589 :
藪鳩 ◆EITmBtAWIA :
「擬似フルカラー」
今日も夕方になって
君のことをおもい出す
同じ色をした髪
同じところで笑う同じツボ
いちどだけ 一緒に死なない?って訊いたとき
冷蔵庫全部空にしてからじゃないと無理 って笑ってたっけ
時々大阪に買い物にいくけど
この醤油臭い空は君も僕も確か嫌いで
こうやって屋上から見たら綺麗のにって
変に高い階にあるコウモリ傘が目印のカフェから
遠くから順番にこっちに向かって雨が降ってきてるよって
ずっと遠くを見てきらきらしてた君の目
絡んだ髪は離れ離れて
雲ごしの濃い青いセロファンに焼いてあって
空が無理してるような日差しの強い日は
僕は君が好きだった歌を唄う