〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 12th edition 〜〜

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418壊死 (1)
 初冬

オリオン横寝の真夜中
赤く光る星目指して自転車をこぐ
星は無数にある 心躍らせながら

 コンビニ

熱冷ましには アイスクリームを
寄り道は何よりも楽しく

店員の男荒れた指ささくれ
舌で削り取りたい たやすく発熱

 フィスト

欲情押さえ握るはハンドル
ぶいーんぶいーんぶいぶいーん
飛ばすごとに落ちていく
私の身体は部品だらけ
欠けた所修理しないまま 自転車置き場へ
419壊死 (2):04/10/17 17:55:43 ID:m7pocA+l
 蛞蝓

壁よじるお前 隅っこに落ち着くのかい

ペパーミントのガム噛んで 
セッタの煙プカリわっか ぷううとお前にいたずら

がくりと頭を後ろに垂れ 
半分に折りたたまって 私とお前の目が合った

 家

蛞蝓が這うように辿り着く

ただいま 私 蝸牛になったのよ
剥いたら山吹色の管ぐるぐるでね

ぐるぐるくねくねの気持ち隠して
ツノは隠さないぞってなデンデンムシで ね

 身体

男の荒れた指ささくれ
触れた私の指 やがて来る狼狽の感電

出来るだけ長い時間 痺れてると良いな
少し痛いけど大丈夫 心配しないで良いよ

ぞわーと鳥肌立ち じゅくんと濡れた
溶けていく身体 忘却のアイスクリーム

―――何を心配しないで良いんだっけ
420壊死 (3):04/10/17 17:57:37 ID:m7pocA+l
 夢

眠りたくない 
眠りは死  
明日が安産を祝福しても
産まれるのは昨日までの私

夢見る度 腐っていく両の手足
べランダの隙間 白い幽霊覗いて
こっちにおいでと誘う正夢 始まる

そっちはどうですか
たいして変わりはしないんでしょう?

私の寝言に相槌打つのは離脱した私
幽霊と手を繋ぎ 誘導された空はパノラマ

見上げると星は無数で心だけが踊っていました



(終)