「ゴーストタウンに、生きる」
僕の住む街は、今「ゴーストタウン」と呼ばれているらしい
昨日夕方のニュースでやってた
若者がいなくなってしまって 人口自体も激減してるって
僕は、大声で笑った 寂しさを押し殺した
どおりで最近わたしはここにいるんだよとでもいいたげな
子供たちの金切り声が聞こえなくなったと思ったよ
どおりで最近妙に鉛色の空が似合う街になったなと思ったよ
昔はあんなに太陽が似合ってたのにな
僕の街とこの街での僕の思い出は時間に殺されてしまったよ
夜、僕の部屋の天井には昔貼った蛍光色に光る星が時間が経って
今にも消えそうな鈍い緑色の光を放つ
光を当てればまた光る 晴れればこの街にも明るさが増すように
でもその星は昔のようにはもう、輝かない
一瞬、一つの星が違う輝きをしたような気がしたけど…
もう寝るべ
目が覚めると一面抜けるような空
庭に名前の知らない花が咲いていた
僕ははっとした
街は死んじゃいなかった
死んでいたのは、僕だった