〜〜詩で遊ぼう!投稿梁山泊 3rd edition〜〜

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町にはいろんな人が歩いてて
だけどそのうちのほとんどが一生触れ合うことのない人
いろんな人が歩いてるのだけど
かわいい女の子はめったにいなくて
でもたまには歩いてて

ひとりでこっちへ歩いてくる女子高生が
すごくかわいくて
すれちがうのがうれしかった
においを嗅いでみたりしようかな
でもにおいを嗅がなかったのは
女の子がひとりごとを呟いた

「せつないなぁ」

ってよく通る小さな声で

だから
815_:02/10/23 12:55 ID:WiHIZ8by
ぼくは今すれちがった女子高生を
その背中を抱き締めてあげようと
はげしい思いに突き動かされて早足で
彼女まであと最後の思いきりの距離まで
近づいたのだけど

上から枯葉がふってきて
それがぼくらのあいだに
越えられない壁をつくった

壁のむこうで
彼女は止まることなく歩いていって
ぼくは壁を前に
立ち尽くすしかできなかった

足元には虫みたいなブナの枯葉が
ぼくをじっと見つめてて
ふと上を見あげると
枯葉が降ってくるような木はどこにもなくて
幾何学模様の空があるだけだった