「本屋大賞」事務局の杉江由次さん（３４）が話す。全国の書店の有志１０人がボランティアで運営する「本屋大賞」は
書店員のネット投票で受賞作を選ぶ。前年に刊行された本が対象。１年目の０４年は２４２書店・２８４人、
０５年は３８９書店・４５６人の投票があった。