Lights

僕が粘土でこしらえた
鍵の形のアクセサリ
何一つ開錠できず
鍵とは呼べず

だから括弧に入れて
存在を抑圧させる方が適切だ

僕は（鍵）を持っている

今　自分で引いた
「」
を凝視すると

この
中　　　に
は　　　金
　　　ある

が浮かび上がるのは
僕がお金を欲しいからだろう

マスクとサングラスを着用し
ナイフも懐に忍ばせ
夜を浴びる

あそこへの道すがら
頭ん中は（挿入口）のことでいっぱい

か
ぎか
っこ

（ぎか）

「」

穴も空くから「」が（挿入口）となるはず
ダッテソウイウキマリダカラ！

「」
という装飾の施されたドアまで辿り着き
（鍵）を手に開錠しようと苦戦中
僕の本能は異変を察知した！
警告！
警告！
警告！
逃げなきゃ！
手なずけたはずの番犬が吠え
茂みから警察官までしゃしゃり出て
やばい足を滑らせてしまった
僕の頭が地を蹴る

カチン

（ぎか）のぎかを逆さにすると（かぎ）になる
（鍵）になるんだ
そして
」「

僕は（鍵）を持っている！

右折！
左折！
イツダッテソウナンダ！
鍵と挿入口は
正反対の関係

なのに（鍵）を（挿入口）に入れても
「」「」
二つ（挿入口）が作られるのみで施錠されたまま
当然（鍵）はアクセサリでしかなく
行き止まり！
捕まる！
絶叫！
手錠された！
最初からわかりきっていたこと
いつでも不法侵入は失敗してしまう

僕は貧乏だ