695 :
hana太:
真っ暗い江東区の路地裏で相撲取りが泣いた
太れないと泣いた
銀座の飲食店裏でホステスが泣いた
痩せられないと泣いた孤独と泣いた
しけもくをプカしながらボクは新宿公園で泣いた
買い手がいないと泣いた
試験に落ちたとあの子も泣いていた
父は人を泣かせていた
そんな時
東京拘置所ではホリエモンが苦笑いを浮かべ
ハリウッド女優が完成された整形に笑みを浮かべている時
不細工な能無しは泣いていた
じぃーちゃんが草むしりをしながら
鼻歌を歌っていた
死んだばーちゃんの事を思いながら
孫は元気にやっとるで
隣で2歳の孫はキャッキャッとむじゃきに追いかけっこをしていた
ボクが中央線に飛び込む想像に掻き立てられている時
母は家の台所で涙を堪えていたんだ
母は家の台所で涙を堪えていたんだ
ボクが誰かと孤独を癒しあってる真夜中にも
母は工場で涙を堪えていたんだ
誰かの笑い声が恐ろしくて耳をふさいだのは
母がじぃーちゃんの遺影に泣いた時だった