頭蓋骨前頭部部分着色手術 1/3
これからクランケの要望通り頭蓋骨前頭部部分着色手術を開始する。
第一助手は五十嵐君
カルテを読んだだろうがこのクランケは哲学と詩作
に侵され頭に血が上りやすいタイプだ。
術視の確保を頼む。
第二助手は佐藤君
五十嵐君のサポートは勿論だが、私の動きと呼吸を見なさい。広い視野で
仕事を見るクセも必要だ。
麻酔医は葛西さん
葛西さんには今回も麻酔兼モニターの確認の方をお願いします。心電図、脳波、血圧 数値に異常がありましたら知らしてください。
オペ看には和田君
世界にも前例がないオペだがクランケの精神力、体力を考えると時間はかけられない。急遽の術式変更にも迅速に対応してくれ。
この手術のリーダーは私 肌切 真人が担当する。
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第二助手 佐藤(凄いスピードだ このスピードについてこれる五十嵐さんも凄いが…)
第一助手 五十嵐(速い! いや、それよりも正確だ。 鳥肌もんだぜ)
麻酔医 葛西(患者が麻酔で落ちてから20秒たらずで術部確保とは…肌切君また腕を上げたな しかし、まだ難関はあるぞ)
執刀医 肌切「…駄目だ このスピードでも間に合わない …マッキーだ」
その他一同『ま、マッキー!』
第一助手 五十嵐(ゆ、油性だと!)
第二助手 佐藤(一発勝負に出た!)
オペ看 和田(凄いわ! 細い方で球状の頭蓋骨にフリーハンド! しかも正円だわ!)
麻酔医 葛西『いかん! 脳波に異常 来るぞ』
クランケ「お、おかあさん御茶付けにジンジャーエールですか? なますて」
第二助手 佐藤「…寝言か?」
第二助手 五十嵐「多分、寝言だろうが尋常じゃないぜ」
オペ看 和田(肌切先生の手が震えてるわ これが肌切先生の笑いのツボなんだわ)
麻酔医 葛西「いかん! もう描き終る寸前で線がぶれた」
396 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/04(水) 17:58:45 ID:Nqeq9aW3
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執刀医 肌切「…修正テープ」
オペ看 和田(骨の色に合わせて修正テープを使うなんて冷静な判断だわ)
第一助手 五十嵐(なるほどな、詰め替えカードリッジ対応だと経済的にお得だ)
麻酔医 葛西(熟練した者でもミスから立ち直るのが難しいのだが…さすがだ肌切君 )
第二助手 佐藤(…本当にこんなのでいいのか?)
麻酔医 葛西「脳波、心拍数、血圧 全ての数値データー異常なし!」
執刀医 肌切「よし! 縫合にはいる」
時間にして12分という短時間だったが肌切には忘れられないオペになった。
クランケの依頼通り、地図記号でいう変・発電所のマークに似ていて、男子公衆便所によく描いてあるちょっと卑猥なマーク。
これを頭蓋骨に直接、描く手術は成功した。
ただし、手術の効果・意味は肌切には永遠と分からない。
他の看護士の話だとクランケが麻酔から目覚めてからの第一声は
『明けましてお〇めこでございます!!』
だったそうだ。
了