『極私的Hiroshima』
駅前から路電に乗ってだいたい10分
紙屋町で降りたらアーケードを通ってく
賑やかなサンモール前を抜けてもう少し歩いて
そしたら突然ぽかん、と何も無い場所に出る
有るのはガラクタみたいな建物が一つ。
それが地獄の在った場所。
初めて知ったのは小学校の時だったかな
しばらくは御飯も食べられなかったけど
次の日曜日には忘れてた。
もうすぐ語り部達も皆この世を去って
残るのは私みたいに忘れっぽい人間ばかり
きっと、繰り返す。きっと。
この季節は寒いけど空だけはとても高い
ずっと見上げてたのに何も落ちてこなかった
なんでかな。
パルコで買う服があるからアーケードを戻ってく
途中の横断歩道で行き交う人が一瞬幽霊に見えた
吐き気を噛み殺してすぐに忘れた。