〜〜詩で遊ぼう!投稿梁山拍 10th edition〜〜
たとえば、どこかの休耕田に花が咲いていたら
全部摘めとは言わないが、この世を全部埋め尽くし
ぼくらの息がくるしくなるまえに
どこぞのかわいい動物だとかもしくはきびしい気候にやられ
食われちまったり、枯れてしまったり
もしくはひどい運命だとかにめちゃくちゃにされるとか
そういうことはどこにもないと
いう前提で語ろうじゃないか
まずは概念の問題について
はっきり言っておくよ、詩性てのは弾圧しなきゃいけないぜ
そこにある深層だとか、美感だとかは
もう別にどうでもいいんだ
異常なまでに力があると信じているなら尚更のこと
僕らがどこかに書く前に、叫んだ声が消えちまう前に
真っ黒い紙とうるさいラジカセを用意して
もっとなにもかも聞こえなくするんだ
そんなことをそうこうしてると
手にうすくひっついた
すすけた汚れがいとおしくなる
アンビエントか、宗教音楽あたりで
想像してくれるとありがたいんだけど
君が思う静かな曲でいいと思うよ
じっとしていると
聞こえてくるだろう
阿鼻叫喚の地獄絵図が
分離した、波動で言うと
ほんのわずかなドレミファが
うにょんうにょんと乱交しまくり
ピアノとかオルガンの
きれいな響きになるらしい
さて
首をくくったり、眠っている子供を見たりする
あのかなしさを持ちながら
脳みその中に響きつづける
音楽をどうやって止めたらいい?
僕が言いたいのはこういうことだ、かの偉大なる時代を、
さらには容姿端麗な古の美女や威風堂々の英雄たちを巻き込む
もしくは
あと五百年にも及ぶ風雪に対し、にこやかに微笑みながら
永遠という、実現することのない試練に耐える準備をしようと
しているあの遺跡たちの威風堂々たる屋根にひっついて
はがれようとしない
栄光という、表面に何百種の文様やら
何千人もの、いにしえびとたちが彫刻された
フジツボ貝の胎内に
収まった巨大な真珠ダマのような
感覚を
おおきな、たまねぎの下で
というぼんやりした素朴さで
むりやりまとめてしまった挙句に
かみあってゆがんでしまった
細かい金細工のことさ
もう一度くりかえして素朴にまとめよう
くるしさかなしさという
素朴さにまとめられて
決してかえりみられることのない
踊り狂ったり 大笑いするときの
あのまぶたに感じるつめたさについて
どこか、誰か、
こどもをやめたばかりの若造だとか
青春をやめたばかりの親父だとか
人生をやめたばかりの年寄りが
気の利いた文句を言うようだったら
そいつらを即座に
このくそったれた素朴さで
詩人ども、と即座にまとめて
きびしい気候やひどい運命や
かわいい動物のエサにしてしてしまえ
詩人ども、
音楽を止めろ
止めろってば