一口坂歩いてる間に俺の鱗を
一枚残らず剥がして欲しいのに畜生
地面の痣を潰して歩く
ノイローゼの形した地蔵背負って俺は
未曾有の山を崩して遊ぶ子供に聞いた
「君はハッピーを信じるか?俺は信じない。
許すか許さないかだけで答えろ」
無視する子供の目頭に巣食う蓮華の根から
緋色の回転軸引き抜いて俺はしゃぶった
鱗が乾燥してささくれ立つ
夢見過ぎだと言われたのでボンソワールに柚子胡椒かけてインテリたちにご馳走しました
イジケていては成長はないそうなのでチューインガムにダンベルを混ぜて横断歩道にばらまきました
食前にチタン製の雪も飲んだし
肉塊にパスタ100本も刺しました
それでも俺の鱗はしぶとく真鍮に変わっていきます
未曾有が散らかった駐車場で俺は
胃の裏側まで引っ繰り返して鱗を吐いた
「ハッピーは信じる。だけど許さない」
と子供は答えて
町中の人たちに愛された
舌の鱗を剥がしながら俺は
こいつを嘘で殺す方法を考えていた