680 :
名前はいらない:
繋いだ手を離したら
大切な貴女は夕闇に目覚めた
夢にまどろむ僕を呼んでいる
グラスにさした一輪の
真赤な薔薇
太陽に焦がされ
涸れ行く水
貴女はただ失くした僕を
探して風を切る 黄昏の中を
夜の闇
目覚める僕
貴方を探して大地を踏む
枯れた薔薇をもって
もう近づく明日の足跡
でも貴女は見つからない
そして僕は
薔薇を失くした
貴女を失くした
僕を失くした
『夢』
なぜ人の
夢は輝く
こんなにも?
それはギラつく
欲の分だけ
なぜ人の
未来は薔薇色
こんなにも
それは使った
人の数だけ
なぜ人は
追い求めるのか
これほども
なぜなら人は
人であるから
静かに奏でる
目覚めの呪文
でももう目を開けることはない
もう
見るものはないから
喜び 悲しみ 憎しみ 愛
そんなものより
真実を握り締めたい
大きな風はそれさえも
さらって
大きな波はそれさえも
さらって
ここに残るは一握りの
白い砂
穢れ無き砂
でもそれもさらわれてゆく
一応三つどれがいちばんいいですか?
三部作ってわけでもないんで
いまこの道を歩く
転がる運命にケチつけて
いまこの道を歩く
止まった世界にケチつけて
目指しているのか
逃げているのか
ここはどこなのか
いまこの道を歩いてる
自分の信じる道を歩いてる