*****

このエントリーをはてなブックマークに追加
348 ◆317..n/Ke6

思い出せそうで思い出せないもの
過去の記憶の一片や夢の遠く儚い残像
何度掬ってもこの手から次々と零れ落ちる

永遠に失われた美しい思い出の輪郭は
遥か彼方に揺らめく陽炎
おぼろげに細く優しく映しだす旋律

ふいに音色は眩しく光り輝くほうき星となり
望みへと向かうひとすじの琴線を
いつまでもどこまでも響かせていく
まるで錬金術師に操られたかのように

意識の果てを照らしだす音の先
そこには追憶の世界が広がる