916 :
葬送曲:
白い薔薇の花弁がはらりと落ちて
舞い散る雪が視界を朧に包む
音を失った白い世界が何故か悲しくて
焦りにも似た苛立ちに小さく喘いだ
ドウシテアナタハコナイノ?
ずーっとココで待っているのに
ずーっと此処で待っていたのに
雪の白さに意識が融解して逝く
切り離された空間に静かに喘いだ
ドウシテアナタハコナイノ?
何も知らされないまま…待つ事しか出来なくて
何も知らされないから…待つ事すら出来なくて
貴方が来るまで…と、待ち続けたのに
無音で舞い散る雪が何故か悲しくて
嘆きにも似た苛立ちに小さく喘いだ
雪の白さに全てが融解して逝く…―――――――――。