詩じゃなくて言葉

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229√ ◆root/240iQ

たとえるならば この私
道端に芽吹きたる 名も呼ばれぬ花の
下に転がる石で在ろう

幾億万の空の色
二度として同じことのない
朝や 昼や 夜の
その表情や

計り知れない法則を以て
駈け抜けて行く風の姿
気紛れを装い 通り過ぎる
雨の温度の変わること

中空を 切るように行く
飛ぶ鳥たちや
土の上 土の下
自然の掟に誠実に
ひたすら生をつむぐ生きものら

そして
季節に咲き 季節に散る花の下

それらの巡る生き様を
呼び止めることなく 尊びて
黙して転がる 石で在ろう

たとえるならば ささやかな
素晴らしき哉、この人生