>>256 熱中症ぎみな僕をふらつかせる夢魔
砂漠は君のものだった 湧き出でるオアシスも
湖底に潜む気持ちも その熱い血液さえも
考古学者の見つける前から すでに君のものだった
水晶の霊視はあたらない そう思っていた
月明かりに 揺らぐ 見慣れぬ君の姿を見るまで
麗姿は水鏡のゆめむ波紋を奥へと退け
金字塔を重ねる影像の中で 僕のすべてを奪ってしまった
古の科学と慈愛 石柱に刻まれた黄金の旋律
頽廃がまた僕を闇に引き摺り込む前に
希望を分かちあえる精霊に再会したい
異邦人を聴きながら この手の先にある透明の壁と
物言わぬ朽ちた滝を越えて行きたい けれど
野良犬のように ただ心細い遠吠えをするばかりさ