〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 11th edition 〜〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
572祈り

鶴を折った指も 折られた鶴も
テーブルの上から飛び立つことはなかった

握り締められ鶴の傍らで蹲った指
祈りだけが 一度身震いして飛び去った

午後の窓外は晴れている
ヘリの音が空気を揺らす

空のひびのような梢を少女は見上げた
そしてここにはいない鳥のことを思った