〜〜詩で遊ぼう!投稿梁山拍 10th edition〜〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
522詩人どもを素朴に消せ(1)
たとえば、どこかの休耕田に花が咲いていたら
全部摘めとは言わないが、この世を全部埋め尽くし
ぼくらの息がくるしくなるまえに
どこぞのかわいい動物だとかもしくはきびしい気候にやられ
食われちまったり、枯れてしまったり
もしくはひどい運命だとかにめちゃくちゃにされるとか
そういうことはどこにもないと
いう前提で語ろうじゃないか
まずは概念の問題について

はっきり言っておくよ、詩性てのは弾圧しなきゃいけないぜ
そこにある深層だとか、美感だとかは
もう別にどうでもいいんだ
異常なまでに力があると信じているなら尚更のこと
僕らがどこかに書く前に、叫んだ声が消えちまう前に
真っ黒い紙とうるさいラジカセを用意して
もっとなにもかも聞こえなくするんだ
そんなことをそうこうしてると
手にうすくひっついた
すすけた汚れがいとおしくなる
523詩人どもを素朴に消せ(2):04/02/26 23:20 ID:Cn5MIbgm
アンビエントか、宗教音楽あたりで
想像してくれるとありがたいんだけど
君が思う静かな曲でいいと思うよ
じっとしていると
聞こえてくるだろう
阿鼻叫喚の地獄絵図が

分離した、波動で言うと
ほんのわずかなドレミファが
うにょんうにょんと乱交しまくり
ピアノとかオルガンの
きれいな響きになるらしい

さて

首をくくったり、眠っている子供を見たりする
あのかなしさを持ちながら
脳みその中に響きつづける
音楽をどうやって止めたらいい?
524詩人どもを素朴に消せ(3):04/02/26 23:22 ID:Cn5MIbgm
僕が言いたいのはこういうことだ、かの偉大なる時代を、
さらには容姿端麗な古の美女や威風堂々の英雄たちを巻き込む
もしくは
あと五百年にも及ぶ風雪に対し、にこやかに微笑みながら
永遠という、実現することのない試練に耐える準備をしようと
しているあの遺跡たちの威風堂々たる屋根にひっついて
はがれようとしない
栄光という、表面に何百種の文様やら
何千人もの、いにしえびとたちが彫刻された
フジツボ貝の胎内に
収まった巨大な真珠ダマのような
感覚を

おおきな、たまねぎの下で

というぼんやりした素朴さで
むりやりまとめてしまった挙句に
かみあってゆがんでしまった
細かい金細工のことさ

もう一度くりかえして素朴にまとめよう
くるしさかなしさという
素朴さにまとめられて
決してかえりみられることのない
踊り狂ったり 大笑いするときの
あのまぶたに感じるつめたさについて
525詩人どもを素朴に消せ(4):04/02/26 23:23 ID:Cn5MIbgm
どこか、誰か、
こどもをやめたばかりの若造だとか
青春をやめたばかりの親父だとか
人生をやめたばかりの年寄りが
気の利いた文句を言うようだったら
そいつらを即座に
このくそったれた素朴さで
詩人ども、と即座にまとめて
きびしい気候やひどい運命や
かわいい動物のエサにしてしてしまえ


詩人ども、
音楽を止めろ
止めろってば