738 :
星野:
『偽りの唄』
あの日の終わりに 求め手にした偽りの唄
「オマエなら大丈夫」「アンタは笑顔が良く似合う」なんて
心にもないこと散々歌い叫んだ
すべてはアナタが 風も凍るあの日を境に
「君と居るのが一番」「夢見て頑張る君が好き」なんて
大好きな言葉言わないから歌ってる
聴けない声を 小さな路地のすみっこで
ただ一人きり 行き交う人々に向けた唄を
絶やさず潜めて 耳澄ます
たとえ僕の唄に本音なんかなくっても
偽りの唄は励ましの唄
彼女の言葉で僕が勇気づけられたように
その半分だけだっていいから
ただ道行くみんなに勇気を捧げたいから
歌い始めた偽りの歌
あの日の君が 偽り歌う僕のこと
叱りに来たら もう二度と離さずにいるのに
潜めた声も 呼応して
僕のこの声が遠くまで響いてくれますように
喉を枯らし歌ったこの歌が届きますように
僕はあの日の風のようになりたくはないから
願い歌った偽りの唄