僕は泣ける

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37七瀬 刹那

涙で始まる言葉の中に
どれだけの意味があるのかさえ
解からずにいた日々

闇は無常にも自閉症の兄の目に宿り
時は非常にも言語障害の弟の掌にあった

時間稼ぎの涙は何も状況を変えることなく
攪拌した音は同じ地点を行き交うばかり

それが現実だということに目を背け
心を開放へ導こうと朝を待つ

肉体に付着する魂は
何も浄化してくれないと
気付いた刹那
兄弟は物言わぬ塊になっていた