〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 11th edition 〜〜

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394プロペラレター
プロペラ飛行機を机にして
ただ手紙を書き続けるだけの毎日
誰に宛てているのかさえ
もう僕には分からない
くすんだ空色の中で
色に飲み込まれ消えた人
粉砕された空の破片に
その身を貫かれた人
そして
この空を正視することなく
家に帰った僕
家の中の空には
あの小惑星と衛星が
飛行機雲のレールに沿って
あの壁紙の雲のように流れ続ける
いつからここにいるのか分からない
いつから手紙を書いているのかわからない
プロペラ飛行機を机にして
ただ手紙を書き続けるだけの毎日
誰に宛てているのかさえ
もう僕には分からない