上の人がした単純な質問に『詩的に』答えるスレ・2

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昔、川を船で下っていたときの事故で、
岩の間に水圧で閉じこめられたことがある。
それはそれは、苦しかった。
すぐ頭上には水面があるのだが、それを抜けるには
体重の何倍もの水圧に打ち勝たねばならなかった。

だけど何故か私の頭は冴えわたり、
水圧に負けず頭を巡らせて逃げ道を探した。
足許に岩の隙間がある。
そこを通れば逃げられるかもしれない。
私は身を捩ってその隙間に足の先から入り込んだ。

そして――抜けた。
明るい太陽の下、同行していた仲間達が私を見ている。
ほんの数秒だと思っていたが、
彼らにとっては数時間にも思えたという。

その事故以来、私はどのような場面においても
必ず「足許の抜け道」を探すようになった。
以前であれば心労のあまり呼吸もできなくなるような
状況にも何度となく陥ったが、
そのようなときはいつも水圧の下の自分を思い浮かべると
頭が冴えてくるようになった。

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頭の中に星が見えることって、ありませんか?