ヽ(*｀Д´)ノ　お前のせいで私は欠陥人間　

『悪魔払い』　1/3

それは俺んちの電子ポットが壊れた日だ
なんかのパッキンが割れてお湯が漏れてしまう
我慢して使いつづけようと思ったのだが
漏電やら感電やら危ないので処分した
昔に使っていたステンレス魔法瓶を
物置きの奥から取り出す時に音がした
なんかの金具とかでも中に入ってるのかなと
魔法瓶の蓋をあけてみると羽根がはえた小鬼が入っていた　
こういう未知の生物が現れる時は派手なスモークがぶわっ
というイメージを見事に裏切り　首を手で押えながら
『あーせめ　せめぇんだよ』と愚痴をこぼしひょっこり現れた
よくよく、聞いて見るとこいつは悪魔らしく出してくれたお礼に
願い事を聞いてくれるという　なかなか律儀な悪魔だ
俺は早速『電子ポットを直してくれ』とお願いしたのだが
どうやら、人を不幸にするのが専門らしく受け入れてくれなかった
不幸があるから幸せがあるんだ　だから不幸を味わうというのは幸せに繋がる　だとか
不幸に対する情熱を３０分くらい熱弁していた　悪魔だけにタチが悪い
俺はこの悪魔にウンザリしてサッサと願い事を決めた　
その願い事とは『俺の小話を聞け』というものだった

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この話は誰が不幸になるのかは後で分かる
ただ、黙って俺の話を聞いてくれ　君へのメッセージでもある
そして俺の最後の言葉を理解したらだまって消えてくれないか？　じゃあ話すぞ
まずは悪魔っていうのは結構人間界に詳しいのか？　おおそうか
じゃあ歌謡曲って知ってるか？　ほー結構くわしいじゃないか
じゃあ話は早いな
俺がガキの頃に歌謡曲のヒットパレードとかテレビ番組
あったわけだがいっつも不思議に思ってたんだ　
なんで放送を金曜日にやるんだろうってな
俺は馬鹿だったんだな　ホントに馬鹿だったんだ
歌謡曲を火曜曲だと勘違いしてたんだ
そこで俺は気がついた

『お！曜日じゃない』

俺の話はこれで終わりだ
悪魔は了解したのだろう
肩を落とし不幸そうな顔をして煙のように消えて行った

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　　　　　『およびじゃない』と繰り返し呟きながら消えていった