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山崎渉:03/01/19 13:32 ID:0KpP5AQU
(^^)
その場所はまだ誰にも知られていない場所だ
その誰も知らない場所に居座る巨大な空白
僕はそれを遠くから眺めている
目をこらして中空に浮かぶなにかを見遣る
そのものの息づかいまでは捕らえられはしなかったが
浮かんだままで空へと向かい吹き上げる祈りのようなものははっきりと目視できた
|・ω・`)コソーリ、、
|彡 サッ
歩幅を大きくとりはじめた僕は大きな力に完全に捕われていた
そして今までのことを全て忘れ去ってしまっていることに気がついていた
それはどの国にも属していないだろう草原の中心から生まれ落ちたもの
そして涙が止まらなかった
服を着ているのに全裸のように感じた
僕は記憶をある秘密めいた約束とごちゃ混ぜにした過去をだけ思い出すことができた
永久に死すと顔に書かれた父親の死体も
ストラトキャスターで頭をかち割った恋人のことも
その優しさ故に気を病んだ母のことも
ベランダからガラス越しにそれらを見ていたイチョウのことも忘れてしまった
それらと引き換えに僕は真実だけを見ぬく眼を欲した
空白に対して恐れなどないから僕はそいつを脅迫する術をさがした
足下に1匹の蟻と僕の方に雌雄のカナブン
方舟は欠伸を何万と乗せた
沈むために作られたことを知った
湖底では誰かが誰かを見つめた視線が藻屑のように絡まり
流れを完全に失った水が
音と熱とを忘れ去り眠った
そして湖面には浮力を更に増した狂気が幾層にも重なり
人々はそれにまみれてはまた父のように首を吊る
忘れ去った全ての事柄が僕に巨大な屈託を与えた
嗚呼と吐く
事柄は全てが自由だったのかと
過去を持たぬことほどの不自由を
歩幅はすでに存在していなかった
僕のすべてが空白じゃないかと気付いた
顔を探った手がそのまま左右入れ違えてから感覚をなくした
僕は唐突に僕を無造作に作ろうとしている
|ω・`)
僕が生きていたであろう世界で
美しいとされていたものをさがしては
強引に僕の一部とすることで作りはじめた
しかし表面を持たない僕の顔さえ涙で濡れていて
すべてが醜く形を変えては落下した
僕を拒まなかった唯一のものをさがした
僕は空白という僕を見つけた
ひどく震えていて
とても虚勢を張っていて
草原の真ん中で僕を待っていた
やっとひとつになれた
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