ねずみの血

「お魚曜日の血」

海洋学者のむつかしい目つき
そうこの魚はまだ４月だと早い
ちびは熱心に混ぜて何か旨い
料理を私に振る舞うつもりだ

ベランダは赤い街という海を
遠くに眺めさせてくれるだけ　でも
先週よりも温かい日だから
先月よりずっと何か整う日だから
今の辛い波はまた明日に変わる
勝手に先を決め付けてしまう
戻れない船出にいる私たちは
みんなきっとその意味で平等だ

「焼くと旨い」「煮ると旨い」と解説される
近海魚の水族館に出かけてみよう
ホッケ旨いねとその食堂で
見て来たばかりの魚を喰うのだ

可哀相とは何を指すのか
教える懸念を抱きながらも
旨けりゃ
まいっか
で　済んでしまうに決まっているのだ