「現状ファンレノン」
眠りの中に居る開かれない眠り
梶を切るかのように僕は寝返りをうつ
廊下の向こうトイレの扉
樫の木で出来たトンネルをなぞる
足下には無数の船虫
おはようと言うまもなく彼らは床になり壁になり
息をしている僕が悩みをかかえてるだなんておかしな話
無造作に折られた鶴のようにあれる筈
端のほうには筋の通らない老いた光の粒子
乾かされ干されたままで
打ち抜かれたあの肘をついて少し眠った店
トマトの味が偽装的な食事をたいらげ
僕の話を聞いてくれたのはその隅に置かれたままの
車輪に何キロだか引きずられたはずの
形も保てなかった歩道橋のように柔らかい
繰り返される僕の眠りと
夢を見ているような僕の労働
すぎた微睡み
すぎた不運
わたしの書く詩とは雰囲気が全く違うのに
やっぱり素敵だなあと思います。
>>659 ありがとうです。
どんな詩を書かれるんですか?
他のスレ見てないんで・・ すいません教えてください。
「火の中で」
虫が破れる音
言葉も残せず
僕の頬
僕の片方にとまったかな蝉
夕方になって落ちてゆく恥じらい
この窪みひとつ
転がった先が燃え尽きた後の君の靨
箱に入れられて動けない
通れないままのガラス張り
揺りかごのなかのゼンマイのからくり
「木漏れ日」
血に兎
花には雲を
コインランドリーに置き去りにされたら
待つことは季節
もう二度と巡り会うことはなかった筈の新碧
窓は四角
春は食材
君は音楽
僕の木漏れ日
「半押し」
つるつるとつたう
正午のニュース
それをみて
涙を流す
流さない
それは勝手
僕は味の薄いベージュ色の食卓
楕円をした箱の中
晴れた日に履いたサンダル
黒と茶色と
空かから聴こえてくる呼び合う声
吊された鳥
足のないガマの穂
棒きれをぶんぶんと振り回し
コーマーシャルじみた歩幅で歩いてく昼過ぎ
アーケード越しに目えている
抜け殻のような私は
私を抜け殻として敬意を払うのだそうだ
この丸い自転に合わせて恥じらいを消すのだけれど
四角の窓の中同士
うまく疎通がとれないでいる正午
「くり返す街」
独り言の意味を
誰のせいにする?
渦を巻いた夕立
逃げ込んだ入道雲の下
黒い猫を白く写すほどの空からの光
類似した雨粒が
僕のこころと
精一杯に降るんだろう
どっちが雨で
どっちが心かも解らない
小さなこころが地図を展開し初めて
またこんな場所で独りで居るという繰り返し
ラメのように光っては
ラメのように儚い
憂鬱は輝きを持たない
一年中秋のそんなある星の言い伝えのようだ
この行以降は詩では無く現実
誰か助けて
誰か助けてください
「話は変わるけれど」
優柔不断を治そうと思って、唇をめくりあげ
赤く腫れた口内炎を眺めてそしてしばらくしてから決断した
明日の午後の話なんだけど、予定でね
ライ麦畑だっけ? そこでだれかが俺をキャッチしてくれるらしいんだ
お疲れ様です、毎日毎日
僕はCMのシナリオを書いて10年になるけれど
未だに船虫の使い方しか考えられないんだ
カット割りをあの船虫とこの船虫との絡み
いろいろ考えては眠れない
なんつーかこれ詩では無いですけれども
心が黙ってられなかったってことで詩なんですい
たいようが沈むとき
毎日何人くらい巻き込むんだとおもう?
回る原理の世の中で生きても
いずれ何かに巻き込まれてしまうんだ
朝からのバス
今朝は20分くらい遅れた
「対角線上に」
許された戦争
僕はテレビで見た
苦しむことは損害なのかな
利益なのかな
この地球上に居てははっきりと答えを出せない話
夢で僕はスクラッチを刻んだ
大きな箱で解らなかったけれど
ゴミムシダマシのようにおっとりと
よく言えばゆるやかに
僕は朝になってやっと歯を磨いた
すれ違いの法則が
この世の凡てより大きくなる朝
君なんてこんなに大きい筈なのに
君なんてどれほども小さいんだろう
朝が落ちてくる
夜が落ちてくる
斜めに太陽が映し出す昼間もそう
669 :
みつまめ:2009/07/01(水) 22:12:52 ID:ukFAVXIM
雨の夜は官能的だ
不機嫌にたばこの煙をくゆらせば
何も見えなくなる
何も聞こえなくなる
一向に治らない頭痛と吐き気を抱えたまま
宙に浮かぶ
道化師をにやにやと見てるだけ
香水はフランス製
かすかに漂う夢
洗い流す雨
ざあざあと
乾かない
洗濯物の端に
ぶら下がる憂鬱
しっとりと透き通る白いワンピース
涙と間違えて
雨のしずくを飲み干したら
お酒のように
あたしを恍惚の彼方に連れて行って
二度と戻らない
夏の終わり
生ぬるい空から
重たそうに落ちる雨粒
おもちゃみたいな
あたしの腕時計は
濡れて時を止めた
車のワイパーはせわしく動く
発情したように
二人だけの空間を
雨が覆い隠す
ヘッドライトは
いつも雨ににじむ
>>669 あたしを恍惚の彼方へ連れていって
すごい
「朝のなかの」
朝起きて
フラスコのボウフラを眺める
まだ蚊にならない
揺れている
下駄箱の
となりに飾る鈴蘭の鉢を眺める
母親が水をあげたのか
水滴がタイルに光る
朝なのかいろいろなことが気になる
どれだけの確率を用いて
今日は誰かと知り合うんだろう
ある意味有名なこの気持ちは
無限実行ぼくに理解を示さない
緩く廃棄される食品のように
これでいいと思っていたって
僕らはもう使い物にならないんだろう
しばらくぶりに会った姪と甥が
このあいだ僕を見て後ずさった理由とおなじなのかな
誰よりも優しい空を
誰よりも色鮮やかに
その先の星々よりも鮮明に
木に吊されたこのままでは
届けたい言葉なんてひとつも見つからない
>>660 メモ帳機能に書いたり頭の中に書いたりだったりなので
詩板には書いたことがないんです すみません
しかも自分でもよくわからない詩で‥
>>672-673 このスレに張ってくださればそれで済むことです。 読んでみたい
666の件ですがなんつーか
ほんとやばくて、
ほんとやばくて救いようがなくて
なんていうか、ありがとうです
「ポケットを探ったら」
つま先立ちで万人になったデパートショップで
変な指癖で
各階に忘れられた雨傘をなぞった
13歳のときのこの先を想う幸せと
なにもかもを諦めた後に見る幸せと
カナセミを無理矢理に鳴かせる夏と
×3を繰り返し
粘液状に横たわった
私や君やあなたのよう
拾い上げるとすぐに粉になる
この世のどこにもない
思い出は不理屈
味のないヨウグルトのよう
期限がない
空気読まない書き込みします
スカイプのIDです。
atsukanobake
です。
詩の話ができる人がいないので登録よろしくお願いしますね。
「たかいたかいところ」
きもちわるい音がした
蟾蜍がひしゃげたような
ぬるい緩い音だ
鼻先をちぎる狂うような風
メモ帳を飛ばし
引き出しを空にし
君と君も連れて行ってもらった
日本地図
半島の所を赤く塗りつぶす
たかいところは色を塗らない
僕は色のない
真っ白い便器に座り
吊されたタオルの青い色をだけを眺めている
眠れないことの意味が
青い色をして笑っている
吐き癖がついて痩せた月
頭を決してなでられないままの太陽
「すくいあげると」
小さい緑色をした
苔のかたまり
僕は小瓶にそれを入れて
足早に部屋へと帰った
水を含ませたふきんの上にそれを置き
ひとりでじっと眺めては
流動する自然の佇まいについて考え始めた
水の色は何色?
僕は水の色を調べた
水道水は真水色
水たまりや池は太陽の色
ヘリコプターの飛ぶ
三角形をした駅の下
行き交う人のこころ
すくいあげたら
僕にはもうどうしようもない
プランターのパンジーが
背を向けないで日を見ている
「このままで」
このままで
このまま胸苦しく
このまま息をするのがやっとの
毎日が華やいだ幻想であっても
毎日が項垂れた諸実であっても
昨日が吸い込まれた今日の日であっても
昨日が飛び去ったすじ雲のようでも
明日には僕はこのままで
明日には僕は歩いている
680 :
C:2009/07/11(土) 00:12:05 ID:5XM3S7r1
>>666 「いらない」と言いながら、君は必死で色んなものをかき集める
すくい上げる
その胸に抱き込む
そっと、そっと、
君は君の世界を抱き締める
小さな小さな、切実な世界
諦めきれずに、憎みきれずに、
君は張りつめた、飽和状態の小宇宙を抱き締める
かろうじて、ささやかな、微かな、僅かな何かを信じて
君はそっと大切に抱き締める
遅くなってしまってごめんね
いつだって、君の元に駆けつけたかったんだけれど、
君の声を聞き逃してしまった
今からでも、一緒に座ってみないかい?
日々を言葉で埋め尽くして、
会話を色彩で塗り潰して、
重たく重たく、苦しく苦しく、
2人、濃密な世界に溺死してみないかい?
いつだって迎えに行くよ
君がそのやわらかな声で呼んでくれれば、
いつだって迎えに行くよ
いつだって傍へ行くよ
「プラモデル」
スイカの種を吐き出すときに
吐きますよって言うかい
のろまな犬と散歩するとき
きみはいらいらと思うかい
カップラーメンを3分待つとき
こいつを破壊してやろうとか思うかい
きみとこんなにも会えないでいるとき
僕は理由でプラモデルを組み立てる
理由の内容をグラム数で表せるかい
会っている時間を計りにのせるとき
つま先立ちだから針が止まらない
「恥知らず」
ビニール袋に肺をたくさん詰めると
ビニール袋が肺になる
夢の中にまでモラルを混ぜると
夢の中でさえ位置がわからなくなる
爪を磨くと針になり
心を磨くとヒキガエル
隣町の花火大会
ボウフラのように
吸い込まれて私はひとり
蟹のように踏まれては横歩き
記号に点をつけて記号じゃなくし
子供の横に座って
子供になってみたり
「優しく楽しく」
鳴る音を点にして
そこら中で遊ぶ誰か
脳に響き
青空に晴れる
猫を曳きかけた車のブレーキ音
朝の青色のなか
スプレイで灰色にされた憧れ
雪が降る夏に僕は白い息を吐く
「いたるところに」
早朝、郵便受けを弄った手は
そのまま弁当を詰める手にかわり
白く変色した駅を眺め
実務的な遊戯の箱のなか
忘れたものはないのかと不安になり
気づかれないように鞄を漁り
張りつめた感情のままで
吸い出されるようにまた駅に立つ
どうにもならないことはやはりどうにもならないのだろうか
林の木の梢の春は眠りもせずになにを待つのか
帰りに飲んだ珈琲はあまりにも苦く僕はほっと胸を撫で下ろす
部屋にいるここは海の底
モールス信号で話す私達
夕方に郵便受けを弄る手
離縁する、今日の凡てを昨日にし
味のないコーラ冷蔵庫からの暴力
無意識的ではないた易く意識された平等性
蜜のような両手で僕を無感動へと誘う死
「セミオクラシー」
ビルの階段を上るとき
窓から外を見ている自分のことが嫌いになった
足下は貧弱すぎて
階段はただの下り坂でしかなかった
階段の踊り場6階くらいの
遠くの入道雲を拾ったおもちゃのカプセルの中に閉じ込める
蝉の声がする
僕の血管を流れるように歌う
10万回部屋の片隅で
ありえない
10万回なにも食べずに僕は何をしている
何を眺めているんだろう
人の命でありますように
ただそれだけでありますように
駐車場が広すぎて
自分の駐めた車を見失う
二人があまりにもよく似ているために
僕はときどき君を見失う
「剥製にされたら」
粉を混ぜると
臭いが勢いづいて
僕は羽根虫になったように
地べたに寝転がりこそばゆい
空き缶を潰せる力
人に愛されるだけの比重
街中 僕の横を通り過ぎる日付
あなたには夕刻が訪れるじゃないか
空を見上げているのは僕の中のピストル
こめかみに当てられたのは人差し指
このこころの瞬きの無さ
海を見たって
こころを見たって
あの頃のような二人にはなれない
「アニス」
目も無ければ
鼻も口も耳もほっぺも
何もない
ただの僕はただの僕でしかなく
葉の裏を捲ってみたりなんてもうできない
息をしている
息だけをしている
夜になり朝が来るのは解る
でもそれだけ
でもそれだけのこと
深いため息もつけない
なんせ単なる今にすら呑まれる
存在するのかどうか
ただの苦しさの塊でしかない
胃も足も指も無い
風や雲
雨や土
憧れてなりたくて
唯々そこにあることに憧れて
眠りは僕にだってある
眠りの中では僕にだってなんだってあるんだ
689 :
みつまめ:2009/08/04(火) 00:58:35 ID:LkgswBlX
ポケット
手持無沙汰に
殺意を形にしてみた
ポケットにすっぽりおさまるそれは
すべすべとした
黄色い四面体だ
手の中で転がし
時々愛撫し
耳を押しあてると
ちゃぷちゃぷと水音がした
落とすと
ガチャンと
意外に粗雑な音がした
わたしはある日それを
どこかに置き忘れてきた
或いは、意図的に置いてきてしまったのだろう
手から離れたとたんに
わたしはその懐かしい形を忘れてしまった
いくら考えても
他人の横顔が連続してあるだけだ
試みに、わたしはその顔を鉛筆で殴り書きした
「笑劇を終えて」
つま先を眺める
信号待ちのサンダル履き
空が幕を掛け
日めくりのとおりの明日にはならない
通り過ぎる雲は悲壮な色で形で
空砲に撃たれた胸の中
私という入れものの中
言葉ばかりが関係を求める
腹を破き床へと転がる未曾有の闇
ゴミ箱に当たり止まり
僕は横になりそれを眺める
荒れた胃に注がれたレモン水
足踏みをして紡がれた
断片的な思い出 作り話
「曇り空」
沈んでゆく太陽に
与えられた入道雲
蝉の鳴く室内で
叫ぼうとする
なにか叫ぶことはないのかと
けれど無い
僕は蝉の声をただ聴くだけ
部屋の壁には入道雲と桜の幹
重力というのは
惑星が回って生まれるものでなく
重力を作り出せる誰かが作る
日常の言葉の軽さと重さ
月を覆う雲のように
一昨日になるのか
朝早く起きて犬を埋めた
蝉もまだ鳴かない
日もまだ照らない
深く掘り涙も落ちる前に季節に吸われた
そのままもう一度寝てから
見た夢は覚えてなかった
数珠を持ち線香を3本立てた
蝉の鳴く中で僕は本当に独りなんだと思った
8年生きたモモ
俺はいつまで生きるんだか
ねえモモ
昔の傍で犬が脚に諦めさせられた影
改めて雄蕊がそれを見返す暇はない
「空にする」
雨粒が広がる水面の
いくつあるんだろうか
円形の空が
眠れなくてうっすらと天井を眺める
窓を越して雨の粒の音
夢のこない眠りには入るなと誘う
繰り返すはずの
居眠りのような周期
それがもう君で終わってしまうのかとおもうと
ずぶ濡れになった
右手が少し左手より長い
玄関先に君が立っているのが少し怖くもある
有機的な毒を映写して
太陽の白さを埋めてごらん
僕らはもうずいぶんと前から解っていた
(トルストイは彼一流の理論を計ってこの問題に行き着いた)
今日見た空の色は地下鉄の中に
何世紀かの先の雨粒の音は
容赦無く撮られたブリキの缶の中のたやたりに
プラスドライバーをあえて左手で握る
止まったままの手に霜が降りる
言葉を選ぼうとする
壁の時計
僕に束縛される宇宙
雲や夕焼けを眺める
吸いこまれていくところ
夢なのか線上のゼロなのか
「七九五」
何の練習をするのか
手が動き
言葉は出なずに
四隅を伸ばすように
電車の切符をコイン入れに入れようとする
晴れ
晴れに月が笑う
気持ちなら財布に入ったレシートに
丁寧に時間まで宛がわれた形で刻印されいる
ルーレット
今日はどの指が痛む
「あらゆると」
理由が涙を生むのなら
涙は瞳を汚すだろう
世界が僕を生んだように
暗闇に眠る時間が待つ夜
指の先 足の指
パンの色 乾いた土の色
首を絞めて無くなった
命というのか籠というのか
電波に乗らない馬鈴薯の重み
ムカデの這うあからさまな色彩
僕がこの世を生むのなら
この世は眠りを生むのだろう
本棚の木目
あらゆる独り
通り越せぬはこの脊髄に潜むヤミヨヤミ
いいんですか? と言った
また別の日には笑った
人間というひとがたに収まった
徴兵制度ではないのかと訊かれても
へえ、またどこですか
明かりが消えた迷う草 な
698 :
コノハズク:2009/11/30(月) 00:51:13 ID:oWEy4QNN
「わたしの庭」
帰る場所がなくなった夜に
抜け殻の夢に手を伸ばした
夢の中でわたしは
ブランコに揺られている
レンガ色の壁や
ビイ玉の砂場
神様が実を結ぶ樹
それらの間を
機械的にいったりきたりする
いつまでも凝固しないコンクリイトの上を滑って
壊れてしまった植木鉢の破片を拾い集めると
その中に貝殻が混じっている
ああここは海だったかと
錯覚する
ブランコの揺れは
波の頭痛に少しだけ似ている
目が覚めて
宙に浮いた床を眺めると
同じく帰る場所をなくした1匹の蟻が
這っている
こんなところで
天空の城を築こうとするのか
甘いにおいを閉めだした
この部屋の中で
わたしは蟻を踏みつぶした
ああこれで
本当に帰る場所がなくなったのだ
「選ぶこと」
家からすぐの国道で
車線変更をしようとしたら
なにか細長い虫
とっさにガードレールに突き刺さり
僕の上半身には鬱血の色で十字架
保険屋と警察とレッカー屋
待つあいだ
散りかけていた桜の木
僕は口ずさんだ
穴蔵に墜ちた鼠のひとりごと
猫が帰る日を
カレンダーにしるしをしてある
水曜日にはまだ帰らなかったから
また来週の水曜日にしるしをつける
友達と遊んで笑って眠る
帰ってくる猫の名前をつぶやく
「永らえた 多少たりとも」
オルガンの昔の形
首からかけた春の形
ため息をあなたの頬に転写してから
私はむこうの青信号を見やる
脇の下の形
背を見せた魚が並ぶ街
選ばれることをばれないように
偶然今日の日に起きたふり 欠伸をしたりね
鞘に収まらぬメートル級の
天気も動かす観測単位の
予備で付けられたネジのようにあてのない
ほっぺをつねって形となり得た
球状をした踵にかぶりつく
そんな
そんな今日の夕焼け
「湖の見える動脈に跨って」
ある朝パンツ一枚で部屋にて立ち尽くしていた
仕事へ出かけなければならないというのに
ズボンの履きかたを忘れてしまっていた
広く開かれた切り口と
細く筒状の穴が二つ
革紐を持つとするりと抜けた
やむを得なく 何か下に昨日忘れたのだろうと一階におりる
裏口から空気を吸いこみ呼吸するあなた
あなたの家に空が蝕むよう
私は裏口を開けた
庭であり畑であるはずの私が座りはするものの
鏡のような地面
空が流れる足下の斜め如雨露
左手が右側で向こうの芦原の溜め池は
地に巣くう この家にまで届く 大きなため息で私に何かを求めていた
一段下がった所にコンクリートの面があり
そこに一対のサンダルが丁寧に揃えられていたのだ
私はこの腹では決められぬからと
また別の裏口をさがし
やはり諦めた体裁で冷蔵庫を無様にドタンと倒す
朝目を覚ますと天井が藤の棚になっていて
裏返しに干された上着
意識が姿勢を肢体を世界を
ガラスに入れた日からではないのかと
ある不可思議な朝に問うたのだ
こんばんは、藪鳩さん。遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
相変わらず素敵な詩です。
最近スカイプをはじめたんですが、話しかけてもよろしいでしょうか?
弛むはずのないネジを弛んでいないのかと確かめる
昼間の仕事
足下のズック靴の横には蟻の群れ
腰が痛くなってきて空を見上げると
今までにどこかへ行ってしまった親友達がはっきりと見えた
友達は居なくなってしまっても友達で
僕にもすごい沢山の友達が居るんだなあって思えた
表情を険しくして歩くと
帰り道は石ころしか見あたらず
空をそういうふうに感じながら歩くと
帰り道はまるで過ぎることのない夢の中のようだ
705 :
yuu ◆j1vYueMMw6 :2010/04/28(水) 05:21:57 ID:kJyOMRif
「なんか」
何か好き
何か楽しい
何か面白い
何かかわいい
何か感動させる
何かわくわくさせる
何か惹かれるものがある
この何か とは何かを
あれこれと理屈をつけて 自分にも人にも説明したいのは
オトナだが
この何か を説明されるまでもなく
何か の本質の持つきらめきを 心の奥の磨かれた鏡に
そのまま映し出すことのできる様な
コドモの透明な感受性は
オトナになっても失いたくないものである
と理屈をつけて自分を励ましたくなる
晩春の頃の 公園の深緑に映える
木漏れ陽の揺らめきが訴えかける
何か
また5年後くらいに
来ます。(誰だ俺w)
>>706 お久しぶりです。覚えてましたか。
まだこのスレが残ってたことが驚きです。
良さそうな詩が沢山ありますね〜。
自分はもう何年も詩なんて全く書いても読んでも
いませんでしたが・・・。(すごく久し振りに書いてみました)
お元気そうで何よりです。