今日からひたすら詩を書きまくる。

このエントリーをはてなブックマークに追加
74万華鏡倉庫

風が向きを変え潮の香が漂ってくると
国土が船であったことを思い出すのです
積荷である私達は
今生のうちに
無事売却されるものかはさだかではありませんが
水平線に沈むときの太陽は
だんだんと大きくなってきております
右舷の廃墟に残った
三半規管塔にのぼって
太陽の胸倉のあたりに眼をこらせば
茫漠たる意味の碑文をあらわす肋が
眼に入る砂のようにごろごろと読めますし
傾く空からこぼれてくる
はばたく水のようなあおじろい風を呑めば
膨らむ肺に撓められた私の肋が
発情期の鳥のさえずりで返事するのが聴こえ
寄せることばと飛び立つことばが
入れ違って
ずるずると
横腹をこすりあう感触が
私の脇のあたりを訪ねてきたりします