325 :
脚立:
「象徴という意味での看板」
アスファルトの下から看板を見上げます。
僕はいつでもそうしています。
看板にはなにも書かれていませんが、それの示すものはわかるんです。
僕にはそれがわかるんです。
僕は看板を下からしか見れません。
横から見れば具体的なこともわかるんでしょうけれど、下からしかみれないんです。
下から見る看板には何も意図はないのです。
意図のなさに、その意図を見出すのが、素敵なのです。
素敵なのです。
僕ももうすぐ横から見れる立場になります。
だけどそのときにはもう看板は取り壊されてしまっているでしょう。
下から見る看板だけが僕にとっての看板なのです。