てるてる坊主
からっきし雨が降らないのはテルテルボウズが首を吊ったからである。
都会に潤いを唱えよう。とプラカードを掲げて押し寄せる群衆に、政治改革メス入りか。
テルテルボウズとはもともと尼僧であり、
昔は仏様と呼ばれ、薬師三尊像と並び大切に安置されていた。
しかしある雨の夜、女芯がかゆくなってしまったテルテルボウズは、
村の若者を誘って寺を出て行ってしまった。それを知った法主は激怒し、
仏教の戒律を破った罰として、テルテルボウズが金輪際仏門にくぐるのを禁止してしまったのである。
こうして世捨て人のようになった二人であったが、その生活は満たされた。
でも幸せは長く続かなかった。若者は労咳を患い死に、テルテルボウズは天涯孤独の身となったのである。
また女芯がかゆくなってしまったテルテルボウズは娼婦になることを決め、新たな幸せを得るのであった。
そして沢山産まれた子ども達が現在のテルテルボウズ達である。
孤児となったテルテルボウズの子供たちは見知らぬ家に次々と引き取られ、下男下女として働くこととなる。
今日の教育改革に盛り込まれた提案
1案、ボウズと気軽に言ってはならない。
2案、無闇矢鱈に拝みたおしてはならない。
3案、お礼は現金ですること。
テルテルボウズは実は否認の仏様である。
そして淋しさには、ポツリポツリと水がしたたるのである。
4案、少年少女にちり紙を与えてはならない。