153 :
名前はいらない:
君のセンス5段階+αで評価するよ!! v5-pre
443 名前:春 1/3 投稿日:04/02/08 18:19 ID:flXVDUdp
空っぽの小さな布団
枕元に赤いランドセル
目覚まし時計は7時に鳴る
ぴかぴかの学習机の上に
几帳面に折り目がつけられた教科書
まだ始めの数ページしか読んでいないらしい
ノートをあけてみれば
「山」とか「川」とか
そんな漢字が練習してあって
日付も書かれていた
きっと宿題だったのだろう
ペンケースの中には
きれいにとんがらせた鉛筆
みんな同じ長さで行儀よく並んでる
154 :
名前はいらない:04/02/11 23:14 ID:7ncKNbx9
444 名前:春 2/3 投稿日:04/02/08 18:19 ID:flXVDUdp
本棚には百科事典
じいじが買ってくれた
まだ読めないって言ったのに
「いいからいいから」と全部で15巻
壁には新しいお洋服
デザインとかよく解ってないくせに
ちょっとだけ大人っぽいのを欲しがった
パパは少しややこしい表情になって
「彼氏とかつれてきたら俺にげるから」
おどけてそういいながら
あの子をだっこしてキスをした
155 :
名前はいらない:04/02/11 23:15 ID:7ncKNbx9
445 名前:春 3/3 投稿日:04/02/08 18:20 ID:flXVDUdp
私は洗面所に来て
カミソリを手に取った
3本ならんだ歯ブラシを見て
涙があふれ
目をそらした
乱れた足拭きマット
使いかけのバスタオル
幸福の残骸たち
空っぽのバスタブの中
泣きながら逃げ込んだ
へたり込むように座って
しゃくりあげながら
カミソリを手首にかざしたけど
やっぱり怖くて
ますます泣いた