詩を採点するゼ!2

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278いかいか ◆YffIGX9Bno
「夜明けの時」

町並みが蜃気楼のようにぼやけてうかびあがり
信号だけがチカチカと点滅する
騒音を立てるはずの車でさえも遠慮がちに静かに前を通りすぎた

澄み切った空気 まだ誰の口にも入っていない清潔な酸素が体内を
潤す

夜の仕事から帰ってきた猫たちだけが 横断歩道を横切り
まばらに眠そうな目をこする人間が足音を立てる

前方に見える灰色の鉄筋コンクリート作りのマンションが
小さく影を落としその下を俺が歩く

酒がまだぬけない