ただ書きたい。

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247雨森 通 ◆yjVBsR9W2A
心の突端に引っかかったまま
通り過ぎる事のない布切れのような白い空
感じられる全ての苦痛や快楽はそこに吸い取られ
湿った部屋の中へ枯死の時間を招き入れる

記憶は個別に芽吹いては咲き乱れ散っていった
鳥達はもう激しく飛ばない その振幅も徐々に眠ってゆく
大きな安らぎがある 怖ろしい懈怠がある
失いながら もう二度とは得ることがないのでほっとしている

夕暮れが起き 夜が訪れても空は明度を上げ続ける
語られすぎた過去も喉を競り上がる未来もそこにない
世界は加法混色されてただ一つの色に染め上げられる
そこには固化した時間と永遠に孵らない一個の幸福な卵がある