『扇風機』
首をかしげた扇風機がまわる
随分さっきに ぶつかって
ぞんざいにしたままだった
カタタ… コトト…
カタ コトン
一息つきたい わたしは
ペシャリ
あなたと向き合い 座り込む
あなたは汗をかかないの
カタタ…、 コトト…
空気は踊り 風になる
わたしは じりり
じりじりじりり
外では世界が融けはじめ
影の焦げる匂いがする
カタタ… コトト…
カタ、 コト
コトン
さっき握った汗がそうっと
冷たい感じに変わったら
わたしも一緒に傾いて
夏にかまけて マワリだす
うぅき うぅき
せんぷうぅーき
かたこと と
カタ、コト、 トン