1 :
孔雀:
ぼくにできることは
かけ上がること
どこにもとどかない
だれにもつたえられない
オモイを
ただあたまのなかの
肉の痛みから解き放つために
幾重にもかさねて
織り上げられた心臓のように
ひかりを脈打つもうひとつの私を
こころもあたまも踏み越えて
浮きあがった場所にとどかす為
えぐりとられた祈りを
いのりつづける
そのためだけに
ぼくは いる
2 :
名前はいらない:04/10/01 02:56:40 ID:z0aXWe+U
【詩・ポエム板削除基準(基本となる削除対象は削除ガイドラインをご覧下さい)】
その他に詩・ポエム板のローカルルールとして
1.全くの新人と思われる人間がいきなり自スレを立てるのは控えましょう
2.スレッドにて過度の馴れ合いや私物化は控えましょう
スレタイにハンドル入れるのは、一部の板(自己紹介板など)でしか認められていません。
3 :
名前はいらない:04/10/01 02:58:41 ID:z0aXWe+U
スレタイに自分の名前をつけたければ、自己紹介板(↓)に。
http://etc3.2ch.net/intro/ 詩を書きたいなら、テーマの決まったスレ、もしくは、テーマを決めたスレを立ててください。
どうしても「自分の詩をまとめてスレにしたい」というのであれば、自分でHPつくってください。
4 :
孔雀:04/10/01 03:00:13 ID:1RQ0I7GM
「ははははは」
よわい よわい よわい
風にさわっている
吹きすぎる枯草を つ か む
あたまの中がすきまなく埋めつくされた高層アパートみたいに
生活の疲れ
ぬぎすてられた靴下みたいなものを溢れさせ
その想像のはだけ姿をさらしている
もうそんなに多くの人たちがいっせいに歩いたり
しゃべったり
洗濯したり
がやがやがやがやいってるから
もうたくさんなんだ って叫びたくても
いったいその叫びはどこに回収されるのか
そう建設的なことを考えようと
崩れかけのアパートを補強材でささえようとしたって
どうしようもない
5 :
孔雀:04/10/01 03:01:47 ID:1RQ0I7GM
それにはひとの手が必要だからだ
てのひらをもとめて手を振ったって
蝶のように闇を舞うだけ
手をつないで温かく引き上げられるなんてありゃしない
自ら這い上がろうとしたって
這い上がる地面がなくちゃ落ちていくのと変わりない
てのひらがなければそれは地面がないのと同じなんだ
りんごは真下におちるってこと
転がり落ちることを笑ってやることだけが
唯一の気休め
そうどんどん遠ざかっていくんだよ
落下速度は加速度的に吸い込んで
闇そのものを吸い込んで
行きたかった場所と落ちていく場所は
そんなに違わないだろう
ひかりかやみかあたたかいかつめたいか
ひとりっきりかそうではないか
わかっている
でも もうどうすることもできない
6 :
孔雀:04/10/01 03:20:45 ID:1RQ0I7GM
「共震」
それが祈りであるとするならば
ボクにできることがあるだろうか
霧深い山里の小雨に近いもやの中、
ひっそりとたたずむ
静かな家たちが眠る
その中でおもいっきり息を吸い込んで
そこに秘そむ小さな命の鳴き声の灯火のような
凍えを体中に住まわせて、つまりは
指先に灯った祈りで
したたり落ちる線を引くことだ
7 :
名前はいらない:04/10/01 19:35:28 ID:4ErQrqc9
孔雀王
8 :
孔雀:04/10/01 23:52:20 ID:ZHX8SYNH
「ぼくカブトムシみつけたんだ」
そういえば僕カブトムシ見つけたよ
とびらの中の闇のなかでだけど
ぼくカブトムシ見つけたんだ
しってる?
ぼくカブトムシ見つけたんだ
つののところ持ってさ
がしがし動くんだ
足がさ
木屑がパラついててさ
踏んだらやわらかかったんだ
きっと大きな木の根元の木屑の中から見つけ出したんだ
バタバタするそいつ持ってさ
ぼくひとりじゃなかった気がするんだけど
みんな闇に融けちゃってさ
9 :
孔雀:04/10/01 23:53:05 ID:ZHX8SYNH
顔がみえないんだ
だからひとりでがたがたうごくカブトムシもって
暗いところにひとりで立ってたんだ
みぎてでもってたんだけどすごく強くうごくんだ
生きてるんだってなぐあいに
でもぼくはそんなちからひとりで握って途方にくれてたんだ
凍りついたみたいに動けずに
逃れようとするカタイ足もって
ねえ ぼくカブトムシみつけたんだよ
10 :
孔雀:04/10/02 00:52:51 ID:Ep49pT3x
「傷」
傷なんてない
そんなものみたこともないし
感じることもできない
でもぼくのなかにそれらしいものをさがせばそれは
四葉のクローバーを探すようになったことぐらいだ
もう五葉のクローバーもみつけちゃったし
手帳にはさんだクローバーは10枚近い
ただもうさびしいとかくるしいとかかなしいとか
そういうのはべつに傷ついてるとかそういうわけじゃないんだ
だってぼくはそんな傷なんてものみたこともないし
でもひとりでいると
ここにあるよ
ここにあるんだって
11 :
孔雀:04/10/02 00:53:19 ID:Ep49pT3x
静かなみずうみの鏡平面の揺れ立つクオリアだとか
白木の丸太の束とかが
ここにあるって言いたいんだ
みつけたクローバーの萌黄色があまりに心浮かす色だから
ここにあるんだって言いたくなるんだ
線路土手の薄白い秋色になった雑草の
歓声のような色波がわっと押し寄せてきたり
下草のクローバーを眺めながら歩いていたら
急にその緑の瞳たちがいっせいにぼくを見つめて
話しかけるから
どうにも 「ここにあるんだよ」って叫びたくなるんだ
12 :
名前はいらない:04/10/02 01:51:04 ID:Cn88lpz0
>孔雀さん。
日本語が読めないんですか?
それとも、ローカルルールなんか無視していい、関係ないというスタンスですか?
【詩・ポエム板削除基準(基本となる削除対象は削除ガイドラインをご覧下さい)】
その他に詩・ポエム板のローカルルールとして
1.全くの新人と思われる人間がいきなり自スレを立てるのは控えましょう
2.スレッドにて過度の馴れ合いや私物化は控えましょう
スレタイにハンドル入れるのは、一部の板(自己紹介板など)でしか認められていません。
スレタイに自分の名前をつけたければ、自己紹介板(↓)に。
http://etc3.2ch.net/intro/ 詩を書きたいなら、テーマの決まったスレ、もしくは、テーマを決めたスレを立ててください。
どうしても「自分の詩をまとめてスレにしたい」というのであれば、自分でHPつくってください。
13 :
孔雀:04/10/02 02:41:59 ID:Ep49pT3x
雨が降った跡に
薄くふれたゆびさきが
しみこんで
はじけるまで
それまでは断じてそれは傷なんかじゃない
ただそれは自分という扉の奥にたくさんつもった感情の一部なんだ
その一部が扉のすきまからもれだして
勝手にひとりでにクローバー探してるだけなんだ
それはただの小川のながれみたいなものなんだ
幽霊みたいなものなんだ
だから存在のもつひりひりとした夜明けの地平線みたいなものを
ぼくの中からだしてやるってことが
唯一ぼくにできうるだろうことがらなんだ
14 :
孔雀:04/10/03 01:13:29 ID:HXKplh1t
あめだ
湿った枕木みたいに
踏みにじることだ
腐った虫食いの古木を踏み抜くのはたやすい
でも肥やしてきた自分の影を
踏み越えていくのは難しい
それは巧みに湿り気を残しながら
作為の隙間にはいりこみ
触角を飲み込んで
易しい沼地にひきずりこむ
それは深くもなく
みずたまり程度のものだが
もう泥はべったりとついている
15 :
孔雀:04/10/03 01:16:14 ID:HXKplh1t
脂肪に包まれてたるんでいく皮膚
それはいい艶をしていても
触れてみればそれがまがいものだと気づく
そいつら踏んづけてジャンプだ
やわらかいからよく弾むぞ
切り裂きがいだってある
そしたらどわっと扉が開いたり
あふれだしたりするんだ
16 :
孔雀:04/10/03 18:25:40 ID:C35DNu5D
夜がおとずれを待つ
垣根を越えて
吹きすさぶ
時間の糸屑を
拾いながら
17 :
孔雀:04/10/03 18:27:42 ID:C35DNu5D
ここには誰もいない
死に絶えた水底の砂辺で
誰もが働き 誰もが眠り 誰もが遊ぶ頃
この流れのたまりで
息を吸う
どうして皆黙っていることができるのだろう
仕事や学校や物語のなかにいるからだろうか
なにものとも繋がらず
つくることにさらされていると
胸とか頭とかがいっぱいで
それを外に出してやらないといけなくなる
18 :
孔雀:04/10/03 18:28:54 ID:C35DNu5D
つくることとは
自分を世界のかたちに合わせることではなく
世界を自分のかたちに変えていくことだ
それは基準 になることだ
そのためには 確かさに触れつづけなければならない
血を吐かなくてはならない
すべてのじかんが痛みとともに訪れ
叫びとともに過ごされる
そのことの証明として
かたちがある
かたちで示し
かたちで変えるしかない
かたちとは生きている
19 :
孔雀:04/10/03 18:44:42 ID:C35DNu5D
わかっている
ぼくが求めるものは
ぼくというかたちに制限されている
それはぼくという器に入っているすべてを投げ出しても
手に入らない
それが世界だ
でも僕がつくるかたちは
まったくの自由なんだ
その場所でなら
世界の在り方について
想いを放してやることができるだろう
そこはきみだけの場所なんだ
そのきみだけの場所で泳ぐ
きみの姿 かたちが
世界に届くもっとも強い言葉なんだ
その言葉を持って世界に語りかけよう
20 :
孔雀:04/10/03 18:49:40 ID:C35DNu5D
ぼくは語り続ける
ひとりひとりが自分というかたちの中に
うごめくもうひとりの自分を放してやる場所をもって
世界に語り始めたらとても素敵だろう
21 :
孔雀:04/10/03 20:25:11 ID:C35DNu5D
おい
つなぎの場所に立てよ
そこで泳げ
うたえ
空をくっちまえ
残らず頭をなでてやれ
卵を抱く小鳥の巣みたいにあたたかく
そして満ちた死体をみせてみろ
からだに踊る
夜(よ)の火のほむら影をゆらしながら
あたたかい手のひらを
さしのべてみせろ
叫べ
22 :
孔雀:04/10/03 20:33:26 ID:C35DNu5D
呆けたばあちゃんが手拍子で唄う
せつない せつない せつないな
せつない せつない せつないな
23 :
孔雀:04/10/04 17:41:41 ID:15b6siu/
口がもどらなくなっちゃったよー
24 :
孔雀:04/10/04 17:59:26 ID:15b6siu/
腹底で煮える
灰殻がこすれ
すすき穂のように
ふさりと揺れる身体で
疲れの汁だす背中で
吐き出す言葉を
口蓋のなかで枯らす
つまりねむいということか
つるぎ っと言ってねむる
25 :
孔雀:04/10/04 18:06:04 ID:15b6siu/
かようなきことで
すんませんが
今日は
静かなうみ
みずうみ
凪の海
とまった水面
みたいな
しずかにみちた汁が
ひろうの汁が
いるんです
26 :
孔雀:04/10/04 19:35:06 ID:15b6siu/
星 影
すきとおってるな
にわかに鳴り出す
なぜそこにいると雨音がきこえるのだろう
そうか折れたこころをしまっておくために
広がっているのか
その青草のほとばしる厚い毛綿のような原っぱで
ちいさな口のまがった小瓶をみつける
ああ 抱かれていたい
草綿がこんなにもやさしく冷えて
深々と体を沈めさせてくれるなんて
よつゆをころがした葉脈に沿って
残された夜のぬくもり
つつましやかにねむる
記憶の蜜を
ねじれ口の小瓶で拾い集める
いくさきを探しているんだ
27 :
孔雀:04/10/04 19:36:06 ID:15b6siu/
こぼれるみずしぶきを払うように
ふりまいた
そう目を閉じたっていいんだ
祈りの糸のほつれ先を
草をはむ幼虫のように
ただしずかに力強く
それは削られゆく草葉と生きることの持つ貪欲なまでの真摯さの
さだめられた約束のように
確かなかたちで動いていていく
そうやって辿っていくことができるんだ
「ソウヤッテ タドッテイクコトガ デキル 。」
28 :
孔雀:04/10/04 21:05:27 ID:15b6siu/
うたにィィ するがまちにのぼる雨が するめ味だったんよ おは すささささびすい
のおかげで でかけんかい うすすぐすりまかんだらいいやねうう
29 :
孔雀:04/10/04 21:28:51 ID:15b6siu/
もう言葉をバラまくのはやめたい
言葉はひとを求める
ぼくはひとりっきりで暖かくてやさしい世界にいるんだと思いながら
ずっと暗い欲望を腫らしていて
それを世界なんだと思って
体中で産業革命の熱量みたいなのを回していたいんだ
そうすればぼくは苦しまなくてもぼくの求めるところにゆける
まばゆい光みたいな部屋が浮かんでいることもあるんだ
そこにはひとつベットがあってさ
でもとびらを開けるとそこには黒い血が満ちた腫れあがったものしかなくて
でもそうじゃない
とびらはもっといくつもあって
もっとどんどんとびらをあけて先にすすまなくちゃいけないんだ
わかってる
そこには体がもうその場所そのものになっているように
時間の針に追いついてしまうような進みかたができるんだって
30 :
孔雀:04/10/04 21:29:55 ID:15b6siu/
だからもう言葉をひとに渡したくないんだ
ぼくは自分の欠片をひきちぎって渡すような言葉じゃなくて
もう十分走り終えたマラソン選手のインタビューみたいな
満ち足りた言葉をひとにわけてあげられるようになりたい
つまりぼくのかたわれはもう死んで
ひとりで生きていけるって姿になればいい
でもそれはぼくが決めることではなく
ぼくの中の地形が決めることだから
ぼくはただころがり落ちるみたいに全力疾走でかけてくってだけなんだ
ぼくの欠片はいったいどこに走っていってしまったのか
そいつらが出て行ったとびらを閉めてしまうわけにはいかないから
風がびゅうびゅうはいって来ちゃって
ぼくの眠りをあたためる熱はどこかへ行ってしまうんだ
穴があいてる
31 :
孔雀:04/10/04 21:30:36 ID:15b6siu/
ぼくのからだを満たしていた世界の灯り
それをあたためてやりたいんだ
だってそこはじゆうな場所だってわかっているんだから
その世界とその世界の境目に立って入っていく
通路に身を横たえ
からだをそらしていく
徐々にからだはそれに沿ってなじんでいってると感じてもいるんだ
だけどもうひとには言葉を渡したくない
だって出すことが同時に失うことになっていて
ぼくの世界は廃屋みたいで
だからぼくの世界に遊びに来たのね と言って分けてあげられるぐらい
豊かな場所で待ちたいんだ
32 :
孔雀:04/10/04 22:11:10 ID:15b6siu/
「踏み越え」
領域の拡張作業には
ひりひりと浮遊感のような恐怖感がともなって
それがいいの
そのはみだしちゃった一歩がなくちゃ
退屈で退屈で
頭おかしくなっちゃう
体中を走り抜ける
ふつふつとした細胞の歓喜みたいな
生まれ変わり
そうしないと体にたまった雲が
もくもく澱んで
こころが漬かっちゃて腐っちゃう
風だね流れだね
そりゃぼくの中の地形の上を吹きすぎるんだ
33 :
孔雀:04/10/04 22:18:18 ID:15b6siu/
だから止まってると
こまっちゃう
傾きのような
はじまりがないと
走りたいと想う気持ちがないと走れない一歩も
だからそれまではうろうろうろうろ歩いて
転んだ隙に走り出すんだ
あっちって言って
じゃあまずできることから
行けるところから歩き出すと
いうことであるいてるんですわたし
遠心力助走みたいなはじまりです
34 :
名前はいらない:
アオイ