■ピアノで渋滞中■

273名前はいらない
娘たちは体をやつし鼻をひくつかせながら犬が街を行く
何人かの男たちは殺し何人かの男たちが殺されて死ぬ
多く人々部屋で薬物に耽るかピストルを抱いて眠る
この国にはピアノを弾く人も聴く人もいない
俺は抱くべき物も抱くべき女もいないから布団の中で半永久的に羊を撃ち殺し続ける
指を立てピストルの形にして
数え切れないほどの蝶たちが太陽の中で燃えている
消えるように
時は静かに流れ
いつか何処かで途切れる
ピアノが俺を取り囲み
血を流しながら泣くので毎晩眠れない
地平線まで真っ黒に
ピアノが俺を